ゆるめるモ!(You'll Melt More!)の徹底解説まとめ

ゆるめるも!(You'll Melt More!)とは、フリーライターの田家大知がももいろクローバーの「ピンキージョーンズ」に触発されて、「辛い時は逃げてもいいんだよ」をテーマとして自ら街頭でスカウトして集めてきたメンバーで結成された女性アイドル・グループ。名前の由来は「(窮屈な世の中を)ゆるめる」というメッセージと「You'll melt more!(あなたをもっとトロけさせたい)」という2つの意味が込められている。

──「知ってはいけない真実のお話」のもねさんのストーリーテラーぶりは凄いですね。ゼウスと地球の関係を綴った物語の構成力も、声優顔負けの語りも。

もね:自分で物語を考えたんですけど、ちょっと頭がおかしい人みたいな感じですよね?(笑)

JOJO:いや、素晴らしいですよ。語りはノーミスで一発OKで、プロの声優さんみたいでした。語りはもうひとつ、あのちゃんが考えたお話のナレーションに美川さんがノイズを操る「渋谷夢想」というトラックがあるんです。かなりぶっ飛んでて強烈ですよ。

──「知ってはいけない真実のお話」を書くにあたって何かモチーフはあったんですか。

もね:モチーフは特にないんですけど、私はもともと映画が好きなんです。自分で映画を撮るとしたらどんな物語にするか頭にいくつかあって、その中のひとつみたいな感じですね。30分くらいで考えたお話なんですけど。
──もねさんと同じく語りのトラックを務めたあのさんに対抗意識を燃やしたりは?(笑)

もね:それは全然なかったです。お互いに考えることが全然違うだろうし、自分らしさをそのまま出せば正反対のものができると思ったから、全然気にしませんでした。

──もねさんはさっきも話に出た「ノイズ印象派宣言」で用意されたあらゆるパーカッションを乱れ打ちしているし、実に多才ですよね。

JOJO:天才ですね。グロッケンもティンパニも全部叩いてもらったんですが、凄く器用だしセンスがありますよ。

もね:パーカッションをやったことはなかったんです。吹奏楽部だったので、フルートは吹いていたんですけど。

JOJO:ゆるめるモ!のバンド編成の時はドラムを叩いてますよね。

もね:それもライブで4回くらいしかやってないんです。練習時間は全部合わせて5、6時間くらいですかね。

ようなぴ:私もベースは全部で3時間くらいしか練習してないです(笑)。

JOJO:去年の8月に恵比寿のリキッドルームでゆるめるモ!のワンマンがあって、それに僕もゲストで出させていただいたんですけど、彼女たちが割と簡単な曲をバンドでやってたんですよ。もねちゃんがドラム、あのちゃんがギター、ようなぴがベースで、その演奏を見た時に「これは赤痢だ!」と思ったんです。僕の中でイメージがつながったんですね。

──ようなぴさんは「nose no(i)se nose」で美川さんとノイズ・バトルを繰り広げていますが、なんでもお風邪を召していたそうで。

ようなぴ:そうなんです。ちょうど咳と鼻水が酷い時で、これは鼻をかむ音をノイズで入れるしかないと思って(笑)。そしたら本番になって意外と鼻水が治まっちゃって、あまり本領が発揮できなかったんです。一発録りだったし、ちょっと悔しい思いが残りましたね。

JOJO:美川さんが持ってきた機材に感動してましたよね。

ようなぴ:エフェクターとか、普通の楽器では使わないような機材がいっぱいあって驚きました。

──JUNKOさんのスクリーミングを間近で聴いて圧倒されませんでしたか。

もね:ちーぼうがJUNKOさんとバトルしたんですけど(「JCB68」)、ホントに凄かったですね。ちーぼうの声がどんどんかすれてきてるのに、JUNKOさんは全然声がかすれなくて。

──美川さんのプレイももの凄い迫力だったんじゃないかと思いますけど。

ようなぴ:見た目は凄く優しい人にしか見えないけど、出す音が凄すぎましたね。

JOJO:まぁ、「ちびでハゲ」ですけどね(笑)。

──ノイズと言っても、ただムチャクチャにやればいいというわけでもないだろうし、いろいろと試行錯誤されたんじゃないかと思うのですが。

もね:あまり深く考えず、その時に感じた通りに叩くようにしました。

ようなぴ:私は美大の授業で即興音楽をやった経験がちょっとあるんです。それを思い出して楽しくできましたね。

──即興演奏をやる授業があるって凄いですね。

ようなぴ:ヲノサトルさんっていう作曲家の先生のゼミを取ってたんです。

JOJO:だから素養があったんですね。みんなノイズのことはよく分からないと言ってますけど、ホントに何も分からない女の子にいきなりノイズをやってもらおうとしても何もできないですよ。それができちゃうってことは素養がある証拠ですよね。アイドルって歌や踊りはもちろん、喋りやコミュニケーションにも長けていて、マルチじゃないとやれないじゃないですか。だから瞬時に理解する対応力が優れているんだと思います。

出典: rooftop.cc

左から、ようなぴ、JOJO広重氏、もね。

──聴き所は多々あるのですが、タイトルトラックの「解体的交歓II」のオールスターによる怒濤のノイズ・セッションは度肝を抜く壮絶さですね。本作がこのトラックを残しておくための作品であると言っても過言じゃないくらいの即興演奏で。

JOJO:まるで宇宙の果てに飛び出すみたいなノイズで、ホントに凄い演奏ですね。後半の音の盛り上がり方とか、昨今のノイズ作品全般の中でもかなり素晴らしい水準だと思いますよ。

──資料によると、広重さんいわく「ゆるめるモ!はノイズの固定概念の壁を易々とぶち壊す術を教えてくれた」とのことですが、ゆるめるモ!がノイズの概念を突き破ることができたのはなぜなんでしょう。

JOJO:ひとつには、彼女たちがノイズのことをあまりよく分かっていなかったこと。それと若さ。「よく分かんないけどやっちゃえ!」って発想は年長の人よりも瞬発力がありますよね。あと、短期間でいろんなことを理解して吸収する素養は、ここ何年かのゆるめるモ!の活動の中で培ってきたものだと思うんです。彼女たちはそれに気がついてないかもしれないし、僕もまだ知り合って日が浅いですけど、みんな会うたびに凄く成長してるんですよ。今回のアルバムでの経験も彼女たちはすっかり吸収しただろうし、今度やる坂田 明さんとのライブも余裕でやれると思うんです。

──もねさんとようなぴさんは今回のレコーディングからどんなことを吸収できましたか。

もね:即興でノイズをやることの楽しさですかね。今まで何回かライブをご一緒して、共演すること自体は楽しかったんですけど、即興演奏に対してちょっと苦手意識があったんですよ。「即興でドラムをやんなきゃいけないのかぁ…」って(笑)。でもレコーディングをやってみて、意外と楽しいんだなって思いました。

──自由奔放にやれることが楽しいと?

もね:いや、私は自由にやるのがけっこう苦手で。即興演奏って練習して臨むものじゃないから、練習できないのが逆に難しかったんです。

ようなぴ:私は逆に、感覚的にやるほうが好きなタイプなので、こういう即興演奏はこれからもっとやってみたいと思いましたね。機材に触るのも凄く面白かったし。

JOJO:もねちゃんは岡野(太)さんにドラムをちょっとコーチしてもらったんですけど、「才能があるから勉強したらいい」って言ってましたよ。

もね:ホントですか? 去年、Deerhoofが来日した時に共演させてもらって、ドラムの人(グレッグ・ソーニア)の演奏を見て、こんなに格好良くドラムを叩く人がいるんだ!? って思ったんですよ。

JOJO:Deerhoofのグレッグはもともと僕らのファンだったんです。昔、非常階段のアルバムをよく聴いてたとステージでも話してましたからね。そうやってどこかでいろんなことがつながってるものなんですよ。ゆるめるモ!がNEU!のオマージュをしていたことで僕らがつながれたように。

──毎年春恒例の「JAZZ非常階段」が、今年はゆるめるモ!と合体した「JAZZめるモ!階段」としてどんなライブをやるのかが楽しみですね。ゆるめるモ!がピットインのステージに立つのも痛快ですし。

JOJO:しかも坂田 明さんと一緒にやるっていうのがね。どこまでジャズを冒涜すれば気が済むんだ!? って感じで(笑)。何と言うか、限界を超えたいんですよ。真っ当にジャズをやってピットインに出ましたってことじゃなくて、「こんなやり方だってあるんじゃないか?」っていうのを見せたい。ノイズにしてもアイドルにしても、ひとつの考え方じゃなくていろんな切り口があってもいいと思うんです。そんなことをやっていれば、こんな世の中でも少しは希望が出てくるんじゃないかと思って。

──音楽ビジネスが斜陽産業と呼ばれて久しいですからね。

JOJO:少し角度を変えればいろんなことができるのを示していきたいんです。ゆるめるモ!がジャズの殿堂であるピットインに出られるなんて、去年の今頃は考えられなかったじゃないですか。でも、こうして共演を重ねて、アルバムを一緒に作ればお互いにいろんな可能性が増えてくる。

──コラボレーションの相性も良いし、これからも両者が共演する場がもっとあるといいですね。

JOJO:まぁ、彼女たちはアイドルが本業ですからね。この先メジャーに行かれて、アイドルとしてもっと躍進していかれると思うし、僕らはアウトサイド側の人間なので。ゆるめるモ!が今後本格的にブレイクしたら、今回のアルバムは彼女たちの黒歴史になるのかなと思ってるんですけど(笑)、それはそれでいいかなと。

もね:ゆるめるモ!のお客さんは好奇心旺盛な人が多いから、これまでの非常階段との共演も凄く楽しんでくれたんですよ。新しい音楽に触れられたって人もいたし、もともとノイズに詳しい人もいるし。

JOJO:アイドルのお客さんは耳が自由なんです。生粋のフリージャズ・ファン、ノイズ・ファンのほうがよっぽど閉塞的で、アイドルとノイズの融合を見下す傾向にありますね。それに比べてアイドルのファンはアヴァンギャルドも聴くし、ロックも聴くし、自由に音楽を聴くのを楽しんでいる。『解体的交歓』のジャケットは高柳昌行と阿部薫の『解体的交感』のパロディなんですけど、フリージャズとアイドルって対極にあるじゃないですか。そういう真逆の世界をつなげて面白いことをやっていきたいんです。

──異種交配を重ねることでノイズの可能性をもっと広げていけますしね。

JOJO:自分たちを凌駕するくらいのノイズ・バンドが全然出てこないのに、“ノイズの王様”と言われてるのがつまらないんですよ。僕らの世界には純粋にノイズを突き詰めるほうが正しいみたいな風潮があるけど、それよりももねちゃんとあのちゃんと一緒に語りのトラックを作ったりするほうが痛快なんですね。こんな作品がメジャーから出るのも痛快ですしね。これで『JOJO広重を武道館に連れてって』が実現すれば、もっと痛快なんですけど(笑)。

もね:5月の赤坂ブリッツのワンマンまでは今のところゲストでお連れできそうですね(笑)。

JOJO:ゆるめるモ!は海外のアヴァンギャルド・シーンでも凄く受けるはずなので、タイミングが合えば是非お連れしたいんですよね。

ようなぴ:『ゆるめるモ!を海外に連れてって』ですね(笑)。

JOJO:じゃあ、武道館と交換条件にしましょうか(笑)。

出典: rooftop.cc

CD帯裏より
JOJO広重氏:「非常階段」がセレクトしたアーティストとのコラボ・シリーズ「非常階段×」。
その第一弾に選ばれたのはアイドルグループ「ゆるめるモ!」である。
彼女たちとは2014年12月に『非常階段featuringゆるめるも!/解体的交歓』というライヴアルバムをリリースしているが、今回は全曲スタジオ録音。
「非常階段」の爆音ノイズにひるむことなく、若さあふれる「ゆるめるモ!」がノイズと歌と語りでぶつかってきてくれたレコーディングとなった。
これは従来の概念を超えた、最高に楽しいノイズアルバムだ。

CDブックレットより
JOJO広重氏:非常階段がセレクトしたアーティストとのコラボ・シリーズ「非常階段×」。その第一弾はアイドルグループ「ゆるめるモ!」とのコレボになった。ゆるめるモ!とは2014年12月に『非常階段 featuring ゆるめるも!/解体的交歓』というライヴアルバムをリリースしているが、今回は全曲スタジオ録音である。また「解体的交歓」がゆるめるモ!の楽曲に非常階段が即興でノイズ演奏を添える形で進行したのに対し、今回は非常階段の提案した録音アイデアにゆるめるモ!が添う形で制作された。
私、JOJO広重が今回のアルバムコンセプトとして考えたのは、1970年代にリリースされた『カメカメ合唱団』や、アルケミーレコードの『愛欲人民十二球団』のようなオムニバスアルバムのイメージだった。歌あり、音楽あり、語りあり、ドラマあり、お遊びありみたいな、全体のコンセプトは、もちろんノイズありきなのだが、ゆるめるモ!の少女性、アイドルならではの存在感がそこにユニークな彩りを放てば、今までのノイズ作品にはありえなかったアルバムが完成すると思ったのだ。その目論見は見事に成功したと思っている。

*カメカメ合唱団:当時、ニッポン放送の人気DJで1999年から2005年までニッポン放送代表取締役社長であった亀渕昭信と、フォーク・シンガーの泉谷しげるが結成したユニット。
シングルとアルバムをそれぞれ1枚ずつ残しており、コミカルなフォーク・ソングといったタイプの楽曲が多かった。

カメカメ合唱団「人生はピエロ」。

*愛欲人民十二球団:1990年にアルケミー・レコードからリリースされた、関西のインディーズ・バンドが集まって作成された「下らなくも真剣な音の数々」。
「非常階段」はもちろんのこと「想い出波止場」「赤痢」「コンチネンタル・キッズ」「アウシュヴィッツ」などのメンバーが集まって、「広島カーブド・エア」「横浜大洋闇夜にホエールズ」「南海ホークウインド」といった、当時のプロ野球十二球団をもじった楽曲を披露していた。
1992年には「愛欲人民バトルロイヤル」、2000年「愛欲人民二十一世紀」といった作品もリリースされている。

「愛欲人民十二球団」。

アルバム・タイトルは日本のガールズ・パンク・バンド「赤痢」の1988年リリースの「私を赤痢に連れてって」のオマージュ。

「私をノイズに連れてって」に収録されている「睡魔」は、この赤痢の楽曲のカヴァー。

元々「私を赤痢に連れてって」は1987年に公開された映画「私をスキーに連れてって」をもじったものであり、この「私をスキーに連れてって」というタイトルも、1908年に作曲されたアメリカの古いモベルティ・ソング「私を野球に連れてって(Take Me Out to the Ball Game)」から取られている。

アルバム・ジャケットはアメリカのロック・バンド「The Beach Boys」のオマージュ。
JOJO広重氏:「私を赤痢に連れてって」はそもそも「私をスキーに連れてって」が元ネタなんですよ。ビーチ・ボーイズはサーフボードを抱きかかえていたけど、僕らはスキー板をかつごうと思ったんです。その辺、あまりひねりはないですね(笑)(Rooftop:2015年3月号)。

*赤痢(せきり):1983年8月1日、京都で結成された日本のガールズ・パンク・バンド。
放送禁止になりそうなストレートな歌詞や、気だるい感じのサウンドが特徴。1995年に解散。

赤痢「LOVE STAR」。
1988年リリースのミニアルバムで、「睡魔」が収録されている。

*The Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ):1961年に結成されたアメリカのサーフ・ロック・バンド。
1966年の「ペット・サウンズ」あたりから、音楽的に非常に濃いアルバムのリリースが始まり、イギリスのザ・ビートルズの良きライヴァル的存在となった。

The Beach Boys「SURFER GIRL」。
このアルバム・ジャケットのオマージュ、という訳ではないが、The Beach Boys のアルバム・ジャケットの一例として載せておく。


楽曲概説

01. Take Me To The Noise
Music by 非常階段
Songs arrangement:非常階段
JOJO広重(guitar)
T.美川(electronics)
JUNKO(Vo)
岡野太(Dr)

JOJO広重氏:『私をノイズに連れてって!』とゆるめるモ!に頼まれて、よっしゃあいくぜ!と早速ノイズの旅に出発進行。非常階段メンバー4人による演奏です(CDブックレットより)。

イントロの「私をノイズに連れてって!」はゆるめるモ!によるナレーションであるが、残りは非常階段単独によるノイズ。

本アルバム全体に言えることだが、この手のノイズに耐性がないと、聞き続けるのは少し辛い作品かも知れない。

02. 睡魔
Words by みゆ / Music by 赤痢
Songs arrangement:非常階段
JOJO広重(guitar)
岡野太(Dr)
あの(Vo)
けちょん(Vo)
もね(Vo)
しふぉん(Vo)
ちーぼう(Vo)
ようなぴ(Vo)
Guest:ハシダカズマ(guitar)

JOJO広重氏:1980年代~90年代前半に活躍した京都のガールズ・パンク・バンド、”赤痢”。彼女たちの代表アルバムには『私を赤痢に連れてって』というタイトルのものもあります。この「睡魔」は赤痢の1988年発表のミニアルバム『LOVD STAR』収録の赤痢の代表曲。”私の夫はちびでハゲ”を歌っているのはあの、もね、ちーぼうの順、”誰かなんとかしてくれ”を歌っているのはけちょん、しふぉん、ようなぴの順です。

京都のガールズ・パンク・バンド、赤痢の楽曲のカヴァーなのだが、そのゆるさといい、歌詞のシュールさといい、ゆるめるモ!にぴったりな楽曲に聞こえる。本アルバムの中で、アイドルとしての「ゆるめるモ!」を求めている人が、唯一納得できる楽曲かも知れない。

この楽曲にのみ、ゲスト・ギタリストとして「箱庭の室内楽」のハシダカズマ氏が参加している。

非常階段 × ゆるめるモ!「睡魔」。

赤痢「睡魔」。

03. 知ってはいけない真実のお話
Short Story by もね / Music by JOJO広重・岡野太
Songs arrangement:非常階段
もね(narration)
JOJO広重(guitar)
岡野太(Dr)

JOJO広重氏:このアルバムのコンセプトである「語り」を担当してくれたのは、ゆるめるモ!のもねちゃんでした。深遠な宇宙と生命の神秘をフィクション仕立てで語ってくれています。もねちゃんの素敵なおしゃべりは声優さんのようです。

もねのナレーションに、JOJO広重氏のギターと、岡野太氏のドラムスがバックでノイズを奏でる、といった構成。

もねがナレーションしているストーリーは彼女自身が創作したもの。CDには歌詞カードが付いていないので(というか、必要ないので)このストーリーを文章で味わうことは出来ないが、短いながらも寓意や教訓を含む、理路整然とした非常に良くできた内容なっている。

04. Noise Guitar Jamboree
Music by JOJO広重・あの
Songs arrangement:非常階段 × ゆるめるモ!
JOJO広重(guitar)
あの(guitar, toy gun)

JOJO広重氏:あのちゃんはゆるめるモ!の中でも一番不思議な雰囲気を持った女の子で、だからこそこういうアヴァンギャルドな世界にはすぐ融和してくれるのではないかなと期待していましたが、ここではJOJO広重とのギターバトルを凄まじいノイズ演奏で展開しています。まるで宇宙空間ならのノイズのようです。すごいです。

05. JCB68
Music by JUNKO・ちーぼう
Songs arrangement:非常階段 × ゆるめるモ!
JUNKO(Vo)
ちーぼう(Vo, toy gun)

JOJO広重氏:私(JOJO広重)が悪いことをして妻のJUNKOさんが延々と怒りくるっている、横で娘(実際には娘ではないがもしいたとしたら)のちーぼうが延々と泣きじゃくっている、私は一言も発せないでいる、みたいなことをイメージしてこの音源を聞くと、想像が広がります。というか、頭の中にはもうその現場の状況しかないです。

JUNKOさんとちーぼうによるスクリーミング(叫び声)バトル。

これはどちらがどのスクリーミングかは聞き分けられる。つまりよりけたたましく甲高いスクリームングがJUNKOさんである。

これを聴いていると、オノ・ヨーコさんのスクリーミングがイージー・リスニングに聴こえてくる。

06. nose no(i)se nose
Music by T.美川・ようなぴ
Songs arrangement:非常階段 × ゆるめるモ!
T.美川(electronics)
ようなぴ(electronics, nose noise)

JOJO広重氏:レコーディングの時、ようなぴは風邪をひいていて、終盤にはマイクに向かって鼻をかむ音を録音していました。美川さんはかつへHANATARASHIの山塚くんとのデュオの録音トラクをINCAPACITANTS名義でアルケミーレコードに音源を残したことがあります。その時のことを思い出しました。

T.美川氏とようなぴによる、electronics(電子楽器のようなもの)バトル。

07. Red Lip Cream
Music by JOJO広重・岡野太・しふぉん
Songs arrangement:非常階段 × ゆるめるモ!
JOJO広重(guitar)
岡野太(Dr)
しふぉん(bass, vo)

JOJO広重氏:非常階段の36年の活動歴のうち、ベーシストが入って演奏したライブはあまり多くありません。しふぉんがドゥームメタルかハードコアかというようなベースを弾いてくれたので、非常階段史上でも珍しいレコーディング・トラックになりました。

JOJO広重氏のギターと、岡野太氏のドラムスにしふぉんがベースとスクリーミングで参加したノイズ。

大音量のノイズに埋まってしまって、なかなかしふぉんのベース・プレイを聞き分けることは難しいが、確かにハード・コア・パンクのようなベースをプレイしている。

ゆるめるモ!の「うんめー」のミュージック・ヴィデオの冒頭に各メンバーが自己を語るシーンがあるが、その中でしふぉんは「ラウドが好きなのでその手の音楽もやりたい」と語っているので、今回の非常階段とのコラボは彼女にとってはとても大きな経験になったのかも知れない。

08. MJK(Modern Jazz Kechon)
Music by T.美川・JUNKO・けちょん
Songs arrangement:非常階段 × ゆるめるモ!
T.美川(electronics)
JUNKO(Vo)
けちょん(Vo)

JOJO広重氏:けちょんは前回の『非常階段featuringゆるめるモ!/解体的交歓』には病気欠席で参加できなくて悔しい思いをしたはずです。私たちもけちょんに参加してほしいかったので、今回はT.美川 & JUNKOという世界的に有名なノイズ・プレイヤーとの夢のトリオで共演していただきました。

JUNKOさんとけちょんのスクリーミング・バトルのバックにT.美川氏がノイズを挟み込む、という構成。

ちーぼうとのスクリーミング・バトルと同じく、よりけたたましく甲高い方がJUNKOさんである。

09. ノイズ印象派宣言
Music by 岡野太・もね
Songs arrangement:非常階段 × ゆるめるモ!
岡野太(Dr)
もね(timpani, glocken, djembe, fire bell, titanic bell, steel can, bass drum, rototom)

JOJO広重氏:もねちゃんにとびっきり華麗なパーカッションを用意したのですが、彼女は全楽器をプレイしてくれました。彼女の音楽センスや器用さには感心しました。私は”ツトムヤマシタ”を想起しました。ドラムとパーカッションのコラボをお楽しみください。

岡野太氏ともねによるパーカッション・バトル。

パーカッションによる共演なので、これはノイズというよりも例えば、フランスの作曲家「エドガー・ヴァレーズ」あたりの現代音楽に近いのかも知れない。

ドラム・キット以外のパーカッションをもねが担当しているので、音の判別は割と判りやすい。JOJO広重氏も語っているように、もねにはかなりの音楽的センスがあるように思える。

本アルバムの中では「睡魔」に次いで聴き易い楽曲かも知れない。

10. 解体的交歓Ⅱ
Music by JOJO広重・T.美川・JUNKO・もね・けちょん・しふぉん・ようなぴ・あの・ちーぼう
Songs arrangement:非常階段
JOJO広重(guitar)
T.美川(electronics)
JUNKO(Vo)
岡野太(Dr)
もね(Dr)
けちょん(vo)
しふぉん(bass)
ようなぴ(electronics)
あの(guitar)
ちーぼう(vo)

JOJO広重氏:『非常階段featuringゆるめるモ!/解体的交歓』のライヴの時に最後に行った即興セッションは、ノイズがまたひとつの壁を越えた瞬間だったと思っています。ノイズは自由な音楽なはずなのに、ノイズという固定概念をなかなか越えられない音楽でもあると、ここ数年感じていたのですが、ゆるめるモ!は我々にその壁を易々とぶち壊す術を教えてくれました。このトラック終盤の宇宙の果てに飛び出すようなノイズ、本当にすごい演奏です。

確かにこれは凄い演奏。音圧といい、各楽器とスクリーミングのカオス状態といい、思考や感覚を通り越して、脳にストレートに伝わってくる。終盤にかけてどんどんと盛り上がってくるノイズの渦は、人間の根源的な激情を抉り出してきて、目の前に披露されたような気にさせてくれる。

11. 渋谷夢想
Short Story by あの / Music by T.美川
Songs arrangement:非常階段
あの(narration)
T.美川(electronics)

JOJO広重氏:あのちゃんはすごいです。圧巻です。この言葉とストーリーの秀逸さは、ある意味で”安部公房”をも超えたと言っていいのではないでしょうか。美川さんがストーリーを聞きながらノイズを操る姿がほほえましいです。

「知ってはいけない真実のお話」がもねのナレーションに、JOJO広重氏のギターと、岡野太氏のドラムスがノイズを奏でる、といった構成だったのに対し、こちらはあののナレーションにT.美川氏がバックでノイズを奏でる、といった構成になっている。

あののナレーションはノイズの中の一服の清涼飲料水的な、ゆるくキュートな声なのだけれど、彼女自身が創作したストーリーは、スプラッターであり、シュールであり、カオス。

12. Take Me To The Noise Forever
Music by 非常階段
Songs arrangement:非常階段
JOJO広重(guitar)
T.美川(electronics)
JUNKO(Vo)
岡野太(Dr)

JOJO広重氏:非常階段のノイズの旅は永遠に続きます。ノイズは続くよ、どこまでも。ゆるめるモ!とのコラボは本当に楽しかった。また一緒に出来るといいね!

ラストは非常階段単独による楽曲。

JUNKOさんのスクリーミングは「たすけてぇ~!」と聴こえ(実際にそう叫んでいるのだろう)、一種の恐怖すら感じさせる演奏になっている。

3月18日:私をノイズに連れてって アルケミー・レコード通販限定特典CDR

特典CDRのため、ジャケットはありません。

私をノイズに連れてって アルケミー・レコード通販限定特典CDR
名義:非常階段 featuring ゆるめるモ!
参加メンバー:もね、あの
発売日:
レーベル:アルケミー・レコード
規格:CDR

収録曲
01. 知ってはいけない真実のお話 (アカペラ)
02. 知ってはいけない真実のお話 (カラオケ)
03. 渋谷夢想 (アカペラ)
04. 渋谷夢想 (カラオケ)

「私をノイズに連れてって」のCDをアルケミー・レコード経由の通信販売で購入した際に、特典として添付されてくるCDR。

楽曲概説
01. 知ってはいけない真実のお話 (アカペラ)
Short Story by もね
もね(narration)

「私をノイズに連れてって」に収録されていた同楽曲から、もねのナレーションだけを収めたもの。
バックのノイズが収録されていない分、語りに集中できるので、もねファンにとってはたまらない特典。

02. 知ってはいけない真実のお話 (カラオケ)
Music by JOJO広重・岡野太
Songs arrangement:非常階段
JOJO広重(guitar)
岡野太(Dr)

「私をノイズに連れてって」に収録されていた同楽曲から、バックのノイズだけを収めたもの。
スペイシーで意味ありげなノイズ、というよりも効果音的な楽曲になっている。

03. 渋谷夢想 (アカペラ)
Short Story by あの
あの(narration)

「私をノイズに連れてって」に収録されていた同楽曲から、あののナレーションだけを収めたもの。
バックのノイズが収録されていない分、語りに集中できるので、あのファンにとってはたまらない特典。

04. 渋谷夢想 (カラオケ)
Music by T.美川
Songs arrangement:非常階段
T.美川(electronics)

「私をノイズに連れてって」に収録されていた同楽曲から、バックのノイズだけを収めたもの。
こちらはナレーションの内容に合わせているのか、結構スプラッターな印象のノイズ、というよりも効果音的な楽曲になっている。

3月25日:Hamidasumo! 通常盤

Hamidasumo! 通常盤
名義:ゆるめるモ!
参加メンバー:けちょん、もね、しふぉん、ようなぴ、あの、ちーぼう
発売日:2015年3月25日
レーベル:SPACE SHOWER MUSIC
規格:マキシシングル

収録曲
01. Hamidasumo!
02. 難
03. 聞こえる
04. Hamidasumo! (Heaven & Hell Remix)
05. Hamidasumo! (Instrumental)

2013年4月20日にリリースされたデビュー・シングル「HELLO WORLD EP」以来、約2年ぶり、6人体制としては初のシングル。

通常盤以外に、初回限定盤として6人のメンバーが各自ソロをとるヴァージョンを収録した6パターンの計7形態でリリースされた。

7パターンで収録内容が微妙に異なる。
「Hamidasumo!(通常ヴァージョン)」と「難」は全パターンに収録されている。
「Hamidasumo!(ソロ・ヴァージョン)」は6パターンの初回限定ヴァージョンにのみ収録されている。
「1!2!かんふー!」はメンバーのソロ・ヴァージョン全てに収録されているが通常盤には未収録。
「Hamidasumo!(Heaven & Hell Remix)」と「聞こえる」「Hamidasumo!(Instrumental)」は通常盤のみに収録されており、初回限定盤には未収録。
「難(Instrumental)」はけちょん盤ともね盤のみに収録されている。
「1!2!かんふー!(Instrumental)」はしふぉん盤とあの盤のみに収録されている。
「聞こえる(Instrumental)」はようなぴ盤とちーぼう盤のみに収録されている。

SPACE SHOWER MUSICによる「Hamidasumo!」紹介映像。

2015年3月26日、ナタリーに掲載された対談より。

──ここからは「Hamidasumo!」について話を聞かせてください。まず、ゆるめるモ!の皆さんが「Hamidasumo!」を初めて聴いたときの感想は?

ハヤシ:目の前で言われるのドキドキするな(笑)。

けちょん:めっちゃテンション高いなあって思った。

ハヤシ:ははは(笑)。

けちょん:「みんなとわちゃわちゃできる楽しい曲がやっときたー」ってうれしかったです。早くライブでやりたいってすごく思ってた。

あの:今までになかったような曲だから新鮮でした。それでいて本当にいい曲だから、これをちゃんと自分たちで表現できるようにしたいな、楽しみたいなって思いました。

しふぉん:POLYSICSさんとゆるめるモ!の相性がすごくいいんだなあって。だから例えば「これはゆるめるモ!の曲です」って言っても、「POLYSICSさんの曲です」って言っても聴いた人は納得すると思う。それくらい今回お互いにすごくマッチしてると思いました。

ようなぴ:私、もともとPOLYSICSさんがすごく好きで、ライブにも行ってたんです。だから曲を作ってもらえてすごくうれしくて。しかも聴いてみたら、モロPOLYSICS!って感じの音だったし。歌詞もゆるめるモ!の自己紹介ソングになってて、バラバラなみんなの個性とか、これからやっていくぞ!みたいな気持ちとかがいろいろ詰め込まれてて、最高です。

──歌詞といえば、今までゆるめるモ!は小林愛さんがほぼ全曲歌詞を担当していたから、ハヤシさんが書いた歌詞を歌うのはグループにとって大きな変化だったのでは。

ハヤシ:そうだよねえ。だから俺も最初は「ずっと同じ人が歌詞を書いてるなら、俺は曲だけ書いて歌詞はその人に任せよう」って考えたんだけど、でもせっかくやるなら自分が全部作ったほうが面白いんじゃないかなって気になってきたんだよね。だから今までのゆるめるモ!の作風も意識しつつ、自分の色も出して歌詞を書いた。CDを全部聴いて、ライブも観に行って。実はこれの前にゆるめるモ!の曲として作ってたのがあったんだけど、ライブを観てたら「もっと違ったテンポ感の曲のほうがいいな」って思って、最初のは一旦なかったことにしてまたイチから作りなおしたんですよ。

出典: natalie.mu

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