ゆるめるモ!(You'll Melt More!)とは【徹底解説まとめ】

ゆるめるも!(You'll Melt More!)とは、フリーライターの田家大知がももいろクローバーの「ピンキージョーンズ」に触発されて、「辛い時は逃げてもいいんだよ」をテーマとして自ら街頭でスカウトして集めてきたメンバーで結成された女性アイドル・グループ。名前の由来は「(窮屈な世の中を)ゆるめる」というメッセージと「You'll melt more!(あなたをもっとトロけさせたい)」という2つの意味が込められている。

SUImin CIty DEstroyer
名義:ゆるめるモ!
参加メンバー:けちょん、もね、しふぉん、ようなぴ、あの、ちーぼう
発売日:2014年12月31日
レーベル:You'll Records
規格:ミニアルバム

収録曲
01. 眠たいCITY vs 読書日記
02. 波がない日
03. メルヘン
04. NNN
05. 眠たいCITY vs 読書日記(Instrumental)
06. 波がない日(Instrumental)
07. メルヘン(Instrumental)
08. Nnn(Instrumental)

ゆるめるモ!通算4枚目のミニアルバムで、ゆみこーん卒業後6人体制となってから初の作品となる。

本来はもっと早くレコーディングし、リリースする予定だったが、ゆみこーんが病気治療中であり田家氏の「ゆみこーん抜きでレコーディングはしたくない」という意向があったため、延期されていた。

残念ながらゆみこーんは治療に専念するために2014年12月17日に卒業している。

nhhmbase(ネハンベース)の中心メンバーであるマモルが2曲の楽曲作りに参加していることが話題を呼んだ。

*nhhmbase(ネハンベース):2004年に結成された、日本のロック・バンド。
変拍子や転調を多用する音楽性は数学的で構築的と言える。
2017年、中心メンバーだったマモルは新たに10人編成による「マモル&ザ・クリティカルヒッツ」を結成。

nhhmbase「一輪の花」。

アルバムのジャケットは表、裏ともにアメリカのロックバンド「Suicide」のデビュー・アルバム「Suicide」のオマージュ。

アルバム・タイトルの大文字をつなげると「SUICIDE」となる。

「Suicide」の表ジャケット。

「SUImin CIty DEstroyer」の裏ジャケット。

「Suicide」の裏ジャケット。

*Suicide(スーサイド):1971年、アメリカ、ニュー・ヨークで結成されたロック・バンドで、ヴォーカルのアラン・ベガ、シンセサイザーとドラムマシンのマーティン・レヴの2人組。
ゆるめるモ!にジャケットでオマージュされている彼らのデビュー・アルバム「Suicide」は評価が高く、アメリカの音楽雑誌「Rolling Stone」誌が選んだ「All-Time Best Album 500」では、441位にランクインしている。
2016年、ヴォーカルのアラン・ベガが亡くなってしまったため、バンドは解散。

Suicide「Ghost Rider」。


楽曲概説

01. 眠たいCITY vs 読書日記
作詞:小林愛
作曲:マモル
編曲:マモル
Programming::マモル(nhhmbase)

nhhnbase(ネハンベース)のマモルが楽曲を提供している。

最初に作詞を依頼した時点では、小林氏から「この曲でそのテーマは書けない」と言われたため、テーマを変えて書かれたとのこと。

小林氏:nhnbaseのマモルさんの曲です。すんごく曲が難しくて大変でしたが絶対いい歌詞書きたいなと思って
がんばりました。ゆるめるモ!版千夜一夜物語みたくしたのですがいかがですかね。毎曲、いい曲にしない
と命がないみたいな…。でも実際の千夜一夜物語って超つまんないどうでもいい話しもありますけど…(ひどもやま日記:2015年1月6日)。

タイトルの「眠たいCITY」はアルバム・タイトルの「SUImin CIty(睡眠シティ)」に呼応している。

メロディは非常に掴みづらい起伏に富んでおり、変調もかなり頻繁に行われる、少し難解な楽曲。

数学的で構築的で幾何学的な楽曲、といった印象で、歌いこなすのが大変そうに思えるが、確実に歌唱力が上がっているメンバーのヴォーカルからは、ワイワイ、キャピキャピとした可愛さだけでない「端正」な魅力が感じられ、そんな魅力を醸し出すのにはこの「眠たいCITY vs 読書日記」はまさにうってつけの楽曲だと言える。あるいは、この楽曲のおかげで彼女たちの新しい魅力が発掘されたと言えるかもしれない。

ゆるめるモ!「眠たいCITY vs 読書日記」。

02. 波がない日
作詞:小林愛
作曲:大星徹
編曲:大星徹
Programming:大星徹

「Unforgettable Final Odyssey」に「べぜ~る」を提供していた大星徹の作品で、ダブステップの手法を取り入れている楽曲。
*ダブステップ:太いベース音やリバーブを強くかけたドラムス、細切れにしたサンプル音の使用、といった特徴を持つ。

歌詞にはメンバーの名前が盛り込まれており、そこには卒業していったゆいざらす、ゆみこーんをもじったフレーズも登場する。

小林氏:夏のキラキラを感じる大星徹さんの曲は、好きな人が多いと思います!CDタイトルを聞く前に書き始めていたので、「ああ、なんか街って入ってるしいいかも」と思いました。そして他の曲にも「街」と「破壊」という言葉を入れることになります。色々をぎゅっと詰め込む樋口一葉スタイルでGO!(ひどもやま日記:2015年1月6日)。

「べぜ~る」は典型的なアイドル・ポップスだったのに対し、こちらは「眠たいCITY vs 読書日記」程ではないにしても、変拍子を含む多様な展開がある楽曲になっている。

途中に挟まれる早口でのラップや、歌詞の字余り具合にあえてメロディを合わせるテンポと旋律、ダブステップを利用したリズムの変化、学校のチャイムのフレーズの流用、と結構てんこ盛りな一筋縄ではいかない楽曲になっている。

もねが「櫻木百」名義で出演した2015年上映の映画「家族ごっこ」のエンディング・テーマに使用されている。

03. メルヘン
作詞:小林愛
作曲:マモル
編曲:マモル
Programming:マモル(nhhmbase)

「眠たいCITY vs 読書日記」と同様、nhhnbase(ネハンベース)のマモルが楽曲を提供している。

変拍子が多用されており「眠たいCITY vs 読書日記」以上に複雑な楽曲になっている。

歌詞の内容は、「アイドル」をテーマにしている。

小林氏:テーマがすぐ決まったのですぐ書けました。アイドルぽい歌詞にしようと心がけたんだけど…。
最後のへんのぐわ?ってくる感じにハッとする台詞をのせたいと思ったのです(ひどもやま日記:2015年1月6日)。

これまた複雑で実験的で独特な楽曲になっており、IDM(インテリジェント・ダンス・ミュージック)的な雰囲気に溢れている。
*IDM(インテリジェント・ダンス・ミュージック):独特なリズムやメロディー、実験的な要素を持つダンスフロア用とは限らないダンス・ミュージックの一種。

ここでのゆるめるモ!のヴォーカルも、今までとは異なる表情を見せており、これを「表現方法が広がっていることを示している」とみるか、「まるでよそ行きの服装を着こんでいる」とみるかで、この楽曲の見方は大きく分かれると思われる。

小林氏が「最後のへんのぐわ?ってくる感じにハッとする台詞をのせたいと思ったのです」と語っているとおり、歌詞はかなりドキリとする内容でもあり、ある種の諦念感を含んでいるようにも響く。

04. NNN
作詞:小林愛
作曲:ハシダカズマ
編曲:ハシダカズマ
Guitar&Programming&other instruments:ハシダカズマ(箱庭の室内楽)

ゆるめるモ!の楽曲としては、もはやおなじみとなった小林氏とハシダ氏のコンビによる楽曲。

読み方は「んんん」。

ゆるめるモ!初主演映画「女の子よ死体と踊れ」の主題歌である「人間は少し不真面目」のミュージック・ヴィデオの中でメンバーが踊っているのは、この「NNN」の振付である。ただし、撮影時には楽曲も振付も完成していなかったため、もねが演出のイメージに近い振付を提案している。

もね:このダンスは、ゆるめるモ!の「NNN」という曲の振り付けです。曲は確かに違いますが、あとから映像を観たらとても合っているような感じがしたので、良かったんじゃないかな、と個人的には思っています。「NNN」では生と祈り、というところに重きを置いていて、全体的に儀式のようなバレエ要素の高い振り付けにしていて、そういう意味では「人間は少し不真面目」と似ている部分もあるな、と思いました。映画の中で輪になって踊ってるところが1番好きなので、そこに自分の振り付けを入れてもらえたことが、あ、自分でも役に立てた!と思って嬉しかったです(笑)(ナタリー:2015年10月15日)。

ゆるめるモ!「NNN ~ 波がない日」。

ゆるめるモ!「人間は少し不真面目」。

小林氏:これこそ、最短で書けました。ハシダさんの曲は聞いた瞬間言葉が思いつくので悩むことがないです。
日に日に最短で書けるようになってきた。こういう日に聞いたら絶対ハマるぞ!と思ったことがあるので
早く「こういう日」がくるといいな?(ひどもやま日記:2015年1月6日)。

ゆったりとした大らかで淡い雰囲気で始まるアンビエント・ミュージック的な楽曲。

*アンビエント・ミュージック:直訳すると「環境音楽」の意味。漂う空気のように存在し、聞く人の気持ちを癒し、開放的にする音楽。元々はイギリスのロック・バンド「Roxy Music」のオリジナルメンバーであった「Brian Eno」が提唱した音楽で、フランスの現代作曲家「Eric Satie」の「家具の音楽(家具のように、そこにあっても日常生活を妨げない音楽、意識的に聴かれることのない音楽)」をモチーフにしている。

曲の後半でテンポ・アップし、前半で開放された聴き手の気持ちは、この後半で高揚感に包まれることになる。
まさにゆるめるモ!の新境地といった趣で、出色の楽曲となっている。

2015年

3月18日:私をノイズに連れてって

私をノイズに連れてって
名義:非常階段 × ゆるめるモ!
参加メンバー:けちょん、もね、しふぉん、ようなぴ、あの、ちーぼう
発売日:2015年3月18日
レーベル:テイチクエンタテインメント
規格:アルバム

収録曲
01. Take Me To The Noise
02. 睡魔
03. 知ってはいけない真実のお話
04. Noise Guitar Jamboree
05. JCB68
06. nose no(i)se nose
07. Red Lip Cream
08. MJK (Modern Jazz Kechon)
09. ノイズ印象派宣言
10. 解体的交歓Ⅱ
11. 渋谷夢想
12. Take Me To The Noise Forever

日本のノイズ・バンド、非常階段が始めた「ジャンルを超えたアーティストとの混ぜても安全! コラボ・シリーズ『非常階段×』の第一弾としてリリースされた、非常階段とゆるめるモ!のコラボ作品。

非常階段とのコラボ作品は、2014年12月17日にリリースされた「解体的交歓 ~真夜中のヘヴィ・ロック・パーティ~」がある。これは2014年9月26日に東京・渋谷マウントレーニアホールで行われたオールナイトイベント「第弐回 真夜中のヘヴィロック・パーティー」での模様を収録したライヴ作品であったが、今回は全曲スタジオ・レコーディング録音作品となる。

参加メンバーは以下の通り。
非常階段 are
JOJO広重(guitar)
T.美川(electronics)
JUNKO(Vo)
岡野太(Dr)

ゆるめるモ! are
けちょん
もね
しふぉん
ようなぴ
あの
ちーぼう

ゲスト:
ハシダカズマ(箱庭の室内楽)

Rooftop2015年3月号に掲載されたインタビューより。
非常階段のギタリスト、JOJO広重、もね、ようなぴがインタビューに答えている。

──昨年末に発表されたライブ盤はゆるめるモ!の楽曲に非常階段がノイズ演奏を添える格好でしたが、今回のスタジオ盤は非常階段の提案するアイディアにゆるめるモ!が添う形になっているとのことで。レコーディングに臨んで如何でしたか。

ようなぴ:ノイズの世界や非常階段の凄さをよく知らなかったんですけど、純粋に楽しんでレコーディングできました。

もね:私もノイズのことは全然分からなくて、最初は何をしたらいいのかな? と思って。何が正解なのかが分からなかったので、とりあえず楽器に囲まれた中で暴れ狂ってみました。その結果、スティックをへし折っちゃったんですけど(笑)。

──ああ、豪華なパーカッションが用意されたという「ノイズ印象派宣言」で。

もね:はい。でも凄く楽しかったです。

──そもそもどんなきっかけで両者が共演することになったんですか。

JOJO:四谷アウトブレイクで定例でやってる『自家発電』というイベントがあって、3年前にBiS階段としてライブをやったんです。去年の6月にそのvol.3があって、非常階段と組み合わせると面白いグループはいないかということで、ゆるめるモ!の名前が挙がり、そこで初共演となりました。と言うのも、ゆるめるモ!のアルバムにNEU!のファースト・アルバムのジャケットをオマージュしたものがあったり(2ndミニ・アルバム『NEW ESCAPE UNDERGROUND!』)、NEU!を意識した「SWEET ESCAPE」というクラウト・ロック調の曲があったりして、これは面白いなと思ったんです。僕らはジャーマン・ロックに多大な影響を受けてますからね。この四谷では「SWEET ESCAPE」1曲のみで共演しました。このコラボは凄く感触が良かったのですが、彼女たちはちょっと遠慮がちだったんですよ。もっと暴れていいのにと思ってたので、9月に渋谷マウントレーニア・ホールで再共演したんです。

──『解体的交歓』として音源化されたライブですね。

JOJO:あのライブは最高でした。じゃあもう一歩進んで、今度はゆるめるモ!の楽曲ではなく、ノイズの即興演奏で非常階段と彼女たちを組み合わせてみるとどうなるか? と思ってスタジオ盤を企画させてもらったんです。

──ゆるめるモ!のアルバム・ジャケットはNEU!ばかりではなく、WEEZERやGANG OF FOUR、ESG、SUICIDEへのオマージュもあるし、ニューウェイヴ色の濃いエレクトロ・サウンドが音楽性の特徴だから、ロック・ファンにも受け入れられやすいですよね。

JOJO:コアな音楽ファンが付いてるアイドル・グループですよね。衣装がDEVOっぽかったり、僕らが思わずキュンとなるツボをいつも押さえていて。バックトラックを作っていらっしゃるプロデューサーの方が僕らの感覚と近いので、非常階段とは親和性が高いと思ったんですよ。彼女たちにその辺の認識がどれだけあるのかは別にして、一緒に組むのは純粋に楽しいだろうなと思って。

──今回発表される『私をノイズに連れてって』は純然たるノイズ・アルバムと言うよりも、ノイズを軸に置きながら歌や語り、ドラマやお遊びを入れてみるという幕の内弁当的な内容ですね。

JOJO:ゆるめるモ!のファンもいきなり即興ノイズだけのアルバムっていうのはキツいだろうし、僕の中ではアルケミーレコードで昔出した『愛欲人民十二球団』や『愛欲人民バトルロイヤル』みたいなオムニバスがイメージとしてあったんです。歌もお喋りもドラマもお笑いも何でもあるようなコンピレーションをまた作りたいなと思って。ゆるめるモ!の6人はそれぞれ個性があるし、バラエティに富んだことがやれるんじゃないかと。それでもねちゃんとあのちゃんにお話を考えてもらったり、赤痢の曲をみんなにカバーしてもらったりしたんです。

出典: rooftop.cc

「愛欲人民バトルロイヤル」。

──アルバム・タイトルは『私を赤痢に連れてって』へのオマージュなんですか。

JOJO:そうです。アルケミーの代表作ですね。赤痢の「睡魔」をカバーすることだし、タイトルは赤痢のアルバムに絡めてみようと思って。あと、ゆるめるモ!はノイズのことをよく知らないということで、ノイズの世界にご招待しましょうという意味も込めて。

──ジャケットでビーチ・ボーイズを意識したのは?

JOJO:『私を赤痢に連れてって』はそもそも『私をスキーに連れてって』が元ネタなんですよ。ビーチ・ボーイズはサーフボードを抱きかかえていたけど、僕らはスキー板をかつごうと思ったんです。その辺、あまりひねりはないですね(笑)。

──赤痢の「睡魔」を唄ってみてどうでしたか。

ようなぴ:ヘンな歌だなぁと(笑)。何を唄っとるんじゃ、この歌詞は!? と思いました。

JOJO:今聴いてもシュールですよね。「あたしの夫はちびでハゲ」ですから(笑)。

もね:私は、大阪のおばちゃんが唄ってる歌なのかな? って(笑)。

JOJO:美川さんのことだと思わなかったですか?

もね:そんなことないです(笑)。こういう歌の世界もあるんだなと思いました。

──赤痢の曲を若い女性グループに唄ってもらうアイディアは広重さんの中でずっとあったんですか。

JOJO:やってくれそうな人たちがいませんでしたからね。以前、サエキけんぞうさんが初音ミクを使って「パチンコ」をカバーしてくれましたけど。赤痢はかなりきわどい歌詞があるんですが、さすがにそれをゆるめるモ!に唄ってもらうわけにいかないと思って「睡魔」を選んだんです。

出典: rooftop.cc

赤痢「私を赤痢に連れてって」。

──「知ってはいけない真実のお話」のもねさんのストーリーテラーぶりは凄いですね。ゼウスと地球の関係を綴った物語の構成力も、声優顔負けの語りも。

もね:自分で物語を考えたんですけど、ちょっと頭がおかしい人みたいな感じですよね?(笑)

JOJO:いや、素晴らしいですよ。語りはノーミスで一発OKで、プロの声優さんみたいでした。語りはもうひとつ、あのちゃんが考えたお話のナレーションに美川さんがノイズを操る「渋谷夢想」というトラックがあるんです。かなりぶっ飛んでて強烈ですよ。

──「知ってはいけない真実のお話」を書くにあたって何かモチーフはあったんですか。

もね:モチーフは特にないんですけど、私はもともと映画が好きなんです。自分で映画を撮るとしたらどんな物語にするか頭にいくつかあって、その中のひとつみたいな感じですね。30分くらいで考えたお話なんですけど。
──もねさんと同じく語りのトラックを務めたあのさんに対抗意識を燃やしたりは?(笑)

もね:それは全然なかったです。お互いに考えることが全然違うだろうし、自分らしさをそのまま出せば正反対のものができると思ったから、全然気にしませんでした。

──もねさんはさっきも話に出た「ノイズ印象派宣言」で用意されたあらゆるパーカッションを乱れ打ちしているし、実に多才ですよね。

JOJO:天才ですね。グロッケンもティンパニも全部叩いてもらったんですが、凄く器用だしセンスがありますよ。

もね:パーカッションをやったことはなかったんです。吹奏楽部だったので、フルートは吹いていたんですけど。

JOJO:ゆるめるモ!のバンド編成の時はドラムを叩いてますよね。

もね:それもライブで4回くらいしかやってないんです。練習時間は全部合わせて5、6時間くらいですかね。

ようなぴ:私もベースは全部で3時間くらいしか練習してないです(笑)。

JOJO:去年の8月に恵比寿のリキッドルームでゆるめるモ!のワンマンがあって、それに僕もゲストで出させていただいたんですけど、彼女たちが割と簡単な曲をバンドでやってたんですよ。もねちゃんがドラム、あのちゃんがギター、ようなぴがベースで、その演奏を見た時に「これは赤痢だ!」と思ったんです。僕の中でイメージがつながったんですね。

──ようなぴさんは「nose no(i)se nose」で美川さんとノイズ・バトルを繰り広げていますが、なんでもお風邪を召していたそうで。

ようなぴ:そうなんです。ちょうど咳と鼻水が酷い時で、これは鼻をかむ音をノイズで入れるしかないと思って(笑)。そしたら本番になって意外と鼻水が治まっちゃって、あまり本領が発揮できなかったんです。一発録りだったし、ちょっと悔しい思いが残りましたね。

JOJO:美川さんが持ってきた機材に感動してましたよね。

ようなぴ:エフェクターとか、普通の楽器では使わないような機材がいっぱいあって驚きました。

──JUNKOさんのスクリーミングを間近で聴いて圧倒されませんでしたか。

もね:ちーぼうがJUNKOさんとバトルしたんですけど(「JCB68」)、ホントに凄かったですね。ちーぼうの声がどんどんかすれてきてるのに、JUNKOさんは全然声がかすれなくて。

──美川さんのプレイももの凄い迫力だったんじゃないかと思いますけど。

ようなぴ:見た目は凄く優しい人にしか見えないけど、出す音が凄すぎましたね。

JOJO:まぁ、「ちびでハゲ」ですけどね(笑)。

──ノイズと言っても、ただムチャクチャにやればいいというわけでもないだろうし、いろいろと試行錯誤されたんじゃないかと思うのですが。

もね:あまり深く考えず、その時に感じた通りに叩くようにしました。

ようなぴ:私は美大の授業で即興音楽をやった経験がちょっとあるんです。それを思い出して楽しくできましたね。

──即興演奏をやる授業があるって凄いですね。

ようなぴ:ヲノサトルさんっていう作曲家の先生のゼミを取ってたんです。

JOJO:だから素養があったんですね。みんなノイズのことはよく分からないと言ってますけど、ホントに何も分からない女の子にいきなりノイズをやってもらおうとしても何もできないですよ。それができちゃうってことは素養がある証拠ですよね。アイドルって歌や踊りはもちろん、喋りやコミュニケーションにも長けていて、マルチじゃないとやれないじゃないですか。だから瞬時に理解する対応力が優れているんだと思います。

出典: rooftop.cc

yamada3desu
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@yamada3desu

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