ヒカルの碁(ヒカ碁、Hikaru no Go)のネタバレ解説まとめ

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『ヒカルの碁』とは、ほったゆみ(原作)と小畑健(漫画)による日本の少年漫画。集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載された人気漫画作品である。囲碁を題材にした作品で、小学生を中心に囲碁ブームを巻き起こした。
テレビアニメ、小説、ゲームなど、様々な形でのメディアミックスも行われている。
平安時代の最強棋士・藤原佐為に取り憑かれた進藤ヒカルが、囲碁を通して出会った人々との中で神の一手を目指して成長する物語。

『ヒカルの碁』の概要

『ヒカルの碁』とは、ほったゆみ(原作)、小畑健(漫画)による日本の少年漫画。
集英社「週刊少年ジャンプ」にて1999年2・3合併号から2003年33号まで連載された。囲碁を題材にした漫画で、話数の数え方は「第○局」。
日本棋院所属の女流棋士・梅沢由香里が監修を務めた。
2000年に第45回小学館漫画賞、2003年に第7回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した。
累計発行部数2500万部と大ヒットとなり、多くの子供たちが囲碁を始めるきっかけとなり、囲碁ブームを巻き起こした。
この作品をきっかけに囲碁を始めプロ棋士になった者もいる。プロ棋士の中でも愛読者は多い。
この作品は日本棋院の全面バックアップにより、棋院内部や関連施設、イベントなど実際のものに忠実に描かれている。

小学6年生の進藤ヒカルは、祖父の家で見つけた古い碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為に取り憑かれてしまった。佐為の「神の一手を極めたい」という強い思いを受け、佐為の身代わりに囲碁を打つようになったヒカル。ヒカルは囲碁の面白さに目覚め、同じ年の塔矢アキラや囲碁に打ち込む人々の影響を受け、いつしか自分でも打ちたいと思うようになっていった。佐為が目指す「神の一手」を極めるために仲間と共に修練を重ねるヒカルの成長物語。

『ヒカルの碁』のあらすじ・ストーリー

佐為編

出会い

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祖父の家の蔵の中で碁盤に住む佐為と出会い取り憑かれたヒカル

学校でのテストの点があまりにも酷く、母から小遣いを止められてしまった小学6年生の進藤ヒカルは、祖父の家の蔵の中で、高く売れそうなお宝を物色していた。
そこで血痕のついた古い碁盤を見つけたヒカルは、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為の霊に取り憑かれてしまった。
佐為は、平安の都で大君の囲碁の指南役を務めていたが、同じ囲碁指南役からの、「指南役は1人で十分」という言葉で、対局をして強い方が指南役を務めることになった。
途中までは互角に進んでいた勝負だったが、相手の卑怯な手により無実の罪を着せられた佐為は、大君や観客の前で罵倒され、動揺した心のままで勝負に勝てるはずもなく敗北した。佐為は汚名を着せられたまま失意のうちに入水した。
佐為の魂はこの世に未練を残し、成仏できないまま古い碁盤に宿っていた。
時を経て、1人の子供が佐為の碁盤に触れ、佐為の言葉を聞いた。佐為はその子供の心に住み着き、碁打ちを目指していた彼の体を借りて好きな碁を望むまま打っていた。
佐為の強さは凄まじく、その子供は本因坊秀策という囲碁棋士になった。本因坊秀策は、年に一度将軍の前で対局を披露する御城碁を打つ第一人者となったが、34歳の若さで亡くなってしまった。
佐為はまた碁盤に宿り、佐為の声が聞こえる者を待っていた。
そして、佐為は進藤ヒカルと出会った。

佐為の事情を知ったヒカルだが、ヒカルは碁など打ったこともなく打つ気もない。それを佐為に伝えると佐為の悲しみがヒカルを包み、ヒカルは猛烈な吐き気を催してしまった。佐為を拒否すると吐き気がこみ上げてくるヒカルは、仕方なく佐為の望むように囲碁を打つようになった。
とりあえず、ヒカルは祖父と碁を打とうとするのだが、今まで碁石など持ったこともない全くの素人のヒカルでは、佐為の指示通りに碁石を置くことができず、祖父からも相手をしてもらえなかった。
囲碁の基礎知識を得るために囲碁教室にヒカルは通ってみることにした。
初心者向け囲碁教室では様々な年代の人々が学んでいた。
囲碁教室の生徒で、棋力は高いものの性格が悪い阿古田という人物が、弱い相手をなぶりながら碁を打っていた。そんな阿古田に怒った佐為は、自分が代わりに碁を打つとヒカルに言うが、ヒカルは阿古田のかつらを取ることでその勝負を終わりにしてしまった。
次の囲碁教室で、代わりのかつらを被ってきた阿古田を笑い、怒らせてしまったヒカルは、囲碁教室の講師・白川道夫から囲碁教室を追い出されてしまった。
囲碁ができないと泣く佐為に辟易したヒカルは、駅前の碁会所に行って碁を打つことにした。

碁会所に行ってみるとそこは大人ばかり。ヒカルは1人碁石を並べていた子供を見つけ、その子と対局することにした。
その子供の名は塔矢アキラといい、ヒカルと同じ小学6年生だった。アキラは現在の囲碁界のトップである塔矢行洋の一人息子で、既にプロ級の腕を持ち、将来は名人と言われる少年だった。
ヒカルの初心者丸出しの手つきに呆れるアキラだったが、その手つきは怪しくても局面をリードするヒカルの強さに圧倒された。
佐為の指示通りに打ったヒカルに全く歯が立たなかったアキラは、ヒカルが一度も対局をしたことがないと話していたことに驚愕した。

囲碁の知識がないヒカルには一局打つことはとても疲れることだったので、あまりやりたくないと面倒に思っていた。しかし、佐為のためにヒカルは碁会所でもらったチラシにある子供囲碁大会を見に行くことにした。
そこで真剣に碁を打つ子供たちの姿を見てヒカルは圧倒された。
会場を見ていたヒカルは、ある盤面で1つ打ち間違えると局面がひっくり返ってしまうと佐為に教えられ、うっかり対局に口を出してしまった。
会場は騒然となり、ヒカルは係の人に連れられ会場を出されてしまった。そこで散々叱られたヒカルはそのまま会場を出たのだが、ヒカルが帰った後、難しい局面に的確な助言をしたヒカルのことは話題となり、プロ棋士の緒方九段、塔矢行洋に目をつけられることになった。

一方のアキラは、ヒカルとの対局が忘れられず、もう一度ヒカルと対局したいと思っていた。碁会所の受付・市河からヒカルは日本棋院で行われている子供囲碁大会を見に行っているかもしれないと聞いたアキラは、ヒカルを探しに日本棋院に向かった。子供大会から追い出されたヒカルを路上で見つけたアキラは、大会で子供たちが真剣に碁を打っている姿に感動したと話すヒカルに違和感を覚えた。試しにヒカルの手を見てみると、ヒカルの手には碁打ちの特徴が全くない。プロになるのかとアキラが問いかけると、ヒカルはアキラの話したプロのタイトル戦の賞金の高さに目がくらみ、プロ棋士を侮辱するような言葉を言ってしまった。「ちょっとプロになってちょこちょこっとタイトルの1つふたつ取る」というヒカルの言葉に激怒したアキラは、ヒカルに「今から打とう」と勝負を持ちかけた。

苦もなくあっさりタイトルを取るというなら、こんなところで自分に負けていては話になるまいと、ヒカルを挑発するアキラの迫力に引きずられ、ヒカルはアキラに言われるがまま碁会所に向かった。
以前アキラに勝ったヒカルを碁会所に連れて行ったことで、碁会所の中は騒然とし、アキラとヒカルの対局を見ようと2人の周りにはギャラリーがいっぱいになってしまった。そんな状況でもアキラは動ずることなく、怖いくらいの気迫で打ち込んでくる。ヒカルはアキラの真剣な眼差しにおののきながら佐為の指示通りに打ち進む。
ほどなくして、アキラの「ありません」の声で、勝敗が決まった。ヒカルはうなだれて顔を上げないアキラに懸命に声をかけるが、アキラにヒカルの声は届かず、ヒカルもまた気まずい思いで碁会所を後にした。

これまで父・行洋に教えられ、碁にまっすぐに向き合い努力を重ねてきたアキラ。ヒカルという大きな壁にぶち当たり落ち込み、顔を上げられずにいた。
ヒカルは佐為に圧倒的な力で徹底的に叩きのめさなくてもいいではないかと抗議するが、佐為はアキラの実力は高く、余裕を持って勝つことなどできなかったとアキラを評価した。ヒカルは、アキラの怖いまでの真剣さに驚き、なぜそこまで囲碁に真剣になれるのか疑問を持つようになった。落ち込んだアキラの姿が頭から離れず、後日、アキラと対戦した碁会所近くをうろついてみるが、アキラと顔を合わせづらく思い、帰ろうとした。
するとそこに、ヒカルを呼び止め、ヒカルに会いたいと言っている人が居る、という大人に連れられて、碁会所に足を踏み入れた。
そこにいたのはアキラの父・現名人の塔矢行洋だった。
子供囲碁大会でプロでも迷う難しい局面をちらっと見ただけで的確に助言し、行洋が認める実力を持つアキラに2度も勝ったヒカルに興味を持っていた塔矢行洋はヒカルの実力が知りたいとヒカルを碁盤に誘った。
佐為は、今一番神の一手に近いと言われている塔矢行洋と対戦したいとヒカルに訴えた。行洋の迫力と佐為の訴えに負けたヒカルは碁盤の前に座り打ち始めた。行洋の真剣な眼差しはアキラと同じ、佐為もまた真剣な顔をしている。自分だけ仲間はずれのような、場違いのような気がするヒカルだったが、行洋が石を置くその指先が光っているように見え、自分も行洋のように打ってみたいと思い、行洋のように石を持ち打ち込んでみた。
ビシっと打ち込めたヒカルは、佐為が自分に乗り移り、体を勝手に使ったのだと思い込み、叫び声をあげて逃げ出してしまった。

公園で、ヒカルにしか見えず声も聞こえない佐為に向かって、ヒカルは怒り狂っていた。勝手に自分の体を動かしたと誤解したためだ。佐為はそんなことできないと言い、あの一手はヒカルが自分で打ったものだと説明した。

その時、公園に幼馴染の藤崎あかりが通りかかり、葉瀬中の創立祭に一緒に行こうとヒカルを誘った。
ヒカルが葉瀬中の創立祭に行ってみると、囲碁の出し物をやっていた。出題された詰碁を解いたら、塔矢名人選詰碁集が貰えるという。佐為がそれを欲しがり、ヒカルは佐為のためそれに参加することにした。ヒカルは、簡単な詰碁なら自分で解けるようになってきていた。詰碁集が貰えるほど難しい問題を出して欲しいと中学生に頼むと、その問題はもうプロ試験に受かるのではと言われている塔矢アキラレベルでないと解けないと言われてしまった。それでもアキラならできるという問題に挑戦したいヒカルはその問題を出題してもらった。
ヒカルが考えていると、正解の箇所にタバコを押し当てる将棋部の加賀鉄男が現れた。昔、アキラと同じ囲碁教室に通っていたことがある加賀にはアキラと因縁があるようでアキラのことを悪しざまに罵っている。囲碁の出し物をしていた筒井は、碁盤にタバコを押し付ける加賀が許せず、景品の詰碁集を渡して帰そうとするのだが、加賀はもらった詰碁集を「くだらねェっ」と言って、ビリビリに破いてしまった。塔矢アキラが大嫌い、と叫ぶ加賀の言葉に憤ったヒカルは、理由を言えと加賀に詰め寄った。生意気なヒカルに加賀はどっちの手に駒が入っているか、というイカサマなゲームでヒカルをからかい、怒ったヒカルは、加賀の「アキラに勝った」という言葉に、イカサマで勝ったかアキラが本気でなかったからだ、と加賀を煽った。
ヒカルの言葉に憤った加賀は、ヒカルに碁の勝負を持ちかけた。負けたら土下座でもなんでもしてやるが、ヒカルが負けたら冬のプールに飛び込めと加賀は言う。
加賀の挑発に乗ったヒカルは、激高しながら佐為の指示通りに打ち始めた。

加賀がアキラを嫌うのには理由があった。本当は将棋がやりたかった加賀だったが、父親からの命令で無理やり囲碁教室に通わされていた。実力はあるがアキラに及ばない加賀は、父親からアキラに勝たなければ家に入れないと言われていた。加賀が父親から叱責を受けている場面を見てしまったアキラは、加賀に「負けようか」と言い、その日の対局、加賀は初めてアキラに勝った。
アキラのことをライバルだと思っていた加賀は、アキラが加賀のことなど眼中になく全く相手にされていないことに気づき、激しく憤った。それ以来、囲碁ではなく将棋を始め、アキラのことが大嫌いと公言するようになった。

加賀とヒカルの対局は互角の状態で進んでいたが、対局以外のことに気を取られたヒカルが、佐為の指示の場所でなく間違った場所に石を置いてしまうと、あっという間に加賀優勢になってしまった。そこから佐為が怒涛の追い上げを見せるが、ヒカルは半目差で負けてしまった。加賀と筒井は、劣勢から半目まで追い上げたヒカルの実力に驚きを隠せなかった。
加賀は、筒井が部員3人を集めて団体戦に参加し、正式に囲碁部を作ろうとしていたことを知っていた。筒井は加賀にも大会に出てくれと頭を下げていたのだが、加賀に断られていたのだ。加賀は筒井に、自分も出るからその団体戦にヒカルを中学生と偽って参加させ、部を創設しろと持ちかけた。バレたら大変と渋る筒井に、加賀は「コイツの力見てみたいだろ?」と囁いた。
プールに飛び込まなくていいから言う事を聞けと加賀に言われたヒカルは、仕方なく中学生の大会に出ることになった。

大会が開催される海王中までやってきたヒカル。
大会開催時間前、遊びで碁を打っていた2人の対局を、ヒカルは1手目から見学していた。しかしその対局が途中で石がずれて崩れ、対局していた当人たちがもとに戻せず困っていると、横で見ていたヒカルが1手目から並べ直した。囲碁経験者でもなかなかできないことを素人のヒカルが行ったのを見て、佐為はなぜ自分が全くの素人であるヒカルに惹かれとり憑いたのか、理解した。

1回戦、葉瀬中の相手は川萩中。対局時計の使い方も知らないヒカルと囲碁の本を広げながら打つ筒井、そして「王将」と書かれた扇子を持つ加賀を見た川萩中は、葉瀬中の力を侮るが、大将の加賀は中押しで勝ち、筒井はヨセで20目差をひっくり返し筒井が勝利、三将のヒカルは中押し負けだった。
この大会、囲碁の楽しさが分かり始めたヒカルは、佐為ではなく自分で打とうとしていた。
2勝した葉瀬中は2回戦(準決勝)に進んだ。
準決勝の相手は佐和良中。大将の加賀は中押しで勝ち、筒井は5目ほど足りずに敗北。残るヒカルは自分の力でのびのびと打っていた。碁盤を宇宙に見立て、9つの星の近くに石を置き宇宙を作る。碁盤の上で自分は神様になると言うヒカルだが、才能の片鱗は感じさせるものの、まだまだ未熟で勝利には程遠い。対局を見ていた加賀は、このままでは負けると思い、この大会で優勝しなければ葉瀬中の囲碁部は認めてもらえない、とヒカルに耳打ちした。
ただ参加するだけでいいと言われていたため、自分の力で打っていたヒカルだが、筒井が熱心に囲碁部を創ろうとしていたことを見ていたため、仕方なく途中から佐為に打ってもらうことにした。
自分の力で勝てないことに涙を流すヒカルを見た佐為は、劣勢をひっくり返し、見事勝利した。

その頃、塔矢アキラは入学予定の海王中の校長に呼ばれ海王中にいた。
アキラの碁の実力を知っている校長は、アキラに囲碁部に入って欲しいというが、ヒカルに惨敗したアキラは自信を失くし、校長の頼みに頷けずにいた。
帰ろうとするアキラはヒカルが囲碁大会に出場しているのに気づき、対局を見るために近づいた。

決勝戦の相手は海王中。
ヒカルは葉瀬中の勝利のため、今度の対局は1手目から佐為に任せる。
佐為はヒカルに見せるための碁を打つといい、ヒカルに石の流れを見ているように言った。
海王中の囲碁部は強いことで有名で、葉瀬中で一番強い加賀でも大将には勝てなかった。
副将筒井は相手のミスを見逃さず、8目差で筒井の勝利。
佐為に打ってもらった三将ヒカルも勝利し、葉瀬中の優勝となった。

しかし、ヒカルの近所に住む生徒からヒカルの年齢がバレて葉瀬中は失格、優勝は海王中となった。
終局後、ヒカルはアキラから「美しい一局だった。キミをこえなきゃ神の一手にとどかないことがよくわかった。ぼくはもうキミから逃げたりしない」とまっすぐで真剣な眼差しで告げられた。
佐為が見せてくれた一局で囲碁に目覚めたヒカルは、碁打ちとして最初の一歩を踏み出した。

中学生~おまえとは打たない

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中学囲碁大会でヒカルと対戦するために無理やり海王の三将になったアキラ。

春、葉瀬中に進学したヒカルは、3年になった筒井と共に囲碁部を作り、団体戦に出場しようと奮戦していた。
以前、一緒に団体戦に出場した加賀はもう将棋部1本で、囲碁部と掛け持ちするつもりはないと宣言していたため、あと1人部員を集めようと頑張っていた。
部室がない囲碁部は、顧問になった理科教師タマ子からタマ子の祖父が使っていた古い碁盤と碁石を貰い、理科室で活動していた。
放課後、筒井と理科室で打っていると、突然海王中の制服を着たアキラが現れた。
前回の中学囲碁大会決勝を見ていたアキラは、ヒカルの実力(佐為の指示通りに打っていた)を改めて知り、ヒカルに恥じない打ち手になろうと日々、精進を重ねているという。
以前対局したことがある囲碁サロンでヒカルと打ちたいというアキラに、ヒカルは「オレ、おまえとは打たないぜ」と言った。アキラを拒絶し、囲碁部で大会に出ると言ったヒカルは、そのまま食い下がるアキラを無視し窓を閉め、カーテンまで閉めてしまった。
ヒカルは囲碁に対するアキラの強い思い、ひたむきな姿を知っており、アキラが恐れながらもヒカルの中に居る佐為を追い求めていることも理解していた。しかし、ヒカルはいつか佐為ではなく自分がアキラと対峙したいと願うようになり、自分に実力がつくまでアキラとは対戦せず、待たせようとしていた。

ヒカルに拒絶されたアキラは、ヒカルの思惑など知るはずもなく、ヒカルと対戦するためには囲碁部に入って大会に出場するしかないと思い、海王中の囲碁部に入部を決めた。本来、プロになってもおかしくないレベルの実力を持つアキラが中学の部活動として大会に出場することは、配慮に欠ける行為だ。子供囲碁大会などの出場も、子供にしては強すぎるアキラは父から大会の出場などは禁止されているほどだった。
囲碁の強豪校である海王中であってもアキラの実力はずば抜けて高く、3人しか出場できない大会の選手を目指す部員たちにとっては、選手枠を確実に取るアキラは疎ましい存在だった。
囲碁部の中で次の大会は三将と言われていた3年生がアキラに対局を挑み、あっさりと中押し負けをしたことで、部内でアキラへの反感が尚更強まっていった。
なんとかアキラを貶めたい2年生部員・伊藤と小島、1年生部員の奥村は、アキラを昔の囲碁部の部室に呼び出し、片付けをしろと雑用を命じた。古い棋譜などが乱雑に並ぶ棚に手をかけたアキラに、伊藤は目かくし碁で対局しようと持ちかけた。目かくし碁とは、盤面を見ずに対局をすることで、プロでも難しいことだとされている。
躊躇するアキラに伊藤は、プロ並みの実力を持つくせに中学の大会で自分が最強だと威張りたいのかと罵り、アキラは「最強なら目かくし碁くらい軽くこなせとでも?」と伊藤の挑発に乗った。
伊藤の挑戦をあっさりと破ったアキラに、伊藤は2人を相手に目かくし碁をやれと強要する。できなければ海王囲碁部を出て行けという言葉にアキラは反応し、その挑戦を受けた。小島と奥村2人同時の目かくし碁でもアキラの碁は淀みなく進む。しかし、手数が進むと1年奥村相手にはかなり時間が掛かり、同じ位置に碁石を置いてしまうなどのミスが続いた。
ある程度の実力があるものだったら石の筋が読めるのだが、まだ1年の奥村は打ち方が稚拙で意味のないところに打ったりするため、記憶が繋がらないのだ。
このまま続ければいずれアキラが自滅すると伊藤がほくそ笑んだ時、3年の日高由梨が現れ、アキラが2人相手に目かくし碁をやらされていると気づいた。
目かくし碁ではなく正々堂々と戦えという日高にアキラはこのまま続けると意地を張るが、イジメを増長させたのは目かくし碁を受けたアキラのせいだと日高はアキラを叱責した。しかし、海王の生徒なのだから堂々と囲碁部にいていいのだし、このような卑怯な対局は受けてはいけないと日高はアキラを諭した。
日高の言葉を理解したアキラは2人の正面に座り、5分ほどで勝負をつけた。

伊藤は、部を退部するといい、それを受けた囲碁部部長・岸本薫はアキラに「おまえの存在はオレ達海王囲碁部にとって百害あって一利なしだ!」と言う。しかしアキラは、今度の大会で葉瀬中のヒカルと互角に対峙できるのは自分しかいない、と岸本に宣言した。

葉瀬中では、部員募集のポスターに書いた詰碁を解いた生徒を部員に迎えようと、ヒカルたちは話し合っていた。詰碁を解いた生徒は1年3組の三谷祐輝。三谷が詰碁を解いた時、あかりがそれを見ていたというのだ。
学校帰り、ヒカルが立ち寄ったラーメン屋の客たちの会話で、ラーメン屋の近所にある碁会所を知った佐為は、ヒカルに碁会所に行きたいとダダをこねた。ヒカルはそこに強い中学生がいると聞き、地下にあるその碁会所に行ってみた。
確かにそこでは中学生が打っていたが、彼は終局後の整地を誤魔化して勝利し、負けた相手からお金を巻き上げていた。碁会所でズルをして勝っていた中学生が三谷であると聞いたヒカルは、次の日、三谷を強引に囲碁部に誘った。試しに筒井と対局する三谷の棋力は高く、佐為いわく、素直ないい手を打つという。盤面に夢中になり長考する筒井に対し、三谷は自分の番の時に、盤の横に碁石を当て音を鳴らし、一手打ったと筒井に錯覚させ、それに気付かなかった筒井が一手打ったことにより、続けて二手打った筒井の反則負けとして帰っていった。

三谷を囲碁部に入れたいというヒカルに筒井は、大会で三谷がズルをしたらどうするのか、そんな奴とチームを組めるのかとヒカルに問う。ヒカルはそんな行為は止めさせると叫び、三谷の後を追った。
またもや碁会所で小遣い稼ぎをしようとしていた三谷は、席亭から客を紹介され、勝ったら1万円の賭け碁をすることにした。ダケさんと呼ばれる相手は、三谷から見ると手つきがヘボくてたいしたことないと感じていたが、対局中盤、三谷優勢の局面から急に態度を変え、1万円で大人の碁を勉強させてやると言い、本気で打ち始めた。
三谷はダケの勢いに押され、またダケは三谷にバレないように、打っている最中に石をずらして自分に有利にしている。三谷はダケに大敗し、1万円を支払うことになった。
小銭をかき集めて1万円にしようとするが20円足りず、席亭から借りようとするが、実は整地をごまかして勝つようになった三谷を懲らしめるために、席亭がダケを呼んだのだと分かり、三谷はヒカルから20円を借りてダケに1万円を支払った。
屈辱を味わった三谷は走ってその場から逃げた。始めはわざと下手に打ち、三谷を油断させ罠にかけたダケに憤ったヒカルは佐為の力を借りて、ダケに勝負を挑んだ。
勝ったら1万円返せというヒカルの勝負を受けたダケは、ヒカル(佐為)の圧倒的な強さの前に大敗し、ヒカルに1万円を渡した。

ヒカルに1万円を取り戻してもらい、借りができた三谷は囲碁部に入り大会に出場することになった。しかし、筒井は整地を誤魔化したり石をポケットに隠し持っていて整地の時に使うなどと言う三谷を信用できず、反感を持ち、もし三谷が大会でズルをしてバレたら、と不安に思っていた。

中学囲碁大会の会場となる海王中に葉瀬中から大会の申込書が送られ、アキラはヒカルが葉瀬中の三将であると知った。顧問の尹に自分を三将にしてくれと頼み込むが、尹の返事は芳しくない。後日、発表されたメンバーは大将がアキラ、副将・岸本、三将は3年の久野ということになった。
ヒカルと戦うために囲碁部に入ったアキラは納得ができず、大会が終わったら部を辞めるから一度でいいからヒカルと対戦させて欲しいと尹に頼み込み、三将の座を手に入れた。

囲碁大会で、海王の三将は誰かとワクワクしていたヒカルの前に、自分が海王の三将だとアキラが現れた。
プロを目指す者は部に入らない、と聞いていたヒカルは驚き、アキラがそれほどまでに佐為との戦いを熱望していたのかとアキラの必死の思いを痛感した。

アキラが必死に追いかけるヒカルに興味を持った海王中メンバーもヒカルたちの前に現れた。昨年の大会、海王中にマグレで勝ったと海王の日高に馬鹿にされ、大将の三谷まで作戦上の捨て駒大将であると揶揄された筒井は激高し、三谷は十分強いとタンカを切った。筒井は、三谷にも強いんだからズルはするなと言い、そうして大会は始まった。

1回戦を勝ち進み、次は海王戦。自分が打つと張り切るヒカルだが、海王の日高と岸本が部内でアキラがいじめにあっていたこと、ヒカルと対戦するために、この大会で部活を辞めることを条件に、無理やり三将になったと話しているのを聞いてしまった。アキラが佐為だけを見て、周りにどんなに迷惑をかけても、どんなふうに思われても、ヒカル(佐為)と打つためになりふり構わず囲碁部に入ったアキラの必死さを知った。
自分が打つつもりだったが、アキラの執念を感じたヒカルは佐為に対局を任せることにし、海王戦が始まった。
「やっとキミと対局できる」と語るアキラに、佐為に打ちのめされたのによく平気で対戦できるとヒカルは感心していた。しかし、アキラの震える手を見て、平静そうに見えるアキラの緊張が分かった。

佐為の指示通りにヒカルが打ち、対局は進む。ヒカルはアキラを自分の遠い遠い目標と定め、必死に勉強してきた。アキラを相手に慎重に打ち、長考を始めた佐為の次の一手を待つ間、ヒカルは自分ならば次はどこに打つのか考えていた。ヒカルは自分とアキラにどれくらいの差があるのか、どれくらい追いついているのだろうか、自分で打ちたい、試したいと思ってしまった。
そしてヒカルは、佐為に指示された所とは別の位置に碁石を打った。アキラとの差を知りたいと思ったヒカルは佐為の言葉を無視し、自分で打ち始めた。なかなか面白い一手であるものの、まだまだ未熟なヒカルではそれを活かす打ち方はできず、とうとうアキラはヒカルの稚拙な手に「ふざけるなっ!!」と声を荒らげた。
アキラは佐為の影ばかり追っていていヒカルの碁が見えておらず、佐為とは違う打ち筋のヒカルの碁に失望した。
期待はずれだったヒカルにアキラの怒りは爆発し、途中で席を立とうとしたのだが、尹に諭され、怒りのままヒカルとの対局を続けた。
結局、ヒカルの中押し負け、アキラは「…以前のキミに垣間…神の一手を見たとさえ思ったのに…」と失望をあらわに去り、海王中囲碁部を辞めた。
大将・三谷も副将・筒井も海王に叶わず、葉瀬中は2回戦敗退となった。

ヒカルに失望したアキラはプロ試験を受けることに決めた。囲碁部での活動はもういいのか、と問う囲碁サロンの市河にアキラは「もういい、寄り道だった」と言った。

中学生~Who is sai?

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akiraからの再戦の申し込みを受けるため、三谷の姉の勤務日を確認するヒカル

囲碁大会で佐為とアキラの対局を潰してしまったヒカルは反省し、佐為が喜ぶ囲碁イベントに足を運んでいた。しかし、人の対局を見ていてもつまらないとヒカルは会場を出てしまう。会場の外ではインターネット囲碁のデモンストレーションをやっており、子供がネットで対戦をしていた。
子供はzeldaと名乗る相手と対局していたが、たくさんの石を一気に取られてしまい、途中で勝手に対局を止め、帰ってしまった。係員が慌てて対戦相手のzeldaに謝ろうとするのだが、zeldaの方が先に「オオイシトラレタカラッテカッテニキルナ!バカヤロー!!」とチャットで書いてきた。
係員は相手は子供かもしれないといい、インターネットでは顔も本名も年齢もわからない、世界中の相手と碁を打てるとヒカルに説明した。

自分で打ちたいヒカルは、佐為の力を自分の力ということはできない。佐為の言うとおりに打っていたのでは「マグレで勝った」と言い続けなかればならない。
佐為に思う存分打たせるためにはネットで碁を打てばいいのではないかとヒカルは思いついた。

早速、ヒカルは三谷の姉が勤めるインターネットカフェに赴き、「sai」の名で登録し、碁を打つようになった。
ほどなくしてネット碁の中で、強い日本人が居ると話題になり、各国の強豪が「sai」の名を持つ日本人が本当は誰なのか探すようになっていった。

ある日、ログインリストの中にzeldaの名前を発見したヒカルは、zeldaに対局を申し込んだ。

かなり強い相手だと佐為は評価し、相手が子供だと思っているヒカルは「ツヨイダロ オレ」とチャットに打ち込んだ。zeldaは「オマエハダレダ!コノオレハ“インセイ”ダゾ!」と返してきた。ヒカルはzeldaがプロを目指している子供なのだと知った。

次の日、日本棋院で棋士採用試験予選が行われた。
それに参加していた和谷義高(zelda)は、前日にネット碁でsaiに破れたことでカリカリしていた。
控え室で同じ院生の福井優太にsaiは絶対プロだ、と力説している側には、同じくプロ試験予選を受けに来ていたアキラがいた。

和谷はその後、saiに注目するようになり、7月8月の昼間、頻繁にネットに現れるsaiのことを夏休み中の子供なのではないかと思うようになっていた。
日本で開催される国際アマチュア囲碁カップで、各国から強いアマチュア選手が招待され、ネット碁をしている者も多く参加する。
日本でsaiの正体を突き止めようとする者も多く参加していた。
日本の強いアマチュア選手に、各国の選手何人もが「あなたはsaiですか?」質問し、大会の会場の中ではsaiの話題で持ちきりになっていた。
和谷やプロの緒方も話に参加し、たまたま会場に来ていたアキラがsaiの実力を知るためにネット碁をしてみることになった。もしかして子供かも知れないという和谷の言葉を聞いた緒方は以前アキラを負かしたヒカルのことを思い出し、アキラもまたヒカルかと考えるが、中学の囲碁大会でのヒカルの実力を見ると、そんなに強い人間がヒカルのはずがないと自分の考えを否定した。

ヒカルはネットカフェでインターネット囲碁をしていたが、リストの中にakiraの名があるのを見て、塔矢アキラかもしれないと思い、対局を申し込んだ。
akiraは対局を受け、ネット碁は始まった。
アキラと佐為を対戦させたいと思っていたヒカルは、ネットの中のakiraが塔矢アキラだったらいいなと考えていた。確かめる方法があると佐為は言い、かつてアキラを一刀両断にした対局と同じように打ち始めた。
ヒカルに負けた対局をなぞるように打ってきたsaiをヒカルなのではと思ったアキラは、数手で対局を投了し再戦を申し込んだ。アマチュアの大会中saiと対局を続けていては大会に支障が出るとの配慮だった。
再戦は、三谷の姉の勤務にあわせ、次の日曜10時とヒカルが決めると、アキラはそれを了承した。
その日は、プロ試験本選1日目のはずだった。

プロ試験を受ける者として、大事な初戦を蹴り、saiとの対戦を選んだアキラに対し、和谷は反感を持った。

プロ試験初日、会場にアキラの姿はなく、アキラは不戦敗となった。
その頃アキラは自宅のPCの前でsaiとの対局を待っていた。
10時、saiがログインし、対局が始まった。saiの碁はかつてのヒカルよりはるかに強かった。しかし、その中の一手は何故かヒカルを連想させた。
対局はsaiの圧倒的な強さの前にアキラは敗北した。

対局終了後、囲碁サロンを訪れたアキラは、常連客からヒカルがインターネットカフェにいたと教えられサロンを飛び出した。
ヒカルがPCの前に座っているのを見たアキラは店に飛び込み、ネット碁をやっているのではと画面を覗き込んだ。しかしその画面はジャンプのHPでアキラの予想とは違っていた。
アキラはヒカルにネット碁をやったことがあるかと問いただし、ネット碁をやっている人々がsaiの正体は誰かと大騒ぎしているとヒカルに告げた。
ヒカルはアキラの問いかけをはぐらかし、自分はsaiではないとアキラに思い込ませた。
アキラは落胆し、ヒカルに「もう二度とキミの前には現れない」と言い、踵を返した。ヒカルはアキラを呼び止め「お、おまえ、オレの幻影なんか追ってるとホントのオレにいつか足元すくわれるぞ!」と言う。「いつかと言わす今から打とうか?」と返すアキラに返事ができずにいるヒカルをおいて、アキラは帰っていった。

ネットの中でsaiの存在が気づかれ大騒ぎになってしまったのではもう、ネット碁も続けてはいられないと考えたヒカルは、夏休みが終わることもあり、ネット碁を辞めた。

中学生~始動

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院生試験を受けるために囲碁部から去るヒカルは、部員たちに今の実力を見せるため3面打ちに挑戦する。

ネットの中でも佐為に碁を打たせてやれなくなったヒカルは、佐為に自分と打つかと提案した。
今までそんなことを言わなかったヒカルの提案に佐為は喜び、その提案を了承する。
佐為と打つために自分の部屋に碁盤が欲しいと思ったヒカルは、祖父を訪ね互先で買ったら碁盤を買って欲しいとねだった。ヒカルの実力はまだ祖父にはかなわないものの、短期間で驚く程強くなっており、祖父は、ヒカルのやる気が出るのならばと足付きの碁盤をヒカルにプレゼントした。

夏休み中、ネットの中の強者と佐為の勝負を間近に見て、更に毎日佐為と打っているヒカルは碁の実力が上がり、三谷相手にいい勝負をするようになってきていた。前回大会で海王中に3敗の雪辱を果たすため、ヒカルも三谷も次の大会に向けて気合を入れていた。

ある日、海王中の主将・岸本に偶然会ったヒカルは、岸本にヒカルの実力が知りたいと対局に誘われた。岸本はヒカルの実力を海王の副将レベルと評価し、なぜアキラがこのレベルのヒカルに固執し追っていたのか聞いてきた。佐為のことを隠しつつ、アキラはいずれ追いつく目標だと笑うヒカルに、岸本はアキラとヒカルでは目標に向かう意気込みが違うとため息をついた。岸本は海王でのアキラのなりふり構わない鬼気迫る様子をヒカルに伝え、アキラがプロ試験に合格し、4月からプロ棋士として活動を開始すると教えた。
プロ試験の初日、saiとネットで対戦するために試験を休んで不戦勝した以外は無敗でプロ試験合格を決めたアキラを追いかけるためには今すぐに行動を開始させなければならないと聞いたヒカルは、プロになるにはどうすればいいのか、院生とはどうやってなるのか碁会所の人に聞き、アキラとの差を縮めるために、追いかけることを決めた。

日本棋院で院生試験を受けたいと騒ぐヒカルを見かけた緒方は、以前からヒカルの実力について興味を持っており、ヒカルの謎を解明するために院生試験の推薦者となり、ヒカルが受験できるように取り計らった。

葉瀬中の囲碁部では、受験生の筒井の代わりに囲碁が打てる部員を見つけ、また団体戦に出ようと盛り上がっていた。女子もあかりを中心にまとまってきて、葉瀬中囲碁部は充実してきていた。
アキラがプロ試験に合格したことが話題になり、アキラのライバルを公言しているヒカルはアキラを追いかけるために院生試験を受けると筒井や部員たちに報告した。
ヒカルは知らなかったことだが、院生になってしまったら規則により囲碁部で大会に出場することはできなくなってしまう。
ヒカルに無理やり囲碁部に入部させられた三谷はヒカルの受験を反対し、その事実を知ったヒカルは迷う。
そこに、先生に追われた将棋部の加賀が乱入してきた。先生から逃げ切った加賀は、囲碁部が盛況なことに喜び、ヒカルが院生試験を受けようとしていると知りヒカルを激励する。しかしヒカルは囲碁部に未練があり戸惑っていた。アキラを追いかけるなら少しでも早いほうがいいと言う加賀はヒカルを応援するが、三谷は怒りが収まらない。ヒカルが辞めるなら自分も囲碁部を辞めると三谷は言い、出ていこうとした。加賀はヒカルに実力を見せて囲碁部を出ろとヒカルに3面打ちをするように言った。筒井・三谷・加賀の3人同時に碁を打つ3面打ちはヒカルにとって初めての挑戦となる。筒井は加賀がヒカルの背中を後押ししているのをみて自分もその想いを汲み、三谷もこれが最後といい勝負を受けた。
ヒカルは筒井に中押しで勝ち、三谷には6目半で勝利した。加賀には6目半で負けたものの、初めての3面打ちで2人に勝利したことでその実力を示した。しかもその後、棋譜を3枚全部書けるというヒカルの成長に加賀は目を見張った。

日本棋院での院生試験で、先生との対局では実力不足ではあったが、緒方の推薦を受けていること、持参した棋譜の対局は初めて3面打ちをした時の物であること、まだ碁を初めて1年であることが考慮され、ヒカルは院生試験に合格した。

院生2組~起爆剤

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ヒカルにとってはとても強かった海王の岸本が、院生の中では弱かったと知り自信を無くすヒカル

院生になったヒカルは、2組の25位からスタートする。ここで対局をし、勝率を上げると1組に昇格できる。

院生試験終了後、対局室を見学していたヒカルに院生の和谷が話しかけ、その会話の中でヒカルはうっかり塔矢アキラは自分をライバルと認識していると院生たちに話してしまった。
「塔矢アキラのライバル」が来る、と院生たちはざわめき、ヒカルに注目が集まっていた。ヒカルも、意気揚々と対局に望むのだが負けが続いていく。和谷はヒカルにアキラのとの関係を聞くがヒカルは自分の才能を見抜いたアキラがライバルとして認識しているのだと誤魔化した。
海王中との対戦を聞かれたヒカルは、海王中は全員が強いが、特に主将は強かったと力説していた。
そこに、間違ってブラックコーヒーを自動販売機で買ってしまったフク(福井優太)が現れた。以前ブラックコーヒーを飲んでいたという院生のことが話題となり、全然強くなく、1組に1回上がっただけで1年ちょっとで辞めてしまったと、院生たちは笑う。そのブラックコーヒーを好んでいたのが海王中の主将・岸本だと知り、ヒカルは自分はここでやっていけるのかと自信を失った。

4月からプロになるアキラは、塔矢名人の研究会に参加していた。大人しく参加していたアキラに塔矢門下の緒方は中学の囲碁部にいた時の方が気迫があり、今の気の抜けたアキラでは叩きがいがないと言う。緒方はアキラを連れ出し、院生となったヒカルを見せた。ヒカルはアキラが様子を見に来たことを自分を待っているのだと感じ、アキラもまた自分を追って院生になったヒカルを見て、絶対に追いつかせないと気合いを入れた。
アキラに気迫が戻ったことを感じた緒方は、ヒカルの存在を面白く感じ、これからどうなるか楽しみに思った。

4月にプロとしての活動が始まるがその前に、プロになりたての新人とタイトルホルダーが対戦する新初段シリーズという対局がある。
アキラは座間王座と対戦が決まった。名人の息子で院生でもなく、一発でプロ合格を決めたアキラ。幽玄の間という棋士が憧れる間に座っても緊張することもなく可愛げのないアキラを嫌った座間は、手を抜くことなくアキラを全力で潰しにかかる。アキラはこの対局は棋譜が残り、それをヒカルが見ると意識し、守らず強気に攻め続ける。しかし、アキラの隙を突いて座間が反撃を開始し、結局アキラが投了したが、アキラの気合が十分伝わる素晴らしい碁だった。
ヒカルはぐんぐん前に突き進むアキラを追う楽しさでワクワクしていた。
ヒカルはアキラを追う為に凄まじい速さでどんどん成長を続けている。逆にアキラは、ヒカルに出会わなければ寄り道などせずまっすぐに自分の道を歩いていたはずだった。しかし、ヒカルの不思議な力に惹かれ、立ち止まっては振り返りヒカルを引っ張り上げている。佐為は、塔矢アキラという存在はヒカルの成長のために神が用意したかのようだと感じていた。

和谷から研究会に誘われたヒカルは、院生研修日ではない日に棋院にやってくるとそこで緒方に出会った。院生試験の推薦をしてもらったことにお礼を言うヒカルに、緒方は塔矢名人の研究会に来ないかと誘った。塔矢名人と対局したい佐為はぜひ行こうとヒカルにいうのだが、ヒカルはアキラと一緒の研究会は嫌だとして緒方の誘いを断った。アキラと戦いたいと言うヒカルに、緒方は3ヶ月後にある若獅子戦でヒカルとアキラの対局を見に行くといい、去っていった。
若獅子戦とは院生と若手プロが戦うトーナメント戦で、院生は1組16位までが参加できる。未だに2組にいるヒカルではトーナメントに参加できない。
ヒカルは若獅子戦に参加するため、気合いを入れ直した。しかし、ヒカルはいい勝負をするのだが、後一歩のところでの負けが続いていた。
どうして勝てないのだと嘆くヒカルに佐為は自分と対戦しているからだという。今までは人の強さなど気にせず、闇雲に突っ込んできたヒカルだったが、最近ではヒカルは人の実力がわかるようになり、恐れるようになってしまっていた。それゆえに佐為以外の人との対戦で手控えるようになってしまい、後少しのところで負けるようになってしまったのだ。佐為はヒカルの恐れを指摘し、見極めてギリギリまで踏み込めとアドバイスをした。

3月の終わり、筒井と加賀は中学を卒業し、アキラは新入段免状授与式を経て、プロの世界に足を踏み入れた。

院生1組~ようこそ1組へ

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院生になり2組から昇級したヒカルを迎え入れる1組。

4月、1組に上がったヒカルは和谷や伊角という強豪と戦う事になった。
ある日、和谷がネットの中にはプロよりも強いsaiという人物が居ると話しているのを聞いたヒカルは、会話の中で和谷がzeldaという名でsaiと対局した人物だったと知った。うっかりと「zeldaって和谷だったんだ!」と口に出してしまったヒカルは、和谷からsaiについてしつこく聞かれるようになってしまった。ヒカルは、ネットカフェで見かけた人物が碁を打っていて、zeldaとsaiの会話が面白かったから覚えていた、と嘘をつき誤魔化した。和谷はヒカルはsaiの弟子ではないかと疑っていたが、ヒカルの説明を受けて納得した。

4月が終わった時点でヒカルの順位は1組16位になっており、若獅子戦に出場できることになった。若獅子戦の初戦は必ず院生対若手プロとなる。ヒカルとアキラは共に1回戦を突破すれば2回戦で対局が叶う対戦表になっていた。
アキラはヒカルの背後の席に座り、背中にヒカルを感じながら対局している。「見に行く」と話していた緒方は本当に若獅子戦を観戦に来て、ヒカルの対局を見ている。対局が進む中で、ヒカルは佐為から見ると悪手と思われる一手を打つのだが、手数を進めるうちに佐為が悪手と言った一手が上手く好手になっていた。1回戦の対局を終えたアキラは、立ち上がりヒカルの対局を見るために振り返った。結局ヒカルは対戦相手の村上プロのヨセのうまさに押され、6目半で負けてしまった。
院生たちは2回戦に進んだのが3人、3回戦に進んだのが1人という結果で1日目を終えた。

後日、アキラは緒方の元を訪ね、ヒカルの一局について尋ねた。アキラが振り返って盤面を見た時は、もはや終盤で、ヨセに入っていたため、ヒカルが悪手を好手に変えた場面を見ていなかったのだ。見慣れない石の並び、手順が想像できない形を見たアキラは、ヒカルが何をしたのか知りたくて緒方の元を訪れたのだ。

緒方は、2ヶ月後、プロ試験が始まればヒカルの実力が分かると言い、アキラにヒカルの見事な打ち回しのことを話さなかった。

結局若獅子戦はアキラの優勝で終わった。

プロ試験予選

Main

プロ試験予選初日、大人が受験することに驚き怯えるヒカル

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