バクマン。(実写映画)のネタバレ解説まとめ

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『DEATH NOTE』のコンビ、原作・大場つぐみ、作画・小畑健によって、2008年から2012年まで「週刊少年ジャンプ」に連載された大ヒットコミックの実写映画化作品。監督は大根仁、音楽はサカナクションが担当。漫画家を志す二人の高校生、作画担当の最高(佐藤健)と原作担当の秋人(神木隆之介)がコンビを結成し、週刊少年ジャンプ連載の頂点を目指して悪戦苦闘する日々を描く。2015年10月東宝系公開。

概要

映画「バクマン。」は、2015年10月3日に全国東宝系で公開。第39回日本アカデミー賞話題賞と最優秀音楽賞を受賞した。

原作漫画は、原作・大場つぐみ×漫画・小畑健の「DEATH NOTE」コンビが送り出す現代版「まんが道」で、2008年より週刊少年ジャンプにて連載を開始。
週刊少年ジャンプとしては異色な内容ながら、連載開始と同時に幅広い層から熱狂的な支持を受け、全20巻で累計1500万部を超える大ヒットコミックとなった。2010年にはNHK教育テレビでテレビアニメ化もされている。

この映画の企画自体は公開の5年前頃から進行していて、「モテキ」の大根仁監督にオファーされたのは2011年、この段階では20巻の内容が映画の尺に収まり切らないと一度オファーを断るが、その後ストーリーを絞って脚本を練り始めたという。
性格の違う高校生2人がタッグを組み漫画家への道を歩んで行く様を、大根監督ならではの巧みな映像表現を駆使して描いている。特に、漫画を描くシーンでは、実際の撮影とプロジェクションマッピングを併用した初の試みを行った。
劇中の音楽は若い世代に人気のロックバンド「サカナクション」が担当、主題歌である「新宝島」も同様に担当している。

実在の漫画作品や出版社が実名で登場するほか、劇中使用される漫画の原稿を小畑健自身が描いている。
原作同様「集英社」の「週刊少年ジャンプ」編集部が舞台となり、劇中には歴代ジャンプ作品が大量に使用されている。

01

あらすじ

学校の授業中、「真城最高(通称:サイコー)」は、クラスメイトの「亜豆(あずき)美保」を想い、いつものように彼女のイラストをノートに描いていた。
そしてある放課後、サイコーが教室に入ると、クラスメイトの「高木秋人(通称:シュージン)」がサイコーのノートを勝手に見ていたのである。
サイコーの画に惚れたシュージンは、「俺はどうしても漫画家になりたいのだが文才はあるが画が描けない。だから俺が原作でお前が画を描いて一緒に漫画家になろう」とサイコーを誘うが、彼には全くその気がない。そんな折、階段に落としたサイコーのノートを亜豆に見られてしまう。そこで彼女が声優志望であることを知り、サイコーは亜豆に「お互いの夢が叶ったら結婚する」という約束を交わす。亜豆もサイコーを想っていたのだ。舞い上がったサイコーは「絶対、漫画家になってやる!」と、シュージンとコンビを組むことを決意する。

ある日、サイコーはシュージンを、8年前に亡くなった漫画家である自分の叔父の仕事場へ案内する。叔父はかつて少年ジャンプの人気連載漫画を描いた「川口たろう」でシュージンの憧れでもあった。
そこでサイコーは、漫画家になるためには、雑誌の新人賞に応募するか、雑誌の編集部に直接持ち込むか、2つの方法があることを叔父から聞いたとシュージンに話す。そして漫画界の最高峰『少年ジャンプ』での連載を目標とすることを決めたのである。
2人のそれぞれの準備作業が始まった頃、自分たちと同じ高校生で手塚賞に入選した「新妻エイジ」の存在を知る。子供の頃から漫画を描いているという天才的な彼の作品を読んで、ますます創作意欲が湧くサイコー。そこへシュージンから最初のネーム(漫画制作の設計図)が出来上がる。それは近未来を舞台にした作品だ。
夏休みになると、親に受験勉強だと嘘を付き作業場に寝泊まりする毎日。初めての漫画に悪戦苦闘しながらもついに完成する。タイトルは『Wアース・二つの地球』。
そして夏休み最後の日、2人はいよいよ集英社の少年ジャンプ編集部へ持ち込みに行く。

編集部に入ってみると、人の気配がなく、そこら中に資料が積み上げられていた。そこへムックリと起きてきて出迎えてくれたのは、眼鏡を掛けた寝ぼけた感じの編集部員・服部だった。
彼に原稿を渡すと、最初はあっという間に目を通し、2度目はじっくりと見る。そしてこの作品が2人の最初の作品だと知ると、もう一度描き直して持ってくるように、と携帯番号を書き込んだ名刺を渡すのであった。

だが新学期早々、思いもよらない事態が起こる。なんと亜豆が退学するのだ。教室を出る彼女を追いかけるサイコー。声優の仕事依頼があるものの、学校は芸能活動禁止。でもチャンスを無駄にしたくない亜豆は自ら退学を決断したのだ。「でも約束の日を待ってる!」と、亜豆はサイコーに告げるのであった。

そんな彼女に応えるべく、必死に原稿を直し2週間後、再び少年ジャンプ編集部へ持ち込むサイコーとシュージン。そこで服部から、「もう少し手直しして手塚賞に出せば佳作ぐらいに入れるんじゃないか」と言われるが、”佳作”という言葉にカチンときたサイコーは首を縦に振らない。そのやり取りを後ろで聞いていた編集長が顔を出し、「君たちの漫画は面白くない。手塚賞は無理だ!」と言い放つのだった。編集長を睨みつけて退席するサイコーに慌てるシュージン。サイコーは編集長が、かつて叔父の担当として打ち切りを言いに来ていたことを覚えていたのだった。闘争心に火が着くサイコー。「絶対に手塚賞を獲ってやる!」と。

03

そして、手塚賞の表彰式会場。
「Wアース・二つの地球」は準入選。当然納得のいかないサイコーは浮かぬ顔。
そこでは、何年も応募してやっと佳作に入った福田真太、初めて描いたギャグマンガで赤塚賞の平丸一也、長いアシスタント生活を経て初めて佳作を獲った中井巧郎、というライバルの存在も知る。さらにずっとライバル視していた新妻エイジとも初対面を果たす。だが彼は、シュージンのストーリーを褒めるが作画は自分が描いたほうが上手いと言う。サイコーはエイジに「僕たちもすぐに追いつくから、それまで連載を続けていてくれ」と宣戦布告。それに対してエイジは「その頃にはジャンプで一番になってる」と、その場を去っていった。
その夜、サイコーの仕事場に、サイコーとシュージン、福田・平丸・中井、それに編集部の服部も加わり、新連載への意気込みを語り合う。その中でサイコーは一人、表彰式の会場で見たエイジの新連載に圧倒されていた。

少年ジャンプ編集部内で新連載を決める会議が始まった。
福田・平丸・中井の作品は連載を決める。だが、『Wアース・二つの地球』は連載に漏れてしまう。編集長曰く「これはジャンプのヒット漫画の良いとこ取りでしかない」と。
服部に、次の連載会議までに自分達らしい漫画を見つけることだと言われ、2人はぼんやりと体育館で部活動に勤しむ生徒たちを見ながら次回作を考えていた。すると突如シュージンにアイディアが降ってくる。サイコーに、学園モノを一週間で形にすると言ってその場を飛び出していくのであった。

何日か経って、サイコーの仕事場にようやくシュージンが現れた。早速ネームをサイコーに見せる。タイトルは『この世は金と知恵』。シュージンは「子供の時から漫画しか描いて来なかったエイジが天才でジャンプの王道なら、自分たちはこの間まで普通の学生で読者の感覚に近い、天才じゃないがジャンプっぽくないという邪道で勝負する」と提案。そして2人は新しい作品に取り掛かり始める。
そしてその新たな作品が、ついに連載会議をパスしたのである。

02

ある日、編集部に記念すべき1話目が載ったジャンプの見本を2人で受け取りに行くと、そこにエイジがいた。同じ土俵で戦うことになった両者は、どちらが先にアンケート1位を取るかで競い始める。初回こそ3位につけたサイコーとシュージンだったが、やはり先に進んでいるエイジにはなかなか勝てず、順位を下げる一方の2人に対し、エイジは2位を保っている。しかも週刊連載というスケジュールの過密さに、だんだんと体が悲鳴を上げ始め、『この世は金と知恵』はとうとう10位にまで落ちてしまうのだった

そんな時、服部の前でシュージンは考えていた一つのアイデアを出す。一旦主人公を殺してヒロインを登場させる、と。そのヒロインはサイコーの、亜豆を描き溜めていたイラストだった。こうして登場させたヒロインが人気を得て、『この世は金と知恵』は徐々に順位を上げていき、ついにエイジに並ぶ2位を獲得する。そうして次はいよいよ巻頭カラーを任せられることになった矢先、サイコーは作業場のトイレで自分の血尿を見たとたんその場に倒れてしまった。

サイコーの入院の知らせを聞いて病院に駆けつけた編集長と服部。かつてサイコーの叔父・川口たろうを過労で失った編集長は、高校生である2人に無理強いした責任を感じ、『この世は金と知恵』の長期休載を告げる。描かせて欲しいと嘆願するサイコーだったが、編集長は決定を覆すことなく立ち去るのだった。

入院中のある日、突然亜豆がお見舞いに来てくれた。緊張と嬉しさでしどろもどろのサイコー。
亜豆は、『この世は金と知恵』のヒロインが自分にそっくりなことが事務所にバレて彼との関係を疑われ、事務所から恋愛禁止を言い渡されていた。これからは今までみたいに会えないと涙ながらに語り、帰ろうとする彼女にサイコーは「あの約束はどうなるのか」と聞く。亜豆は「待ってなんかいられない、先に行くから」と言って微笑む。それはまさに、サイコーが描いた前号のラストでヒロインが言った言葉だった。

05

サイコーは病院を抜け出して仕事場に戻ると、シュージンと共に猛然と巻頭カラーに挑戦し始める。
そのことがバレて何とかやめさせようとその翌日、服部が福田・平丸を連れサイコーの仕事場にやって来るのだが、同じ漫画家としての決意が痛いほど分かる福田は、現状を見てとても間に合わないと感じ、平丸と中井も呼んで一緒に彼らの漫画を手伝うことにする。この事を聞いたエイジはサイコーの仕事部屋を訪れると「友情・努力・勝利なんてものは、所詮漫画の中の世界だ」と言い、力の無いサイコーの絵を見るなり原稿を引き寄せ手を加え始める。その原稿を見ながら静かに涙をこぼすサイコーは、「俺以上にこの漫画をうまく描ける人間がいるわけがない」と、グッとエイジのペンを押さえる。その言葉にエイジは「ジャンプで待っている」と帰って行くのだった。
そして奮起した彼らは、何とか描き上げて、全員で少年ジャンプ編集部の編集長のもとへと乗り込む。じっくりと原稿に目を通す編集長。難しい顔をして読んでいたが、最後には笑を浮かべて言った。「君たちの勝ちだ!」そして、巻頭カラーは、ついにアンケート1位を奪取したのであった。

だが1位はこの一回だけ、彼らの作品は徐々に順位を下げることになる。

やがて迎えた高校生活最後、卒業式の日。
誰もいない教室には、式に参加しないサイコーとシュージンの二人だけ。そして漫画を描くことしかしなかった彼らは、晴れて明日から無職の身。
でも高校生のうちに週刊ジャンプで連載を持ち、なおかつ1位を獲った事は凄いことだと自負しあう2人。
と、また突然シュージンが新しいアイディアを話し始め、シュージンは文章を、サイコーは画をお互い黒板に描き合うのだった。

主な登場人物

真城最高 (ましろもりたか/演:佐藤健)

14

本作の主人公。通称サイコー。高い画力を持つ高校生。
漫画家の川口たろうを叔父に持ち、幼い頃から彼の仕事場に入り浸っていたので、秘かに漫画家になる夢を持っていた。
クラスメートの亜豆を想いノートに描きためていた彼女のイラストに感銘を受けたシュージンに誘われ、ともに漫画家の道へと進むこととなる。
亜豆と「お互いの夢が叶ったら結婚する」という約束を交わし、「週刊少年ジャンプ」の連載作家を目指す。

高木秋人(たかぎあきと/演:神木隆之介)

13

本作のもう1人の主人公。通称シュージン。サイコーのクラスメイトで秀才。
絵はへたくそだが文才と豊富なアイディアを持ち、サイコーの画力に惚れて漫画家になることを誘う。
人間観察に長け、行動力があり明るい性格で、割とドライ。
音楽好きでヘッドフォンを付けている事が多い。

亜豆美保(あづきみほ/演:小松菜奈)

1

本作のヒロイン。サイコーとシュージンのクラスメート。
サイコーに想われているが、実は密かにサイコーを想っている。
声優志望で声優のスクールにも通っていたが、プロになると同時に高校を退学。
声優として売れ出した頃に、事務所にサイコーとの関係がバレてしまい、「先にいくから。」と、彼の元を去る。
天使のような容姿だが行動派でもある。

新妻エイジ(にいづまえいじ/演:染谷将太)

6

現役高校生漫画家で天才。サイコーにとって最強の高校生ライバル。
執筆スピードが速く「シュッシュッ!」と効果音を発しながら執筆する癖があり、黒のスウェットで羽ぼうきを背中に刺した格好が特徴。
手塚賞に入選した「CROW」でサイコー達よりも先に少年ジャンプ連載を果たし、以降毎週得票される人気ランキング1位の座を争うことになる。

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