ポケットモンスターの伝説のポケモンまとめ

陸地を作り出すグラードンに対し、大波を発生させ海に沈めていくカイオーガという壮大な対決シーンなのだが、演出の都合からかどう見てもグラードンが圧倒的に不利なのである。
タイプ相性的にも、水タイプのカイオーガは地面タイプのポケモンであるグラードンの弱点をつくことができる。水タイプの技の威力を自分自身で強化でき、高いステータスを用いて能力を最大限に利用できるカイオーガと異なり、グラードンは自らのタイプや覚える技が噛みあっていない。
圧倒的に不利な状況となっている演出や、噛み合っていない能力などから「グラードンはカイオーガに弱い」という印象がプレイヤーに強く結び付けられてしまった。

また、グラードンの体色は赤がメインなのだが、色違いになると赤の部分が黄色になる。体型が似ていることや、タイプが一緒であることから一部では「でかいサンド」と呼ばれている。サンドは伝説のポケモンでもなんでもない一般のポケモンであるため、「サンドがただでかくなっただけじゃカイオーガに負けるのも仕方ない」という謎の理論がプレイヤーの間で立ち上がってしまっている。

ゲンシグラードン

全国図鑑：No.383
分類：たいりくポケモン
タイプ：じめん／ほのお
高さ：5.0m
重さ：999.7kg
特性：おわりのだいち

グラードンがゲンシカイキした姿。ゲンシカイキとは、古代の力を取り戻し本来の姿となった状態のことをいう。
グラードンに「べにいろのたま」を持たせることで場に出た時にゲンシカイキし、ゲンシグラードンとなる。当然元はグラードンであるため、禁止伝説に分類される。

『オメガルビー』のパッケージを飾った。
ゲンシカイキすることによって身体がルビーのような質感で輝くようになり、体に刻まれた模様が「Ω」に見える形状へ変化している。

種族値の合計は670から100上昇して770。「とくこう」と「こうげき」が大きく上昇する。
ゲンシカイキすることによって特性が「ひでり」から、その強化版である「おわりのだいち」に変化する。
「おわりのだいち」はゲンシグラードン専用の特性であり、炎タイプの技を強化しつつ、水タイプの技を完全に無効化する。そのため、今まで苦手であったカイオーガに対しても強気に戦うことができるようになった。

アニメ劇場版『光輪の超魔神フーパ』にも登場。
その中でのグラードン（ゲンシグラードン）は、フーパによって他の伝説ポケモンと共に強引に呼び出され、闘争本能を操られてサトシとフーパ達に襲い掛かるという役回り。
呼び出された伝説ポケモンの中で唯一飛行、浮遊能力を持っていないため、操られた状態から元に戻った伝説のポケモンたちがそれぞれ空を飛び帰還する中、一匹だけ歩いて帰っていった。そのシュールな画が視聴者に笑いを誘った。

カイオーガ

全国図鑑：No.382
分類：かいていポケモン
タイプ：みず
高さ：4.5m
重さ：352.0kg
特性：あめふらし

『サファイア』とそのリメイク作品である『アルファサファイア』のパッケージを飾る伝説のポケモン。禁止伝説に分類される。
シャチをモデルとしており、その他にも様々な海洋生物の要素を掛け合わせたかのような姿をしている。

種族値の合計は670。グラードンとは正反対に「とくこう」「とくぼう」がそれぞれ150、140となっており、特殊方面が優秀である。専用技は「こんげんのはどう」。『アルファサファイア』で獲得した専用技で、120もの威力を誇る。

『ルビー・サファイア』『エメラルド』の舞台であるホウエン地方の伝説のポケモン。海を生み出したポケモンとされ、同じく神話に出てくるグラードンと長きにわたって戦いを繰り広げて、死闘の末、海の底で眠りについたとされる。
ただしこれは神話上のもので、グラードンと同じく実際に海を作り出したわけではない。ポケモン開発元であるゲームフリークの増田氏は「ポケモンの世界の陸地と海は天変地異によって形成された」「二匹の戦いは古代人の創作」と断言している。

『ルビー・サファイア』『エメラルド』のシナリオ上において、非常に重要な役割をしているポケモン。
海を広げたというカイオーガの力を利用して海を広げようと画策するアクア団にその存在を狙われている。
海底で長い眠りについていたが、アクア団のリーダーであるアオギリの手によって目覚める。だが、直後世界中に大雨を起こし、異常気象を発生させてしまう。

グラードンとは違い、特性や技が噛み合うため、対戦では非常に強いとされるポケモン。
自身が持つ特性「あめふらし」は、バトル中の天候を「あめ」状態にして水タイプの技の威力を強化する性能。そしてこの特性を利用した水タイプの技は超強力であり、大抵のポケモンを一撃のもとに沈めるほどの威力を持つ。みずタイプの補完となるこおりタイプの技も覚えるため、カイオーガの弱点をつこうとするポケモンも逆に返り討ちにしてしまえる。

ちなみに、対の存在であるグラードンとの強さの関連性をよくネタにされるが、2010年の大会ではカイオーガとグラードンが共存したパーティが優勝している。しかも同年の小学生部門ではなんとカイオーガがグラードンに負けている。

ゲンシカイオーガ

全国図鑑：No.382
分類：かいていポケモン
タイプ：みず
高さ：9.8m
重さ：430.0kg
特性：はじまりのうみ

カイオーガがゲンシカイキした姿。
カイオーガに「あいいろのたま」を持たせることで場に出た時にゲンシカイキし、ゲンシカイオーガとなる。当然元はカイオーガであるため、禁止伝説に分類される。

『アルファサファイア』のパッケージを飾った。
ゲンシカイキすることによって身体がサファイアのような質感で輝くようになり、体に刻まれた模様が「α」に見える形状へ変化している。

種族値の合計は670から100上昇して770になる。ただあまり使いどころのない「こうげき」が50も上昇しており、無駄が多いとされる。
ゲンシカイキすることによって特性が「あめふらし」から、その強化版である「はじまりのうみ」に変化する。
自身のタイプである水タイプの技の威力を強化しつつ、対の存在であるグラードンの得意な炎タイプの技を完全に無効化する。
元々カイオーガの状態でも強いポケモンであったためか、ゲンシカイキしてもその恩恵は少なめに抑えられている。それどころか、ゲンシグラードンの特性「おわりのだいち」に対して弱いという弱点を抱えてしまった。
ゲンシグラードンの弱点を突けるはずなのに「おわりのだいち」による効果でこちらの主力である水タイプの技を無効化されてしまう。さらには、ゲンシカイオーガ自身の特性との相性の良い「かみなり」の技は命中50%まで引き下げられる上に、タイプ相性によってゲンシグラードンには無効。最後の頼みの綱である氷タイプの技では天候の効果によって相手が「こおり」状態になることはなく、「こおり」状態での行動不能も狙えない。
こちらの技は有効に機能できなくなってしまうため、天候を奪われるとゲンシグラードンに途端に弱くなる。

この強弱の逆転はプレイヤーからもネタにされ、『ルビー・サファイア』ではグラードンが圧倒的不利な状況のようなイベントシーンなどから、「10年越しのグラードンの逆襲」と揶揄された。

レックウザ

全国図鑑：No.384
分類：てんくうポケモン
タイプ：ドラゴン／ひこう
高さ：7.0m
重さ：206.5kg
特性：エアロック

『エメラルド』バージョンのパッケージを飾る伝説のポケモン。禁止伝説に分類される。
緑色の東洋龍のような外見をしている。グラフィック上ではとぐろを巻いており、技の演出以外で身体を伸ばすことはあまりない。身体を真っ直ぐ伸ばすと画面におさまりきらなくなってしまうため。

種族値の合計は680。「こうげき」と「とくこう」が150もあり、攻撃的なステータスとなっている。専用技は威力120のひこう技「ガリョウテンセイ」。
『エメラルド』では、パッケージを飾りストーリーの鍵となっているポケモンで、異常気象を発生させながら激突するカイオーガとグラードンの対決を仲裁する役割を果たした。
このことから、カイオーガ、グラードンよりひとつ格上の存在であることが察せられる。

アニメ劇場版『裂空の訪問者 デオキシス』において主役を務める。
自身の住処であったオゾン層を横切ったデオキシスを憎み、激しく追い立てる。縄張りから追い出したあともその怒りはおさまらず、その後、4年間ずっとデオキシスを追跡した。デオキシスが迷い込んだハイテク都市ラルースシティにも容赦なく乗り込み、周りを巻き込む攻撃を次々繰り出して都市を大混乱に陥れる。
これまで映画に登場する伝説ポケモンは高度な知性を有していたり、圧倒的な強さを見せるなど威厳があったのに対し、レックウザはただ暴れまわるだけ、しかもその理由が「縄張りを横切った」という些末な理由であり、お世辞にもあまりいい役回りと言えなかった。

メガレックウザ

全国図鑑：No.384
分類：てんくうポケモン
タイプ：ドラゴン／ひこう
高さ：10.8m
重さ：392.0kg
特性：デルタストリーム

レックウザがメガシンカした姿。
専用技「ガリョウテンセイ」を覚えた状態で戦闘中にコマンドを選択することでメガシンカし、メガレックウザとなる。元はレックウザであるため、禁止伝説に分類される。

種族値の合計は780にも達し、元から高かった「こうげき」「とくこう」が上昇、さらに欠点だった低い「すばやさ」が20プラスされて115にまで上昇した。特性の「デルタストリーム」は天候を「らんきりゅう」状態にし、ひこうタイプの弱点を消すという強力なもの。
メガシンカすることで姿も大幅に変化する。
ゲンシグラードン、ゲンシカイオーガに特徴的な「Ω」「α」の模様があるように、額の紋様が「Δ（デルタ）」型になっている。
特徴的な顎もΔを上下逆さにしたものと思われるが、プレイヤーからは「万年筆みたい」と言われることも多い。

『オメガルビー・アルファサファイア』ではシナリオ後の追加要素としてメガレックウザを主体としたストーリー、エピソードデルタが展開される。

アニメ劇場版『光輪の超魔神フーパ』にも登場し、色違いの黒いレックウザがメガシンカする。
『裂空の訪問者 デオキシス』での暴れん坊な個体とは違い、状況判断力に優れた温厚な性格で描かれる。フーパに呼び出されるが、伝説のポケモンがそれぞれ暴れまわっているという状況の危険性を理解してラティアス・ラティオスと共にサトシ達に協力する。
サトシの指示に従い、フーパの影に操られる伝説ポケモン達を相手にメガシンカした姿で激闘を繰り広げる。

幻のポケモン

デオキシス

全国図鑑：No.386
分類：DNAポケモン
タイプ：エスパー
高さ：1.7m
重さ：60.8kg
特性：プレッシャー

宇宙から来たとされる幻のポケモン。胸には紫色の水晶体があり、それを核としてさまざまな形態に体を変容させる。姿によってパワータイプ、スピードタイプと得意分野が異なり、デオキシスはこれを使い分けて戦いに対応しているという設定がある。実際にゲーム内のバトル中に形態変化させるのは不可能だが、フィールド上にて隕石を調べるなどをすると「ノーマルフォルム」「アタックフォルム」「ディフェンスフォルム」「スピードフォルム」の4つの形態の中からフォルムチェンジする。

種族値の合計は600。フォルムによって種族値配分が異なり、「ノーマルフォルム」を基準にして「アタックフォルム」では「こうげき」と「とくこう」が高くなり、「ディフェンスフォルム」では「ぼうぎょ」と「とくぼう」、「スピードフォルム」では「すばやさ」がそれぞれ高くなる。専用技は「サイコブースト」。威力140のエスパー技である。なおこの技は『、ポケモンXD』で手に入るルギアも覚える。

名前の由来は「デオキシリボ核酸（DNA）」。そのためポケモン図鑑上の分類はDNAポケモンとされている。
遺伝子実験によって生み出されたミュウツーの分類が「いでんしポケモン」であるのは理解できるのだが、宇宙から来たとされるデオキシスがどうして「DNAポケモン」なのか関連性が思いつかないと首をかしげるプレイヤーも多い。実際、デオキシスとDNAとの関係はどの作品でも言及されていないため関連性は不明。

アニメ劇場版『烈空の訪問者 デオキシス』で主役を務めた。
宇宙から飛来したデオキシスは、レックウザの住処である成層圏を横切ったことで縄張りを侵されたと怒り狂ったレックウザに追い掛け回されるという展開なのだが、「なぜ宇宙からやってきたのか？」という点は作中で語られていない。何かを破壊するためでも、何かから逃げるわけでもなく、本当にただ「訪問」してきただけである。

また、『オメガルビー・アルファサファイア』ではエンディング後にレックウザを主体としたストーリー・エピソードデルタの敵役として登場する。
舞台であるホウエン地方めがけて落下してくる巨大隕石と一緒に飛来してくるのだが、やはりその目的も不明。エピソードデルタ終了後にNPCから予想を聞ける程度である。曰く、宇宙からホウエン地方を目指すその途中で巨大隕石と合流しただけで、デオキシスに地球を破壊する気は微塵も存在しなかったらしい。
こちらもまさにただの「訪問」だったわけである。なお『オメガルビー・アルファサファイア』の通常プレイで手に入れられるようになったことから、ファンの間では伝説か幻かで議論が交わされている。

アニメ劇場版でもエピソードデルタでも「結局何がしたかったの？」あるいは「何が目的だったの？」とプレイヤーに言われている。
しかし一方でこの「よくわからなさ」がデオキシスの不気味さを引き立てていると好意的な評価もある。

ジラーチ