美女と野獣(ディズニー映画)のネタバレ解説・考察まとめ

フランスの民話を元に1991年に制作されたディズニーの長編アニメーション映画作品。魔女の呪いによって醜い野獣に姿を変えられた古城の王子と美しく聡明な街の娘ベルとの奇跡の愛の物語。ロマンティックな音楽と美しい映像が全編を彩り、信じ合うことで起こる不思議な奇跡が深い感動を呼び起こすファンタジー・ラブストーリー。アニメ作品として初のアカデミー作品賞にノミネートされ、さらに作曲賞と歌曲賞を受賞した。

概要

『美女と野獣』(原題: Beauty and the Beast)は、18世紀フランスの作家J・L・ド・ボーモン夫人によって出版された民話を原作として、1991年に制作されたディズニーの長編アニメーション映画。
製作は「リトル・マーメイド」のドン・ハーン、監督は共に長編初となるゲイリー・トゥルースデイルとカーク・ワイズの共同、脚本も長編初のリンダ・ウールヴァートン、音楽は「リトル・マーメイド」のコンビで、作曲・アラン・メンケン、作詞・ハワード・アシュマン。
アニメーション映画史上初となるアカデミー賞(第64回)作品賞にノミネートされ、作曲・アラン・メンケン、作詞・ハワード・アシュマンのコンビが「リトル・マーメイド」に続き作曲賞と歌曲賞を受賞した。
日本での公開は1992年9月23日。2002年にはIMAXシアター向けに同作品を作り直して上映。IMAXの大画面に耐えるよう細部において書き足しなどを行っている。また最初の上映時には無かった「人間に戻りたい」など、一部シーンが追加されている。2010年にはディズニーデジタル3-D版が上映された。続編に「美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント」、「美女と野獣 ベルのファンタジーワールド」がある。
アメリカでは1992年10月30日にホームビデオが発売され、1週間で700万本、1ヶ月で1420万本という売上を記録、当時1300万本余を販売していた『ファンタジア』を上回る当時の米国記録を達成した。

あらすじ・ストーリー

遠い国の輝くお城に、我がままで思いやりを知らない若い王子が住んでいた。ある冬の夜、城に醜い老女が訪れ一晩泊めてほしいと一輪のバラを差し出すが、王子は老女の醜さを理由に追い返そうとする。すると、老女は美しい魔女に変わり、優しい心を持たない王子を罰として恐ろしい野獣の姿に変え、さらに城と召使いたちにも魔法をかけてしまう。魔女は外の世界を映し出す魔法の鏡と一輪のバラの花を置いて去った。そのバラが全て散るまでに、自分が愛し相手からも愛される”本当の愛”を見つけなければ魔法は永遠に解けなくなる。王子は絶望し、失意の内に歳月が流れていった。

街に住む発明家・モーリスの娘・ベルは、街一番の美人。読書と空想が大好きな父親想いの娘。でも変わり者と見られていて街の人々に馴染めない。中でも”街一番のハンサムで人気者”とうぬぼれが強く、乱暴で下品な狩人のガストンにしつこく結婚を求められていた。
ある日、モーリスは発明大会に行くと言い馬車で出かけるが、途中の森で道に迷いオオカミの群れに襲われる。そして古びた城を見つけて逃げ込むのだが、今度は恐ろしい野獣と出会い、モーリスは城に囚われてしまう。
馬車がモーリスを乗せぬまま戻ってきたので、ベルは父に何かあったに違いないと思い、その馬車の案内で森の奥の城の前までたどり着く。門の中に落ちている父の帽子を見つけ中へ入っていくと、牢に入れられているモーリスを見つけるが、そこへ野獣が恐ろしい形相で現れる。ベルは野獣に、父の代わりに自分が囚われることを願い、野獣もそれを認め、猛反対するモーリスを魔法の馬車に乗せて強引に街へ追い返してしまうのだった。

父の代わりに城に残ることになった失意のベル。魔法で家財道具に変えられた城の召使いたちは、魔法が解けるきっかけになるかもしれない女性の出現に期待を持って、丁寧なおもてなしをする。ベルも次第に気を取り直し、城の生活になじもうと努力をするのだが、礼儀知らずで我がままな野獣は相変わらずで、彼女に対する凶暴な振る舞いに耐えきれなくなり、ベルは馬車に乗って城を飛び出してしまう。だが外は猛吹雪、しかもオオカミの群れに襲われてしまい危機一髪。と、そこへ駆けつけてきた野獣が現れ、オオカミに傷つけられながらも追い払い、ベルを救うのである。城に戻ったベルは、野獣の治療をしながら彼の心の中に残る優しさに気付き、野獣も彼女の優しさに触れ、お互いに心を通わせるようになる。そして日々過ごしていく中で、野獣は徐々に人間らしい心を取り戻してベルに想いを寄せるようになり、ベルもまた、そんな野獣の心に惹かれていくのだった。
二人だけの晩餐会を開いた日の夜、離れてしまった父のことを想うと沈んだ表情を隠せないベル。そんなベルに野獣は、魔法の鏡で現在の父の姿を映し出して見せる。だがそこに映し出されたのは、吹雪が舞う森の中に行き倒れたモーリスの姿だった。彼は街の酒場で騒ぐガストンたちに野獣の存在を知らせ助けを求めたものの相手にされず、一人でベルを助けに来る途中だったのである。狼狽えるベルの姿に野獣は彼女の気持ちを思いやり、魔法の鏡を与えると城から解放する。魔法のバラの花は残り少なく、このままベルが戻らなければ永遠に魔法が解けないことを知りながら、野獣はベルを行かせたのだった。

父を助け街に戻ってきたベルだったが、「ベルが野獣に囚われている」と助けを求めたモーリスを狂人扱いしたガストンが、精神病院に入れない変わりに結婚を承諾しろと迫ってくる。ベルは激しく彼を拒絶し、父の言うことが事実であることを証明するため、魔法の鏡で野獣の姿をガストンに見せる。だが野獣を庇うようなベルの言動に彼女と野獣の関係を察したガストンは嫉妬に駆られ、ベルとモーリスを自宅の地下貯蔵庫に閉じ込め、「野獣を殺せ!」と街の男たちを炊き付けて城へと向かってしまう。途方に暮れたベルとモーリスだったが、ベルの鞄にこっそり隠れて来ていた城の召使いポット婦人の息子・ティーカップのチップの機転により脱出、急いで城へと向かうのだった。

城では、野獣を討つべく街の男たちが乱入、応戦する召使いたちが本物の家具の振りをして奇襲を掛け、男達を翻弄し追い返していた。だが野獣だけはベルを失った絶望に塞ぎ込み何ら手を打とうとしない。そこへただ一人野獣の居場所を突き止めたガストンが、背後から矢を放って奇襲し野獣をバルコニーに追い詰める。それでもなお野獣は力なく抗戦せず、徹底的に痛めつけられてしまう。そしてガストンが止めを刺そうとした瞬間、駆けつけたベルの呼ぶ声を耳にする。その声に生気を取り戻した野獣は反撃を開始。ついにガストンを追い詰め、怒りと共にバルコニーから落とそうとするが、命乞いをする彼の姿を見て思い止まり、「出て行け!」と言い放つ。ベルと念願の再会を果たした野獣だったがそれも束の間、ずる賢いガストンは背後から野獣の脇腹に短剣を突き刺した。だがその拍子にガストンはバランスを崩して谷底へ落下するのだった。

瀕死の重傷を負った野獣は、もはや虫の息に陥ってしまう。途切れ途切れに愛と別れの言葉を口にし事切れてしまった野獣にすがり、ベルは涙を流しながら愛を告白する。
皆が悲しみにくれる中、突然空から流星が振りそそぎ、野獣の身体が浮き上がって光に包まれたかと思うと、彼は見る見るうち美しい立派な青年に変わっていった。瞳の色で彼が野獣だと分かったベルは彼と抱き合い、そしてキスを交わした途端、花火と共にすべての魔法が解けて城は元の輝く姿に、召使いたちは元の人間の姿に戻ったのだった。
そして二人は、この城で結ばれ、召使いたちとモーリスが見守る中、幸せに暮らしたのである。

登場人物・キャラクター

野獣(CV:ロビー・ベンソン/吹替:山寺宏一)

森に中に立つ古城の城主であり王子でもある。
人を見かけで判断し、冷たく振舞う傲慢な性格だったために、老婆を装った魔女の手で罰として魔法をかけられ、醜い野獣の姿となってしまった。
ある日偶然に訪れたモーリスの身代わりとなったベルの出会いで、徐々に人間らしい感情と優しさを取り戻してゆく。
最後はガストンに刺されて死んだと思われたが、ベルの愛によって呪いから解き放たれ人間の姿に戻り、彼女を城に迎え結ばれる。

ベル(CV:ペイジ・オハラ/吹替:伊東恵里)

本作のヒロイン。「ベル(Belle)」はフランス語で「美しい」という意味。
街一番の美人で、読書と空想が大好き。聡明で自由な考えの持ち主だが、街の人からは風変わりで謎めいた娘だと思われている。
父モーリスが野獣の城で囚われ、父の身代わりとして自分が城で暮らすことを決める。我がままで乱暴だが根は優しい野獣と次第に心を通わせ結ばれる。

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