ブラック・ジャック(BLACK JACK)のネタバレ解説まとめ

ブラック・ジャック(BLACK JACK)は、手塚治虫の代表漫画作品の1つ。黒いマント姿につぎはぎの顔の天才無免許医師が、法外な治療費と引き換えに多くの怪我や難病を治療していく人間ドラマ。1973年~1979年に「週刊少年チャンピオン」にて連載され、連載終了後も読み切り作品が掲載された。さらに、他の漫画家の執筆による作品も数多くあり、医療漫画のパイオニアにして、金字塔と言われる。

あらすじ・ストーリー

法外な額の報酬と引き換えにあらゆる難手術を成功させる、モグリの天才外科医ブラック・ジャック。彼の元に舞い込むさまざまな依頼と、患者およびその周辺の人間関係を通じて、生とは何か、死とは何かを問いかける、手塚治虫の代表作の1つ。手塚は自身が医師免許を持っており、生々しくも迫力ある手術描写などから、漫画史における最初の本格医療漫画と言える。

出典: dic.nicovideo.jp

『ブラック・ジャック(BLACK JACK)』の主要人物

ブラック・ジャック

本名は間 黒男(はざま くろお)。
無免許の天才外科医。どんな困難な症例も鮮やかに手術をするが、報酬はものすごく高い。

幼いころ、母親といっしょに不発弾による事故に巻き込まれ、自身は死線をさまようほどの大怪我を負ってしまう。母親は亡くなってしまったが、本間丈太郎医師による大手術で子供(ブラック・ジャック)の命は奇跡的に助かった。そのときについた手術跡によってつぎはぎの顔になり、体中に傷跡が残っている。
通常の生活に戻るまで想像を絶するほどのリハビリ生活を続けた。
また、顔の左右の色が異なる。これは、大手術のときに皮膚移植を受けたときのものである。子どものころの唯一の親友である黒人とのハーフのタカシからの提供。別の皮膚の移植を受けてはどうかと勧められても、皮膚をくれた親友への感謝の気持ちから拒んでいる。

外出するときは、どこに行くにも黒を基調としたコートやスーツを着ている。インナーは白のワイシャツで、リボンタイを使用し、革靴を履く。コートの内側には、メスや鉗子などの簡易な医療器具を携帯しており、場合によっては医薬品を収納している。襲われたときなどにメスを投げるが、ここから取り出して使用する。このメスは、有名な鍛冶師の手によって鍛えられた逸品である。
常時医療器具の入ったバッグ(トランク)も外出するときに携帯する。手術する環境は場所を選ばないため、膨らませて使用するビニール製の透明なテント状の無菌室を携行している。

家族構成
父親、母親。
父親と別の女性との間に、異母妹がいる。
また、自称・妻のピノコと暮らしている。

医療技術は超一流であるが、医師免許を持っていない。
無免許で医療行為を行っている。医療技術は独学ではなく、地方の三流医科大学を正式に卒業している。
免許を取得しない理由は、多々あり明確には語られていない。だが、世界医師連盟から「技術と数々の業績により、特例で医師免許を与えたい」という話があったときには、受託しようとする。だが、結局破談に終わってしまった。
専門は外科である。しかし、一般外科だけでなく、心臓外科や脳外科などもオールマイティーにこなす。さらに、内科、眼科、薬学など外科以外の専門領域にも造詣が深く、人間以外にも、動物、宇宙人、ミイラや幽霊なども治療する。
終いには、鏡を見ながら自分自身を手術するまでに至る。

高額な治療費は、お金を持っていようと持ってなかろうと区別なく請求する。どんな手を使ってでも、治療したいという覚悟を確認するためである。
支払期限をほとんど設けていない。また、払う気のない人には、借金取りのように付きまとって、払わせようとする。
逆に、低額な治療費や無償で行うこともある。お金でなくてもそれに見合う価値のものであれば、手術を行ってもらうことができる。
また、患者の負傷・発症の原因が企業や団体であることが明確となれば、それらに請求することもある。
非常に義理堅い一面もあり、世話になった人物、恩人、その肉親、ピノコと親しい人物などに対しては無償あるいは低額で治療する。

不発弾の爆発事故で、自身が死の境をさまようほどの大怪我、母親の死亡。これに対する復讐を誓っていた。
この事故に関わった関係者は5人いる。そのうち2人は死亡した。2人の死亡後は、復讐をあまり口にすることはなくなったため、残りの3人に関してはわからない。

ピノコ

ある資産家の娘である。
無事に生まれて生を受けたわけでなく、双子の姉の体の中のコブ(奇形腫)として成長していた。このコブの中には脳や手足、内蔵など人間を構成するのに必要なものがバラバラの状態となって収まっていた。
多くの病院でコブを摘出しようとするが、手術道具が破壊されたり、医師がおかしな言動に陥り手術自体がうまくいかない。これは、取り出されたら殺されると思っていたため、自分を守ろうとする防衛本能が超能力のように発現した結果である。
このような状態では、普通の医者では対応ができないため、ブラック・ジャックのところへ運び込まれた。はじめは妨害工作を受けるが、「摘出しても培養液に入れて殺さない」と説得をして、麻酔をかけ摘出に成功する。
手術後、コブの中にあるパーツはすべて使用し、コブの中に含まれていない顔や胴体部分は合成繊維でできた皮膚を使って補い、1人の女児が組み立てられた。
生まれたときの年齢は18歳と自称している。作中では21歳まで成長するが、身体の成長は女児のままで止まっている。
ブラック・ジャックの家に居候することになり、自称・妻となる。
皮膚が合成繊維のためまったく泳ぐことができない。
発声が上手にできないため、独特の幼児語を話す。

サ行→タ行
濁点→ラ行
ラ行→ヤ行
に置き換えて話す。また、怒ったときや驚いたとき、感動したときなどに「アッチョンブリケ」と叫ぶ。

本間丈太郎

東亜大学出身。
幼いころに、不発弾の事故によって体がバラバラになったブラック・ジャックを手術して救い、彼の命の恩人となる。
ブラック・ジャックと直接の師弟関係ではなく、実際の関係は医者と患者である。
命を救われたブラック・ジャックの医者を目指すきっかけとなり、尊敬されている。

ドクター・キリコ

元軍医である。年齢不詳。
外見は、銀色の長髪で左目に眼帯をした細身の男。
安楽死のエキスパートである。
戦場では次から次へと瀕死の重傷を負った兵士が運ばれてくる。医療品が不足する中、目の前で治療もできずにただ苦しんでいる兵士に何もできない。
そんな中、ドクター・キリコは悩んだ末に、瀕死の兵士に安らかな死を与え、苦しみを取り除くことを選択した。
このような経験から、「手の施しようがない患者は、苦しませるよりも安らかに息を引き取らせた方が良い」との信念を持つようになった。
戦場から戻った後、法律を侵さないように安楽死を請け負うようになる。“死に神の化身”と呼ばれるが、安楽死を望むものにとっては天使になりえる。
しかし、依頼されたからといって必ず安楽死させるわけではない。安楽死に対する信条はもっており「手の施しようがない患者に対して救済としての最後の手段」である。
この信条を犯すのであれば依頼を断わる。
ブラック・ジャックとは、治療方法でぶつかることがあり、少なからず因縁がある。

名言・名セリフ

それを聞きたかった

ブラック・ジャックの言葉。

母親が長年無理をし続けたために、脳に出血を起こしてしまった。息子が母親を助けるにためにブラック・ジャックに治療をお願いするが、その治療費が3,000万円になると告げられた。息子は高額な治療費に驚くが、すぐに一生かかってでも必ず払うことを約束する。
ブラック・ジャックは、どんなことをしてでも母親を助ける覚悟が見たかったのだ。ブラック・ジャックの母親は、不発弾の事故で彼を守りながら死んだ。そのため、ブラック・ジャックの母親への想いは相当強い。その想いがあったため、決定に躊躇したり、治療費を値切ろとすれば治療はしなかった。
最も聞きたかった言葉をすぐに聞けたので、本当にうれしくなり、この言葉が出たのである。

死刑にするため助けたんじゃない!!

ブラック・ジャックの言葉。

父親を殺して、逃亡を図った少年が自殺。
瀕死の少年の手術をブラック・ジャックに依頼するが断られる。
その代わりに世界的権威の教授が、名声を高めようと手術を引き受ける。だが、思っていた以上に難手術で失敗してしまった。
その失敗を隠すためにブラック・ジャックに後始末を依頼する。
出術は無事に成功。
だが、生還した少年に待っていたのは裁判であった。
その判決は死刑。
瀕死の状態から助けたのにもかかわらず死ぬことになるなんて、このような理不尽なことがあるのか。
ブラック・ジャックは、「死刑にするため助けたんじゃない!!」と叫んだ。

それでも私は人をなおすんだっ 自分が生きるために!!

ブラック・ジャックの言葉。

事故で首の骨を折り、寝たきりになってしまった母親。2人の子どもに世話になっていて、お荷物になるのが心苦しく悩ましい。そこである決断をする。
ドクター・キリコに安楽死を依頼。
時を同じくして、2人の子どもたちは母親を治すために、ブラック・ジャックのところへ依頼に行く。
2人の医者は、母親の治療を巡って対立する。
ドクター・キリコも治す手立てがあるなら自分の信条に背くので、安楽死はしない。
ブラック・ジャックは手術をして無事成功させる。
徐々に回復をしていた母親だったが、2人の子どもと一緒にトラック事故に巻き込まれ亡くなってしまった。
結局は、死ぬ運命だったのか。
その一報を聞き、ドクター・キリコは高笑い。
ブラック・ジャックはこのような悲劇に対し、新たな決意を持って声を張りあげる。

医者は何のためにあるんだ

ブラック・ジャックの言葉。

人口増加によって、地球というシステムが壊されてしまう。
それを防ぐために、大自然が生み出した病原体が猛威を振るう。
それはすべての動物の体を縮小させることであった。
この病原体に感染した人や動物を救おうとすると、地球の破壊につながる。
治療を行わなければ、地球は破壊されないが人類が滅ぶ。
どちらかを救おうとすると、もう一方は滅びの道を歩んでしまう。
このジレンマの中で、出た言葉である。

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