三つ目がとおる(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

『三つ目がとおる』の概要

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画作品及び、それを原作とするアニメ作品である。1974年から1978年にかけて『週刊少年マガジン』に連載。この時期、漫画業界を席巻していたのは大人向けの劇画であった。『週刊少年ジャンプ』や『週刊少年チャンピオン』などでもそういった作品が多く、あまり劇画作品を乗せていなかった『週刊少年マガジン』は売り上げが落ちていた。少年漫画による人気を巻き返すべく、日本漫画界のパイオニアともいえる手塚治虫が起用された。
こうして連載が始まったのが『三つ目がとおる』である。当初は月一掲載だったが好評を博し、毎号掲載となった。1977年、手塚氏は『ブラック・ジャック』と『三つ目がとおる』により第1回講談社漫画賞を受賞している。

『三つ目がとおる』はSF推理物として始まったが、オカルトや超能力ブームの時代の波により、古代文明を始めとするオカルティックな要素を盛り込んだ作品となる。推理物としての要素は、主人公・写楽保介とヒロインの和登さんこと和登千代子の名前に反映されている(それぞれシャーロック・ホームズとワトソン博士が由来)。

琵琶湖の底に遺跡がある、モアイ像が子供の泣き声に反応して動くなど、実在する古代遺跡に独自の解釈が与えられており、すでに失われた古代文明へのロマンや想像力が広がる造りである。
作中でも言及されていることだが、古来より一部の神や仏など、超常的な力を持った存在は時に三つ目として表されてきた。このことから、作中人物(須武田博士など)は三つ目族の超能力や文明を神の所業とした古代人が、三つ目という特徴を神の印として残したのではないかと推測している。

第三の目が超常的能力の源というアイディアは今でこそ漫画を始めとする創作物のポピュラーなジャンルとして確立しているが、『三つ目がとおる』は漫画等におけるそうしたジャンルの走りともいえる。
また、漫画作品における三つ目キャラクターの多くは多重人格的な性格を有しており、第三の目の開閉(正確には絆創膏による封印)で性格が変わる写楽のキャラクターは、後の三つ目キャラに多大な影響を与えた。

アニメやリメイク作品

出典: video.unext.jp

1990年放送のテレビ東京版より。

1985年24時間テレビの中で『悪魔島のプリンス 三つ目がとおる』(以下24時間テレビ版)として放映される。ベースは原作の『イースター島航海編』だが、以下の変更点、アレンジがある。
・『イースター島航海編』の敵、パンドラが訓練し操っていた半人半獣のポキ族の出番が一切なし。
・『三つ目族の謎編』に登場した天人鳥(てんじんちょう)に似た人面鳥が複数登場。三つ目族の遺跡、遺産を守る番人という点は同じ。パンドラに操られていた点では『イースター島航海編』のポキ族と同じである(どのようにして従えていたのかは不明)。
・敵に当たるパンドラが長耳族という古代種族の子孫から、ヒトラーの孫に変更。これに伴い、パンドラの目的も日本人への復讐から世界征服に変えられた。
・赤ん坊の写楽を犬持に託したのが母ではなく乳母になっている。
・写楽が古代三つ目族の王家の血筋という設定。
・テレビ東京版で「赤いコンドル」と呼ばれる槍のような遺物が「ホコ」と呼ばれる。また王族の血筋でないと扱えないものになっていた。

1990年10月から翌9月まで、テレビ東京系でシリーズアニメ化された。このテレビ東京版『三つ目がとおる』は、手塚治虫氏の死後に企画が始まり、作者没後初のアニメ化作品となった。ストーリーの順序やキャラクター設定、内容にいくらかの改変が加えられている。一部を列挙すると以下のようになる。
・三つ目の写楽がやや丸い性格になっており、クールな振る舞いこそあれど原作ほどの冷酷さを感じさせない言動も多い。
・犬持の職業が医師から考古学者に変更。犬持が三つ目族の研究をしているという設定の為、須武田博士は登場しない。写楽に対し、「研究対象として育てたと思われているのではないか」との犬持の負い目が追加されている。
犬持が須武田博士の役割を継いだため、「普通の子に育てたい」と思いながらも三つ目族の遺跡や遺産の謎の解明の為に絆創膏を剥がすといった矛盾した行動も多々ある。
・『怪植物ボルボック編』に登場する、三つ目族の遺物たるボルボックの球根をこっそり育てていたのが成人男性の吾平ではなく少女のモエギに変更。吾平だけでなくその兄の青玉も登場せず、遺跡泥棒の草井が青玉の役割を受け継いでいる。最終話付近ではボルボックに生体強化細胞が植え付けられてパワーアップし、ラスボスとして立ちはだかる。

2001年、『手塚治虫が消えた?!20世紀最後の怪事件』に他の手塚作品のキャラクター、アトム(『鉄腕アトム』)、お茶の水博士(『鉄腕アトム』)、天馬博士(『鉄腕アトム』)、ブラック・ジャック(『ブラック・ジャック』)、ピノコ(『ブラック・ジャック』)、サファイヤ(『リボンの騎士』)、ヒゲオヤジ(『三つ目がとおる』を含む多くの手塚作品に登場)、ロビタ(『火の鳥』)らと共に写楽と和登さんが登場する。
この作品は手塚治虫氏が健在で21世紀を迎える為の年越しパーティーに出席するという設定。アトムや写楽らは早めに呼ばれて手塚氏と同じホテルに宿泊することとなる。手塚氏はアトムにのみ、「最近何者かにストーカー被害を受けている」と打ち明け謎の失踪を遂げる。各人が不可解な行動をとる中、手塚氏が何者に連れ去られたのか、今どこにいるのかなどを推理するストーリーである。トリックの推理や説明はアトムが行った。
結果は天馬博士と手塚氏による自作自演の狂言誘拐であり、手塚氏は天馬博士に化けて自作キャラクターたちに漫画を通したメッセンジャーとしての役割りを託すべく行ったことだった。手塚氏は天馬博士の姿で「私たちは手塚治虫に生み出されたが、漫画で世の中が少しでも変わったか?」と問うている。

漫画作品としてのリメイクは2016年より、秋田書店『チャンピオンRED』にて、『三つ目黙示録~悪魔王子シャラク~』(脚本:藤澤勇希/作画:柚木N')として連載開始。2018年4月まで掲載された。

『三つ目がとおる』のあらすじ・ストーリー

三つ目族の末裔と幼馴染

中学生の写楽保助(しゃらく ほうすけ)は、年齢以上に幼い心を持つ劣等生。幼馴染の和登さんこと和登千代子(わと ちよこ)はそんな写楽を放っておけず、彼が赤点を取ったり不良にイジメられているのを見かけるたびに力になっていた。
しかし、実は写楽は三つ目族と呼ばれる民族の生き残りであり、普段はバッテン型の絆創膏で隠されている額には、目のような感覚器官が備わっていた。これが解放されると、写楽は悪魔的な頭脳と狡猾さ、現生人類をとことん蔑視する傲岸不遜な精神、そして念力を使いこなす恐るべき超人へと変貌する。

最後の三つ目族として、世界を我が物にするために様々な事件を起こしていく写楽。それを止めるために、隙をついては彼の額に絆創膏を貼り付ける和登さん。世界各地に眠る三つ目族の遺産や遺跡を巡り、2人は冒険を重ねていく。

ミッシング・リンク

ある日、写楽の養父である犬持(けんもち)が何者かに襲われて重傷を負う。その見舞いに病院を訪れた写楽は、そこで二足歩行する小さな猿のような生き物と出会う。アンパンをあげると喜び、猿は「ここにいると殺されるから逃げろ」と写楽に告げる。
その後病室で猿に似た生き物に襲われた写楽は、その正体を突き止めようと乗り込んだ船の中でパンドラと名乗る女と出会う。猿に似た生き物はポキ族といい、人と猿の間を結ぶミッシング・リンクの子孫だという。

パンドラは日本人によって人生を狂わされた過去を持つ女性だった。パンドラはその復讐のために、三つ目族の遺跡から古代の兵器の類を手に入れようとしており、写楽はこれにむりやり付き合わされて様々な島を訪れる。
旅の中で写楽はポキ族の女王であるポゴと親しくなるも、彼女はパンドラから写楽を守ろうとして殺されてしまう。そのパンドラもまた集めた仲間の多くを失い、また絆創膏を貼った状態の写楽の純粋さに絆されたこともあって復讐を諦め、残ったポキ族を道連れに自爆して果てる。「龍安寺の石庭は三つ目族の遺産の在処を示している」との言葉だけを彼女から受け取ると、写楽は和登さんや犬持の待つ日本へと帰還するのだった。

古代トルテカ文明の遺産

ある時、写楽は大きな卵を発見し、ここから生まれた正体不明の鳥の雛に懐かれる。モアと名付けたこの鳥は、見る見る内に成長し、見上げるような巨躯と“尻からガスを噴出して飛翔する”という不可思議な生態を持つダチョウに似た姿になる。犬持たちの調査で、良く似た鳥の伝承がメキシコのトルテカ文明の遺跡に登場することが明らかとなり、写楽とモアはその地へと移動することとなる。

しかしそこで待っていたのは、トルテカの財宝を狙う悪党たちとの戦いだった。モアの種族には光るものを飲み込んで集める性質があり、トルテカ文明は滅亡前にありったけの金銀財宝をモアたちに飲ませてどこかに隠していた。財宝の横取りを恐れた悪党たちはモアを殺害し、写楽は無二の友の仇として悪党たちと雌雄を決する。
モアも、メキシコでの旅の中で出会った様々な人々も失い、慟哭する写楽。死に別れることとなった少女に告げられた、「三つ目族は過去の存在。そんなものに縋らないで、今の時代を大事にし、生きるべき」との言葉を胸に、彼のメキシコでの冒険は終わる。

復活のゴダル

5000年前、レムリヤ王国の王子として暴虐を振るった三つ目族の少年ゴダルは、「ホア・カバリ・キルマ」という術で生きたまま魂を抜かれ、現代まで封じられていた。
現代になり、ひょんなことから和登さんの体を奪う形で復活したゴダルは、三つ目族である写楽の身体を奪って完全復活し、ついでに今の世界をも手中に収めることを画策。これに気付いた写楽は、来日していたアメリカの大統領一行の体をいただくことをゴダルに提案して時間を稼ぎつつ、和登さんを取り戻すチャンスをうかがう。

互いに腹を探りながらの大騒動の末、和登さんの体は彼女の下に戻り、ゴダルは野良猫の体に入り込んでしまう。変な夢を見たとぼやく和登さんと共に、写楽は日常へと戻っていくのだった。

地下王国の巫女マヌイ

アメリカの大統領へのテロ行為という、もはや看過できない事態を引き起こそうとした写楽を警戒し、犬持は彼の三つ目族としての力の源である第三の目を切除することを考える。和登さんはこれに反発し、写楽が決して邪悪なだけの存在ではないことを証明しようとする。
その写楽は、考古学研究部に入れてもらい、遺跡の発掘に熱を上げていた。偶然発見した未知の遺跡の中で、写楽はかつてそこで巫女をしていたマヌイという女性の霊と出会う。マヌイは自分たちの王国を荒らそうとしている者がいることを写楽に伝え、これを止めてほしいと訴える。

マヌイの願いを承諾した写楽は、絆創膏をつけたままの状態で盗掘者を撃退。さらに絆創膏を剥がしてマヌイたちの地下遺跡を水没させ、2度と誰にも荒らされないようにする。
これを知った和登さんは、絆創膏の無い写楽にだって他人を想う心はあるのだと必死に犬持に訴える。彼女の説得と息子を信じたい気持ちに動かされ、犬持は写楽の第三の目の切除手術を撤回するのだった。

グリーブの策謀

相も変わらず成績劣悪な写楽に教師たちが匙を投げ、全女性ピンカラキリマデ連盟なる組織から上底(あげぞこ)という女教師が派遣されてくる。スパルタ式に写楽を鍛える上底だが、その正体はアメリカ政府のエージェントだった。
写楽と和登さんは半ば連れ去られるようにしてアメリカに行くこととなり、そこでグリーブという上部を切り取ったピラミッドのような遺跡を調べるよう命じられる。ここは三つ目族の遺跡の1つで、重力を制御する強大な力を秘めていた。

写楽たちがグリーブの秘密と使い方を解き明かしていく一方、その力を巡ってアメリカ政府とネイティブアメリカン(作中では当時の表現でインディアンとなっている)が策謀と殺戮を繰り返す。意趣返しに遺跡一帯を水没させると、写楽は密かに作っていた潜水艇に和登さんと乗り込み、日本へと帰っていくのだった。
民族問題や人種差別などの描写を含んでいるため、このエピソードはアニメ化されていない。

三つ目族の遺言

犬持の家に届く青銅製の球体。それは三つ目族の遺産の在処を示したもので、ゴブリン伯爵を名乗る男からのものだった。ゴブリン伯爵は三つ目族の生き残りだが、写楽と比べるとその力は大きく劣り、球体に描かれた文字が読めずにいた。そこで写楽を利用しようと考えたのだ。
三つ目族の遺産がどんなものか気になった写楽と和登さんは、そこに記されていた琵琶湖へと向かう。ゴブリン伯爵もこれを追い、2人を出し抜いて遺産を我が物にすることを目論む。

争奪戦の末にゴブリン伯爵を倒し、不可思議な金の板を手に入れる写楽。そこには「我々の文明は我々の愚かさのせいで滅びる。遠い未来に新たな文明が興り、これを読む三つ目族がいたなら、新たな過ちを起こす前にお前の手で己の時代の文明を滅ぼせ」という三つ目族の遺言が記されていた。
ご先祖様から大義名分を得たとして、いよいよ人類殲滅のための戦いを始めようとする写楽。和登さんは彼に酒を飲ませて前後不覚にしてから絆創膏で三つ目を封じ、事無きを得るのだった。

霊長植物ボルボック

和登さんの伯父の家の庭に巨大な石柱が出現する。何かの役に立つだろうと写楽を連れてこれを見に行った和登さんは、恐るべき怪物と遭遇する。
その名も霊長植物ボルボック。かつて三つ目族によって生み出された、高い知性と植物を支配する力を持つ植物である。不要な争いを繰り返しては大地を穢す三つ目族を見限ったボルボックは、彼らに反旗を翻して滅亡に追いやった存在でもあった。

ご先祖様の仇討ちだと、今までにないほど気合を入れてボルボック退治に臨む写楽だったが、植物を支配する力の前にそのことごとくは失敗。しかし石柱の真の力が「天候を操る」ことだと気づき、竜巻で吸い上げた海水を一帯に降り注がせることで逆転する。最大の弱点である大量の塩を浴びたことにより、ボルボックはついに絶命する。
しかし、そのボルボックの手足となって働いていた人間が、苗を1つ持ち去っていく。写楽はこれを捕まえようとするも叶わず、力尽きて病院に運び込まれる。今もどこかで新たなボルボックが成長していることをうかがわせながら、写楽の最後の戦いは終わる。

『三つ目がとおる』に登場する主な古代遺跡(現実に存在するもの)

猿石(『イースター島航海編』)

えどまち
えどまち
@edono78

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