上を下へのジレッタ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『上を下へのジレッタ』とは、手塚治虫がバーチャルリアリティーのような妄想世界「ジレッタ」を巡る騒動を描いたブラックユーモア漫画。才能と野心あふれるプロデューサー門前市郎(もんぜん いちろう)が「空腹の間だけ絶世の美女になる」という特異体質を持つ越後君子(えちご きみこ)と、その恋人の山辺音彦(やまべ おとひこ)を利用して名誉欲を満たそうと七転八倒する物語。
手塚作品の中では知名度は高くないが、2017年には妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』のタイトルで舞台化され、横山裕が主演を務めた。

『上を下へのジレッタ』の概要

『上を下へのジレッタ』とは、手塚治虫がバーチャルリアリティーのような妄想世界「ジレッタ」を巡る騒動を描いたブラックユーモア漫画。才能と野心あふれるプロデューサー門前市郎(もんぜん いちろう)が「空腹の間だけ絶世の美女になる」という特異体質を持つ越後君子(えちご きみこ)と、その恋人の山辺音彦(やまべ おとひこ)を利用して名誉欲を満たそうと七転八倒する物語。
手塚作品の中では知名度は高くないが、2017年には妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』のタイトルで舞台化され、横山裕が主演を務めた。
人間社会を風刺した手塚作品と言えば長編SF『人間ども集まれ!』がある。本作は『人間ども集まれ!』ほどの反響はなかったと言われており、手塚はその理由を「主人公の門前が悪人」という点と、「タイトルにある『ジレッタ』の登場が物語の後半になる」という点にあると分析している。ただ、「醜い女が腹を減らすと美女になる」というアイデアは気に入っていたようだ。

『上を下へのジレッタ』のあらすじ・ストーリー

覆面歌手の正体

才能と野心にあふれる演出家・脚本家・小説家・評論家の門前市郎(もんぜん いちろう)は、ある日のテレビ番組の演出が過激すぎたために専属契約を破棄されてしまった。プライドの高い門前は契約結婚していたリエに一方的に「契約破棄」を突き付けるが、結局仕事の手伝いを続けさせる。そんなとき、門前を訪ねてきた編集者が「先生の嫌いな竹中プロダクションが最近歌手の晴海なぎさを放り出したそうだ」とこぼした。晴海なぎさは顔を出さない覆面歌手としてそこそこ売れていた歌手だ。竹中プロを敵視していた門前は、なんとかして一泡吹かせたいがために晴海なぎさに会ってみることを決める。
門前に呼ばれて喫茶店にやってきたのは、とても芸能界では通用しない容姿の女だった。しかも大食いで、すぐに腹をすかせて何かを食べたがる。彼女の本名は越後君子(えちご きみこ)といった。彼女は自分の容姿に自信を持っており、整形もしたくないのだという。竹中プロを首になったのは、「いつまでも覆面歌手でいたくない」と思った君子が地方巡業のステージ上で覆面を外してしまい、ショーが台無しになったことが原因だった。
ひとまず君子をスタジオへ連れていった門前が伴奏をして君子を歌わせてみると、声はなかなか悪くない。門前は君子をスターダムに押し上げて竹中プロをぎゃふんといわせてやろうと決心した。「お腹がすいた」と文句を言う君子を黙らせて門前が無理矢理歌わせつづけていると、とんでもないことが起こった。なんと君子が絶世の美女に変貌していたのだ。君子いわく、「お腹がすくとちょっと人相が変わる」とのことだ。だが少しでも食べてしまうと、たちまちもとのおぞましい女に戻ってしまうのだった。
門前は「腹をすかせた君子」に「小百合チエ(さゆり チエ)」という芸名をつけて契約し、ろくに契約書を読まずにサインした君子は門前に命じられるがまま腹をすかせつづけなくてはいけなくなった。
小百合チエをともなった「門前プロ」の設立発表記者会見を前に、門前は腹をすかせた君子に手を出した。君子は処女だったが、門前に流されるまま関係を持つ。会見は大成功に終わり、門前は小百合チエのゴーストライターとしてリエを働かせる段取りをつける。小百合チエを大スターにするために門前が打った最初の手は、世界的なミュージカルスターのジミー・アンドリュウスを利用することだった。

漫画家志望の恋人

君子には同じ村で育った幼馴染の恋人がいた。山辺音彦(やまべ おとひこ)という男で、漫画家になるために上京してアシスタントをしながら原稿を書く日々を送っていたが、アシスタント先の漫画家と喧嘩をして首になってしまった。山辺は門前が君子を飢えさせていることを知って事務所に殴り込み、門前の企みを阻止しようとするが、スターになることを夢見る君子は山辺を説き伏せて何とか落ち着かせた。
門前は面食いのプレイボーイとして有名なジミーを日本に呼ぶため、小百合チエの写真を撮ってジミーと伝手のあるプロモーターに送りつける。その頃、スクープを欲している記者の熊坂丁半(くまさか ちょうはん)は「小百合チエの正体は晴海なぎさではないか」と怪しみ、門前の周囲を嗅ぎまわりはじめた。山辺が小百合チエと関係しているらしいことを突きとめた熊坂は山辺に接触して酒を飲ませたが、山辺は君子に結婚を申し込む電話をかけただけで、飲めば飲むほど口が堅くなっていってしまった。山辺は「君子が門前にひどいことをされている」という認識でいるだけで、その仕事のことは何も知らないのだった。熊坂の目論見は、山辺に高い寿司をおごらされて絡まれるだけでおわってしまった。
熊坂が山辺に接触していることを知った門前が慌てて駆けつけると、したたかに酔って気が大きくなった山辺が掴みかかってきた。門前はなんとか山辺をなだめようとするが酔っ払いには通用せず、逃げたりかわしたりしているうちに工事中のビルの中に入っていってしまう。門前が止めようとするのもきかず暴れた山辺は足を踏み外し、大きな柱が埋め込まれているビルの地下の隙間へと落ちていってしまった。
山辺が死んだものと思った門前は血の気が引いたが、山辺の死体が発見されないままビルの地下の隙間が塞がれたと聞いて有頂天になる。君子には「山辺は別の女に惚れていなくなった」と嘘をつき、門前は胸をなでおろした。
その頃、山辺は無事に生きていた。地下の空洞で目覚めた山辺は酔っていた間のことをほとんど覚えておらず、天井から垂れてくる水滴だけで何日も過ごす。斜面のある地点で眠った山辺は夢を見た。そこには自分とうりふたつの人間がいて、「ここは妄想の世界ジレッタだ」と教えられる。山辺は意識を失うたびに夢を見た。砂漠に生えたサボテンから海が生まれ、泳いでいた鮫の中から裸の君子が現れる。横向きに生えたビルに座っていた大きな女が山辺をエサに釣りをすると、女の下半身が融合したおぞましい生き物が集まってくる。ジレッタに表れるのは山辺の漫画のアイデアをめちゃくちゃにミックスした光景なのだった。
一方、門前のもとには小百合チエの写真を預けたプロモーターから連絡がきていた。写真を見たジミーはひと目で小百合チエを気に入り、何が何でも会いたがっているというのだ。

偽の歌声とハリボテの美貌

メディアとファンが大騒ぎする中、ジミーは来日して小百合チエと過ごす。空腹で理性を失っている君子が何かを食べようとするのを門前は死に物狂いで阻止し、ジミーと蜜月を過ごす小百合チエは一躍スターとなった。ハリボテの美貌を持つ小百合チエをそうとは知らずに気に入っているジミーだったが、実は彼にも秘密があった。彼の本当の歌声はとても人に聞かせられるようなものではなく、マネージャーが制御する小型のスピーカーを喉の奥に隠して歌手の振りをしているだけなのだった。
その頃、山辺がようやく発見される。ビルの設備点検の際にやつれはてた山辺が地下から発見されたのだ。山辺は朦朧としながらしきりに「ジレッタ、ジレッタ」と繰り返しており、何か医学的に興味深いことが起きていると思った医者は、山辺をもといたビルの地下に連れていってみた。すると山辺は取りつかれたように斜面のある地点まで這っていき、すやすやと眠り始めた。医者が検査をしようと聴診器を当てると、なんとその医者もぴたりと動きを止め、座ったまま寝始めた。周囲のスタッフが医者を起こすと、「何とも言えない奇妙な世界に迷い込む夢を見た」と言う。別のスタッフが山辺に聴診器を当てると、その人物も同じ状態になった。ビルの地下空間を調べたところ、山辺が寝ている地点にだけ特殊な超音波が発生していることが判明した。東京じゅうの音を吸収したある鉄柱が出している音波が極限状態の山辺の脳に与えた刺激が妄想世界を作り出し、聴診器で山辺と繋がった人物にも同じ世界を見せているというのだ。
山辺のジレッタを調べている医者は、ジレッタに登場する門前をビルの地下へと連れていき、門前にもジレッタを見せた。門前は山辺が生きていたことに仰天したが、山辺が門前と揉めたためにビルの地下へ落下したことはうやむやになっており、安堵する。そしてジレッタという奇妙な世界を知るのだった。
ジミーと共にミュージカルに出演することになった小百合チエは無数のフラッシュライトを浴び、門前は一躍時の人となった。出演に先駆けて、日本でジミーとチエが歌うコンサートが開催されることになる。君子は空腹に耐えきれずにものを食べてしまったが、門前はなんとか開演前に彼女の腹をすかせることができた。コンサートがはじまり、まずはジミーが歌う。しかしジミーが舞台袖にさがった瞬間に事件が起きた。ジミーがチエにキスをしたとたん、あまりの空腹で意識をもうろうとさせていたチエがジミーの喉のスピーカーを吸い込んでしまったのだ。歌えなくなったジミーはコンサートをボイコットしてアメリカへ逃げてしまい、コンサートが台無しになったことで小百合チエと門前の名声は地に落ちたのだった。

上を下への大騒動

小百合チエの売り出しに大失敗した門前だったが、まだ自身の名声を諦めていなかった。次に目を付けたのは山辺のジレッタだ。ジレッタの「超音波にのせて他人と共有できる」という性質を利用して、ラジオやテレビに次ぐ新しいメディアにしようと考えたのだ。ただ聞くだけ、見るだけの従来のメディアと異なり、ジレッタは自分自身が空想世界の中に入っていける。どんな刺激的な体験でも可能にするジレッタで天下を取ろうというのだ。門前はこの計画をリエに聞かせるが、リエは「協力してほしかったら小百合チエと手を切って」と言い返す。門前は芸能人としてやっていけなくなった君子を囲って、小百合チエになった夜だけ愛人にしていたのだ。
くすぶる君子だったが、ジレッタを見ている山辺と門前を発見する。門前に上手く言いくるめられてしまった君子は、山辺がジレッタで大成することを願うようになる。
門前は様々な肩書を持つ実業家の有木足(ありき たり)にジレッタを見せ、ジレッタの事業に出資させることに成功する。こうして、来館した人々にジレッタを見せる商業施設「ジレッタ館」が完成した。ビルの地下の超音波を再現した機械を使って、イヤホンをつけた人々をジレッタ世界に招待するのだ。
斬新で刺激的なメディア・ジレッタはたちまち評判となり、社会現象を起こした。しかしその一方で、山辺がその境遇に同情した女性をジレッタで死なせてしまったり、門前の事業を邪魔しようと君子に接触した竹中プロの社長親子をジレッタで狂わせてしまったりと、ジレッタの力は門前の想定をはるかに超える事態を引き起こす。
ジレッタをさらに大掛かりな事業にしたい門前に大チャンスが舞い込んだ。「政府にジレッタを使わせてもらいたい」と、政府の御用商人が有木に接触したのだ。ジレッタを体験した首相は、ジレッタ事業を財団法人にして公共放送にしたいと門前に持ちかける。
こうして1年後、ジレッタを全国に放送するための巨大な放送局が完成した。

最後にして究極のジレッタ

ジレッタの試験放送を控えたある日、ジレッタ放送局にリエが訪ねてくる。門前はリエがようやく自分のところに戻ってきたと思って喜んだが、リエは門前に三下り半を突きつけに来たのだった。リエは野心家で才能に溢れた門前を愛していた。今の門前は、他人の財力と権力におぶさっているだけだった。リエはその日の晩の飛行機でジュネーブへ行き、そこで結婚するのだという。門前はリエを引き留めようとしたが、リエの決意は固かった。
門前はジレッタの公共放送事業をめちゃくちゃにすることを決意し、君子を「山辺と海外へ高飛びしよう」とそそのかして荷物を用意させた。そして政府が用意したジレッタの台本ではなく、放送直前に山辺に君子の裸を見せて妄想をかきたて、最低に破廉恥で無秩序、低劣なジレッタを全国に放送してしまった。
門前は小百合チエの美貌をエサに海外の楽団の責任者に協力させ、山辺と3人で亡命する段取りをつける。計画はうまくいき、3人は飛行機でジュネーブへ向かった。するとその道中、不思議なことが起こった。山辺が「トイレに行きたい」と思っていると乗客がゾロゾロとトイレに向かい、山辺が自分の頭を殴ってみると乗客も同じ行動を取った。極めつけに、税関で見つかりそうになった山辺が「みんな寝ちまえばいいのに」と思うと、周囲の職員がバタバタと眠ってしまったのだ。
門前は「飛行機の爆音に含まれていた超音波が山辺に作用して、イヤホンなしでもジレッタ現象が起きたのだ」と推測した。試しにホテルの近くを飛行機が通ったタイミングで山辺が「カジノで破産した」と考えてみると、ホテル中の人間が「自分は破産した」と思い込み、絶望のあまり自殺を試みる者まで現れた。門前はこの強力になったジレッタで世界中に大混乱を起こそうと企む。ジレッタの内容は「地球に月が衝突する」というものだ。
門前はライン川の岸に建っている古い城を借り、そこで計画を練りはじめた。すると、夫と共に町を歩いていたリエに出くわす。門前はその男に激しい嫉妬を覚え、心の中でリエを罵るのだった。
君子はいよいよ山辺と結婚しようとしていた。門前はそれより前に最後の計画を実行することを決める。人類初の有人宇宙船の火星着陸を、アメリカの基地から全世界へ中継する日、その電波に乗せて最後のジレッタを実行するのだ。
自分と山辺の名が歴史に残ると確信した門前は、リエが夫と暮らしている家を訪ねる。目的はただひとつ、リエに計画のことを聞かせて夫の命乞いをさせることだった。リエは門前を罵りながらも、言われたとおりに命乞いをするしかない。門前が満足して帰っていった後、リエは行動を起こした。門前の借りた城に住んでいる山辺に接触してジレッタをやめさせようとしたのだ。しかしリエと折り合いの悪い君子と遭遇したことで喧嘩になってしまい、騒動の末に君子はライン川へ落ちてしまった。リエと山辺は車で後を追ったが、ライン川の流れは速く、君子に追いつくことができない。
君子は漂流の末に観光船に拾われ、病院へ運ばれた。門前と山辺は病院へ駆けつけたが、君子は助からなかった。長時間漂流した君子は腹をすかせ、小百合チエの美しい顔のまま命を落とした。
山辺は絶望と悲しみの底に叩き落とされたが、火星着陸の放送時間、すなわち最後のジレッタの時間が近づいていた。門前は「もうジレッタなんてどうでもいい、世界なんてどうにでもなっちまえばいい」と嘆く山辺をなだめすかして、ジレッタの放送を開始する。
ジレッタがはじまり、世界中の人々と同様にジレッタに入った門前の頭に、ある懸念がよぎった。それは「君子を失った山辺はジレッタを永久に消さずに、人類を滅ぼしてしまうのでは」という恐ろしい考えだった。山辺の名前を叫んだ門前だったが時すでに遅く、猛烈な風が人々や建物を巻き上げ、「地球に月が衝突する」という門前のアイデアは完璧に実現された。

『上を下へのジレッタ』の登場人物・キャラクター

門前市郎(もんぜん いちろう)

『上を下へのジレッタ』の主人公で、才能と野心あふれる演出家・脚本家・小説家・評論家。テレビプロデューサーの仕事をするかたわら、過激な学生運動家にアイデアを提供する等、求められればどんな相手にもアイデアを提供する。
芸能プロダクションの竹中プロから契約を切られて仕事を干されたことを恨み、竹中プロが首にした歌手「晴海なぎさ」を使って一発当てようともくろむ。やがて、「腹を空かせると美女になる」という体質を持つ晴海なぎさこと越後君子と、無限の妄想世界「ジレッタ」を他人の脳に共有する能力を獲得した山辺音彦を利用して、日本の芸能界のみならず世界を巻き込む大騒動を起こす。

越後君子(えちご きみこ)/小百合チエ(さゆり チエ)/晴美なぎさ(はるみ なぎさ)

門前(右)に歌って腹を減らすことを強要される君子(左)。

竹中プロで「晴海なぎさ」という名前の覆面歌手として活動していた女性。とても美人とは言えない容姿をしているが、本人は自分の顔に自信を持っている。歌はうまい。
大食いですぐに腹を空かせるが、腹を空かせると美女になるという特異体質を持っている。偶然これを知った門前は君子と専属契約を結び、ものを食べさせないように奔走しながら彼女を世界的スターにしようと目論む。
同郷の幼馴染の音彦と恋人関係にあるが、門前に言われるがまま彼とも関係を持っている(ただし君子が美人のときだけ)。

山辺音彦(やまべ おとひこ)

越後君子と同郷の幼馴染で、恋人。漫画家になることを夢見ており、東京の漫画家のもとでアシスタントをしていたが、喧嘩して首になった。
君子のことを深く愛しており、満腹の醜い顔の君子こそが誰より美しいと思っている。君子の処遇を巡って門前と揉めた末に、妄想世界「ジレッタ」を作り出す能力を得る。

間リエ(はざま りえ)

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心揺さぶられる!漫画に登場する名言・名セリフまとめ

心揺さぶられる!漫画に登場する名言・名セリフまとめ

日常的に何気なく読んでいるマンガのセリフに、ふと心を揺さぶられて思わず涙を流したことがあるという人は多いのではないだろうか。スポーツ・医療・ファンタジーなどマンガには様々なジャンルがあるが、その中には著者の想いが込められた「アツい」名言・名セリフがちりばめられている。本記事では漫画に登場する「名言・名セリフ」を、五十音順にまとめて紹介する。

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「火の鳥」ビギナーは何編から読むのが正しい?漫画マニアたちの大激論を紹介!【手塚治虫】

「火の鳥」ビギナーは何編から読むのが正しい?漫画マニアたちの大激論を紹介!【手塚治虫】

漫画の神様とされる手塚治虫が、ライフワークとして描き続けた『火の鳥』。人間の愚かさと命の儚さを容赦なく描いた傑作で、いくつかのほぼまったく関連性のない長編エピソードによって構成されている。どのエピソードを読んでもおもしろいが、「では初めて読む人はどのエピソードを読むべきか」でたびたび激論が繰り広げられる。ここでは、漫画マニアたちの白熱の議論を紹介する。

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