ブッダ(アニメ・漫画)のネタバレ解説まとめ

「ブッダ」とは、漫画家・手塚治虫が手がけた、仏教を生み出した釈迦こと「ブッダ」の物語についての漫画作品である。少年漫画雑誌「希望の友」(潮出版社)にて、1972年〜1982年まで連載された。後のブッダである主人公「ゴータマ・シッダルタ」が苦悩しつつ仏教をどのように悟ったのかを描き出している。実在の人物と手塚治虫自身の創作の人物が入り混じっているも、2000万部を超える売り上げを記録し、非常に評価されている作品である。

『ブッダ』の概要

『ブッダ』とは、漫画家の王者とも言える手塚治虫が、仏教の開祖である「釈迦」「仏」こと、ブッダの人生を事細かに描き出した作品。
作品は、ブッダが生まれる前から死んだ後まで描かれている。
ブッダだけに限らず、様々な人間ドラマが展開されており、世間から非常に高い評価を受けた。
本作はアメリカ合州国でも高評価を記録し、2004年と2005年のアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞している。
2500年前のインドが舞台で、ブッダはカースト制(上からバラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、スードラ)の中で、上から2番目であるクシャトリアの中でも王子という高位な地位で生まれた。ブッダは体が弱く、また、非常に哲学的な思想を持っており、悩みが多い青年に育っていくそんなブッダがどのように悟りを開き、人々にどのような影響を及ぼしたかが描かれている。
また、この作品は『手塚治虫のブッダ』の題名で全3部構成で順次アニメ映画化されており、第1部『手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-』、第2部『BUDDHA2 手塚治虫のブッダ -終わりなき旅-』と続いている。

『ブッダ』のあらすじ・ストーリー

バラモン

2500年前のヒマラヤにて、カーストの頂点であるバラモン(僧)の中でも特に地位の高い僧侶である「アシタ」は、カピラヴァストウという地方から強い力を感じた。
世界の大いなる因果を解き明かすような人物がその方向にいるのだ、とアシタは言い、弟子の1人の「ナラダッタ」に南へ向かうように命じた。
ナラダッタはその命を受けたことに名誉を感じ、ヒマラヤを下っていった。
そこで、「タッタ」という、不思議な力を持った人物がいることをナラダッタは知る。
その頃のカピラヴァストウ。
スードラ(奴隷)の少年の「チャプラ」は、バイシャ(商人・町人)である商人にこき使われていた。
チャプラが高い反物を運んでいる最中に、スードラよりも下位のカーストである「バリア(日本で言う穢多・非人)」の「タッタ」に布を奪われてしまう。
反物を盗られてしまったチャプラは商人に痛めつけられ、殺されそうになったところを、同様にスードラである母親に「自分が奴隷として売られるから」とかばってもらうことで殺されるのを免れた。
しかし、母親と離れ離れになることを望まなかったチャプラは「布を取り返してくるから母親を売り飛ばすのはやめてくれ」と商人に懇願し、期限付きでそれを許してもらう。
期限内に布を取り戻さなくてはならないチャプラは必死でタッタを探し出すが、タッタとその仲間たちにリンチに遭い、気絶してしまう。
気を取り戻すと、チャプラはタッタの家に寝かせられていた。
チャプラはその家のひどい様に哀れみを覚えるも、目の前で盗まれた布をタッタの母親が着ているのを見て激怒する。
しかし、タッタの姉が現れ、彼女は「自分たちよりも下のカーストはいないから誰からも奪えない」とチャプラを叱咤し、自分たちの行為を正当化しようとした。

タッタの姉の主張に対して泣きながら憤るチャプラ。

浮浪児タッタ

だが、チャプラも同様にスードラとして辛い思いをしていたため、タッタやその姉に「まだ家族と一緒に居られるだけましだ」と言い返す。
絶望した様子のチャプラを憐れと感じたのか、タッタは「母親を助けてやろうか」と申し出る。
タッタは動物と意思を通わせたり、文字通り動物の体に精神を潜り込ませて操ることができた。

トラに乗り移るタッタ

タッタはその能力を使い、奴隷商人に売られていく最中だったチャプラの母親たちの列を襲い、チャプラの母親を救い出した。
しかし、タッタがチャプラの母親を救っている最中に、タッタたちバリアが住んでいた町をコーサラ国の将軍「ブダイ」が焼き払い、タッタは母親と姉、友人もほとんど失ってしまった。
ブダイ将軍はカピラヴァストウに攻め込もうとしていたが、そこに現れたナラダッタが「この先に世界を変える人がいる。攻め込むのはやめろ」と主張した。
ちょうどその時、酒の入った壺をブダイ将軍は部下に部屋に持ち込ませたところ、ツボからタッタとその仲間たちが現れた。
タッタはブダイに復讐すべく、わずかに残った友人とともにブダイに奇襲を仕掛けたのだ。
しかし、あっという間にタッタの仲間たちは殺されてしまい、タッタもまさに殺される寸前だった。
しかし、ナラダッタは「不思議な力を持つ人物」と聞いていたタッタを庇った。
そのため、ナラダッタも狂っていると思われ、ブダイ将軍に逆らった罪で処刑されることになった。

ブダイ将軍

チャプラとその母親は、タッタをなんとか救うために闇に紛れて処刑場を見ていた。
そこへ偶然にイナゴの大群が現れた。その事態にコーサラ国が混乱している隙をつき、チャプラたちはタッタとナラダッタを逃すことに成功した。
イナゴから逃れながらなんとか地下の蔵に逃げ込んだチャプラ、チャプラの母親、タッタ、ナラダッタの4人は、そこでイナゴの群れが通り過ぎるのを待つことにする。
その蔵には、動物たちも逃げ込んでいた。
イナゴの群れが過ぎてから、タッタは食べ物を求めて蔵のところへやってきていた馬に乗り移り、その馬にチャプラが乗って遊んでいた。
その時ちょうど、ブダイは体を洗うために池にいた。そこにはワニがおり、ブダイはワニに襲われた。
偶然そこにチャプラと馬に乗り移っているタッタが現れ、チャプラはブダイを救い出した。
タッタはブダイを殺そうとしたが、チャプラはそれを止め、タッタに帰るように促した。
ブダイは自分を救ってくれたチャプラに恩義を感じ、自分の養子になってくれるようにチャプラに頼んだ。
チャプラはのし上がるチャンスだと、快く聞き入れ、タッタたちと別れてブダイの養子となった。
この時、チャプラは母親には何も言わずに立ち去ったため、チャプラの母親、タッタはチャプラの行方が分からない状態になってしまった。

ブダイの「養子になってくれ」との申し出に快諾するチャプラ

告知

その頃、カピラヴァストウという小さな国家の国王スッドーダナの妻マーヤは子を授かった。
カピラヴァストウはブダイ将軍によって侵略される寸前だった。
しかし、当のブダイ将軍はワニに襲われて再起不能で、さらにイナゴの大群により兵糧を全て食い尽くしたため、兵を引いたのだった。
スッドーダナはその出来事が神の思し召しだと感じた。
マーヤは脇に白い象が入ってくるという夢を何度も見て、スッドーダナも狩りに出かけると動物が寄ってくるという奇妙な現象に見舞われていたため、スッドーダナはその子が大物になると確信した。

マーヤが見た夢

チャプラ

チャプラは厳しい訓練を積み、立派な戦士となり、特に弓に優れた将軍の御曹司となった。

必死に訓練をつむチャプラ

しかし、途中でブダイにチャプラがスードラ出身であることを知られてしまう。
ブダイはそのことにショックを受けたが、秘密にすることでチャプラを受け入れた。
その頃、チャプラの母親とタッタとナラダッタは砂漠の中を彷徨っていた。
そこに卵を抱えた蛇を発見する。
ナラダッタはすぐにその卵を奪おうとするも、タッタが蛇の心を読み、「卵を1つやる代わりに1人人間をよこせ」と言っていることを伝え、タッタは自分の身を差し出した。
タッタの自分の身を投げ出してでもナラダッタとチャプラの母親を救おうとする行為に、ナラダッタは心を動かされ、自分が蛇に飲まれることを申し出たが、すでにタッタは蛇に飲み込まれてしまっていた。

王杯

タッタが蛇に飲み込まれる最中、一匹狼のシャカ族の騎士「バンダカ」が蛇の頭を槍で貫き、タッタは一命をとりとめた。
バンダカは「コーサラ国へ、御曹司で弓の使い手であるチャプラと決闘しにいく」と言っており、そこでチャプラの母親やタッタはチャプラの居所を知った。
バンダカはチャプラが自分の弓の力におごり高ぶっていると思い込んでおり、自分の方が上位であると証明したいのだった。
チャプラの居所を知ったタッタとチャプラの母親とナラダッタはコーサラ国へ赴くことにした。
一方のチャプラは、コーサラ国の融資を決める決闘を行なっていた。
相手はビンディカという大男で、5種目で戦い、勝った方が勇士として認められるという決闘だった。
弓矢は互角、剣での戦いでは勝ち、その日の種目を突破したチャプラは、多くの女性の憧れの的になっていた。
ブダイはその姿を見て、チャプラがスードラであったという過去を勇士の座を手に入れることでぬぐい去ろうとむきになっていると感じた。
そこへ美しい女性が現れ、「ファンなんです」と告げてチャプラに花を贈った。
その女性は大臣の娘で、マリッカといった。
マリッカに一目惚れしたチャプラはその夜にマリッカの家に赴き、マリッカの部屋に花を放ってベランダを飾り立てた。
そして、マリッカとチャプラは恋に落ちていった。
次の日、力比べでチャプラはビンディカに敗北した。
最後の格闘で、チャプラはビンディカに勝たなくては勇士の座を手に入れられないという状況になった。
格闘ではビンディカの体の大きさに敵わず、チャプラは命の危機を感じ、負けることを考えた。
しかし、その時に母親との思い出がよぎり、最後の力をふりしぼり、チャプラはビンディカを負かした。
チャプラは見事勇士の名を自分のものとした。

勇士としての王杯を手にし、母親のためにさらに成り上がることを決意するチャプラ

生誕

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