ばるぼら(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ばるぼら』とは、手塚治虫によって『ビッグコミック』で連載された、芸術を題材とした大人向けの漫画。「耽美派の天才」と呼ばれる主人公の小説家が、アルコール依存症のフーテン娘バルボラと出会ったことで芸術家としての絶頂を味わい、そして転落するまでを描いている。男女の性愛だけでなく、異常性欲、黒魔術、薬物といったアングラ要素が満載の、いわゆる「黒手塚」と呼ばれる作品のひとつだ。
2020年、稲垣吾郎と二階堂ふみの主演で映画化されたことで話題になった。

『ばるぼら』の概要

『ばるぼら』とは、手塚治虫によって『ビッグコミック』で連載された、芸術を題材とした大人向けの漫画。「耽美派の天才」と呼ばれる主人公の小説家が、アルコール依存症のフーテン娘バルボラと出会ったことで芸術家としての絶頂を味わい、そして転落するまでを描いている。
男女の性愛だけでなく、異常性欲、黒魔術、薬物といったアングラ要素が満載の、いわゆる「黒手塚」と呼ばれる作品のひとつだ。手塚は本作を「デカダニズムと狂気にはさまれた男の物語」と語っている。
手塚作品の中での知名度は高くないが、クラウドファンディングを経て英語版が出版され、2013年の「アイズナー賞最優秀アジア作品部門」にノミネートされている。

2020年に稲垣吾郎と二階堂ふみの主演で映画化された。上映館が79という小規模な公開ではあったが観客動員は3万人を突破し、初週の国内興行ランキング総合11位、実写作品では4位という好評を博した。映画はイタリアの「ファンタ・フェスティバル」最優秀作品賞、プエルトリコの「LUSCA国際ファンタスティック映画祭」監督賞を受賞し、美術担当の磯見俊裕と露木恵美子が「第75回毎日映画コンクール」美術賞を受賞している。

『ばるぼら』のあらすじ・ストーリー

フーテン女バルボラ

耽美派の人気小説家、美倉洋介(みくら ようすけ)はある日、新宿駅で「バルボラ」と名乗るフーテンの少女を拾った。薄汚れて酔いつぶれ、柱に寄りかかって座り込んでいた彼女を発見し、なりゆきで自宅に連れ帰ったのだ。美倉はバルボラを「都会が何千万という人間をのみ込んで消化し、たれ流した排泄物のような女」と思った。バルボラは常に酒を飲んで酔っ払っており、風呂場に追い立てられるまでシャワーも浴びない。美倉の家にある酒を勝手に飲んではヴェルレーヌの詩をそらんじ、何日も遊び歩いたかと思うとふらりと戻ってくるのだった。

バルボラとの奇妙な生活を始めた美倉には、異常性欲という悩みがあった。有名作家の美倉は好きなだけ恋を楽しめたが、自身の性欲という狂気にたびたび振り回され、思わぬ事件に出くわすのだ。
あるとき、美倉は四谷という作家仲間の許嫁に出会う。気品に満ちたなんとも美しい女で、手入れのゆきとどいたメスのアフガンハウンドを連れている。四谷が留守の間に美倉が許嫁の家を訪ねると、彼女は美倉を歓迎してもてなした。美倉は彼女を口説き、熱く唇を合わせて抱き合う。するとバルボラが乱入してきて、女に家具を投げつけて殺してしまった。美倉はバルボラが嫉妬のあまり女を殺したものと思って仰天するが、倒れていたのはアフガンハウンドだった。美倉は性欲に目がくらむあまり、犬を女だと思い込んでいたのだ。バルボラは部屋を荒らして強盗の仕業に偽装し、美倉を連れて脱出した。
またある夏の日、バルボラを連れて避暑地に出かけた美倉は、10キロ以上続く渋滞に辟易して、よく熱心なファンレターをよこす人物の屋敷を訪ねた。文学好きだというその人妻は「ぜひ先生に来ていただきたい」と書いた手紙を出しており、住所も添えてあったので、美倉はバルボラと共に休憩させてもらうつもりでその家を訪ねる。すると壮年の男性が応対して、「家内は半年前に死んだ」と言う。美倉が受け取ったファンレターには1週間前の消印がついていた。困惑する亭主だったが、美しいひとり娘を紹介しつつ美倉とバルボラをもてなす。亭主の言葉に甘えて泊めてもらうことにした美倉だったが、なぜかバルボラは嫌がり、「外で寝る」と言い張る。その日の晩、芝生の上で服を脱いで暑さをしのいでいたバルボラは、親子が言い争う声を聞いた。美倉に熱を上げるあまり離婚するとまで言い出した妻を、亭主は手にかけていた。そして妻に似て美しく成長した娘に欲情していたのだ。母に偽装してファンレターを出したのは娘だった。父を拒絶した娘は美倉の寝室に忍び込み、「あたしを抱いて」と迫る。するとそこに怒り狂って猟銃をかまえた父親が怒鳴り込んできて、美倉を殺そうとした。バルボラは美倉の手を引いて逃げ、後を追った父親は階段から足を踏み外して死んでしまった。

芸術の女神バルボラ

美倉の海外の友人、ルッサルカが美倉を訪ねてきた。ルッサルカはウルカ共和国を代表する作家だが、反政府運動に力を入れてからはほとんど書いていない。彼は活動のために特務機関に追われて亡命中の身だった。ルッサルカは空港で美倉に会い、傍らにいるバルボラを見るなり血相を変えた。
ルッサルカはバルボラのかつての恋人だった。バルボラを連れて京都に行った際にバルボラを見失い、それっきりになっていた。ルッサルカは「バルボラなしでは書けない」とバルボラを取り戻そうとするが、バルボラはけんもほろろに振ってしまう。ルッサルカは何も知らない美倉に、「彼女はミューズなんですよ」と語った。芸術の女神ミューズたちの末の妹、それがバルボラなのだ。ルッサルカは黒人の娘の姿をしたバルボラに出会い、数々の傑作を生み出した。しかしバルボラが彼の元を去ったことでツキに見放され、彼女の正体を知った。
ルッサルカの言葉を信じない美倉だったが、それどころではなくなってしまった。ルッサルカを追ってきた殺し屋がマンションの入り口までやってきたのだ。美倉とルッサルカはバルボラの手引きで、バルボラの母親だという「ムネーモシュネー」が住んでいる骨董品店に駆け込む。そこは路地裏にあるにも関わらず、山のような芸術品に埋もれていたが、美倉は「どうせすべて模造品だろう」と高を括る。
美倉がふと気づくと、ルッサルカがいない。バルボラによるとパスポートを落として探しに行ったのだという。あわてて追いかけた美倉だったが、「お前が殺し屋に情報を流してパスポートを盗んだのだな」と怒るルッサルカに殴られる。そのままルッサルカはどこかへ消えてしまった。
訳もわからず友情が壊れてしまった美倉が店に戻ると、バルボラがパスポートを持っている。ルッサルカから盗んだのだ。怒り狂う美倉だったが、ムネーモシュネーは「娘があんたのためにやったんだ」と言って美倉をたしなめた。彼女いわく、「芸術家とはただ芸術にだけ打ち込んでいなければならず、政治や金にうつつを抜かせばたちまち腐ってしまう。ルッサルカと付き合っていれば美倉も遅かれ早かれそうなっていた」という。美倉はやけになってムネーモシュネーとバルボラと共に前後不覚になるまで飲みあかした。別れ際、ムネーモシュネーは「娘をかわいがってやって」と言って、美倉に1枚の絵をくれた。
後日、美倉はルッサルカから電話で助けを求められる。美倉はルッサルカにムネーモシュネーの店の場所を教えてそこに逃げ込むように言ったが、美倉が駆けつけたときルッサルカは撃たれて死んでおり、ムネーモシュネーの店は煙のように消えていた。混乱と悲しみにくれる美倉をさらに仰天させたのは、ムネーモシュネーからもらった絵が本物のピカソだという鑑定結果だった。
この事件の後、美倉がバルボラをモデルに書き上げた小説『狼は鎖もて繋げ』は大当たりし、作家・美倉洋介を代表するベストセラーとなる。

魔女バルボラ

人気小説家である美倉に、その父親と同郷だという政治家の里見権八郎(さとみ ごんぱちろう)が接近してくる。美倉の人気を見込んで、次の選挙で後援会会長になってくれと言うのだ。政治に関心がなく、自分に政治が務まるとも思えない美倉は「厄介なことになった」と辟易するが、里見の娘の志賀子(しがこ)も美倉に接近してくる。志賀子はバルボラをあからさまに敵視し、とっくみあいの喧嘩にまで発展してしまう。
里見の強引な勧誘を美倉が断り切れず困っていた頃、里見が急病に倒れるという事態が起きた。美倉が目を白黒させながら家に戻ると、バルボラが「これ買ったんだ」といって、こぎれいなワンピースを着て現れる。小汚く品のないフーテンではなく、蠱惑的な女になったバルボラがそこにいた。バルボラは「先生の奥さんになろうと思って」と言って、美倉にしなだれかかった。
バルボラへの愛情を自覚した美倉だったが、家の中に針の刺さった人形が落ちているのを発見する。その人形は里見に似ていた。「政治家なんかと口をきかないで」と言い募るバルボラを振り払った美倉が病院へ行くと、里見は「わしに変わって都知事選に出てくれ」と美倉に頼み込んで死んでしまった。
図書館で人形を使った魔術について調べて美倉は、あの人形が間違いなくブードゥーの魔術の産物であり、バルボラが魔女なのだと確信する。美倉は魔女を愛してしまったのだ。
バルボラが魔女であることを知った美倉だったが、バルボラへの愛情は強固なものだった。美倉はバルボラと結婚するという希望を胸に、新作『緋の棘(ひのとげ)』の執筆にとりかかる。するとバルボラから、「結婚式は黒ミサの方式でやる」という通達が出された。バルボラの「親戚」がうるさいのだという。美倉側の参列者は、立会人ひとりだけが許されるという。半信半疑の美倉だったが、後日「偉大なる地母神」協会の日本支部長という人物が訪ねてきて、怪しげな手続きをしていった。
美倉は立会人に、作家仲間の筒井隆康(つつい たかやす)を選んだ。悪魔的ユーモアに満ちた小説を書く筒井は、喜んで立会人を引き受ける。
結婚式の当日、美倉は筒井と共に会場へ向かった。どこかの建物の地下で行われる黒ミサの儀式は、全員が裸で参列し、生贄が捧げられ、マリファナまで用いた本物の儀式だった。しかし、儀式が終わる前にどういう訳か警官隊が押し寄せ、式は中止になってしまう。美倉と筒井が警察に尾行されていた。美倉が式の前に、出版社の社長に結婚のことを話したのが警察へ伝わったのだ。バルボラは泣き崩れ、ムネーモシュネーは美倉を徹底的に非難する。
それっきり、バルボラは美倉の前から姿を消した。美倉は方々を探したが、バルボラの消息を掴むことはできなかった。スキャンダルが災いしたのか小説家・美倉の人気は地に落ち、『緋の棘』もお蔵入りとなった。美倉に残されたのは三流雑誌の仕事だけだった。
そんなある日、大阪にいる筒井から電話がかかってきた。バルボラに似たフーテンが目撃されているというのだ。美倉は大阪へ飛んで町を歩き回り、とうとうバルボラを発見する。しかし彼女は「ドルメン」と名乗って関西弁で話し、美倉のことなど全く覚えていなかった。美倉は「彼女はバルボラではないのだ」と判断し、帰るしかなかった。

バルボラを求めて

バルボラの失踪から1年後、美倉は志賀子と結婚した。志賀子はまだ名声の名残があった美倉を政治家にしようと考えて色々と手を回したが、美倉が政治家になることはなかった。さらに5年後、三流以下の小説家として貧しい生活を送る美倉は全く書けず、生まれたばかりの子どもと金策に奔走する妻に当たり散らす生活を送っていた。
あるとき、美倉は偶然にも画家の家に住みついているバルボラを発見する。バルボラはやはりドルメンと名乗って関西弁を話し、大阪で会ったときの美倉しか覚えていなかった。美倉は自分を強く拒絶するバルボラに逆上し、土手で首を絞めて殺してしまう。錯乱して自殺を試みた美倉だったが、志賀子が医者を呼んだことで怪我で済んだ。美倉は新聞を確認したが女の死体など見つかっておらず、バルボラを殺した土手にも何もない。さらに、生きているバルボラを目撃して魔術や呪いについてわめきちらした美倉は精神病院に入れられてしまった。
バルボラを求めて正気を失っていく美倉だったが、病院でバルボラの母親のムネーモシュネーに遭遇する。バルボラはムネーモシュネーに助けられていたのだ。「金輪際会いたくない」というバルボラの意思も無視して彼女に会いたがる美倉に、ムネーモシュネーはある人物を紹介する。それは「偉大なる母神」協会日本支部の会長で、偉大な呪術師である立場陰堂(たちば いんどう)だった。立場は神聖な儀式を冒とくした美倉を糾弾し、「これ以上われわれに関わろうとするならただではおかない」と警告する。それでもバルボラに会おうとする美倉は無理矢理病院を抜け出してムネーモシュネーについていき、バルボラに対面する。バルボラは美倉を見て「人殺し!」と叫んだ。ムネーモシュネーによると、あまりにもショックが大きかったバルボラの記憶をムネーモシュネーが消したのだという。
なんとしてもバルボラと添い遂げようとする美倉は力づくでバルボラを連れ出した。ひどい幻覚に襲われ、立場の声に脅されても、美倉は決してバルボラを手放さない。立場は「お前はあと5時間の命だ」と宣告して、幻覚をといた。
美倉はバルボラとふたり、人気のない場所に寝転んで最後の時間を過ごす。バルボラはいつのまにか記憶が戻っていた。バルボラは自分の人生を振り返って「どこへ行ったってうまくいきっこない」「ズボラだから普通の生活あわねーんだ」と話して聞かせる。美倉が「これまで何人の芸術家と付き合ったんだ」と聞くと「100人くらい」と答えた。バルボラが見切りをつけた男はみんな野垂れ死んだという。
5時間が経つと、バルボラが金でやとったチンピラが運転する車がつっこんできた。交通事故に見せかけると後が楽なのだという。もっとロマンティックな死に方だと思っていた美倉は思わず逃げ惑う。するとチンピラが運転する車がバルボラにぶつかってしまい、バルボラは意識を失った。美倉は意識のないバルボラを抱えて逃亡することを決める。
美倉が行きついたのは、筒井が用意してくれた小屋のような別荘だった。何日経ってもバルボラは目を覚まさず、ある日とうとう心臓が止まってしまった。しかし体温を失うことも腐り始めることもなく、まるで毒りんごを食べた白雪姫のように目を閉じたままなのだった。小屋は深い霧に包まれ、食料はつきた。美倉はなんとか脱出しようとするがどうにもならず、死んだままのバルボラを前に飢えていった。すると、美倉の中にものを書いてみたい衝動が沸き起こった。美倉は朦朧とする意識のまま、原稿用紙に最後の作品を書き殴った。
美倉が飢えで指一本動かせなくなった頃、小屋にドライブ中のチンピラ集団がやってきた。チンピラたちは2つの死体と、原稿用紙の束を発見する。彼らは小屋に火をかけ、原稿用紙を持ち去った。

松本麗児(まつもと れいじ)という本好きの漫画家が、バルボラとムネーモシュネーというふたりの女に出会う。彼は失踪した美倉洋介の最後の作品について語る。『ばるぼら』という、怪奇と不条理に満ちた私小説だ。書き出しは「都会が何千万という人間をのみ込んで消化し、たれ流した排泄物のような女…それがバルボラ」。
美倉は記憶をなくしたただの老人となって、二度と表舞台に戻ってくることはないのだった。

『ばるぼら』の登場人物・キャラクター

美倉洋介(みくら ようすけ/演:稲垣吾郎)

稲垣吾郎演じる美倉。

『ばるぼら』の主人公で、「耽美派の天才」と呼ばれる売れっ子小説家。本人は「耽美主義をかざして文壇にユニークな地位を築いた流行作家」と思っている。
異常性欲に悩まされており、美女と思い込んでマネキンを抱こうとしたり、父と娘の愛憎劇に巻き込まれたりする。新宿駅でフーテンのばるぼらを拾ったことをきっかけに、芸術の神にまつわる妖しく恐ろしい世界に踏み込んでいく。

バルボラ(演:二階堂ふみ)

二階堂ふみ演じるバルボラ。

美倉が新宿駅で拾った、アルコール依存症の浮浪者。いつも酔っており、町をふらついては喧嘩やセックスに明け暮れている。
正体は芸術を司る女神であり、魔女でもある。愛した男は素晴らしい作品を生み出すが、彼女に見限られた男は破滅する。

ムネーモシュネー(演:渡辺えり)

自称、バルボラの母親。新宿の裏通りで骨董屋を営んでいる。
ギリシア神話で芸術を司るミューズたちの母親が「ムネーモシュネー」という。記憶を司る神だ。

立場陰堂(たちば いんどう)

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「火の鳥」ビギナーは何編から読むのが正しい?漫画マニアたちの大激論を紹介!【手塚治虫】

「火の鳥」ビギナーは何編から読むのが正しい?漫画マニアたちの大激論を紹介!【手塚治虫】

漫画の神様とされる手塚治虫が、ライフワークとして描き続けた『火の鳥』。人間の愚かさと命の儚さを容赦なく描いた傑作で、いくつかのほぼまったく関連性のない長編エピソードによって構成されている。どのエピソードを読んでもおもしろいが、「では初めて読む人はどのエピソードを読むべきか」でたびたび激論が繰り広げられる。ここでは、漫画マニアたちの白熱の議論を紹介する。

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