隠れたテーマ?『モンスターズ・ユニバーシティ』が連想させる様々な「ライン」(ネタバレあり)

映画作品を色々な角度から見るにつけ、「おや…?」と思うことがありますね。『モンスターズ・ユニバーシティ』という作品を見ていて、「ライン」「線」という言葉が浮かびました。

「こいつらじゃ駄目だ」という意識は、サリー、マイクともに持っていたわけです。しかし、大会の課題のための訓練等を通し、少しずつ彼らを信じるように。ネタバレになりますが、決勝戦にまでコマを進めます。相手は勿論ロアー。自分たちのことしか頭になかったサリー、マイクともに各メンバーを応援し、円陣まで組むようになる。もはや自分たちだけのためではない、皆で怖がらせ学部に行こうという気持ちになったのは、ラインを一歩進んだ印象です。

猛特訓です。

越えてはいけないライン・越えたいライン

大会の結果、マイクには怖がらせ屋としての才覚がないこと、サリーに信じてもらえていなかったことなどが明らかに。そしてとった行動は、ドアの製作を行う作業室へ侵入し、人間の世界へ入ること。厳重にい作業室の入り口を封鎖して向かった先はキャンプ場…。「学生が人間の世界に行った」という騒ぎを聞いたサリーもまた現場へ向かい、矢も楯もたまらずドアの向こうへ。

マイクの夢の象徴ともいえる帽子が最後の最後であんなことになったのは、「自分のラインを歩め」ということなんでしょうか。

サリーは怖がらせ屋の才能を開かせました。が、お互い「お前の方が凄い」と認め合うんです。マイクには「怖がらせる」才能はありません。でも勉強した分知識はあるし、直観力にも優れています。「大人は怖がらない」「人間界からドアは通じない」という固定観念を打ち破る作戦を立て、見事に成功。しかし、結局退学処分に。

出入り口というライン

さて、マイクの入学時にも「ライン」の描写はありました。ひとしきりキャンパスの眺めを堪能し、一歩敷地内へ…入る前に、一端足を止めます。夢の実現への第一歩。意識しちゃうのも当然です。しかし、ある事情で大学を去ることになった際も同じラインを超えることになります。意気揚々と「入った」ラインを、今度は意気消沈しながら「出る」目的で使う。一見すると「夢が潰えた」という対比の構図ですが、実は「夢への実現に近づいた」という点では同じでした。

ラインを越えるため

学長も、ある意味でラインを越えたようでした。二人のチームプレーを見て激励の言葉を送るのです。退学処分にしたのは仕方のないこと。それに、彼らには大学という枠は合わないと判断したのかもしれません。社会的ルールを守ったうえで、二人の活躍に期待する。ラインを守りつつ、彼らがいい意味でラインを逸脱することを願ってもいるようでした。その辺はフランク氏と同じ「大人の対応」が伺えます。

そしてラスト。マイクはどんなラインを歩み、時に越えるのか。実際にご覧ください。

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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