三つ目がとおる(アニメ・漫画)のネタバレ解説まとめ

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。
鬼胴三郎(きどう・さぶろう)
声:塩沢兼人(24時間テレビ版)/速水奨(テレビ東京版)
写楽、和登さんのクラスメイト。財閥の御曹司で見た目も成績もいい御曹司だが、不良生徒をまとめる裏番長であり、写楽をいじめていた。和登さんに好意を抱いており、和登さんが写楽を庇うのが気に入らない。
原作では最初に絆創膏を剥がした人物である。間近で第三の目を目撃したが「オデキか何か」だと言い張った。その後、三つ目の写楽の作った機械により脳を赤ん坊同然(写楽曰くトコロテン)にされ、二度と現れなくなった。
テレビ東京版では機械が試作型だったので数日で元に戻り、度々写楽たちにちょっかいをかけていた。
オサム

出典: www.google.com
声:田野恵
アニメオリジナルキャラクター。写楽のクラスメイト。気弱にして温厚な性格。見た目は手塚氏の自画像がモチーフ。タカシとセットで登場することが多く、第一話では無邪気な写楽を見ながら「あいつ(写楽)が満点でこの中学の入試をパスしたとの噂がある」と話していた。
三つ目の写楽を見るのは、最終話が初めてであった。
タカシ
声:石田彰
アニメオリジナルキャラクター。写楽のクラスメイト。オサムとセットで登場することが多い。アニメ第3話にて未熟児状態で生まれた妹のルミ子が登場。写楽たちと見舞いに行くが、赤ん坊の世話も医療もすべて機械に任せているこの病院でのトラブル(コンピュータが人間以上の知性を持って攻撃。赤ん坊たちを操る)に巻き込まれた。
三つ目の写楽を見るのは、最終話が初めてであった。
坂東唐三郎(ばんどう・からさぶろう)/バンカラ

出典: anime.dmkt-sp.jp
声:桜井敏治
アニメオリジナルキャラクター。柔道部の部長。部員数の埋め合わせの為、写楽たちを柔道部に入れた。合宿の際、写楽の秘密を知るが、誰にも漏らさなかった。古代王子ゴダル編では修学旅行先の風呂でタオルや洗面器などで三つ目を封じて騒動が広がらないよう尽力、写楽の第三の目が切除されそうな時には和登さんと共に医者になりすまし、写楽の三つ目を守るのに貢献した。
外見のモデルは手塚氏の自伝的な短編漫画『ゴッドファーザーの息子』に登場する明石。
草井(くさい)
声:立木文彦
ニューヨーク大学の教授を名乗る遺跡泥棒。盗品はコレクションにしている。地下の都編に登場した。『怪植物ボルボック編』では改心してモエギを育てていると言ったが実際には出会った当初モエギが持っていた土偶が目当てであり、ボルボックの球根ではなく土偶の類を持ってこいと脅していた。原作での吾平に対する青玉の役割りである。ボルボックに溶かされて死んだ。
外見のモデルは手塚キャラクターのスカンク・草井。
緒方刑事(おがたけいじ)
アニメオリジナルキャラクターで、雲名警部の部下。度々登場するが、口数はあまり多くない。スーパーボルボック戦においては市民に避難を呼びかける姿が見られる。「緒方」という名前が作中で呼ばれることはない。緒方刑事のモデルと思われるキャラクターが原作の『イースター島航海編』にもいるが、名前もなくポキ族に殺されている。
ガロン
声:石塚昇運
アニメにのみ登場(外見のモデルは手塚治虫作品『魔神ガロン』や『鉄腕アトム』に登場する巨人)。土木作業用のロボットとして三つ目族に作られたが、凶悪さから解体された状態で封じられていた。犬持らに復元されて復活し、町を破壊する。
体をバラバラにされても、起動中は復活が可能。和登さんをさらい、胸元に収納する。
ガロンの額には「心は丸い石なり」と記されている。ガロンを制御するにはガロンの心に当たる球状の装置を胸にセットするしかない。心がない状態のガロンは三つ目族の命令も聞かず暴れ続ける。和登さんをさらったのは心の代わりのつもりらしい。
ガロンの内部の古代文字を読んでこのことを知った写楽たちは、ガロンの心である球体を探すこととなる。ガロンの心は、草井が荒らした遺跡で既に見つけており、三つ目族に信号を送っていた。三つ目になった写楽が球体の発する信号をキャッチする。写楽の呪文で球体が巨大化し、内部に人が乗れるようになる。
ガロンは胸に和登さんがいるため本来の心を受け入れなかったが、写楽の「本当の心を受け入れろ」との言葉と体当たりにより一旦体が砕け本来の心の装填に成功する。
写楽はこのままガロンで暴れようとしたが、心を手に入れたガロンは己の行為を悔い、土に還った。
ガロンの心は、魔弾球(まだんきゅう)として写楽が乗り物などに使用することとなる。
文福福太郎(ぶんぶく・ふくたろう)

文福(左)。
声:屋良有作
写楽に付きまとう男。三つ目の写楽と手を組むこともある。原作ではスカートめくりをするカラスのクロ、狸に似た猫のニコポンを連れていることが多い。麻薬の密輸で捕まった際、ニコポンを使って写楽の絆創膏を剥がさせたり(短編『分福脱走』)、須武田博士を抱き込んで古代遺跡の調査をさせたり(短編『王者の剣』)、悪知恵が働く。
テレビ東京版では世界征服を目論む悪の組織・デビルコンツェルンの一員で、三つ目族の子孫の少女・モエギと共にメキシコのピラミッドで生体強化細胞を見つけるなどした。デビルコンツェルンは壊滅したが、文福がどうなったかは不明。
ポゴ
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目次 - Contents
- 『三つ目がとおる』の概要
- アニメやリメイク作品
- 『三つ目がとおる』のあらすじ・ストーリー
- イースター島航海編
- 怪鳥モア編
- 古代王子ゴダル編
- 地下の都編
- グリーブの秘密編
- 三つ目族の謎編
- 怪植物ボルボック編
- 『三つ目がとおる』に登場する主な古代遺跡(現実に存在するもの)
- 猿石(『イースター島航海編』)
- 酒船石(『イースター島航海編』)
- モアイ像(『イースター島航海編』)
- 龍安寺の石庭(『古代王子ゴダル編』)
- パレンケ・パカル王の石棺の蓋(『グリーブの秘密編』など)
- 『三つ目がとおる』の登場人物・キャラクター
- 写楽保介(しゃらく・ほうすけ)
- 絆創膏写楽(ばんそうこうしゃらく)
- 三つ目写楽(みつめしゃらく)
- 和登千代子(わと・ちよこ)
- 犬持(けんもち)
- ヒゲオヤジ
- 須武田博士(すぶたはかせ)
- 雲名警部(うんめいけいぶ)
- 鬼胴三郎(きどう・さぶろう)
- オサム
- タカシ
- 坂東唐三郎(ばんどう・からさぶろう)/バンカラ
- 草井(くさい)
- 緒方刑事(おがたけいじ)
- ガロン
- 文福福太郎(ぶんぶく・ふくたろう)
- ポゴ
- パンドラ / ミスターマネー
- シグアナ姫
- 公卿(くぎょう)
- マヌイ
- エビラ
- 上底(あげぞこ)
- ブラックホーン
- ポーク・ストロガノフ(雑誌掲載時はマクドナルド・ハンバーガー)
- モア
- ペペ
- ケツアル
- ヘパトーム / ブラッドリー
- ガンケット、アロンゾ、ブッチャー
- 青玉(あおだま)
- マクベス
- 写楽以外の三つ目族
- 写楽の母(しゃらくのはは)
- ゴブリン伯爵(媒体によっては男爵)
- ゴダル王子
- 吾平(ごへい)
- モエギ
- セリーナ
- ホクサイ
- リメイク版『三つ目黙示録~悪魔王子シャラク~』
- 原作からの変更点や掘り下げ
- 三つ目族を巡る描写
- 絆創膏からカツラ
- ブラフマン
- 写楽の目的
- 『三つ目がとおる』の用語
- 三つ目族
- 赤いコンドル
- 魔弾球(まだんきゅう)
- ホア・カバリ・キルマ
- ゴモラ
- グリーブ
- 天人鳥
- ボルボック / スーパーボルボック(テレビ東京版のみ)
- 環状列石(ストーンサークル)
- デビルコンツェルン
- 『三つ目がとおる』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 三つ目族の呪文の由来
- 『三つ目がとおる』は手塚治虫久々のヒット作
- 写楽の没デザイン
- スターシステム上の写楽
- シャラク王子/出演作品:アニメ『手塚治虫のマリン・エクスプレス』
- 写楽(しゃらく)/出演作品:アニメ『ブラック・ジャック』及び『ブラック・ジャック21』
- 『三つ目がとおる』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「アブトル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク われとともり来たり われとともに滅ぶべし」
- 「写楽クンにとってはどっちが生きがいなんだろうか…?」
- 「三つ目クンは人間にとっていつか恐ろしい敵になるかもしれないけど…。…でも、そんな三つ目クンが好きなの。ボクはたまらなく彼に惹かれるんだ」
- 「あのバンソウコウをとってはならんのだ。第三の目をむきだしにすると危険なんだ」「でも先生。そういう三つ目クンに…ボクあこがれちゃってるんです。…すばらしいわ…。だってそうでしょ?いまの人間とぜんぜんちがった心をもってちがったことをやれるなんて…。そういう人、今世の中にいるかしら?」
- 「そうだ。お前はオレの和登サンだ。ぜったいにウワキは許さんぞ。おまえはいずれ悪魔のプリンスの奥さんになる運命だ」
- 『地下の都編』ラスト、三つ目の写楽が自ら和登さんに絆創膏を貼らせるシーン
- 『三つ目がとおる』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):徳垣とも子『?(はてな)のブーメラン』
- ED(エンディング):中島安名『ちょっと魔法でばんそうこ』(第1話 - 第47話)
- ED(エンディング):CHIEMY『FRIEND』(第48話)