三つ目がとおる(The Three-Eyed One)のネタバレ解説まとめ

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

出典: japaneseclass.jp

声:深雪さなえ

半人半獣のポキ族の女王。耳長族の生き残り、パンドラに叡智を与えられた。片言ながら日本語を話せる。写楽とは、犬持が入院している病院の庭で出会った。空腹だったため写楽にあんパンをもらったことがきっかけで感謝を抱く。また、犬持や写楽がパンドラに狙われていることを告げようとした。
パンドラの計略で写楽、雲名警部が廃船に乗った際も島に降りてはいけないと度々警告。
知能の向上と共に恥じらいを覚えるようになり、局部を葉っぱで隠すといった、より人間に近い行動も見せるようになる。パンドラによって一度女王の座を下ろされ処刑されかける(女王を殺した者が次の女王になる)が、写楽の念力で処刑人が返り討ちに遭った為女王として再選された。
処刑の失敗が写楽のおかげだと見抜き、あんパンのこともあって写楽に好意を抱いて夫にすると言い、三つ目を封じられた写楽と結婚式を挙げるなどした。
ポゴへの見せしめとしてパンドラによるポキ族の大量殺戮が行われた後、写楽たちが酒船石で調合した薬を盗み出してパンドラの部下に飲ませて自分の奴隷にする。この薬ですべての人間を奴隷にすると言うが、写楽の提案で日本をポキ族の領土にする計画に切り替える。
しかし三つ目族の遺産があるとの理由で行き先がイースター島に変更。ポゴは写楽に絆創膏を貼りつける。モアイ像が子供の鳴き声(というか超能力)で動くことを知ったパンドラにより絆創膏状態の写楽が泣き、モアイ像が暴走(絆創膏で封じられてはいるが、三つ目族である為他種族の子供よりも念力が強いらしい)。
パンドラの弟パン・ドンから写楽を守ろうとし、パン・ドンと共にモアイに潰される。写楽に恩を返せたことを喜ぶ半面、人間のように火や道具の使い方を覚えたことで陰謀に巻き込まれた上折角の知恵を活かしきれなかったことを悔やみ、知恵を付けたのは不幸なことだったと言いながら死んだ。

テレビ東京版では絆創膏の写楽にしりとりや言葉を教えてもらった経緯が描かれており、より絆も深くなっている。ポキ族ではなくナギサ族という種族の子孫。原作でもナギサ原人という種族に関して写楽が考察を行うシーンがある。ナギサ族は人間に追われて海に逃げ込み、浅瀬で暮らしたが為に現在の姿になったとされる。半人半獣というより、自他共に猿との認識がされている。
知性の発達と共に腰に布を巻くようになり、三つ目の写楽から「段々人間に近づいてる。猿にしとくのはもったいない」と言われた。この時、「写楽、ポゴ褒める。ポゴ、嬉しい」とつたない言葉で写楽への好意を口にした。
ポキ族の反乱を恐れた人類によってロンゴロンゴ文字(に似た文字)の解読を終えたら知能が退化するよう手術を施されており、最終的には徐々に知能が減退していく。言葉を忘れたくないと三つ目の写楽としりとりをするが、知性を失って写楽を攻撃。自ら服を破り捨て、去っていった。
原作では、ポキ族には独自の言語(基本的に逆さことば)が存在していたがテレビ東京版では猿の鳴き声になっている。

パンドラ / ミスターマネー

出典: pakuman.btblog.jp

『悪魔島のプリンス』より。

声:横沢啓子(24時間テレビ版登場時)/井上和彦(ミスターマネー)

『イースター島航海編』に登場した女首領。登場時には男装をしていた。長耳族の生き残り。ポキ族を配下に置き、自分が所有する島に眠る長耳族の遺跡の謎を解かせるべく写楽をさらわせようとした。ポキ族を訓練し、火や道具の使い方を教え進化させた張本人。
かつて、日本の薬品メーカーに勤めていたが数十名の死者を出した事故に巻き込まれて背中に傷を負う。日本人の幹部が事故の責任を取らなかった為、日本人への復讐を誓った。日本人は三つ目族の血を引いているから傲慢とし、本来は三つ目族のことも憎んでいるが、長耳族の遺跡の文字を解読させるべく写楽をさらわせる。
復讐を誓いながら、薬品メーカーの幹部の殺害などをポキ族にやらせていると写楽に嘲られるが、自分を裏切ったポゴへの見せしめとしてポキ族を焼き殺す残虐性も持つ。復讐の遂行の為、遺跡に眠っていた猿石に入っていた薬品で日本人を奴隷化しようとする。
パンドラは三つ目族の祖国を教えるとの甘言で、潜水艦を操る写楽にイースター島に向かわせる。ポゴによって絆創膏を貼られた状態の写楽を泣かせてモアイを動かすが、絆創膏状態とは言え写楽の力が強すぎた為制御不能に陥る。
ポゴだけでなく弟のパン・ドンもモアイに潰されて死んだ。パンドラはこの復讐劇にある種のむなしさを覚え、写楽に龍安寺に三つ目族の遺産があると教えて去る。ポキ族に知恵を付けたことを間違いだったとし、女王のポゴを死なせた責任を取る意味もあってポキ族や潜水艦もろとも自爆する。

24時間テレビ版ではヒトラーの孫でネオナチを率いているという設定。三つ目族の財宝を狙い、独占する為に三つ目族の子孫を探し当てては殺していた。三つ目族狩りには真の目的は三つ目族の王の末裔を探す意味もあった。財宝のありかや探し方を知り、ホコ(赤いコンドルに似た遺産)が使用できるか否かが王族の証である為、王族ではないと分かった三つ目族を殺していたのだった。写楽を犬持医院に預けた乳母のことも狙撃している。グリーブに似た三つ目族の遺産でインターポールを撃退しようとしたが、機械を暴走させてしまい自滅した。

テレビ東京版では男性でミスターマネーという名で登場している。

シグアナ姫

出典: matome.naver.jp

声:松井菜桜子

『古代王子ゴダル編』に登場。ウル王朝最後の姫。容姿は和登さんに似る。ゴダル曰く「美女の中の美女、ブスの中のブス」との噂があったらしい。三つ目族の王子・ゴダルに父王を殺された上、国を滅ぼされ奴隷としてレムリヤ王国に連れ去られた。ゴダルに惚れられ、第三の目が弱点だと気づいてからは絆創膏を貼るなどして能力を封じ優位に立っていた。
三つ目族最大の超能力、ホア・カバリ・キルマを見せてほしいとせがみ、危険な術だと渋るゴダルを根負けさせた。肉体と魂を分離するこの術を利用し、密かに調べておいた三つ目族の秘薬で魂の抜け出したゴダルの肉体を溶かし、魂を壷に閉じ込め復讐を遂げた。

原作ではゴダルを尻に敷いており、現代での和登さんと写楽に似た関係だったが、テレビ東京版ではゴダルに対してなびかないだけで、シグアナ姫が特に優勢だったわけではない。ホア・カバリ・キルマもゴダルが自分から見せたものだった。

公卿(くぎょう)

出典: tezukaosamu.net

声:佐々木望

『三つ目族の謎編』に登場。代々琵琶湖の底に眠る三つ目族の財宝を守っていた一族最後の生き残りで、琵琶湖で和登さんと出会う。
公卿曰く、自分の一族は短命の家系。公卿自身は白血病だった。額の札は少しでも長生きできるようにとのまじないであるのと同時に、超能力を封じるためのもの。遺跡の天井が崩れ下敷きとなる。

テレビ東京版ではゴブリン伯爵を超能力で倒し、力を使い切って死亡している。

マヌイ

出典: kuzure.but.jp

声:鷹森淑乃

『地下の都編』に登場した、精霊の巫女。和登さんに似ている。写楽が見つけた地下都市の石棺に眠っていた。住んでいた都が富士山の噴火で地下に埋没した時、一人石棺の中で祈りを捧げていたという。
写楽の前に姿を現すが幽霊ではなく、直接過去の世界を見せていた。写楽に、遺跡に眠る宝物を守ってほしいと頼み込む。

エビラ

出典: kuzure.but.jp

声:片岡富枝

『地下の都編』に登場。マヌイを護衛する女戦士。胸が大きすぎるためか弓は得意ではない模様。マヌイを和登さんと思い込んで無礼な態度をとる写楽を弓で殴るなど、若干過激な面はあるもののマヌイへの忠誠心は高い。
写楽が絆創膏を貼った状態でノラキュラたちを遺跡から追い払った後、出口まで案内をする。外に出ると土偶になっていた。

上底(あげぞこ)

出典: kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp

写楽たちの学校に赴任してきた教員。担任の説明によるとコロンビア大学卒業後特殊才能の育児についての博士号を持つという。全ピキ連こと「全女性ピンカラキリマデ連盟」の一員であり、上底を怒らせると全国の女性が学校に怒鳴り込んでくる為、生徒がどんな体罰を受けても学校側は上底に厳しくできない。
徹底的に写楽を痛めつけることで和登さんを挑発し、絆創膏を剥がさせることに成功。三つ目になった写楽に主導権を握られるも、グリーブの元まで案内させた。最期はグリーブの暴走で行方不明となる。
雑誌掲載時はICPOの捜査官でCIAエージェントという設定。この時はグリーブの暴走で死んでいる。

ブラックホーン

出典: kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp

上底の夫で、ナバホ族の学者。上底とはコロンビア大学で知り合い結婚したという。グリーブの研究をしており、グリーブの正体が重力制御装置であることを見抜いていた。重力異常に巻き込まれグリーブの危険性を思い知り、「仲間を大勢殺した」として自らの死を受け入れるが、妻のことは助けてほしいと写楽に懇願した。CIAのことは「鬼より怖い」として写楽と和登さんにCIAから逃げるよう促すも、ポーク・ストロガノフに撃ち殺される。

ポーク・ストロガノフ(雑誌掲載時はマクドナルド・ハンバーガー)

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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