三つ目がとおる(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

三つ目族

出典: video.unext.jp

三つ目族とは、額に目玉のような感覚器官をそなえる古代種族である。またの名を三つ目人。現代に栄える人種を二つ目人(もしくは二つ目族)と呼ぶこともある。現代人を始めとする他種族をはるかに超える優れた知性と超能力を持って超文明を築き、地上に王者のごとく君臨していたが、戦争や公害などによって自滅同然に滅んだ。かつては長耳族と呼ばれる種族と争っていた時期もある(長耳族も滅んでいる)。他の種族に比べ、知性も能力も圧倒的に優れている為、三つ目族であることにいくらかの選民意識を持つ個体(写楽、ゴダル)もいる。

衰退後は生き残りがアジアやインドなどに分散し、今は写楽保介を含め、わずかな生き残りが各地に点在するのみである。また、生き残りが落ち延びた先には三つ目族の痕跡や遺物が残り、それを写楽或いは悪者が狙うというのが『三つ目がとおる』のお約束のパターンである。三つ目族の遺産は大体が現代人の理解の範疇を越える代物であり、その気になれば世界征服も可能。
超能力に関しては主に念力(オーラ)より手を触れることなく物を動かしたり、他者の体の自由を奪ったりするサイコキネシスがよく使われる。能力には個体差があり、既に第三の目を失っているセリーナが写楽以上の念力を発するかと思えば、眼窩しかないゴブリン伯爵が能力を使えないからと写楽に青銅球の解読をさせようとしたこともあった。
また二つ目の体でも念力の使用は可能である。和登さんの体を乗っ取った古代三つ目族の王子ゴダルは、写楽の体に移動しようと和登さんの体に入った状態で念力を使うが、三つ目族の念力には勝てず写楽に競り負けている。
脳細胞の増幅及び第三の目の形成手術で三つ目族と同等の力を得ることもでき、作中では犬のホクサイが三つ目にされた。ホクサイは人工の三つ目犬だが、写楽に念力で勝っている。

無敵というわけではなく、弱点も存在する。それが「三つ目族」と呼ばれる所以となった額の目(第三の目。または三つ目)である。
この器官は脳の一部が伸びて目玉の形に露出したものであり、犬持が言うには昆虫の触覚(もしくは複眼)のようなもの。三つ目の状態であれば超知能と超能力を操れるが、何かで第三の目を封じただけで極端に知能が下がり、超能力も使えなくなる。ゴダルが写楽との念力対決に負けたのは、二つ目族の脳が幼稚な(というより三つ目族の脳が優れている)為である。写楽は罰点型の絆創膏を額に貼られており、通常は幼児のような精神と知能で暮らしている。
作中、第三の目を封じられたのは写楽、吾平、ゴダル、ホクサイ、モエギ(アニメオリジナルキャラクター)。古代三つ目族は知性植物、ボルボックの毒針で額にコブを作る形で第三の目を封じられた。
トルテカ人や長耳族などと戦った挙句に虐殺された背景もあり、他種族との戦いでも負け戦を経験している。

第三の目は「目」ではない為物は見えていないと思われるが、第一話では和登さんの「黒目の部分が動く」とのモノローグがあり、瞼や瞳が動く描写も少なくない。リメイク漫画版では視線と同じ方向に瞳が動いている(触覚あるいは複眼のようなものと考察される為、一応は動くものと思われる)。
24時間テレビ版では眠っている写楽の第三の目が犬持を見据える、本を読んでいるような動きをするなどしていた。テレビ東京版では瞳が動くことも瞼もなく、視覚器官ではないことが強調されている。またテレビ東京版では念力使用時に第三の目が光る。
『三つ目族の謎編』では写楽が第三の目から涙のような液体を流しているが、これに関して写楽は「興奮すると額の目から涎が出る」と言った(普通の「目」からは涙が出ていないがせつなげな表情をしており、取りようによっては泣いているようにも見える)。

現実の世界では、オーパーツと呼ばれる遺物が存在する。これは古代遺跡などから発掘されたもので、当時の技術や常識では到底作りえないような物として学者だけでなく、マニアの間でも正体や製作の目的に関して意見の割れる物である。作中ではオーパーツの大部分が三つ目族と関係があると描写される。
三つ目族はその高度な文明や超能力、三つ目という特異な外見的特徴から、かつての二つ目族により神として崇拝されていたのではないかとも言われている。実際、世界の伝承には第三の目を持つ超常的な存在が無数に存在する(ヒンドゥー教のシヴァ神、仏教の准胝観音、馬頭観音、大威徳明王など)。

赤いコンドル

三つ目族の遺物。赤い槍のような形状をしており、柄の部分には古代文字が刻まれている。三つ目族の滅亡に伴い、実質封印状態にあった。博物館に三つ目の神の像と共に展示されていたが、絆創膏を剥がされ開眼した写楽により封印が解かれた。

単なる槍状の武器ではなく呪文を唱えることで念力を発し、時には盾の役割や、写楽の組み立てた機械に差し込むことで、レバースイッチの役目を果たす。「アブトル・ダブラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク。我と共に来たり、我と共に滅ぶべし。来たれ赤いコンドル」の呪文で写楽の手中に現れる。ちなみに、この呪文の「我と共に」以前の部分は、単に念力を使用する時や遺産を起動させるときにも使われる。写楽個人のものではなく、古代三つ目族が携帯していたもののようで、『怪鳥モア編』では朽ちたコンドルが描かれたシーンもあった(完全な状態で遺跡に保存されていたが、使用できずに崩れた)。

24時間テレビ版では赤いコンドルではなく「ホコ」と称される。王族の血筋にだけ扱える特別な物とされていた。王家の末裔かどうかを見定めるカギにもなっており、パンドラの支配するネオナチにより連れ去られた無数の三つ目族が殺された。

テレビ東京版では、冒頭から幼い写楽の力に反応。赤く光りながら博物館を揺らすほどの震動を起こした。写楽に絆創膏が貼られたことで再び光を失うも、和登さんに絆創膏を剥がされた写楽が呪文を唱えたことで完全復活を遂げた。使用できるのは開眼時のみで、写楽に絆創膏が貼られるとその場から消え失せる。

魔弾球(まだんきゅう)

アニメオリジナルのアイテム。本来は三つ目族の作った土木作業用のロボット、ガロンの良心に相当するものだが、作中でガロンはこの弾が装填されていない状態で暴れ町を破壊したことを悔やんで土に戻った。
その後は写楽が主に乗り物として使用するようになる。通常はポケットサイズだが、使用時に巨大化し、二人ほど乗れる大きさになる。単なる移動手段ではなく、危険地での戦闘にも役立つ。最終話のスーパーボルボック戦でも活躍した。

ホア・カバリ・キルマ

出典: tezukaosamu.net

『古代王子ゴダル編』に登場した、三つ目族秘伝の術。古代レムリヤの三つ目族の王子、ゴダルが言うには失敗する可能性が高い。実態は、特別に調合した薬を特定の壷の中で飲み、この秘術を行った者の魂を生きたまま肉体から出すことである(猫の体に入れられた和登さんが壷の外で薬を飲み元の体に戻ったことから、必ずしも壷の中で飲まなくてもいいらしい)。

本編では国を滅ぼされた上、強引に連れて来られたことを恨んだウル王朝の王女、シグアナ姫の奸計によってゴダルが秘術を行い、魂が抜けだしている間に肉体を薬で溶かされてしまう。その後、ゴダルの魂を封じた壷は遺跡として発掘され手違いで和登さんが中に入り込む。和登さんの魂はゴダルによって肉体から追い出されることとなる。

ゴダルはシグアナ姫に似た和登さんの肉体を乗っ取り、次いで三つ目族である写楽の肉体への移動を画策するが、失敗している。写楽もこの秘術のことは知らなかった模様。薬の調合方法を知るゴダルが猫の体に入れられたことで、この秘術も事実上消え去った。
逆から読むと「まるきり馬鹿、アホ」となるが、ゴダル曰く「偶然」。

ゴモラ

出典: video.unext.jp

『古代王子ゴダル編』に登場。空気中の水分を凝結させ、氷の塊にする兵器。レムリヤ王国の生き残りの三つ目族が京都に流れ着き、龍安寺の地下に遺した。京都のみやびホテルに集まっていた各国の首脳を脅すのに使われた。もう一つ、火の硫黄を降らせるというソドムなる遺物もあるが、こちらは使用されることはなかった。

グリーブ

『グリーブの秘密編』に登場する。現地のインディアン(作中の表記に準ずる)により崇め奉られていた。頂上が10m四方の平らなピラミッド状。調査に来た白人が無残な姿で見つかることが多く、神秘の力が眠っているとされた。力の正体はグリーブの中にある重力制御装置であった。写楽並びにブラックホーンはこの謎を解いたが制御できず、満月の夜、地球にもたらす重力の影響もあって重力制御装置が暴走。内部のメカも含め滅茶苦茶に自己破壊して機能を停止した。

24時間テレビ版にも似たものが登場している。写楽が言うにはデビルコンピュータという名前であり、引力を操る最終兵器とのこと。24時間テレビ版における三つ目族滅亡の原因である。こちらは世界征服を目論むネオナチの統領、パンドラが押してはいけないボタンを押してしまい、装置が眠る島もろとも崩壊した。

天人鳥

出典: video.unext.jp

『三つ目族の謎編』に登場。犬持邸に贈られて来た青銅製の球体に入っていた。人間の女性を思わせる頭部に、鳥のような脚と翼を持つ。三つ目族の命令に忠実に従う僕。鳴き声が琵琶湖の底に眠る遺跡の扉のカギとなっていた。

ボルボック / スーパーボルボック(テレビ東京版のみ)

出典: ameblo.jp

『怪植物ボルボック編』に登場。古代の三つ目族により知性を与えられた植物。土の性質を変え、他の植物を枯らせるも咲かせるも自由な能力を持つ。現代では自分の出自を知らない三つ目族の子孫、吾平がその苗をこっそり育てている。苗はナマズに似ており、和登さんたちは当初ボルボックの苗を持ち歩く吾平を「ナマズ男」と呼んでいた。

ボルボックは古代三つ目族の食糧需給に大いに貢献したが、おごり高ぶった末戦争や人心の荒廃によって自滅の道を進む三つ目族に愛想が尽き、突如野菜作りをやめてしまった。これにより三つ目族とボルボックの間で戦争が起きる。三つ目族はボルボックを火や薬品で痛めつけるが、ボルボックは第三の目を毒針で封じる術を身につけていた。目そのものを潰すのではなく、コブで覆う形であり、写楽と吾平はボルボックの毒針で三つ目を封じられる。
写楽は初め、ボルボックを手懐けようとしたが、ボルボックが植物作りをやめ、それに端を発する兵糧攻めの形で三つ目族滅亡のきっかけになったことを知る。三つ目族の生き残りは衰退しても尚食糧の需給をボルボックに頼り切っていた(自力で食糧を作る力がなかった)為、滅亡の原因となったボルボックを捨て去ることができなかった。それを知った写楽は先祖とボルボックの両方に怒りを覚え、ボルボック打倒を誓う。
写楽はボルボックが海岸付近に植えられなかったことや、先祖の遺した文字盤から、海水がボルボックの弱点であることを突き止める。環状列石を直したことで海水の雨をボルボックに浴びせ、ボルボック本体を倒すことはできたが、吾平がボルボックの苗を持って逃走したため、どこかでまたボルボックが育っているかもしれないとされた。

テレビ東京版では、三つ目族の少女モエギが吾平の役割を受け継いでいる(モエギはボルボックの苗に因んで、住んでいた村で「ナマズっ子」と呼ばれていた)。モエギは『怪植物ボルボック編』の後放浪の旅を続けていた。ボルボックはある遺跡で生体強化細胞を植え付けられて、スーパーボルボックとしてパワーアップ。ビルをも超える巨体と、戦艦に巻き付き沈めるほどの力を得た。海水という弱点を克服し、海から日本へ上陸して、自然を汚す人間たちを三つ目二つ目関係なく滅ぼそうとした。
モエギとは友達のような関係であり、モエギが人間に殺されたことを受けて人間たちへの憎しみを強める。一騎打ちの果て写楽を追い詰めるが、和登さんの「五十年待ってほしい、その間に人類はやり直す」との説得に心を動かされて活動を停止。これは一時的な休眠であり、五十年後に人間と自然との関係が変わっていなければ今度こそ人間を滅ぼすとした。

環状列石(ストーンサークル)

出典: ameblo.jp

えどまち
えどまち
@edono78

Related Articles関連記事

トキワ荘とは?歴史・逸話・トリビア・暮らしていた漫画家を紹介!

トキワ荘とは?歴史・逸話・トリビア・暮らしていた漫画家を紹介!

トキワ荘(トキワそう)とは、かつて東京都豊島区南長崎三丁目にあった木造2階建アパート。1953年から1962年頃まで、手塚治虫や藤子不二雄などの日本の漫画界の黎明期を支えた超一流の漫画家たちが共同生活を送っていたことで知られる建築物である。1982年に老朽化により解体されるも、「漫画の聖地」として非常に知名度が高い。現在も「トキワ荘マンガミュージアム」や「トキワ荘プロジェクト」の形で漫画界にその名を残している。 本記事では、トキワ荘に関する情報と、ここで暮らしていた漫画家たちについて紹介する。

Read Article

火の鳥(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

火の鳥(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『火の鳥』とは漫画界の巨匠、手塚治虫の描く漫画作品。その血を飲むと永遠の命が得られる伝説の鳥である「火の鳥」。この伝説の鳥を巡り、古代から未来へ、未来から古代へ。またミクロからマクロへ、マクロからミクロへと想像を絶するスケールで世界が流転する。文明の進化と衰退、科学の罪、生命進化、人間の心と、「火の鳥」を狂言回しに、あらゆる要素を紡ぎ、手塚治虫が読者へ送る「究極の物語」だ。

Read Article

ブッダ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ブッダ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ブッダ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた、仏教を生み出した釈迦こと「ブッダ」の物語についての漫画作品である。少年漫画雑誌『希望の友』(潮出版社)にて、1972年〜1982年まで連載された。後のブッダである主人公「ゴータマ・シッダルタ」が苦悩しつつ仏教をどのように悟ったのかを描き出している。実在の人物と手塚治虫自身の創作の人物が入り混じっているも、2000万部を超える売り上げを記録し、非常に評価されている作品である。

Read Article

ブラック・ジャック(BLACK JACK)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ブラック・ジャック(BLACK JACK)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ブラック・ジャック(BLACK JACK)』とは、手塚治虫の代表的な漫画作品の1つで、天才無免許医師が法外な治療費と引き換えに多くの怪我や難病を治療していく人間ドラマ作品。1973年~1983年に『週刊少年チャンピオン』で連載され、連載終了後も読み切り作品が掲載された。さらに、他の漫画家の執筆による作品も数多くあり、医療漫画のパイオニアにして、金字塔と言われる。映画、OVA、実写のTVドラマ、アニメなど、さまざまな形で映像化されてきた。

Read Article

奇子(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

奇子(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『奇子』とは手塚治虫が小学館『ビッグコミック』に1972年1月25日号から1973年6月25日に連載していた漫画作品。戦後史最大の闇とされた下川事件をモデルにした事件を核に、旧家一族の愛憎劇を絡めた物語となっている。第二次世界大戦直後、天外仁朗(じろう)が外地から復員すると、実家には末の妹・奇子(あやこ)が増えていた。実は奇子は仁朗の義姉と彼の父親の不義の子であり、彼女の存在が家族間に緊張を生む。一方仁朗はGHQのスパイに成り下がり、司令部からの命令で様々な汚れ仕事や諜報活動に手を染めていく。

Read Article

アドルフに告ぐ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

アドルフに告ぐ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アドルフに告ぐ』とは、漫画家・手塚治虫が手がけた第二次世界大戦中のドイツと日本、そして3人のアドルフについての漫画作品である。『週刊文春』にて1983年1月6日〜1985年5月30日まで連載された。ヒットラー、カウフマン、カミル、3人のアドルフの人生が入り混じり、狂言回しの峠草平を中心に物語が進んでいく。1986年度の第10回講談社漫画賞一般部門を受賞し、手塚治虫の作品の中でもトップクラスの名作である。

Read Article

ジャングル大帝(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ジャングル大帝(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ジャングル大帝』とは、手塚治虫による日本の漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。 壮大な自然を舞台に、主人公のレオを中心とした物語で、その中で動物たちの弱肉強食や人間の欲望、自然の脅威や素晴らしさを知ることができる。学童社の月刊漫画誌「漫画少年」に1950年(昭和25年)11月号から1954年(昭和29年)4月号にかけて連載された。アニメ作品も制作されており、手塚治虫初期の代表作であると共に、現代アニメの基礎となった作品である。

Read Article

どろろ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

どろろ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『どろろ』とは手塚治虫によって描かれた、戦国時代を舞台に奪われた自身の身体を取り戻すべく48の魔物を追う百鬼丸と、泥棒の少年どろろの旅を描く時代劇漫画である。1967年から1968年までは『週刊少年サンデー』に、1969年には『冒険王』で連載された。父親の野望によって、48の妖怪に身体を奪われた姿で誕生した百鬼丸。医者・寿海に助けられた彼は身体を取り戻すため妖怪退治の旅を続けていたある時、泥棒少年どろろと出会う。手塚オリジナルの妖怪が多数描かれており、カルト的なファンも多い。

Read Article

七色いんこ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

七色いんこ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『七色いんこ』とは1981年より手塚治虫が『週刊少年チャンピオン』で連載していた漫画、およびそれを原作とした舞台作品。シェイクスピアなどの海外古典から近代演劇まで、実在の演劇をベースにした1話完結の犯罪活劇。 七色いんこは、代役専門の天才役者。本人そっくりのメーキャップに、時には本人以上の演技力で観客を魅了する一方、劇場内の金持ちから金品を巧みに奪う泥棒でもある。警察から送り込まれた射撃・格闘に秀でた刑事、千里万里子(せんり まりこ)は七色いんこを追ううちに次第に彼に好意を抱くようになる。

Read Article

ばるぼら(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ばるぼら(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ばるぼら』とは、手塚治虫によって『ビッグコミック』で連載された、芸術を題材とした大人向けの漫画。「耽美派の天才」と呼ばれる主人公の小説家が、アルコール依存症のフーテン娘バルボラと出会ったことで芸術家としての絶頂を味わい、そして転落するまでを描いている。男女の性愛だけでなく、異常性欲、黒魔術、薬物といったアングラ要素が満載の、いわゆる「黒手塚」と呼ばれる作品のひとつだ。 2020年、稲垣吾郎と二階堂ふみの主演で映画化されたことで話題になった。

Read Article

ユニコ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ユニコ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ユニコ』とは手塚治虫がサンリオより出版の『リリカ』で1976年11月から1979年3月まで、小学館より出版の『小学一年生』で1980年5月号から1983年7月号まで連載した児童向けファンタジー漫画である。1981年には『ユニコ』、1983年には『ユニコ 魔法の島へ』のタイトルで映画化した。 一角獣の子どもユニコは、いじわるなビーナスに神の国を追い出され、西風の精に運ばれ様々な時空を旅することとなる。不思議な魔法を使えるユニコは、訪れる先で様々な人々と交流し、彼らに愛と友情を届けていく。

Read Article

上を下へのジレッタ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

上を下へのジレッタ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『上を下へのジレッタ』とは、手塚治虫がバーチャルリアリティーのような妄想世界「ジレッタ」を巡る騒動を描いたブラックユーモア漫画。才能と野心あふれるプロデューサー門前市郎(もんぜん いちろう)が「空腹の間だけ絶世の美女になる」という特異体質を持つ越後君子(えちご きみこ)と、その恋人の山辺音彦(やまべ おとひこ)を利用して名誉欲を満たそうと七転八倒する物語。 手塚作品の中では知名度は高くないが、2017年には妄想歌謡劇『上を下へのジレッタ』のタイトルで舞台化され、横山裕が主演を務めた。

Read Article

神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ

神の手を持つ男 ブラック・ジャックの生い立ちと謎について考察まとめ

手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』。一話完結の作品の中に完璧な人間ドラマを描きだす手塚治虫は間違いなく天才だったといえるでしょう。漫画を読んだことのない人はもちろん、ある人にとってもブラック・ジャックは謎の多い人物です。今回は間黒男がいかにして伝説の無免許医ブラック・ジャックになったのか、ブラック・ジャックとはいったい何者なのか、その本性に迫ります。

Read Article

火の鳥の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

火の鳥の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『火の鳥』はあの『鉄腕アトム』を生み出した漫画界の巨匠、手塚治虫による『火の鳥(不死鳥)』を題材とした長編漫画である。日本の漫画文化を代表する作品の一つ。仏教の「六道輪廻」の考え方を軸に「死と再生」を主なテーマとした壮大なストーリーとなっている。 全12編ともなる独立したストーリーの舞台が過去と未来を行き来する独特な構成や、宗教思想と漫画の融合が当時画期的であり、現在でも数々の作品に影響を与え続けている。 この記事では、生命の本質や人間の業を説くような火の鳥の名セリフの数々を紹介する。

Read Article

ぐるなびにて連載のエッセイ漫画【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】をご存知ですか?

ぐるなびにて連載のエッセイ漫画【田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-】をご存知ですか?

田中圭一先生と言えば、漫画界の巨匠・手塚治虫先生の絵柄で下ネタギャグな作風を確立したパイオニア。その田中先生が現在webサイト「ぐるなび」にて、漫画家ご本人とそのご家族にまつわる“食”にスポットを当てたエッセイ漫画を連載しており、これが大変おもしろい!ですのでこちらでは、田中先生の作品を通して、ご自身も漫画家や他分野で活躍されているご家族も紹介させて頂きます。

Read Article

宮崎駿とウォルト・ディズニーはどっちが上かアニメファンが大論争!「手塚治虫と比較するべき」という声も【ジブリ】

宮崎駿とウォルト・ディズニーはどっちが上かアニメファンが大論争!「手塚治虫と比較するべき」という声も【ジブリ】

数々の名作を世に送り出してきた宮崎駿とウォルト・ディズニー。どちらがすごいのか、アニメファンの声をまとめました。両者が偉大過ぎて比べられないといったものや、それぞれを支持する理由を掲載。中には「宮崎駿ではなく、手塚治虫とウォルト・ディズニーを比べるべきだ」といった声も。ファンたちのツイートや、宮崎駿の反応を紹介しています。

Read Article

松本零士が保管していた「手塚治虫の初期未発表原稿」!天才性漂う全9枚!

松本零士が保管していた「手塚治虫の初期未発表原稿」!天才性漂う全9枚!

日本を代表する漫画家、手塚治虫がデビューから3年後に書き下ろした漫画『メトロポリス』などの未発表の原稿が新たに見つかり、公開されることになりました。原稿を見つけ保管していたのは、これまた有名な漫画家の松本零士。手塚の天才性がうかがえるすごい原稿についてまとめました。

Read Article

【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想

【ブラック・ジャック】記念すべき第1話「 医者はどこだ!」のネタバレと感想

「鉄腕アトム」や「火の鳥」「ジャングル大帝」などの名作を世に生み出した手塚治虫先生。そんな彼の作品の中で「医療漫画の傑作」と言われ、現在でも高い支持を集めているのが「ブラック・ジャック」です。今回は2004年に発売された新装版の特徴を踏まえながら、第1巻収録話についてまとめていきます。(※参考画像なし)

Read Article

ブラック・ジャック名言・名セリフまとめ【それを聞きたかった】

ブラック・ジャック名言・名セリフまとめ【それを聞きたかった】

ここでは手塚治虫の傑作漫画の一つ、『ブラック・ジャック』に登場する名言・名セリフを紹介する。ブラック・ジャックの台詞だけでなく、彼の恩師の「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」など、手塚治虫の哲学がうかがえる台詞をまとめている。

Read Article

いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』

いつの時代も面白い!テレビアニメ『ブラック・ジャックシリーズ』

どうも。最近話題になっている「ヤング ブラック・ジャック」効果で再びB・Jブームが到来した筆者です。子供の頃に何気なく見ていたストーリーは、今改めて見ると中々に感慨深いものがあったりします。という事で今回は、テレビで連続放送されていたB・J各シリーズを1話無料動画と合わせてご紹介。

Read Article

手塚治虫の名作『ブラックジャック』の集大成! 『ブラックジャック大全集』

手塚治虫の名作『ブラックジャック』の集大成! 『ブラックジャック大全集』

手塚治虫の名作が最も美しく甦る。 『ブラックジャック』は過去、秋田書店等で何度か単行本化されているが未収録作品がいくつかある。 しかし本書は、過去の単行本化された中で未収録作品が3話と一番少ない。 なお、この3話(「指」・「植物人間」・「快楽の座」)は手塚プロダクションの意向により今後も掲載されることはないため、この『ブラックジャック大全集』が〈完全版〉と言えるだろう。

Read Article

心揺さぶられる!漫画に登場する名言・名セリフまとめ

心揺さぶられる!漫画に登場する名言・名セリフまとめ

日常的に何気なく読んでいるマンガのセリフに、ふと心を揺さぶられて思わず涙を流したことがあるという人は多いのではないだろうか。スポーツ・医療・ファンタジーなどマンガには様々なジャンルがあるが、その中には著者の想いが込められた「アツい」名言・名セリフがちりばめられている。本記事では漫画に登場する「名言・名セリフ」を、五十音順にまとめて紹介する。

Read Article

「火の鳥」ビギナーは何編から読むのが正しい?漫画マニアたちの大激論を紹介!【手塚治虫】

「火の鳥」ビギナーは何編から読むのが正しい?漫画マニアたちの大激論を紹介!【手塚治虫】

漫画の神様とされる手塚治虫が、ライフワークとして描き続けた『火の鳥』。人間の愚かさと命の儚さを容赦なく描いた傑作で、いくつかのほぼまったく関連性のない長編エピソードによって構成されている。どのエピソードを読んでもおもしろいが、「では初めて読む人はどのエピソードを読むべきか」でたびたび激論が繰り広げられる。ここでは、漫画マニアたちの白熱の議論を紹介する。

Read Article

目次 - Contents