三つ目がとおる(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

出典: ameblo.jp

猿をかたどった石。奈良県飛鳥地方だけでなく、パンドラ所有の島にも似たものがある。実はこの島の猿石が元祖であった。正体は酒船石に混ぜる薬の容器であり、口から粉末状の薬の元を出す。調合によって異なる成分の薬が完成する。
酒船石の原型も島にあり、オリジナルの猿石には目元に記号が彫りつけてある。これは酒船石の溝を表しており、彫りつけられているものと同じ形状の溝に液体を流し込み混ぜ合わせて薬を作り出す。どんな薬ができるかは、写楽にも分からなかった。『イースター島航海編』では飲んだ者を奴隷にする薬が完成している。

酒船石(『イースター島航海編』)

出典: bqspot.com

船のような形状をした遺物。表面に窪みがある。窪みは細い溝で繋がっており、長らく酒の調合に使われたものと思われていたが、作中では薬品を調合する為の道具であった。『イースター島航海編』では、試しで作った薬を飲んだ者が、飲ませた者(ポゴ)の奴隷になっていた。
短編でも同じ物が登場しており、飛鳥地方(実際の酒船石は飛鳥地方にある)に修学旅行に行った際、三つ目の写楽がテストと称して今まで自分を馬鹿にしてきたクラスメイトに報復するために使おうとした(和登さんが絆創膏を貼ったため、薬の使用は未遂に終わった)。

モアイ像(『イースター島航海編』)

人間の頭部から上半身をかたどった石像。何を意味する物か、研究者の間でも意見の割れる遺物。ラノ・ララクの井戸にある薬を飲んだ子供の泣き声に反応して飛び跳ねる。現地には「魔女がモアイを動かした」との伝承が残っていた。
作中では写楽の泣き声で動いたが、元々は子供の持つ超能力が原動力であり、三つ目族である写楽(絆創膏状態)の発する強すぎるエネルギーにより制御不能状態となった。パンドラの弟のパン・ドン並びにポゴを踏みつぶして結果的に殺している。写楽の悲しみの号泣によって動きが止まった。

テレビ東京版ではポキ族の遺跡であり、写楽でも解読不能なロンゴロンゴ文字が彫りつけられていた。原作とは違って泣き声で飛び跳ねることはなく、ポキ族の遺産ということになっている。

龍安寺の石庭(『古代王子ゴダル編』)

出典: pbs.twimg.com

石庭で知られる寺院で、天狗が作ったとの伝承がある。古代レムリヤ王国の王子、ゴダル(三つ目族)は石庭を見てレムリヤの海図に似ていると言う。写楽は京都や龍安寺に伝わる歴史と伝説を辿り、レムリヤ王国の生き残りの三つ目族が日本に渡来し、いつか故郷に帰る日を夢見て石庭を作ったとの仮説を立てた。天狗は額を覆っている絵が多く、龍安寺の天狗像には三つ目のものもある。
天狗が山奥に追われた三つ目族である可能性は高かった。また写楽は、レムリヤの生き残りが帰郷を望んでいたなら、その為の手段も考えていたはずと推測。地下には三つ目族の古代兵器、ゴモラが眠っていた。

パレンケ・パカル王の石棺の蓋(『グリーブの秘密編』など)

出典: www.abaxjp.com

マヤの古代都市、パレンケで発見されたパカル王の石棺の蓋に刻み込まれたものである。石棺の蓋には、宇宙船のような機械式の乗り物を操る人物と思われるものが彫られている。
パカル王は615年に即位した人物であり、この時代には宇宙船はおろか飛行機すらないというのが常識であった。そんな中発掘されたこの石棺と蓋の絵は、オカルトブームも相まってオーパーツの一つともてはやされ有名になった。

その後の研究で、この絵は縦に見るのが正しく、蓋に刻まれた人物、即ちパカル王は宇宙船を操っているのではないとされた。下部でロケットの一部もしくは炎とされてきたものは怪物(地獄)を表しており、パカル王は地獄へ堕ちまいと抗い、上部に描かれたケツアルコトル(マヤの聖鳥。石棺においては天国のシンボル)に向かおうとしているとの解釈がとられるようになった。

『三つ目がとおる』の連載時にはこうした考察がなく、オーパーツとしての性格が強かった為、古代遺跡として扱われた。『グリーブの秘密編』にて、ナバホ山の聖地グリーブ内に、この石棺の絵と似たものやロケット、UFOとしか思えない絵があり、短編でも写楽が学校の屋上にこの絵と似た種類の模様を描き出すシーンが存在する。須武田博士が学校の屋上に残された写楽による設計図を見て、マヤ文明の絵と似た種類だと証言した。

『三つ目がとおる』の登場人物・キャラクター

写楽保介(しゃらく・ほうすけ)

出典: middle-edge.jp

左:絆創膏状態。右:三つ目状態。

声:藤田淑子(24時間テレビ版)/伊倉一恵(テレビ東京版)/田中真弓(まんがビデオ版)/くまいもとこ(『手塚治虫が消えた?!20世紀最後の怪事件』)

主人公。罰点印の絆創膏をしている時は幼稚と称されるほどに無邪気で知力も腕力も弱い為いじめられることも多い。古代種族三つ目族の末裔で絆創膏の下には第三の目があり、絆創膏が剥がれると高度な知性と超能力、そして悪魔のような性格を見せる。

三つ目族最後の生き残りとよく名乗るが、実際には他にも生き残りがいる。ただゴブリン伯爵は能力が使えず、セリーナのように死んで物語から退場することがあり、『三つ目族の謎編』で先祖からの遺言を受け取った唯一の末裔が写楽である点から「最後の生き残り」というのもあながち間違いではない。
赤ん坊の頃、肺炎を起こしかけた状態で、医師の犬持の下に連れて来られる。母と思われる人物は雷に打たれて亡くなり、そのまま犬持の養子となった。作中での年齢は中学生。犬持が出張などで不在の際は、ヒゲオヤジの経営する中華料理店の来々軒に預けられる。
乳幼児期はごく普通の子供だったが、2、3歳頃から額に第三の目が形成されはじめる(額にオデキのようなものができ、次第に目のようになったと犬持は語っている)。完全開眼後は一日で英語をマスターし、12桁の計算もやってのけるほどの異常な知能の発達と超能力を発揮。風呂の湯を瞬間的に熱湯にする機械といった危険な発明までするようになった。
写楽の能力の暴走を恐れた犬持により、額に絆創膏を貼られて第三の目と能力を封じられた。実際三つ目の時は危険な性格となるため、養父犬持により第三の目を切除する手術が提案されたこともある。この手術は和登さんにより阻止されている。二重人格というより、三つ目族としての性質が記憶や能力と共に封印されると言った印象である。

写楽の言動は概ねコミカルタッチに描かれるが、本来の三つ目の姿でいることは許されず、三つ目を封じると精神が幼児化して友人を作ることすらままならないいじめられっ子となるなど、その境遇は孤独なものと言える。

犬持の養子ではあるが、名前は母の告げた写楽保介のままである。通称は写楽(テレビ東京版では、犬持やヒゲオヤジに保介と呼ばれている)。名前の由来は、シャーロック・ホームズより。また「保介(ほうすけ)」には「間抜けな奴」との意味もある。

24時間テレビ版では三つ目族の王族の血筋であり、正真正銘のプリンスということになっていた。母ではなく乳母により犬持医院に預けられて育つ(というより、乳母が写楽を託した後で死亡し、そのまま犬持が写楽を引き取った)。写楽が王族の子孫という事実は、王族だけが扱える赤いホコ(形状は赤いコンドル)を博物館から召喚、使用できたことで証明された。
古代三つ目族の知識が脳内にあるとし、最大の武器であるデビルコンピュータのことも知っていた。事件解決後に絆創膏を貼られた後、「二度と写楽君の絆創膏が剥がれることはなかった」と言われている。

『手塚治虫が消えた?!20世紀最後の怪事件』では和登さんとともに登場。アクシデントで絆創膏が剥がれた後は天馬博士に興味を持ち博士の部屋に向かう途中で手塚氏の失踪事件に遭遇。捜査に加わる。特殊なロックシステムで施錠された手塚氏の部屋を編み棒のみで簡単に開ける、警備ロボットを薙ぎ払うといった活躍を見せる。隠し部屋の存在まで見抜き、事件解決の心当たりがあるとして皆を案内した。

写楽が中学生なのは、手塚氏が中学時代飛鳥地方の古代遺跡を見て感銘を受けたことに起因する。絆創膏を剥がすと途端に強い力と鋭い知性を発揮するのは、手塚氏自身がいじめられっ子だった頃の憧れが具現化したものとされる。弱いいじめられっ子でも、何かしらの力、個性を持つとのメッセージが、写楽のキャラクター像には秘められている。

絆創膏写楽(ばんそうこうしゃらく)

出典: video.unext.jp

罰点印の絆創膏がトレードマーク。この絆創膏は半ば苦肉の策で貼られたもので、「絶対に剥がしてはならない」と養父の犬持からきつく言われている。24時間テレビ版では乳児期からのことが和登さんのモノローグで語られている。
精神は幼児並みで、幼稚園児に混じって遊ぶこともある。テストでは回答ではなく落書きをし、悪意なく授業を妨害することも多い為中学校を落第、転校を余儀なくされるなど成績は悪い。四度も学校を変わっており、最終的に不良生徒の多い猪鹿中学に転校している。良くも悪くも純粋無垢であり、何をされても全くへこたれないことや、その純粋さが気に障る者も多くいるようで、不良グループなどからいじめを受けることも少なくない。
目立つ箇所に大きな絆創膏を貼っていることもあって、挑発的に剥がすことを強要される場面もあるが、頑なに拒絶する。「怒られる」というのが本人の弁だが、三つ目状態の自分を恐れているとの説もあり、三つ目の時の記憶こそないものの、絆創膏を剥がしたらどうなるのかをある程度知っているようだ。事実、窮地に陥った際に剥がしてもらうように頼んだり、自分で剥がす(三つ目の自分に託す)描写すら存在する。原作では油を使った特殊な薬でないと剥がせないほど絆創膏の粘着力は強い。
無邪気な振る舞いが多い半面赤ん坊の頃死別した母を恋しがり、時折遺品である服を出しては抱きしめたり臭いを嗅ぐといった寂しがり屋の面も覗かせる。第三の目の摘出手術(オデキを潰すと表現)を拒んだのは、三つ目族との完全な決別として母の形見である服を燃やされる予定があった為。
クラスメイトの和登さんに母性を見い出し、友人とも恋人ともつかない関係を築く。和登さんとは一緒に風呂に入ることもある。

テレビ東京版では天然ボケで子供っぽい性格といった印象になっている。原作の絆創膏写楽よりは空気を読むことができ、ポゴを励ましたり慰めたりしている。いくらか三つ目時の嗜好が残っているのか、犬持の持ち帰った出土品に興味を示したり、「和登さんと結婚して王様になりたい」と言っている(もっともこちらはポゴに「女王である自分と結婚して王様になりたくないのか」と言われた時の返答であり、結婚相手は和登さんがいいとの方に重きが置かれている可能性もある)。

三つ目写楽(みつめしゃらく)

絆創膏が剥がれ第三の目が露わになった状態。能力も性格も封印時とはまるで別人で、知性的かつ傲慢な言動や冷酷さが目立つ。原作では殺人行為に及び、人間の脳を赤ん坊同然(トコロテンと表現)にする機械を平気で作るなど非道な所業を行った。
目的は三つ目族の復活であり、現代人を滅ぼす、或いは配下にする為ならテロ行為も含めどんな非道な手段も厭わない。『古代王子ゴダル編』では京都に集まった各国首脳をガスで気絶させ、誘拐までしようとした。

現代人には制御できない能力と厄介な性格が同居しており、そのことを自覚していて悪魔のプリンスを自称する。三つ目族の遺物を悪用しようと企むことも多い。
古代文字(基本的に三つ目族の文字)の解読や遺跡の推測ができ、念力で敵を吹き飛ばせるなど利害が一致すれば頼りになる面もある為、仕方なく絆創膏を剥がされることもある。こうした件に対し写楽は「都合のいい時だけ利用する」と皮肉っている。
ガラクタを材料に機械を作ることも多いが、戦闘に関しては基本的に念力や頭脳に頼っている。隙をつかれて絆創膏を貼られることもあれば、自分の力を過信して追い込まれることも多く、決して無敵ではない。

母を慕う気持ちと和登さんへの想いは二つ目の時と変わらず、和登さんにだけは頭が上がらない。また、彼女にだけは絆創膏を貼ることを許している。和登さんに母の遺品である服を託した。和登さんに対しては今で言うツンデレのような態度を取ることもある。和登さんの推測では、養父との間に愛情と距離を感じていた模様。傲慢な態度は仲間がいないことに対する強がりともとれる。

テレビ東京版では第一話から街を破壊し、その後も度々テロや不良行為(夜遊びなど)に手を染めるが、原作に比べるとやや丸い性格になっている。最終話でモエギに現代人を支配して三つ目族の国を作ると言ったが、それとて本心ではなかった。また初期の方でも和登さんを救うため絆創膏を貼るように促すシーンがある(三つ目族のオーラにより動く機械を止めるには第三の目を封じるしかなかった)。
「二つ目の母さんなんかいらない」とのセリフがあり、三つ目の状態でも母を恋しがり、寂しがる姿が見受けられる。
絆創膏が剥がれるや学ランの色が濃くなり、襟を立ててマントのように羽織るなどしている。

えどまち
えどまち
@edono78

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