三つ目がとおる(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

声:天野由梨

アニメオリジナルキャラクター。原作での吾平の役割を受け継ぐ少女。額に鉢巻きを巻いて登場。ある村で誰の世話にもならず、誰とも関わらない変わった子と認識されていた。ナマズに似たボルボックの球根を持っているため「ナマズっ子」と呼ばれる。これは原作で写楽たちが吾平を「ナマズ男」と呼んでいたことの名残りである。青玉ではなく草井に保護されており、ボルボックの球根ではなくお宝を持ってこいと脅されていた。ボルボックとは、友達のような関係だった。
完全な開眼が遅く、長いこと第三の目を傷だと思い込んでいた為、吾平同様自分が三つ目族だということは知らなかった。その後、写楽たちにボルボックには関わらないよう頼み込んだ。開眼後も特に性格は変わらない(やや強気かつ冷徹になる程度だが、人間に怒りを抱いているためでもある)。

『怪植物ボルボック編』終結後はボルボックの球根を持って旅をし、デビル・コンツェルンなる組織に拾われる。組織に従い、三つ目族の遺跡の調査を行っていた。メキシコのピラミッドで生体強化細胞を発見。ボルボックを強化し、スーパーボルボックを誕生させるに至った。
三つ目族に対する同族意識はない。むしろ三つ目族も二つ目族も関係なく、自然を汚す人間を嫌っていた。スーパーボルボックと共に人間の町を破壊。自然と仲良くしなくては人間は生きられないと主張し、写楽を追い詰めるが、ケツアルに第三の目を狙撃され死亡する(原作ではメキシコの遺跡にて焼身自殺を図ったケツアルだが、テレビ東京版では最終決戦時にも生存していた)。

ボルボック関連では吾平の代理だが、ある意味では『怪鳥モア編』のセリーナ、ひいては写楽の闇の部分を受け継いでいると言える。セリーナはモエギと同じく三つ目族の女性で、最終的には死んでしまう(アニメのセリーナは二つ目族で生存)。その点ではセリーナの役割を受け継いでいる。またセリーナは、死の間際写楽に三つ目族の再興はあきらめ、二つ目族と共存して今を生きろと口にした。つまりは、直接あるいは間接的に、写楽に二つ目族との共存という選択肢を与えるきっかけとなった点が共通している。
モエギに三つ目族再興の意思はないが、二つ目族を滅ぼす為に三つ目族の遺物(生体強化細胞とボルボック)を使用しており、その点では三つ目写楽の闇の部分を思い起こさせる。
最終決戦で写楽はスーパーボルボックと同じ三つ目族の遺物(魔弾球)に乗り込み、三つ目族の能力を使うが、脳裏には和登さんや犬持、ヒゲオヤジなどが浮かんでいた。二つ目族ではあるが、写楽は彼らを仲間と認識してスーパーボルボックと戦ったのである。

セリーナ

出典: d.hatena.ne.jp

声:松井菜桜子

メキシコで出会った、和登さんにそっくりな女性。飲んだくれの父、ペペと二人暮らしだった。ペペは賞金目当てに写楽を殺そうとしたが、命を救われたことで逆に写楽たちを助け、「娘を頼む」と息絶えた。
写楽を「トッポイ(変な)日本人」と称しながらも気にかけていたが、三つ目の写楽の傲慢さは嫌っていた。葉っぱなどで三つ目が隠れる度に幼児状態になるのを見て、額の目に秘密があると、何となく感ずる。
ケツアルと写楽の最終決戦の為の人質として連れ去られたが、三つ目族の生き残りであることが発覚。第三の目は小さい頃できたものだったがペペにより切除されていた(ペペとは実の親子ではない)。それでも念力は使用可能で、「やめろ」と怒鳴っただけでケツアルの動きを止め、写楽と力を合わせてバイクを引き寄せた。
ケツアルが遺跡で焼身自殺をした際、放火をしたと思い込まれて警官に狙撃される。写楽から一緒に三つ目族を復活させようと励まされるが、「三つ目族はもう滅んだのだから、現代人と共に生きるべきだ」と言い残して息を引き取る。
三つ目族に関することは何も知らず、死の間際写楽から「もう滅んでしまったが聡明な人たちだった」と教えられる。「そんな賢い人たちが何故滅んだの?」と聞いた上で写楽に三つ目族再興を諦めて現代人との共存するように勧めたのだった。

テレビ東京版では三つ目族ではなく、死ぬこともなかった。モアの死後ずっと打ちひしがれていた写楽を励ましていた。日本でスーパーボルボックが暴れていることを知った写楽自身に頼まれて絆創膏を剥がし、日本へ戻る写楽に一緒に来るか尋ねられるが、見送るにとどめた。

ホクサイ

出典: www.ebookjapan.jp

声:大谷育江

厳密には三つ目族ではない、ただの犬。母犬や兄弟犬と共に、写楽や和登さんと同じ学校の生徒の家に飼われている。額に写楽と同じ形の絆創膏を貼っていた為写楽に興味を持たれた。飼い主の少女は「傷みたいなのがあったから貼った」と言うが、実際には胎児期に成される皮膚や頭骨の自然縫合が不完全な状態のまま生まれた個体である。
傷の正体を知った三つ目の写楽は、傷が脳髄に通ずるとして、ホクサイの脳を改造して額に第三の目を作り出す実験手術を施した。
実験は成功し、三つ目犬となって知能が上がったホクサイは言葉を操るようにもなる。しかし写楽のことは嫌っていたようで命令を聞かず、写楽を上回る念力で圧倒。和登さんと共に母が現れたことで動揺し、写楽共々絆創膏を貼られる。第三の目は手術で封印され元の犬に戻った。
ホクサイに施した実験は二つ目の生物を三つ目にできるかというもので、写楽は実験成功の際人間の女性をさらわせて三つ目にし自分の母にしようとした。このエピソードのラストで、絆創膏を貼られた写楽が、母と一緒にいるホクサイを見て羨ましがっていた。

リメイク版『三つ目黙示録~悪魔王子シャラク~』

出典: tezukaosamu.net

新生写楽&和登さん。写楽が手にしているのは赤いオロチ。

原作:手塚治虫/脚本:藤澤勇希/作画:柚木N'

2016年より、秋田書店刊『チャンピオンRED』にて連載された。高校生になった写楽と和登さん、新キャラクターの鳩村すず(考古学マニアの女子高生)を加えた物語となっている。スマホやインターネットツールと言った現代風のアレンジや一部設定の変更はあれど、概ね原作の持つオカルティックな面、文明や人間の持つ欲への風刺や警鐘を踏襲している。もっと言えば更なる掘り下げが成されており、人間がかつての三つ目族と同じ轍(文明の発達による驕りなど)を踏もうとしていることが、写楽の口から語られた。

2018年4月に連載終了。
全4巻、19話。中編として『半獣人(バンパイヤ)編』、『インドラ編』がある。

原作からの変更点や掘り下げ

三つ目族を巡る描写

出典: www.zerobyw.com

三つ目族に関する掘り下げがされている。古代三つ目族は文明こそ高度なものであったが、驕りが原因で滅んだとされる。『三つ目黙示録』では神になろうとし、遺伝子操作の果てに半獣人バンパイヤを生み出している。この他、数千年を生き延びるための長期睡眠装置などを発明した。長きにわたる眠りから覚めた三つ目族は血を求める性質があり、長期睡眠装置には近づく者の血を吸い取る機能が存在。復活後もたびたび血を求め、携帯用の吸血道具を対象に刺して血を奪う。

結局自然進化を遂げたサル族こと二つ目族に地上の支配者の座を取って代わられて、生き残りは世界各国で細々と暮らす羽目になる(二つ目族の観察も面白半分に行っており、いくらかの傲慢さがうかがえる)。
それでも神話などで三つ目の超常的存在のモデルになっており、皮肉にも衰退後に「神」となった。事実、『三つ目黙示録』においては三つ目族を崇拝し、神として迎える為に富と権力を築いてきたローカ・ダートゥなる組織も登場している。
作中でのローカ・ダートゥ総帥はクリシュナ・シンという若者。クリシュナたちは写楽を神にし、二つ目族を支配させようとしたが、写楽保介という人間としての人生を捨てようとさせたため断られている。その後、クリシュナたちは古代三つ目族の王子、インドラとその部下数名を数千年の眠りから復活させた。

能力の差は遺伝で決まり、王族ともなれば桁違いの力を持つ、とはインドラの部下だった古代三つ目族、ロック(本名ドゥーシャナ)の談。インドラはクリシュナから日本にいる写楽のことを教えられるも自分に従わないであろう三つ目族の存在を認めず、ロックに写楽の抹殺を命じた。
初めは優位に立っていたロックだったが、須武田博士の持ち帰った古代文字による知識で血を吸われることを予期していた写楽が服の下に安酒を仕込んでいた為ロックは抹殺に失敗、このままではインドラに殺されるとして写楽側に寝返るのだった。
インドラ率いる古代三つ目族たちはほんの数名で軍隊を相手に優勢どころか余裕の反撃を見せ、核兵器さえ無力化させるなど、二つ目族とはあらゆる点でかけ離れた力を持つ。ある程度他の三つ目族の存在や力を感じることができるらしい。『インドラ編』では、写楽、並びにロックがインドラの力を感じ取るシーンがある。

写楽が陰でプロデュースしたV(ヴァーチャル)保育園では写楽の思想や能力をある程度モニターの子供たちにコピーしていた。子供たちは互いの脳を補完し合うことで三つ目族と同じ力を得、写楽をも捕縛する。しかし補完し合っているとはいえ二つ目族の脳で三つ目族の能力をフルに活用するのには無理があり、脳に限界が来て倒れ込んだ(一時的に眠っただけ)。
能力の使用は呪文の詠唱やブラフマン(後述)で行い、第三の目から念力を発することはない。

三つ目文字は日本に伝わるイヅモ文字やインダス文字の原型になっており、その解読の為に写楽が利用されることもある。遺跡は数千年以上経過しても機能しており、呪文だけで長らく眠っていた遺跡の扉を開けることも可能である。

『三つ目黙示録』には写楽以外で現代に生きる三つ目族は登場しない。

絆創膏からカツラ

中央が写楽。

写楽の第三の目を塞ぐものが機械式のカツラになっている。和登さん曰く写楽の危険度が上がったため、目立つ上に剥がされやすい絆創膏ではなくカツラに変更となった。暗証番号を打ち込まない限り、外れることはない。しかし、写楽の存在を嗅ぎ付けた組織は皆、簡単に暗証番号を割り出しカツラを外している。
カツラ着用時には額が完全に隠れるので、絆創膏の使用時と同じく無邪気で幼い性格となる(一度だけ絆創膏で封じられたことがある)。

ブラフマン

出典: 3f.ldblog.jp

写楽の武器が赤いコンドルではなく、赤いオロチと呼ばれるものになっている。一言「熱と化せ」と命ずるだけで熱そのものとなって重火器を溶かすこともできる。「ブラフマン」と口にするのが能力発動のキーらしい。
ブラフマンとは赤いオロチの正式名称ではなく、すべての物質や物体の始原の状態を指す。エネルギーや時間でさえも、ブラフマンを通せばあらゆる物質や物体、エネルギーへの変換が可能となる。言ってみれば、一度無に戻した上で行う別の物への組み換えであり、クリシュナが言うところの錬金術に等しい。
赤いオロチは個人携帯用の変換器に過ぎず、個体や状況によっては変換器なしで別の物へと変えることができる。
作中では古代三つ目族の王子インドラ(実際には一度王位についている)が「砂と化せ、ブラフマン」「石と化せ、フラフマン」と口にしただけで、ロックの体が砂に、写楽の体が石になった。最終話では写楽がアメリカによりかき集められた遺物を、変換器なしで全て無に帰している。
尚、三つ目族は核兵器に当たるものは持っていなかったが、それは必要がなかったため。現代人の使用する核燃料などは遅れた文明の産物であると、写楽やインドラが口にしている。
ちなみに、赤いオロチを始めとする変換器は赤いコンドルに比べ装飾が複雑化しているが、自由自在に動くので軽く持てると1巻巻末のおまけページに書かれている。

写楽の目的

出典: www.mangaup.net

原作では三つ目族の再興を目指していた写楽だったが、『三つ目黙示録』では現代人の文明の破壊を目的とする。これは単に現代人を妬んでのことではなく、既に滅んだ種族としてのけじめだった。

三つ目族はその文明に驕って滅び、細々と生きていく羽目になった。しかし遺跡や遺産は機能し続け、知性の点ではるかに劣る他種族(二つ目族やバンパイヤ)の手に渡っては結果的に悲劇や騒動を起こしている。
自分たちの文明をも滅ぼしてしまった三つ目族の最後の末裔である写楽は、現代人が先祖と同じ道を辿らないよう二つ目族の産んだ文明を滅ぼすつもりだったのだ(原作でも『三つ目族の謎編』で後に現れる地上の支配者が同じ過ちを繰り返したら、その種族を滅ぼすよう遺言が遺されていた)。

最終話で、写楽は二つ目族ではなく危険な三つ目族の遺産の方を破壊する旅に出た。この旅には、和登さんが進んで同行を申し出ている。

『三つ目がとおる』の用語

えどまち
えどまち
@edono78

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