ミッション:インポッシブル/フォールアウト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』とは、2018年に公開されたスパイ・アクション映画。1996年の『ミッション:インポッシブル』から続くトム・クルーズ主演・製作シリーズ作品の第6作目。
イーサン・ハントがテロ組織「シンジケート」の残党「アポストル」によるプルトニウム爆破テロを防ぐためにチームと一丸となって奮闘する展開と共に、彼がいかに家族や仲間を大切に想っているかが描かれる。
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の概要

シリーズ一覧
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』とは、2018年に公開されたスパイ・アクション映画。1996年の『ミッション:インポッシブル』から続くトム・クルーズ主演・製作シリーズ作品の第6作目。
監督・脚本は前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に引き続きクリストファー・マッカリーが務める。シリーズで監督が前作から続投するのは初。
マッカリーはトム・クルーズ作品と関わりが強く、『ワルキューレ』(2008年)、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年)、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017年)などで脚本を担当、『アウトロー』(2012年)では監督も担っている。
プロデュースはシリーズ製作権を持つ主演のトム・クルーズの他、3作目の監督にして以降本シリーズの主要スタッフとして活躍しているJ・J・エイブラムス(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・トレック』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』などの監督)、前作から製作に参加しているジェイク・マイヤーズ、前作および本作の監督のクリストファー・マッカリーが担当。前作まで参加していたプロデューサーのブライアン・バークはクレジットされていない。過去シリーズと同様、トム・クルーズの体を張ったスタントなしのアクションとチームワークが展開される。
ストーリーは前作から2年後が舞台で、直接的続編となっている。諜報機関IMF(インポッシブル・ミッション・フォース)の伝説的エージェントであるイーサン・ハントがテロ組織「シンジケート」の残党組織「アポストル」によるプルトニウム爆破テロを防ぐためにチームと一丸となって奮闘する展開と共に、イーサンの家族や仲間への想いが描かれる。
日本版キャッチ・コピーは「不可能が連鎖する」。
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のあらすじ・ストーリー
オープニング/イーサンの悪夢

前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でソロモン・レーンを捕らえたイーサンのチーム。
前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』で、スパイ・エージェントのイーサン・ハントが率いるチームが秘密テロ組織「シンジケート」のボスであるソロモン・レーンを逮捕し、崩壊しかけた諜報組織「IMF」(インポッシブル・ミッション・フォース)を復活させてから、2年が経った。

挙式を上げるイーサンとジュリア。
IMFの凄腕エージェントであるイーサンは、湖のほとりで最愛の恋人ジュリア・ミードと神父を含めた3人だけの結婚式を執り行っていた。しかし、誓いの言葉を交わしている最中で、神父が奇妙な言葉を語り始める。不審に思ったイーサンは、その神父は髭を生やしたソロモン・レーンだったことに気が付く。レーンは「私を殺すべきだったな」と不敵に語ると、湖の周囲一帯は大爆発を起こし、イーサンとジュリアを吹き飛ばした。
気が付くと、イーサンはイギリスのベルファストの隠れ家で目を覚ましていた。先ほどの光景は夢だったことにイーサンは気づくが、動揺は収まらなかった。
ジュリアとイーサンは結婚したが、その後、彼女が誘拐される事件が起きてしまった。自身と一緒にいると危険に晒されるため2人は別れることになり、現在の彼女は遠くで身を隠し、安全に暮らしているはずだった。
新たなミッション

イーサンが新たな任務のメッセージを聞き終えると、任務のデータは自己破壊した。
そこに、IMFから新しいミッションを通知するオープンリールのテープが届く。テープは何故かホメロスの長編叙事詩『オデュッセイア』の本の中に隠された形で届けられた。テープの内容をイーサンは確認する。
2年前にレーンが逮捕され分裂したシンジケートだが、その残党による新しい組織がいくつも作り出され世界中でテロが行われていた。その中でも「アポストル(Apostle=神の使徒)」を名乗る組織は特に危険で、過激テロリストのジョン・ラークという人物と協力関係にあるという。ラークの正体は誰も知らなかったが、その目的は世界秩序の崩壊であり、既にカシミール地方に天然痘ウィルスをアポストルと共同でばら撒くというテロも行っていた。
ラークは更なる秩序崩壊のため、ロシアの核兵器の専門家ニルス・デルブルック博士の協力のもとで新たな核兵器を製作。あとは核燃料プルトニウムさえあれば計画は実行され、世界に核兵器テロが起こることになる。
同時期に、ある東欧マフィアが大量のプルトニウムを強奪するという事件があり、アポストルがそのマフィアと取引を行うという情報があった。イーサンに与えられた任務は、アポストルがマフィアとプルトニウムを取引する場を押さえ、ラークおよびアポストルにプルトニウムが渡るのを阻止するという内容だった。
ミッションの内容を告げるとテープは「例によって君、もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しない。幸運を祈る。なお、このメッセージは5秒後に消滅する」と告げ、自己破壊しデータを抹消した。
プルトニウム奪還ミッション

3つのプルトニウム。
イーサンはガジェット専門のエージェントであるベンジー・ダンと長年の付き合いのハッカー・エージェントであるルーサー・スティッケルと共に、プルトニウムの取引の場ベルリンに向かう。
その場に現れた東欧マフィアにイーサンとベンジーは対面。ルーサーはサポートのために車内に隠れて待機していた。マフィアのボスはイーサンのことを知っていて、過去に何かあったらしく険悪な雰囲気だったが、詳細は不明。プルトニウムは3つのケースに分けられていて、イーサンとベンジーが取引を行おうとするが、その場にアポストルのメンバーが現れ、マフィアを射殺する。更に、隠れていたルーサーが人質に取られてしまう。
アポストルのメンバーはルーサーの命と引き換えにプルトニウムを要求した。イーサンは仲間を見捨てることができず、なんとかルーサーもプルトニウムも守るために奮闘する。その結果、ルーサーは助かったが、プルトニウムは奪われてしまった。
イーサン達は任務に失敗した。
デルブルック博士との取引

病室内のイーサンの後ろで核兵器テロのニュースが流れている。
厳重に閉鎖された病室内のテレビで、イーサンはニュースを眺めていた。そのニュースはメッカ・エルサレム・バチカンの世界三大聖地で核兵器による同時多発テロが起こり、多くの犠牲が出たことをキャスターのウルフ・ブリッツァーが報じていた。
病室内には傷ついた男が手錠を掛けられてベッドに横たわっていた。その男はニルス・デルブルック博士であり、2週間前にイーサン達が確保したのだという。
眼を覚ましたデルブルックはイーサンおよびルーサーと対面。デルブルックはジョン・ラークの協力者で、「平和は苦しみの後に訪れる」というレーンやラークと同じ思想を持つ人物であり、世界の秩序崩壊を目的としていた。デルブルックのスマートフォンを調べたところ、それでラークと連絡を取り合っていたらしく、ラークの手がかりになるためイーサン達に捕らえられたのだった。
世界を爆破されたことで憤っているイーサンはスマートフォンのパスコードを教えるよう尋問するが、デルブルックはテロが行われた今となっては何を知っても手遅れだと嘲笑う。更にパスコードを教えることと引き換えに、自身の、「平和は苦しみの後に訪れる」という旨の声明文を公開することを要求する。
イーサンは了解し、IMF長官に電話をしたところ、テレビのニュースでウルフ・ブリッツァーにより声明文が公開された。
デルブルックは満足し、パスコードを教える。ルーサーが確かめたところ、パスコードは本物であり、ラークへの手がかりと核兵器の回路図が手に入った。
それを確認すると、イーサンは「もういい。成功だ」と合図する。すると、病室の四方の壁が倒れ、周囲が丸見えになった。その部屋は病室に偽装した、ただのプレハブであり、テレビで流れていたニュースも偽の映像で、テロなど起きてはいなかった。デルブルックは本当は1時間前に確保されたのだという。
罠にはめられたデルブルックは愕然とする。
CIAの介入

空港でハンリー長官と話すイーサン。
イーサン達は次なる目的としてプルトニウムがアポストルからジョン・ラークへ渡るのを防がなければならない。
ドイツの空港で、イーサンはIMF長官アラン・ハンリーから次の任務の説明を受ける。ラークはアポストルと直接取引は行わず、ホワイト・ウィドウという人物を仲介して取引をするという情報が入った。ウィドウは表向きは慈善事業家だが、裏では武器の密輸やマネーロンダリングを行っているという。イーサンはウィドウと接触することにする。
イーサンは、ハンリーにベルリンでプルトニウム奪還を失敗したことを謝罪するが、イーサンの人柄を買っているハンリーはルーサーを見捨てずに救おうとした行動を責めはしなかった。

CIAのエリカ・スローンとオーガスト・ウォーカーの初登場シーン。
イーサンはウィドウがパリのグランパレで慈善パーティを開くという情報から、パリへ飛行機で向かおうとする。しかし、その直前にアメリカの諜報機関CIAの長官エリカ・スローンと、CIAエージェントのオーガスト・ウォーカーが空港に現れた。スローンは先のベルリンで、プルトニウムよりも人質を優先したとしてイーサンを問題視しており、IMFだけに任務を任せることはできないと主張し、パリへの任務にオーガスト・ウォーカーも同行させるように要求する。ハンリーは拒否しようとするが、この任務にはアメリカ大統領の了解も得ていると言われ、IMFはCIA傘下の組織ということになっているので無視するわけにもいかず、イーサンとハンリーはしぶしぶ承諾する。
ラーク・デコイとの対決
Related Articles関連記事
ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
トム・クルーズの代名詞ともいえる大ヒットスパイアクションのシリーズ第5作。2015年公開のアメリカ映画。監督は、クルーズ主演映画「アウトロー」のクリストファー・マッカリー。各国の元エリート諜報部員を集めた謎のスパイ組織「シンジケート」の暗躍により、秘密工作機関IMFはまたも解体の危機に陥る。組織の後ろ盾を失いながらも、イーサンは仲間とともに世界の危機を救うため史上最難関のミッションに挑む。
Read Article
ミッション:インポッシブル(M:I)のネタバレ解説・考察まとめ
1966年から7年間放送された往年の人気TVシリーズ「スパイ大作戦」を基に、トム・クルーズが主演と初のプロデューサーを兼ね、ブライアン・デ・パルマ監督で映画化したスパイ・アクション超大作。1996年製作のアメリカ映画。スパイ組織IMFに属するイーサン・ハントは、ある任務に失敗し多くの仲間を失うが、生き残ったことで裏切り者にされてしまう。身の潔白を証明するため、新たなメンバーと独自に捜査を開始する。
Read Article
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
往年の人気TVシリーズを、トム・クルーズ製作・主演、「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード監督で映画化した大ヒット・アクションシリーズ第4弾。前作から5年後の2011年、日米同時公開。爆弾テロ犯の濡れ衣を着せられたイーサン・ハントとそのチームが、組織の後ろ盾を失いながらも事件の黒幕を突き止めるべく世界を股に過酷なミッションに挑む姿を圧倒的なスケールで描き出す。
Read Article
ミッション:インポッシブル2(M:I-2)のネタバレ解説・考察まとめ
往年のTVドラマ「スパイ大作戦」を映画化した「ミッション:インポッシブル」に続き2000年に製作されたトム・クルーズ製作・主演のシリーズ第2弾。バイオレンスの詩人ジョン・ウー監督が起用され、前作とは一味違った独自のアクション・シーンが満載。休暇中のイーサン・ハントの元に、新たなミッションが届いた。それは20時間で人を死に至らしめる驚異の殺人ウィルス”キメラ”を狙う元同僚の陰謀を阻止することだった。
Read Article
M:i:III(ミッション:インポッシブル3)のネタバレ解説・考察まとめ
往年の人気TVドラマ「スパイ大作戦」の映画化で、大ヒットスパイ・アクションにまで成長させたトム・クルーズ製作・主演のシリーズ第3弾。2006年公開のアメリカ映画。TVシリーズ「エイリアス」「LOST」で注目を集めたJ・J・エイブラムスの劇場映画初監督作品。フィアンセとの結婚を控え、一線を退き教官となった主人公イーサン・ハントが、凶悪な敵を前に世界を駆け巡り、再び危険なミッションに挑む。
Read Article
オール・ユー・ニード・イズ・キル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』とは、桜坂洋が2004年に発表したライトノベル「All You Need Is Kill」を原作に、ダグ・リーマンが映画化した作品。エイリアンに侵略されつつある近未来の地球を舞台に、出撃しては戦死する2日のループを繰り返し、戦闘能力を身に着け、ループの原因となっている敵を倒す方法見つけ出して勝利を掴むまでを描く。
Read Article
宇宙戦争(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『宇宙戦争』とは、アメリカ合衆国で2005年6月に公開されたSFアクション映画である。 H・G・ウェルズのSF小説『宇宙戦争』を原作としたスティーヴン・スピルバーグ監督作品。 主人公レイは、離婚した妻がボストンの実家を訪ねる間、妻に引き取られ、自分を軽蔑する子供達ロビーとレイチェルを預かった。そんなある日、奇妙な稲妻が町に落ち、地中から巨大な何かが現れて人々を攻撃、街を破壊していく。今まで家族をかえりみなかった父親だったが、必死に子供達を守っていく中で家族を守る父親へと変わっていく。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の概要
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のあらすじ・ストーリー
- オープニング/イーサンの悪夢
- 新たなミッション
- プルトニウム奪還ミッション
- デルブルック博士との取引
- CIAの介入
- ラーク・デコイとの対決
- ホワイト・ウィドウとの対面
- レーンの脱獄
- イルサの事情
- イーサンへの疑惑
- ウォーカーの正体
- ハンリーから託された任務
- ロンドンを駆けるイーサン
- 最大の理解者・ルーサー
- 最終決戦へ
- カシミールにて、思いがけない再会
- チームによる捜索
- ジュリアの任務参加
- 2人の敵との闘い
- チームの絆
- カウントダウンの終結
- いるべき場所
- ミッション完了
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の登場人物・キャラクター
- イーサン・ハントのチーム
- イーサン・ハント(Ethan Hunt)
- ベンジー・ダン(Benjamin "Benji" Dunn)
- ルーサー・スティッケル(Luther Stickell)
- イルサ・ファウスト(Ilsa Faust)
- IMF
- アラン・ハンリー(Alan Hunley)
- シンジケート
- ソロモン・レーン(Solomon Lane)
- CIA
- オーガスト・ウォーカー(August Walker)
- エリカ・スローン(Erica Sloane)
- 裏社会の人物
- ホワイト・ウィドウ(White Widow)
- ゾラ(Zola)
- ラーク・デコイ(Lark Decoy)
- ニルス・デルブルック(Nils Debruuk)
- その他
- ジュリア・ミード(Julia Meade)
- エリック / パトリック(Patrick)
- ウルフ・ブリッツァー(Wolf Bulitzer)
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の用語
- 組織
- IMF(Impossible Mission Force)
- シンジケート(Syndicate)
- アポストル(Apostle)
- ガジェット
- マスク・メイカー
- ボイス・チェンジャー
- 追跡装置
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ヘリスタント
- スカイダイビング
- ロンドンでの全力疾走、ビルからのジャンプ
- ルーサー「イーサンはイーサンさ」
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ホメロス『オデュッセイア』
- 未使用シーン
- ホワイト・ウィドウの母
- 過去作品へのオマージュ
- BMW
- BMW・M5
- BMW・R nineT スクランブラー
- BMW・5シリーズ(1986年)
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の評価・興行収入
- 『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の主題歌・挿入歌
- 『ミッション:インポッシブルのテーマ』
- Imagine Dragons『Friction』