宇宙人ポール(Paul)のネタバレ解説まとめ

O0480062514158448487

『宇宙人ポール』とは、アメコミのイベントに参加するためイギリスからやって来たSFオタクの二人の男が、UFOの跡地巡りの旅の途中でポールと名乗る本物の宇宙人と遭遇し、彼を故郷の星に返してあげようと奮闘しまくるアメリカとイギリス製作のSFコメディ。2011年公開。様々なSF映画ネタが出てくるストーリーを担当したのは主演の二人を演じているサイモン・ペッグとニック・フロスト。

『宇宙人ポール』の概要

「宇宙人ポール」とは、SFオタクの小説家とイラストレーターの二人のイギリス人コンビが、はるばるアメリカにやって来てキャンピングカーでUFOの跡地巡りの旅をするさなか、本物の宇宙人に出合い彼を助けるハメになるSFコメディ。
本作には、テレビSFシリーズ「スター・トレック(宇宙大作戦)」や「未知との遭遇」「スパイダーマン」「メン・イン・ブラック」など様々なSF映画などの細かいネタが随所に登場し、映画に精通しているならニンマリできること請け合いの作品となっている。もちろん、映画ネタを知らなくても充分に楽しめる。
監督は、「スーパーバッド 童貞ウォーズ」(07)「アドベンチャーランドへようこそ」(09)など日本劇場未公開でソフトリリースのみの作品が多いグレッグ・モットーラ。「ワンダーウーマン」のタイトル・ロールを演じたガル・ガドットが出演している監督作「Mr.&Mrs.スパイ」(16)も日本劇場未公開でソフトリリースのみとなった。
出演は、本作の脚本も担当している「ショーン・オブ・ザ・デッド」04)「ホット・ファズ 俺たちスーパー・ポリスメン」(07)で共演しているサイモン・ペッグとニック・フロスト。宇宙人ポールの声をモットーラ監督の「スーパーバッド童貞ウォーズ」に出ていたセス・ローゲンが担当。
共演は、「マイレージ、マイライフ」(09)「モンスター上司」(11)のジェイソン・ベイトマン、「アドベンチャーランドへようこそ」に出演しアニメ「ヒックとドラゴン」の声優などで知られるクリスティン・ウィグ。同じく「アドベンチャー-」に顔を出していたコメディ俳優ビル・ヘイダー、「スーパーバッド-」に出ているジョー・ロー・トルグリオ。そしてラストに登場するのが「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバー。またスティーブン・スピルバーグが本人の声としてカメオ出演している。

%e6%9c%aa%e7%9f%a5%e3%81%a8%e3%81%ae%e9%81%ad%e9%81%87%e3%81%ae%e5%b1%b1

「未知との遭遇」のデビルズタワーそっくりの山がポールやグレアム達の目の前に現れる

『宇宙人ポール』のあらすじ・ストーリー

%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%81%ab%e5%90%91%e3%81%8b%e3%81%86%e3%82%b0%e3%83%ac%e3%82%a2%e3%83%a0%e3%81%a8%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%96

アメコミのイベントに参加するイギリスからやって来たSFオタクのグレアムとクライヴ

1947年、アメリカのワイオミング州に暮らす少女タラは、ある夜、愛犬ポールがなぜか外に出たがるので玄関のドアを開けて犬を外に出す。
気になったタラも外に出ると、夜空を見上げていたポール目がけて光る物体が落ちてきた。それは後にポールと名乗ることとなる異星人の宇宙船だった。

それから60年後の現在。
SFオタクのグレアム・ウィリーとクライヴ・ゴリングスは、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴで開かれるコミコン(コミックコンベンション)に参加するためイギリスからやって来た。コミコンの会場で大はしゃぎする二人は、憧れの人気SF作家アダム・シャドウチャイルドの握手&サイン会があるのを知り「本物に出会えた」と大喜びした。
翌日、二人はキャンピングカーを借りて以前から計画していたUFOの跡地巡りの旅に出た。
ネバダ州にあるUFO関係の研究をしていると噂されるエリア51と呼ばれたグルーム・レイク空軍基地近くを訪れ、休憩がてらエイリアン・インと言う名のダイナーに立ち寄った。
クライヴがトイレに行き、グレアムが一人残った時、ガラの悪い二人組・ガスとジェイクが入ってきて小バカにするように絡んできた。ビビったグレアムは、クライヴが戻ってくると慌てるようにカフェから出てキャンピングカーに乗った。クライヴがキャンピングカーをバックさせた時、間の悪いことに二人組のものとおぼしき車にぶつけてしまいドアを凹ませてしまった。でも何事もなかったような顔をしてクライブとグレアムはカフェから遠ざかっていった。
二人はUFOと遭遇する確率が世界一高いと言われるE.T.ハイウェイを走った。夜も更けてきたが途中で降りてグレアム達は記念写真を撮りあった。その時、遠くから車が走ってくるのが見えた。
ダイナーで出会ったガラの悪いガス達が追いかけてきたと思ったグレアム達は、急いでキャンピングカーに乗り発進させた。だが、車はキャンピングカーを追い抜いたのでガス達じゃなかったと安心した矢先、追い抜いた車は道路から逸れて火花を放って横転する事故を起こした。
気になったグレアム達はキャンピングカーから降りて焼け焦げた車に近づいた。車には誰もいなかった。とりあえず警察に連絡を入れておこうとクライヴが携帯電話を取り出した時、「やめとけ。その電話を切るんだ」と誰かが言った。声のする方を見ると、暗闇の中からリュックを背負った一人の宇宙人が現れ近づいてきた。宇宙人を見たクライヴは携帯電話を持ったまま卒倒してしまった。
グレアムは驚きながらも宇宙人に話しかけると、宇宙人は「俺はポール」と名乗り「卒倒したクライヴさんを車に乗せて早いとこ一緒に出発しよう」と言った。グレアムが戸惑っていると、ポールは「ヤバイんだ。助けてくれないと俺は死んじまう」と言い、グレアムに「たまには冒険するのもいいだろう、頼むよ」とお願いした。
人間の言葉を話し、どこか陽気なポールに気を許したグレアムは、動揺しながらも彼の頼みを聞き入れることにし、一緒にクライブをキャンピングカーに運び込んだ。助手席に座ったポールは、「ビッグ・ガイからできるだけ遠くに離れたい」と独り言のように言ったが、それを聞いたグレアムには何のことか分からなかった。

%e5%ae%87%e5%ae%99%e4%ba%ba%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%81%ab%e9%81%ad%e9%81%87%e3%81%97%e3%81%9f%e3%82%b0%e3%83%ac%e3%82%a2%e3%83%a0%e9%81%94

宇宙人ポールに遭遇し、成り行きで一緒に旅をすることになったグレアム達

その頃、事故を起こした車に政府の捜査官のゾイルが近づき、車内を調べていた。調査の最中、彼の上司ビッグ・ガイから無線連絡が入った。ゾイルは「ポールがヒッチハイクし、二人の人間と一緒らしい」とビッグ・ガイに告げると、彼女は「奥の手を使ってでも宇宙人を捕まえて。二人は始末して。新人二人を応援にやったから合流して」と彼に命じた。

キャンピングカーでグレアムとポールはすぐに打ち解け、冗談を交わすようになった。目覚めたクライヴは、助手席に座っているポールを目にすると、突然手を伸ばして彼の首を絞めにかかった。人間を襲うのが宇宙人だと思い込んでいるかのようなクライヴに、グレアムが「心配ない。彼はポールだ」と話す。クライヴは手を放したが、まだ半信半疑だった。
しばらく進むと、道路が封鎖され検問が行われてた。調べているのはビッグ・ガイが放った新人捜査官ハガードとオライリーだった。二人の捜査官はグレアム達のキャンピングカーに乗り込んだがポールを見つけることはなかった。実は、ポールは息を止めている間は透明になれる能力があり、それを使ったのだ。
無事に検問を切り抜け、クライヴがポールに逃げている理由を聞き出そうとすると、彼は「知らない方が身のためだ。なにかあった時のためにも」と答えるだけだった。
その時、突然キャンピングカーの窓ガラスに鳥がぶつかった。キャンピングカーを停めて三人が車から降りると、死んで横たわっている鳥をポールが両手て抱え上げた。そして目を閉じて「ウウッ」と唸りながら念じると鳥は生き返り羽根をバタバタさせた。ポールには死んだものを蘇生させる能力もあったのだ。グレアム達が「奇跡だ」と喜んでいると、ポールは生き返った鳥をいきなり口に入れ食ってしまった。「せっかく生き返ったのになぜなんだ」とクライヴが聞くと「死んだ鳥は食えんだろ」とポールはあっさり答えた。
運転に疲れてきたグレアム達は、キャンピングカー用の車中泊施設を見つけ一泊することにした。施設を経営するモーゼ・バグスの娘で片目が見えないルース・バグスを一目見たグレアムは、心惹かれるものを感じた。
その夜、三人はバーベーキューをし、マーヴィン・ゲイの歌を聞きながら楽しく踊った。洗濯物を取り込んでいたルースは、車の陰から何気なくグレアム達を覗き見たが足元しか見えなかった。
翌朝、ルースがグレアム達のキャンピングカーにやって来た。彼女が「二人と思ったけど、もう一人いなかったかしら」とグレアムに聞くと、トイレに隠れたポールが「もう一人はトイレの中」と答えた。
そして、グレアムがルースの着ていた“イエスがダーウィンを銃で撃っている”イラストのTシャツを見て、「どうして撃つの」と聞くと、彼女は「進化論は神への冒涜だからよ。世界は神様が設計されたのよ」と言った。その時、「デタラメだ」とポールがトイレの中から反論した。「神の理想で、天と地と人間を創ったのよ」となおも言い返すルースだったが、「神が創っただと。じゃあこの俺はどう説明するんだ」とポールは言い放ってトイレのドアを開け、自分の姿をルースの前に晒した。ルースは、驚きのあまり失神してしまった。
「ポールの存在がばれた以上、通報されるかもしれないし彼女をこのまま置いておくわけにはいかない、連れて行くしかない」とグレアムは言い、そうすることに決まった。
だが、出発するにもグレアム達のパスポートを施設の事務所に預けていたので、それを取り戻さなきゃならず、ポールが透明になって事務所に忍び込んで探した。パスポートを見つけた時、ポールは息をしたので姿が現れ、偶然事務所に入ってきたルースの父親モーゼに見つかってしまった。慌ててキャンピングカーに逃げるポールを、モーゼはライフルを手にして追いかけてきた。
銃弾が発砲されたがポストに当たっただけで、ポールは間一髪のところでキャンピングカーに飛び乗り、何とか車中泊施設を後にすることが出来た。

%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%ae%e5%b7%a6%e7%9b%ae%e3%81%8c%e6%b2%bb%e3%82%8b

ポールが特殊能力を使い、ルースの見えなかった左目を直す

キャンピングカーの中でルースは目を覚ましたが、ポールを目にした彼女は指さして「この悪魔」とわめき狼狽えまくった。グレアムがルースを説得しようとしたが全く聞く耳を持たず、わめくばかり。ポールがやれやれとばかり彼女に近づき、彼女の頭に手を当て自分の知識と経験をテレパシーで送り込んだ。
すごい情報量を一気に送り込まれたルースは、脳が耐え切れずまたもや気絶してしまった。
ポールから彼女にしたことを聞いたグレアムは「俺にもやってくれ」と頼んだ。「俺の消耗が激しいからダメだ」とポールは言うが、「お願いだ」とせがまれてグレアムの脳にも送り込むと彼も気絶してしまった。

同じ頃、モーゼの車中泊施設にゾイルやハガード達がやって来て、モーゼから聞き込みを始めていた。ハガードやオライリーは、ゾイルが何を追いかけているのか詳しい事情を教えられずに彼に従っていたが、ハガードがモーゼの電話機のそばにグレアムがポールを描いた鉛筆画を見つけた。
そして、ひょっとしてと思いゾイルに「そろそろ何を探しているのか教えて下さい」と言ったが「知らなくていい」と無視されてしまった。
ゾイル達は社車中泊施設から出て行ったが、彼らの車での会話を無線傍受したモーゼはライフル銃を携え後を追うことにした。

ルースが気絶から目覚めたが、彼女はポールから彼の知識や経験を脳に送り込まれたにも関わらず、まだ彼の存在を認めたがらなかった。グレアムは必死に説き伏せようとしゃべりまくると、ルースは渋々ながらグレアムの話を受け入れ始めた。そして、自分の宗教観を改めてもいいのではと思い始め彼らと同行することを承諾した。
ポールの存在に疑問を抱いているルースに、ポールは彼女の見えない左目の状態を見せてくれと言い、瞼の上に自分の手を添えた。そして念じるように目を閉じると、彼女の損傷していた網膜が正常に戻り左目が普通の状態に戻り見えるようになった。ポールの能力を実感し、ルースは彼をやっと認めるようになった。

旅の途中で空腹を覚えたグレアム達は、ポールをキャンピングカーに残し、道路沿いのレストランに食事に出かけた。
レストランでルースが自宅に電話をかけるとゾイルの声が聞こえた。自宅に電話がかかるとゾイルが逆探知できるように仕組まれていたのだ。ルースは慌てて電話を切りグレアム達のところに戻ろうとするが、二人組の男に前を塞がれた。それはガスとジェイクだった。二人を押しのけグレアム達のところに戻ってくると、ガス達も彼女を追いかけてきた。
ガスを見たグレアムは彼を蹴り倒して慌てるようにレストランから出ようとした。ガスは船乗り達のテーブルに倒れ込み、怒った船乗り達がガスに殴りかかり乱闘が始まった。その隙に出口に向かったルースは、父親のモーゼと遭遇した。彼も偶然食事に来ていたのだ。だが、乱闘の巻き添えを食ってモーゼは殴り倒されてしまった。
なんとか外に飛び出しキャンピングカーに向かって必死に走るグレアム達を、乱闘から抜け出したガス達が追いかけてきた。キャンピングカーのドア際までグレアム達が追い詰められ今にも殴り倒されようとした時、ドアが開いてポールが「ようクソども」と言って姿を現した。ポールを見たガス達は驚きのあまり失神してしまった。その隙にキャンピングカーを発進させ逃げ切ることが出来た。

その夜、四人で屋外でキャンプファイアをしている時、グレアムがポールに追われている理由を聞いた。今ではすっかり気を許しあう仲になったポールは話し始めた。ポールは60年もの間、自分の持っている様々な知識や技術を政府に提供していた。そして「政府にとって俺は用済みになったからさ。知ってることはすべて教えたよ。後に残っているのは傷を治したりテレパシーを使ったりできる俺の特殊能力だけ。それを手に入れるためには俺の幹細胞が必要だ。それを切り取られるなんてゴメンだ。」と話した。
続けて「政府内部に一人だけいる友達の協力を得て、宇宙の母星にSOSを発進したんだ。それで仲間が迎えに来てくれることになった。そして幹細胞を取られる実験室に向かう途中で逃げ出してきて君たちに会ったというわけさ」と語った。

翌朝、朝遅くに起きたグレアム達は、街のメイン通りに停めたキャンピングカーの周囲を街の人々が行きかっているのを目にした。ポールが息を止めて透明になりキャンピングカーまで行くには遠すぎたので変装することにした。

%e4%ba%ba%e9%96%93%e3%81%ae%e5%ad%90%e4%be%9b%e3%81%ab%e5%a4%89%e8%a3%85%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%ab

人間の子供に変装してグレアム達とキャンピングカーの戻ろうとするポール

ポールは少年カウボーイの扮装をしてグレアムやクライヴと手を繋ぎながら舗道を歩いたが、クライヴがコミック&SFグッズショップのまえで立ち止まり店内に入ってしまった。ポールは「クライヴと一緒にショップに入って隠れてるから、その間にキャンピングカーをショップの前まで運転してきて」とグレアムに言い、彼も店に入った。
ショップにいた時、捜査を続けていたハガードとオライリーがやって来た。SFオタクのオライリーが店の中に入ってきたが、ポールはエイリアン人形を装って誤魔化した。だが、つい油断してしまい彼らに正体がばれてしまった。ポールは慌ててクライヴと共に外に飛び出し、目の前にやって来たキャンピングカーに飛び乗った。ハガードは自分達が探しているのはやっぱり宇宙人だったんだと確信し、オライリーも同意した。
ハガード達はゾイルのところまで戻ると「エイリアンを見ました」と彼に報告したが、全く無視された。ゾイルはハガードからキャンピングカーがどちらに向かったかを聞き出すと「お前たちの用は済んだ。基地に戻れ」と彼らを追い返し、一人でポールたちの後を追った。偶然キャンピングカーを見つけたモーゼも追いかけてきた。

なんとか逃げおおせたキャンピングカーの中でポールは、「ここからは危険だから俺一人で行く」と言い出した。だが、一緒に危険を乗り越えてきたグレアム達は「いまさらそれはないだろう。みんなでやろう。俺たち永遠の親友だろ」と言い、ポールもそれを受け入れた。
グレアム達はポールを迎えにくる宇宙船への合図のための花火を金が足りなくてかっぱらったが、それがもとでキャンピングカーの居場所をゾイルに知られてしまった。ハガード達もゾイルの命令に背き、無線を盗聴して彼の後を追ってきた。

ポールが宇宙の仲間との合流地点に近づいたとき、彼はその前にどうしても立ち寄りたい家があると言った。それは、60年前にポールの宇宙船が墜落した時、怪我をしたポールを助け、彼が政府に連れて行かれるまで世話をしてくれたタラの家だった。
年老いたタラは、幼い頃に出会ったポールのことを誰にも信じてもらえず、周囲からバカにされて辛い人生を送ってきていたが、訪ねてきたポールを一目見るなり「やっぱり本当だったんだ」と喜びの笑みを浮かべた。ポールが、「預かっていたものを返す」と幼い頃のタラが持っていた小さなクマのぬいぐるみをリュックから取り出して渡すと、タラは「どうもありがとう」とぬいぐるみを抱きしめて涙を流した。
その時、玄関のベルが鳴った。そして、窓からは発煙弾が投げ込まれた。投げたのはハガードとオライリー。玄関のベルを押したのはゾイルだった。基地に追い返したはずのハガードを見てゾイルは「何しに来た」と怒鳴った。
ポールは玄関を開けるとゾイルに伸し掛かり自分の能力を使って気絶させたが、ポール自身もパワーを使って消耗したせいで倒れてしまった。後から駆けつけたクライヴがポールを抱えたが、ハガードが「そのエイリアンを渡せ」と銃を向けて迫ってきた。後ずさりし玄関の後ろまで戻ったとき、影に隠れていたグレアムが壁にかかってた長い棒のようなものをハガード目がけて振り上げた。
ゾイルやハガードが気絶している隙に、クライヴ達はルースやポールだけでなくタラも一緒にキャンピングカーに向かって必死で走った。
モーゼもタラの家の前までやって来て、走るクライヴ達にライフルを向け発砲しようとした。
タラの家に入っていたオライリーは、窓を割り部屋の中からグレアム達に銃を向けて撃ったが、それが引き金となって大爆発を起こし家が木っ端みじんに吹き飛び彼は焼死した。キッチンのガス栓が開いたままで、部屋にガスが充満していたのだ。
意識を取り戻したハガードは、車に乗り込みグレアム達のキャンピングカーを追った。その後にモーゼの車が続いた。
ハガードの車はキャンピングカーに追いついたが、運転を誤って崖から墜落し地面に直撃して死亡した。

夕暮れになり、キャンピングカーがエンジントラブルを起こし動かなくなった。「ここまで来たのに」と気落ちするグレアム達だったが、いつのまにかポールは一人ですぐそばの丘を登っていた。グレアム達が彼の後を追いかけて丘に登りきると、目の前に小高い山が見えた。その山の麓がポールが宇宙の仲間と合流する場所だったのだ。
グレアム達は早速、ポールの星の仲間の宇宙船への合図にする花火を上げた。夜空に花火が美しくきらめくのを眺め、ポールやグレアム達は宇宙船がやって来るのを待った。
同じ頃、ポール達に追いついたゾイルが車のトランクからライフル銃を取り出し丘を登っていった。
やがて木々の向こうに光るものが現れポール達に近づいてきた。それはビッグ・ガイが乗ったヘリコブターだった。
ビッグ・ガイは拡声器で「そこから動くな。緑色のバケモノめ」とポール達を脅し、着陸すると銃を構えた兵士達を引き連れて迫ってきた。
その時、麓に来たゾイルが兵士の一人の足を銃で撃った。実はゾイルはポールの親しい仲間で味方だったのだ。
ゾイルは基地でポールととても親しくなり、ポールが幹細胞を切り取られることを知ると、彼の命を救うために逃がして母星に帰してやろうと計画した。だが、行き違いでポールと落ち合うことができず、後を追いかけていたのだ。
ゾイルと兵士達の銃撃戦が始まったが、ビッグ・ガイがゾイルの肩をピストルで撃ち彼は負傷してしまった。
ビッグ・ガイがポールに近づこうとすると、クライヴやグレアム、それにルースが立ちはだかり相手になろうとしたが次々とあっさり倒されてしまった。
しかし、タラが年寄りとは思えない強烈なパンチをくらわし、ビッグ・ガイは伸びてしまった。
やっと一息ついたと思ったが、今度はルースの父モーゼが現れた。
モーゼはポールを狙って銃を撃ったが、彼をかばったグレアムが胸に銃弾を受けてしまった。倒れたグレアムにルースやクライヴが駆け寄るが、彼は息絶えた。
嘆き悲しむクライヴやルースの姿を見たポールは、「やってみるよ」と自らの危険を顧みず治癒能力を精一杯使ってグレアムを蘇生させようとした。ゾイルが「ダメだ、君が危険だ。よく考えろ」と言ったが、それに耳を貸さずポールはグレアムの胸に手を当て念じはじめた。
やがてグレアムの心臓が鼓動を始め、彼は生き返った。ポールは体の消耗が激しかったが命を落とすことはなかった。
グレアムが生き返ったことに皆が喜んだ時、倒れていたビッグ・ガイが起き上がって「まだ終わってないわ」と言いながら銃を向けてきた。
だが、ビッグ・ガイの頭上から階段のようなものが下りてきて、ビッグ・ガイはぺしゃんこに潰された。その階段はポールの仲間の宇宙船から伸びてきたものだった。

%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%81%a8%e3%81%ae%e5%88%a5%e3%82%8c%e3%81%a8%e5%86%86%e7%9b%a4

グレアム達と最後の別れをするポール

ポールが最後のお別れに宇宙船をバックに皆と記念写真を撮ったあと、彼はタラに「一緒に行こう」と言った。自分のせいで彼女の人生を台無しにしたから、責任を取って新しい人生をプレゼントしたいと考えたのだ。タラは一瞬戸惑ったが、すぐにオーケーし先に宇宙船に乗り込んだ。
そしてポールが乗り込むと宇宙船は離陸し、宇宙の彼方へと飛び去って行った。

二年後、グレアムとクライヴは再びコミコンを訪れた。ポールを題材に二人が協力して発表した小説がベストセラーとなり、コミコンの会場で表彰されることになったのだ。司会のアダム・シャドウチャイルドから呼ばれステージに上がると、客席から盛大な拍手を浴び、御満悦の二人だった。

『宇宙人ポール』の登場人物・キャラクター

グレアム・ウィリー(演:サイモン・ペッグ、吹替:横島亘)

%e3%82%b0%e3%83%ac%e3%82%a2%e3%83%a0 %e3%82%a6%e3%82%a3%e3%83%aa%e3%83%bc1

SFオタクのイギリス人。職業はイラスレーター。親友のSF作家クライブ・ゴリングスの表紙イラストを任されている。好奇心旺盛だが、少々気が弱い。
クライヴと一緒に、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴで開催されたコミコンにやってきて、その後キャンピングカーをレンタルして念願だったUFOの跡地巡りの旅に出発し、宇宙人ポールに遭遇する。陽気なポールとすぐに親しくなり、彼を生まれた星に返してあげようと奮闘する。
立ち寄ったキャンピングカー用の車中泊施設で、オーナーのモーゼの娘ルースと出会い、恋心が芽生える。成り行きでルースも旅に同行することとなり、ますます親密になっていく。
モーゼの撃った銃を胸に受け一度は命を失うが、ポールが蘇生能力をめいっぱい使い生き返る。そして、愛するルースと熱い口づけを交わす。

クライヴ・ゴリングス(演:ニック・フロスト、吹替:茶風林)

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%b41

SFオタクのイギリス人。職業はSF小説家。グレアムと違い少々慎重なところがあり、グレアムが宇宙人ポールとすぐに仲良くなったが、クライヴは最初は用心してポールと距離を置く。
ムカッときた時やイヤミな人間を相手にした時、「スター・トレック」に登場するクリンゴン星人の言葉でブツブツと文句を言うクセがある。刀剣に興味があり、グッズショップで見つけた刀剣を購入するが、ビッグ・ガイ相手に戦いを挑もうと鞘から抜こうとしたら、あっさり折れてしまいガックリしてしまう。
ポールが宇宙船で地球から去った後、ポールとの体験を小説にしたらベストセラーとなりコミコンで表彰される。

宇宙人ポール(声:セス・ローゲン、吹替:遠藤純一)

%e5%ae%87%e5%ae%99%e4%ba%ba%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%ab1

1947年に、科学的任務のために地球にやって来た宇宙人。宇宙船がトラブルを起こし、タラが住んでいた家の前に墜落してしまうが彼女に助けられ、しばらく一緒に過ごす。その後、政府機関に連れ去られ、自分の持っている知識を教えることとなる。
だが、最後に彼の持つ治癒などの特別な能力を政府機関が欲しがり、その研究のために体から幹細胞を取り出されそうになり、親しくなった政府機関の人間の協力を得て施設から脱出。偶然出会ったグレアム達に協力を請い、迎えに来る宇宙船との合流地点への旅をする。
60年近く地球にいたおかげで人間の言葉が話せ、性格は陽気でひょうきんなところがある。自分の名をポールにしたのは、どうもタラの愛犬の名からとったようだ。
死んだものを蘇生させたり、息を止めている間は周囲の景色に溶け込んで透明になる能力がある。また、相手の頭に自分の手を置いて、自分が今まで得た知識や経験を相手の脳に瞬時で送り込むことも出来る。
合流場所に宇宙船がきた時、60年前に自分の世話をしてくれたタラの人生を台無しにしたことへの償いとして、彼女を自分の星に行かないかと誘い一緒に旅立っていく。

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents