グレイテスト・ショーマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『グレイテスト・ショーマン』とは、2017年にアメリカで制作されたミュージカル映画。
19世紀に実在したショーマンの、P・T・バーナムの成功を描いた作品。
主演をヒュー・ジャックマンが務め、監督はマイケル・グレイシー。
日本の興行収入は52億円をこえるヒット作となった。
主人公であるバーナムは貧しい身分出身でありながら、ショービジネスの道に進み、自身の身体的特徴から世間から隠れるように生きていた人たちを集めサーカスを始める。バーナムが成功するまでを描いた作品。

『グレイテスト・ショーマン』の概要

『グレイテスト・ショーマン』(原題: The Greatest Showman)とは、2017年にアメリカで制作されたミュージカル映画。
19世紀に実在したショーマンである、P・T・バーナムの成功を描いた作品。
主演を『レ・ミゼラブル』や『X-MEN』で知られるヒュー・ジャックマンが務め、マイケル・グレイシーの初監督作品となっている。
『ラ・ラ・ランド』で歌曲賞を受賞したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールのコンビが今作の音楽を手掛け、劇中歌である「This Is Me」は、ゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞し、アカデミー賞の歌曲賞にもノミネートされた。
また、ゴールデングローブ賞の作品賞や主演男優賞にノミネートされたが惜しくも受賞を逃した。
興行収入は批評家のレビューが低かったため公開後3日間で800万ドルと不調だったにもかかわらず、観客の口コミで公開2週目の週末は1,550万ドル、3週目の週末は1,380万ドルと話題になり、北米では1.7億ドルを超えた。
日本でも興行収入52億円をこえるヒット作となった。
実在したP・T・バーナの人生をモデルにしており、原題である『The Greatest Showman』はバーナムが宣伝文句として使っていた「The Greatest Show on Earth」からとったもの。
主人公であるバーナムは貧しい身分出身でありながら、ショービジネスの道に進み、自身の身体的特徴から世間から隠れるように生きていた人たちを集めサーカスを始める。
しかし、彼の作ったサーカスに反対するものも多かった、そんな中相棒にフィリップを迎え、さらにオペラ歌手ジェニー・リンドとの出会いによってバーナムは成功を手にしていくのであった。

『グレイテスト・ショーマン』のあらすじ・ストーリー

チャリティとの出会い

駆け落ち同然で結婚を決めたバーナムとチャリティ

19世紀半ばのアメリカに、P.T.バーナムという少年が暮らしていた。
彼の父親は仕立て屋を営んでおり、父の仕事を手伝いながらも貧しい生活を送っていた。
ある日、バーナムは父の仕事に付き添って顧客であるハレット家を訪れた際、一人娘のチャリティと出会う。
二人は幼いながらも惹かれあっていたが、身分の違いからチャリティの両親は二人の仲を引き裂くためにチャリティを寄宿学校に入れる。
離れ離れになってしまったバーナムとチャリティであったが、長年にわたって手紙のやり取りをしており、二人の交流が途絶えることはなかった。
チャリティが寄宿学校に行っている間、父親が病気で亡くなってしまったためバーナムはさらに貧しい生活を強いられることになる。
バーナムはホームレスとなり盗みを働きながらなんとか生き延びる。大人になったバーナムは鉄道会社に就職をし、チャリティを迎えに行く。
結婚を快諾するチャリティであったが、チャリティの父親は二人の結婚を猛反対した。

つつましいながらも幸せに生活をするバーナム一家

結局、駆け落ち同然で結婚をした二人はニューヨークに移住し、キャロラインとヘレンというかわいい二人の娘にも恵まれ、決して裕福ではないが幸せに暮らしていた。
しかし、ある日バーナムの働いていた会社が倒産してしまう。
無職になってしまったバーナムであったが、倒産した会社にあった南シナ海に沈んだ船の登録証を持ち出し、それを担保にして銀行から融資を受ける。
バーナムは融資を受けた資金で街の一角に、偉人の蝋人形や動物のはく製といったものを展示したアメリカ好奇心博物館をオープンさせる。
家族総出でビラを配り博物館の宣伝をするも、まったく人が入らず、家計もひっ迫するようになりバーナムは困り果てていた。
そんな時、キャロラインとヘレンが、博物館には生きたものがいないという言葉からバーナムはあることを思いつく。

サーカスを始めるバーナム

フィリップとパートナーになったバーナム

次の日、バーナムはチャールズという男のもとを訪れる。
チャールズは22歳でありながら身長が子どもくらいしかない小人症の男であった。
バーナムはチャールズに自分の作ったショーに出てほしいと依頼をするが、チャールズは笑われるだけだと断る。
しかし、バーナムはショーに出れば軍服を着て馬に乗った将軍になれると話すとチャールズはショーにでることを承諾してくれる。
その後、バーナムはユニークな人物を求むと書いたチラシを街のあちこちに貼り、フリークと呼ばれる身体的特徴を持った人々を集めだす。
チラシの効果で、フリークについての情報がバーナムのもとに集まるようになると、バーナムは自ら足を運んでその人物にスカウトを行った。
そこで、美しい歌声を持ちながらも髭面な大柄の女性レティ・ルッツや、黒人であるため人々から疎まれて生活をしていたアンとW.D、全身入れ墨男や、巨漢の男といった自身の身体的特徴から人目を気にして日陰に生きていた人々出会うことになる。

バーナムはこうした人々ををサーカスに出演させ、スポットライトの下に引っ張り出そうとした。
最初は人前にでることを拒んだレティたちであったが、バーナムに背中を押されサーカスへ出演をした。
レティたちのパフォーマンスは観客に受け入れられ、サーカスは一躍大人気となる。
しかし、一方でフリークたちをよく思わない市民に侮辱されたり、新聞記事に犯罪的・下劣といったサーカスを批判した記事を書かれたりもした。
だが、バーナムはこのマイナス面を逆手に取り、酷評記事を持ってきたものは入場料を半額にするといったサービスを始め、さらにサーカスの人気は上がることとなる。
サーカスが大成功したことにより、バーナム一家の生活は激変した。
郊外の豪邸に移り住み、キャロラインの夢であったバレエを習わせるなど優雅な暮らしを手に入れたが、上流階級の中にはバーナムのことを成金と揶揄するものもいた。
大成功をしたバーナムであったが、彼はそれでは満足しなかった。
上流階級に認められ、社交界に進出したいと考えたのである。
そこでバーナムはニューヨークを訪れていた劇プロデューサーのフィリップにパートナーになってほしいと依頼をしに行く。
フィリップは上流階級にコネがあり、社交界にも認められていたため、バーナムはどうしても彼をパートナーにしたかった。
最初は申し出を断ったフィリップであったが、バーナムの説得に心動かされバーナムのパートナーになることを承諾する。

大成功したジェニーの公演

サーカスに挨拶に来たフィリップはそこで空中ブランコ乗りのアンに一目ぼれをしてしまう。
フィリップを仲間にしたバーナムであったが、サーカスに対する批判の声は次第に大きくなっていった。
そこで、フィリップのコネを使ってバーナムはイギリスのヴィクトリア女王へ謁見する機会を手に入れる。
謁見の場でバーナムは彼の人生を大きく動かす女性であるスウェーデンの歌姫ジェニー・リンと出会う。
彼女をアメリカに呼べば上流階級に認められると考えたバーナムは、ジェニーのアメリカ公演をプロデュースする契約を結ぶ。

ジェニーの公開初日、会場は上流階級の人たちで満員となった。
そして、公演も大成功を収め、バーナムは上流階級の人たちにも認められることとなる。

公演の後のパーティーにはレティたちサーカスのメンバーも参加しようと訪れていた。
しかし、パーティーの会場にいた人々の目が気になったバーナムは彼女たちを会場から追い返してしまう。
レティたちはそのことにひどく傷つくことになる。
上流階級の一員となったバーナムはその後さらに名声を追い求めるようになり、ジェニーの公演に借金までしてお金をつぎこむようになる。
フィリップはそんなバーナムの行動に危うさを感じ、サーカスの人気も下がっていることから考えなおすようアドバイスをする。
バーナムはそんなフィリップの声に耳を貸すこともなく、サーカスのことはフィリップに丸投げをし、自身はさらにジェニーの公演に入れ込むようになる。
そんなバーナムの姿を見て、サーカスのメンバーたちは彼への信頼を失っていく。

名声を求めるため変わってしまったバーナム

気持ちをつたえるフィリップとそれを拒否するアン

一方、フィリップはアンを誘って劇場へデートに行くことにする。
そこで、偶然フィリップの両親と出会うことになる。
フィリップの父親は、バーナムのパートナーをしていることを批判し、黒人であるアンをメイドと侮辱し、そんな女性とデートをしているなんて人目が気にならないのかとフィリップを怒る。
アンはそう言われたショックからその場から逃げ出してしまう。
フィリップはそんな父親に向かって「時代は変わった」と告げ、アンの後を追いかける。
劇場に戻っていたアンに対しフィリップは身分や人種など関係ないと告げるが、アンはフィリップを拒否してしまう。
ジェニーの公演に入れ込んでいたバーナムが蔑ろにしていたのはサーカスのメンバーだけではなかった。
今までのバーナムは家族のことを第一に考えていたのに、ジェニーの公演を優先して娘のバレエの発表会を見に行かなかったりと家族のことも置き去りにするようになる。
サーカスの人気も下がり続けるが、ジェニーの公演は大成功が続いた。
そんな中、バーナムはジェニーに恋心を打ち明けられる。
バーナムはその気持ちにこたえられないと告げると、ジェリーはツアーを降板すると宣言してしまう。
急遽最終公演となったジェニーのコンサートの舞台で、ジェニーはバーナムにキスをする。
そのキスシーンが掲載された新聞を見たチャリティはバーナムに愛想をつかし、子どもをつれ実家に帰ってしまう。
さらに、サーカスに対し反対する市民が暴徒化し、劇場に火をつけてしまう。
サーカスのメンバーとフィリップは何とか劇場から逃げ出すが、フィリップはアンがいないことに気が付き、燃え続ける劇場にアンを探しに戻る。
愕然とするサーカスのメンバーの前に、ジェニーの公演から戻ってきたバーナムが現れる。
フィリップがまだ劇場の中にいると聞かされたバーナムは、彼を助けるため劇場に飛び込み、ひん死のフィリップを救い出す。
アンは自身で劇場から逃げ出しており、無事だったが、フィリップは意識不明の重体となってしまい、病院に運ばれた。
一時は危ないと言われたフィリップであったが、意識を取り戻し枕元にいたアンにキスをする。

全焼してしまった劇場に座り込んでいるバーナムに会いに来たのは、サーカスに対して批判記事をかいていた新聞記者のベネットであった。
彼はサーカスは芸術ではないが、人々が平等にステージで輝くことのできる人間賛歌だと話し、再建を祈るとバーナムに伝えてくれた。
さらに、今まで蔑ろにしていたサーカスのメンバーもバーナムの下を訪れ、自分の人生を救ってくれたとバーナムにお礼の言葉を告げる。
すべてを失って自暴自棄になっていたバーナムであったが、それらの言葉に突き動かされやり直す決心をする。
だが、銀行により自宅が差し押さえられてしまっているバーナムには資金ががない。
そんなバーナムに手を差し伸べたのが、フィリップであった。
フィリップはバーナムのお金の使い方を危惧して、自身の給料を貯金していたのであった。
その貯金をもとにサーカスを再建したバーナム。
今までの劇場型のサーカスと違い、テント式のサーカスをつくり、座長をフィリップに譲り、地上最大のショーとして復活させた。
復活したサーカスは再び人気となった。

実家にいるチャリティを迎えに来たバーナム

それを見届けたバーナムはチャリティと娘を迎えにいくためチャリティの実家へと向かう。
バーナムはチャリティに今までの行動を詫び、心から愛していることを伝え、チャリティは再びバーナムの下へ戻る。
そして、バーナムは今後は名声を得るためではなく、サーカスの仲間や家族のために生きようと決意するのであった。

『グレイテスト・ショーマン』の登場人物・キャラクター

バーナムと周りの人々

P・T・バーナム(演:ヒュー・ジャックマン)

日本語吹替:山路和弘
仕立て屋の父が出入りしていていた金持ちの娘チャリティと恋に落ちるが、父親の死から貧しい生活を強いられてしまう。それでも一途な愛を通し、大人になったチャリティを迎えに行き、駆け落ちをして結婚する。
その後、仕事を転々としながらもニューヨークでつつましい生活をし、キャロラインとヘレンの2人の娘を授かることとなる。
働いていた商船会社が倒産したことをきっかけに蝋人形館を開くが、これも失敗に終わる。
そんなとき、芝居や音楽といった娯楽が上流階級の人々だけのものであることに注目し、一般階級向けの娯楽として、個性と才能に恵まれながらも、世間から隠れて生きていなければならなかった人々を集めてサーカスを始め、成功させる。
また、社会的名声を求めるため、スウェーデン人の歌手であるジェニー・リンドに目をつけ破格のギャラを提示して彼女のアメリカ公演を成功させる。
しかし、社会的名声を求めるあまり、家族やサーカスのメンバーのことを蔑ろにしてしまう。
サーカスのショーでは、赤い衣装に黒のハットをかぶり出演する。
社会的地位を得ようと必死になった背景には、チャリティの父親に自身や自身の父親を社会的地位で判断され、そのことを許していないためであった。

フィリップ・カーライル(演:ザック・エフロン)

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