スカッとするだけじゃない衝撃的な復讐劇映画まとめ!『グラン・トリノ』など

ここではスカッとするだけでは終わらない衝撃的な復讐劇映画をまとめた。クリント・イーストウッド演じる主人公が隣人のために復讐を決意する『グラン・トリノ』、誘拐事件の犯人として13年収監された女性の復讐を描く『親切なクムジャさん』などを紹介している。

▼『グラン・トリノ』

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”復讐を果たして痛快にエンド!とは全く異なる重厚なドラマが凄過ぎる!”

クリント・イーストウッド監督、主演による2008年の作品。朝鮮戦争の帰還兵である頑固で偏屈な老人コワルスキーは、周囲の人間を拒絶して、愛犬のデイジーと共に孤独な生活を送っていた。彼の宝物はガレージで眠る愛車のフォード・グラン・トリノ。ある日、隣に引っ越してきた東洋人の一家の姉弟と触れ合う内に、閉ざしていた心を徐々に開いていく彼。しかしある日、弟が不良グループに傷つけられた事を知った彼は、暴力で威嚇するが、その報復としてタオの家は発砲され、姉は暴行を受けてしまう。怒りを爆発させた老人の取った行動とは...。

頑固で偏屈な老人コワルスキーは、孤独な余生を送っていたが、隣に引っ越してきた東洋人の一家の姉弟と触れ合う内に、閉ざしていた心を徐々に開いていく...。

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しかし、彼らが人種差別による暴力を受け、非道な仕打ちを受けた時、コワルスキー老人の怒りは爆発する...。『ダーティ・ハリー』などの自身が主演した過去作品の復讐と正義の形を覆すような、コワルスキー老人の選択と壮絶なラストが、非常に心に響くのだ!

『グラン・トリノ』予告編

往年の映画ファンならばイーストウッドの経歴、演じてきたキャラクターの数々を思い出すことになる。こういう男が、これからはこうケジメをつける時代だ、と主張することの説得力といったらない。

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自分たちが正しいと信じて行って来た、力の誇示で物事を解決する時代はもう終わっているのではないか。報復の連鎖は空しさしか生まないのではないか…。ウォルトは、命を賭けてその事を示した。

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暴力の正当性を描き続けてきた彼が、それを超えるものは自己犠牲に他ならないという結論に達したというところに意味がある。

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▼『親切なクムジャさん』

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”パク・チャヌク復讐3部作のラストは、残酷過ぎる復讐が非常にキビシイ”

最新作『イノセント・ガーデン』で世界進出を果たしたパク・チャヌク監督、イ・ヨンエ、チェ・ミンシク主演による作品。13年前に誘拐事件の犯人として刑務所に収監された女性クムジャが、刑期を終えて戻ってきた。刑務所内で正義を貫いた彼女は「親切なクムジャさん」と呼ばれて尊敬されていた。出所後、被害者家族に謝罪した後、恩人のハズだった先生によって養子に出されてしまった娘を追ってオーストラリアに飛び、一緒にソウルに戻ってくる。そして、彼女を裏切った先生に対するクムジャさんの復讐がはじまる...。

『親切なクムジャさん』予告編

彼女が行う復讐方法、これは凄い。見た目も内容もインパクト十分。この監督らしい、「痛み」のアイデアが凝縮されている。気の弱い方などは、絶対に見ることができそうもない。

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救いようのない後味の悪さ程ではないのは、クムジャさんの美しさのお陰なのでしょうか。グロテスクな美しさに彩られた、世にも哀しい復讐劇でした。

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物語のテーマは「復讐」ではなくて、「贖罪」だと私には思えたので、確かに怖ろしく残酷な物語ではあるけれど、見終わった後は、哀しみと同時に、なにかやさしく心に沁みてくるものも感じた。

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