ボーン・レガシー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ボーン・レガシー』とは『ボーンシリーズ』の4作目で、2012年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンをめぐる陰謀を描いた前3部作の裏で同時進行していたストーリーを描くスピンオフ的作品。ボーンの存在によりCIA上層部でさえ知らない国家的極秘計画が暴かれる危機が発生。計画隠蔽のために襲われた工作員アーロン・クロスの逃避行が描かれる。『ボーンシリーズ』の世界観を継承したストーリー展開に加え、前3部作後のCIAの状況もわかるファン必見の物語である。

『ボーン・レガシー』の概要

『ボーン・レガシー』とは、『ボーンシリーズ』の4作目で、2012年に公開されたサスペンス・アクション映画。映画の『ボーンシリーズ』は全5作で、1作目は『ボーン・アイデンティティー』、2作目が『ボーン・スプレマシー』、3作目が『ボーン・アルティメイタム』、4作目が今作、5作目が『ジェイソン・ボーン』。最初の3作を『ボーン3部作』とも言い、元となる小説の原作者はロバート・ラドラム。彼が死去した後、シリーズを引き継いだエリック・ヴァン・ラストベーダーが4作目の『ボーン・レガシー』を発表したが、映画は小説の内容とは全く異なる。シリーズのうち今作のみ主人公が異なり、時系列で『ボーン・スプレマシー』と『ボーン・アルティメイタム』の間とその後のスピンオフ的作品となっている。
監督は『ボーン3部作』の脚本を執筆したトニー・ギルロイ。主人公アーロン・クロスを『ハート・ロッカー』、『アベンジャーズシリーズ』のジェレミー・レナー、アーロンと共に逃げる女性博士マルタを『ナイロビの蜂』、『女王陛下のお気に入り』のレイチェル・ワイズが熱演。出演は他に『真実の行方』、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のエドワード・ノートンなど。
主演のレナーは冒頭から極寒のアラスカの川に飛び込んだり、切り立った雪山を移動したり、狼と格闘したりと肉体の極限に挑む。狭い壁の間に滑り降り、敵を無力化したり、バイクでのチェイスシーンなどレナーのアクションシーンは今作の大きな見所となっている。タイトルの『レガシー(legacy)』は遺産を意味する。

記憶を失ったCIAの元トップ工作員ジェイソン・ボーンの協力によって、CIAの内部調査局長パメラが極秘計画「トレッドストーン」と「ブラックブライアー」を世間に公表した。CIAはこれらを隠蔽しようとするが、国家調査研究所のリック・バイヤーはこの暴露が現在実行中の他の計画にも影響を与え、それが国家の危機につながると考えた。CIA上層部でさえ知らない実行中の計画「アウトカム」を隠蔽するため即座に動き出したバイヤー。計画の関係者が次々と抹殺されていく中、「アウトカム」の最高傑作の工作員アーロン・クロスは逃げ延びる。自分の体調の維持のために必要な薬がなくなったアーロンは、定期的に自分を検査していたステリシン・モルランタ社の研究者マルタの元へ薬を求めて向かう。アーロンは家で命を狙われていたマルタを救い出すが彼女は薬を持っていなかった。2人は薬の代わりとなる活性ウイルスを求めてフィリピンのマニラへと向かうが、バイヤーは最強の暗殺者を向かわせ2人を抹殺しようとする。マニラで警察や暗殺者に追われた2人だが、何とか振り切り逃げ延びたのだった。

『ボーン・レガシー』のあらすじ・ストーリー

アラスカで訓練を積むアーロン

極寒のアラスカにある特殊作戦の訓練地で、国家調査研究所の主導する極秘作戦「アウトカム」の作戦員のNo.5であるアーロン・クロスは厳しいトレーニングを積んでいた。雪が降り積もり凍った川に潜って目標物を見つけたり、襲ってくる狼を追っ払ったりしながら、アーロンは雪山を超え目的地に近づいていく。訓練課程において、アーロンは自分の血液採取や、青い薬と緑の薬の服用を義務付けられていた。

極秘作戦の暴露に伴う影響に対処する国家調査研究所のリック・バイヤー

CIAの元トップ工作員だったジェイソン・ボーンがアフリカ某国の元独裁者であるウォンボシの暗殺任務失敗が原因で記憶を失い、CIAに追われる身となって2年以上が過ぎていた。イギリスのガーディアン紙の記者サイモン・ロスがCIAの極秘計画「トレッドストーン」とそのバージョンアップ版の「ブラックブライアー」、そしてジェイソン・ボーンについてCIA内部から証言を得て記事を書こうとしていた。その動きを探知したCIA長官エズラ・クレイマーは、メリーランド州ベセスダにいる、退役軍人のマーク・ターソに話をしに来ていた。極秘計画を承認した自分の身を守るために、クレイマー長官は国家調査研究所の責任者リック・バイヤーに話すと言うが、ターソは自分が話すと返し、バージニア州レストンにいるリック・バイヤーに話に行った。

ワシントンDCにある国家調査研究所では、リック・バイヤーが「トレッドストーン」のCIAの調査報告を見て、「トレッドストーン」「ブラックブライアー」「アウトカム」「ラークス」の全作戦について自分に情報を上げるよう部下に指示していた。部下の一人であるゼヴが「ボーンの活動記録を読んだが信じられない。作戦第一期生で組織を離脱、薬もなく生存。生きたまま身柄を確保すれば貴重なデータが得られる」と言うが、バイヤーは「我々は命に関わる悪疫の話をしている。ボーンが道路で死んでいても奴には手を出すな。それより今直面している問題が及ぼす影響を考えろ。CIAのせいで暴露記事が出れば他の作戦も潰される。それを防ぐのだ」と話す。

ロンドンのウォータールー駅で、暴露記事を書かれることを恐れたCIAの対テロ極秘調査局の局長ヴォーゼンの指示によりロスは暗殺者に殺されてしまう。このニュースを見ていたバイヤーは苦悩の表情を浮かべる。

バイヤーは「トレッドストーン」の訓練発案者であるアルバート・ハーシュ博士とステリシン・モルランタ社の研究者で「アウトカム」の訓練発案者であるダン・ヒルコット博士が会議の場で親しくしている映像をYouTubeで発見する。それをターソとステリシン・モルランタ社の親会社であるキャンデント精密計量社の副社長であり、かつステリシン・モルランタ社の医療統括責任者であるテレンス・ワードに報告した。ハーシュとヒルコットは似たような会合に何度も出席しており、極秘作戦の医療チームの2大ボスが仲のいいところを見せていた。ロスの暴露記事が出れば「トレッドストーン」の訓練発案者であるハーシュは吊るし上げられ、知り合いのヒルコットも攻撃対象になることは確実である。それだけでなく、ヒルコットが発案した「アウトカム」は潰され灰になるとバイヤーは話す。ワードは反対したが、バイヤーはハーシュとヒルコットを消してもデータは残ること、そうすれば関連機関まで難は及ばず準備中の作戦は隠せること、火の粉が収まるのを待って立て直せばいいことなどを提案した。

山小屋に到着したアーロンと「アウトカム」作戦中止による作戦員の抹殺

雪山では特訓を積み山を越えてきたアーロンを待っていた男がいた。「予定より早かったな」と言われ、アーロンは山を越えたことを告げる。「記録を更新した」と男が教えるが、アーロンは記録のことなど考えてもおらず、薬をなくしたので山を越えたことを説明する。男はアーロンを山小屋に入れ、「本部に報告しよう。血液サンプルを取りに来る」と告げる。無人機が来るまで3時間。薬について彼に質問されたアーロンは、身体用に緑、精神用に青の錠剤を服用していることを話す。小屋の中に血液サンプルがあることを見たアーロンは、彼はただの連絡員ではなく、工作員ではないかと考える。アーロンは予備の薬があるかを男に確認する。男に薬を飲んだのはいつか訊かれると、アーロンは青の薬は32時間前に飲んだきりだと話す。

その頃、CIAニューヨーク支部の対テロ極秘調査局の局長、かつ極秘作戦「ブラックブライアー」の現場責任者ノア・ヴォーゼンがボーン捜索の指示をチームに行っていた。ヴォーゼンの部下ウィリスはバイヤーに電話して、ボーンがニューヨークに戻ってきていることを伝える。

アラスカの山小屋では、無人機に血液サンプルを乗せ、アーロンと男が夜を過ごしていた。外から聞こえる狼の声にアーロンが「変だな。狼が人間の後をつけるなんて」という言葉に対して「お前は人間じゃないんだ」と答える。アーロンは、仲間は何人いるのか、ここで何をしているのか男に質問するが彼は答えない。「相手を探るのが仕事だろ」と言うアーロンは彼になぜここに飛ばされたのか、任務を放り出したのか、恋に落ちたのか等訊こうとする。相手の反応から恋に落ちたためここに飛ばされたと判断したアーロン。男は結局答えず、狼対策に銃を渡すだけだった。その晩、ベッドに横になったアーロンは、壁の木に多くの名前が彫られていることに気づいた。この山小屋に到達した極秘作戦の参加者と思われる名前の中には「ジェイソン・ボーン」という名前もあった。

一方、バイヤーは「アウトカム」の作戦中止に反対する米国海兵隊のポールセン将軍と会っていた。ポールセンは「イランのミサイル計画を36か月も遅らせた。北朝鮮での諜報活動の主役は『アウトカム』だ。パキスタン情報局にも工作員を潜入させた。そういう情報収集組織を解体するのか?」と反対するが、バイヤーは「即刻中止だ」と一刀両断した。ポールセンは「ニューヨークの追跡劇の裏にCIA?」という見出しの新聞を出し、「本当の原因はジェイソン・ボーンだな。奴が野放しになった」と畳みかける。続けて「全作戦で私に見えないのでお宅の作戦だけ。私の邪魔をするのはいつもお宅の組織だ。なぜそんな力がある?」と訊くと、バイヤーは「私も愛国者だ。この件では私も傷ついている。だが任務は任務。お互いそれを遂行する。以上だ」と話を打ち切った。
韓国ソウルでは、血液サンプルを提出に来た「アウトカム」の女性工作員が新しい黄色の薬を渡されていた。青と緑の薬は服用中止となり、8日ごとにこの黄色の薬を1錠飲むよう説明され、服用後死亡。パキスタンのカラチでも男性工作員が渡された黄色の薬を服用し死亡。ステリシン・モルランタ社の研究所で最近マルタが検査をしていたNo.6も歩行中、鼻血を出して死亡した。

山小屋で攻撃されるアーロンたち

無人機をライフルで狙おうとするアーロン

山小屋ではアーロンたちが吹雪のために出発を遅らせようと話している時、近づいてくる飛行機の音に気付く。本部に連絡するも応答がなく、昨日来たばかりの補給機のはずがないことから、2人は危険を察知する。アーロンは表で待機すると言い、山小屋を出た途端、山小屋は無人機からのミサイル攻撃を受けて爆発してしまう。爆風で飛ばされたアーロンだが、すぐに立ち上がり荷物を持って走り出す。バージニア州にある米空軍の無人機管制本部では、山小屋の男が爆死したはずなのに、発信機の信号が出続けていることを確認し、無人機で追跡を開始する。無人機管制本部では山小屋にいる男の抹殺を命令されており、アーロンが既に到着していることは知らなかったのだ。アーロンは山の上まで走り、自分の太腿に埋め込まれている発信機からの信号をアルミ皿で遮断する。そして吹雪で視界が悪く熱探知しようとして追跡してきた無人機をライフルで撃ち落とした。山小屋に戻り薬を探すアーロンだが、薬は爆発でなくなっていた。残っていた武器になりそうなものをかき集めたアーロン。

アーロンへのミサイル攻撃で過去を思い出すバイヤー

無人機管制本部から連絡を受けたバイヤーが、発信機の信号が誰のものか調べさせると、それはアーロン・クロスのものだった。米空軍無人機管制本部に急ぎ向かったバイヤーは、無人機を雪山に向かわせる。アーロンは太腿に埋め込まれていた発信機を取り出し、自分の血で狼をおびき寄せ、狼を捕まえて、発信機を狼に飲み込ませた。信号の発信されている座標を特定した無人機管制本部は無人機により、熱源探知をしてミサイル攻撃を行った。ミサイルは逃げた狼に命中し、信号も消え、アーロンは死亡したとされた。

その時、バイヤーは戦場で共に作戦を遂行したアーロンとの会話を思い出していた。民間人がいるという情報がなかったのに、攻撃した場所に民間人がいた。そのことに対し苦しむアーロンに、「ミッションの道徳性を疑うことは誰にでもある。罪食い人を知っているか?我々も人の罪を食う。道徳から外れた汚物を食い、おかげで組織以外の者は穢れにまみれないで済む。我々は人の益になる非道徳的な人間なのだ」と言ったのだ。

バイヤーたちの会議ではワードがCIAの内部調査局長であるパメラ・ランディは危険だと主張していた。彼女はボーン、ハーシュ博士、「ブラックブライアー」について知っており、それを上院の公聴会で、これらは氷山の一角だ、底はもっと深いと証言してしまうと言うのだ。しかしバイヤーはパメラは「アウトカム」については何も知らないから心配いらないと言う。ターソはパメラの電話、メールなどすべて盗聴され、移動場所も追跡され、彼女の言動は筒抜けであることを話しだす。ターソは「ボーンを助けたのが運のツキだ。国際指名犯を幇助してCIAが奴を切るのを阻んだ。誓約を破り、規則を無視。奴をアメリカに呼び戻した。動機が何であれ、この国の利益になることではない。彼女は反逆者だ」とパメラを危険視する必要はないことを告げた。

研究所乱射事件

ステリシン・モルランタ社の研究所では、薬品を作る機械から青い液体が漏れ、そこにいたドナルド・フォイト博士が研究室内に鍵をかけ、急に研究者たちを銃で撃ち始める。その場にいたヒルコット博士も撃たれ、すぐに警備員が呼ばれるが鍵がかかっていて中に入れない。マルタも撃たれそうになるが、警備員がフォイトを撃ち、なんとか助かった。バイヤーは、研究所での銃乱射事件を報じたニュースをチェックし、全マスコミに流すよう指示する。
マルタは警察で事情聴取をされていた。この場所で何を検査していたのか訊かれ、検査に来ていたアーロンとの会話を思い出した。任務のために血液サンプル送付が遅れ、精密検査をする必要があったのだ。アーロンに「我々の任務の内容を知っているか?」と訊かれたが、マルタは何も知らなかったことを思い出す。

襲われるマルタを助けるアーロン

出典: eiga.com

マルタを助けにきたアーロン

アラスカからシカゴに来たアーロンは、置いていた車の中に隠していた偽造ナンバープレートや財布、パスポートなどを回収し、銃乱射事件があったことを新聞で見て、薬を求めて検査担当のマルタの元へ向かう。
家に戻ったマルタは妹のところへ行こうと身支度を整えていた。そこにコニー・ダウド博士と捜査官たちが話を聞きにやってくる。実は彼らは「アウトカム」の関係者であるマルタを暗殺しに来たのだった。マルタは航空券を買った途端に彼らから連絡があったことについて怒っていた。自分の行動を監視されていると思ったのだ。事件のことを関係者以外に話したか確認するダウド。さらにフォイトの家にマルタの写真があったことから、彼をふった腹いせに事件を起こしたでのはないかと匂わされたマルタは、フォイトの血液を調べれば彼の行動を解明できると話す。マルタ達の研究は人間の行動や神経を人為的に操作すること、フォイトはその過程で何かに接触したのではないかとマルタは考えたのだ。そこへ家の中を調べていた捜査官がマルタの銃を持って現れる。勝手に家の中を探されたことに激高したマルタ。ダウドと捜査官がその銃でマルタが自殺したように見せかけようとしたその時、アーロンが家の中に入ってきてそれを阻止し一人を倒した。さらに地下で一人を倒し、地上に上がり、家の外壁を1階、2階と軽々と駆け上がり、3階まで登ったアーロンは家の中に入り、また一人を倒した。3階で隠れていたマルタの元にいったアーロンは、「死にたくないだろ?俺の言うとおりにするんだ」と言い、マルタに時間を計らせて銃を撃たせる。銃声を聞き、3階に上がってきた捜査官を銃で撃ち、4人全員を倒した。マルタにここに薬がないことを聞いたアーロンは8分以内にここを出ると告げ、家に灯油をまき、火をつけた。マルタの家までの道で待っていたもう1人の捜査官が、家に向かった捜査官たちに無線で話しかけると、死んだ捜査官から無線をとったアーロンが時間がかかってあと10分で出ると応答した。アーロンとマルタは家から逃げ、もう1人の捜査官が家に来た時には家は燃え広がり、警察もやってきた。

薬を求めるアーロンに活性ウイルスで代用可能なことを伝えるマルタ

逃げる車の中で、アーロンはマルタに「これから君はジューン・モンローだ」と告げ、一番最近住んだ場所を聞き、その答えであるベセスダを現住所にしろと言う。「君が財布を無くし俺が送っている。俺はジェームズ」と現状の設定を言うアーロンに、マルタは「ジェームズは本名なの?」と訊く。俺の名前を知らないのかと驚くアーロン。「血液サンプルには何と書いている?」と訊くと、彼女は「No.5」と答える。「この4年間で13回も会っているのにNo.5か」と嘆くアーロン。さらに「アウトカム」の作戦員は何人いるか尋ねると、9人いたが6人になったと答えるマルタ。なぜ自分を助けたのかマルタが訊くと「奴らは研究所員も狙うからだ。乱射犯は奴らに操られていた。全作戦が中止だ」と答えるアーロン。状況が分からず混乱したマルタに薬がどこにあるか再度聞くがマルタは知らない。4年も務めていて何も知らないのかとアーロンが詰め寄ると、マルタは車を止めてと叫ぶ。停車して「降りたければ降りろ」と言い「一人で逃げられるか?奴らから逃げ切るのは不可能だ。俺と別行動するか?俺のプランは簡単だ。君を殺しに来る奴を待って薬を手に入れる」と告げるアーロン。マルタは「『アウトカム』のための我々のテストや細胞実験は純粋に科学的な作業で、薬の製造は別の部署よ」と話し、さらに「活性ウイルスの接合や現地培養の管理はフィリピンマニラで行っている」と聞き、頭を抱えるアーロン。マルタが薬が切れたのか訊くと、「青は残り300mgでかろうじて1日分。緑は51時間飲んでないが、不調は感じない」と答えるアーロン。マルタはそれを聞き、緑は8カ月前から服用中止の指示が出ており、それは活性ウイルスが体力を安定させたからだと言う。薬を飲まなくても同程度の体力を保てると聞いたアーロンは「俺の体にいつ活性ウイルスを?」と詰め寄る。「原因不明のあの流感がそれか?君らが接種して俺は死にかけた」と激しく怒ったアーロン。さらに「薬に頼っている奴は言いなりだから、緑の薬を与え続けられたんだ」と分析し、マルタに誰から命令を受けているか問う。しかしマルタは研究しているだけと答える。「青の薬も中止可能か?」と訊くアーロンに、「理論的には可能」と答えるマルタ。続けて、薬は一時的だが活性ウイルスは半永久的な効果を保つこと、マルタはその接種ができることを聞いたアーロンは彼女と共にフィリピンに行くことを決める。

マルタの行方を調べるバイヤーたち

一方、バイヤーたちはマルタの家に行かせた精鋭チームの捜査官たちが倒されたことについて驚いていた。彼女の身元について調べたのかとマルタを採用したワードが責められるなか、バイヤーは緊急本部を設けて、国家安全保障局や国防総省に協力を要請して現場を調べさせるよう指示する。バイヤーの部下ディタは、マルタが病原体を盗んだということにしてはどうかと提案し、バイヤーはそれを採用する。

道中、マルタは研究についてアーロンに説明していた。「人の遺伝子を変えたい時は、ウイルスを運び屋にするの。遺伝子変異体をウイルスの中に詰め込んで、ターゲットの細胞に放出するの。それを的確にするのが難しい」と話したマルタは続けて、ヒルコット博士の発見についても話し出した。「1985年に陸軍の医療施設で恐ろしい事故が起こった。5人の研究員が突然倒れて死んだ。調査に呼ばれたヒルコット博士はその調査過程ですごい発見をした。細胞の受容体の遺伝子地図を見つけたの。あなたは2種類の染色体に手が加えられた。緑の薬は身体面に作用し、ミトコンドリア蛋白の吸収を高める。それが1.5%でも高まると、たちまち細胞と筋肉の働き、酵素化まで活発になる。青の薬は思考活動を高める他に、神経の再生、弾力性、知覚神経機能、苦痛緩和。ゲノムに関する科学史上の画期的な発見よ」と説明した。

一方、マルタの家が焼かれた現場では、女性の遺体が発見されたがマルタではなく、認識票を付け、射殺されていたことが判明する。

アーロンが薬が必要な理由

yoshida
yoshida
@yoshida

Related Articles関連記事

ボーン・アルティメイタム(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ボーン・アルティメイタム(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ボーン・アルティメイタム』とは『ボーンシリーズ』の3作目で、2007年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンは、CIAの極秘計画の暴露記事を書こうとする記者と接触したことで存在が見つかり、またもやCIAに狙われる。その一方、CIA内部の人間と協力し、極秘計画に絡んだ組織の陰謀を暴き、とうとう記憶を取り戻す。その場にいるかのような臨場感溢れる映像やスピーディなストーリー展開、スリリングな逃走劇など息もつかせぬシーンの連続で観る者を引き込む最高傑作。

Read Article

ボーン・スプレマシー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ボーン・スプレマシー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ボーン・スプレマシー』とは『ボーンシリーズ』の2作目で、2004年に公開されたサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンの2年後を描く。インドでマリーと暮らしていたボーンの元に暗殺者が現れ代わりにマリーが殺されてしまう。自分を追う理由を知るため動き出したボーンだが、ある事件の容疑者に仕立てられる。CIAの追跡をかわしながら自分を巡る陰謀の真相を探るボーン。トンネルの中のカーチェイスなど前作以上にスピード感あるスリリングなシーンの連続で観る者を魅了する。

Read Article

インクレディブル・ハルク(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ

インクレディブル・ハルク(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ

2008年に公開された、マーベルコミックスに登場するヒーローの実写化作品である。『アイアンマン』をスタートとしたMCUシリーズの第2作目であり、型破りなヒーロー・ハルクの誕生の経緯を描いている。ハルクに変身するため軍から追われることになったバナー博士の苦悩が物語の軸。次作から主人公・バナー博士の俳優が変更になっているため、エドワード・ノートン演じるバナー博士を見られるのはこれが最初で最後である。

Read Article

ボーン・アイデンティティー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ボーン・アイデンティティー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ボーン・アイデンティティー』とは、『ボーンシリーズ』の1作目で、2002年に公開されたサスペンス・アクション映画。原作はロバート・ラドラムの『暗殺者』。記憶を失くした男が、皮下に埋め込まれたマイクロカプセルを手掛かりにわかった名前はジェイソン・ボーン。自分が何者かを辿るなか、行く先々で警察やCIAに追われるが、知力と体に染みついた高い戦闘スキルで追跡をかわし、襲ってくる暗殺者を倒し、窮地を脱する。偶然知り合ったマリーと逃げる間に見せる人間らしさや生身の体で対決する迫力の格闘シーンも必見。

Read Article

ビッグ・フィッシュ(Big Fish)のネタバレ解説・考察まとめ

ビッグ・フィッシュ(Big Fish)のネタバレ解説・考察まとめ

『ビッグ・フィッシュ』とは2003年に公開されたアメリカ合衆国のファンタジー映画である。原作は『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』で、ティム・バートン監督による作品。病が悪化した父エドワードの看病をするために実家に妻とともに戻ったウィル。父はウィルが小さいころから自分の人生をおとぎ話のように語っており、ウィルは年を取るにつれその話を信じなくなり二人の間の関係は悪くなる。しかし、看病を通して時間を過ごすうちに二人の父子の関係は少しずつ変化していく。

Read Article

ジェイソン・ボーン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ジェイソン・ボーン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ジェイソン・ボーン』とは『ボーンシリーズ』の5作目で、2016年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンが、CIAの極秘計画を暴いてから9年後。地下格闘技で生計を立てていたボーンの元に、彼の過去に関する新たな事実や極秘作戦を探り当てたかつての協力者ニッキーが現れる。情報の暴露を恐れたCIAに襲われる2人。一方CIAの女性捜査官ヘザーは愛国心のあるボーンを復帰させようとする。スリリングな展開、ラスベガスでのシリーズ屈指の激しいカーチェイスは必見。

Read Article

アベンジャーズ/エンドゲーム(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ

アベンジャーズ/エンドゲーム(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ

『アベンジャーズ/エンドゲーム』とは、2019年に公開されたアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画である。マーベル・コミック『アベンジャーズ』の実写映画化作品としては4作目で、完結編となる。マーベル・コミックの実写映画で、世界観を共有するクロスオーバー作品として2008年公開の第1作『アイアンマン』から続いてきたMCUシリーズとしては22作目、本シリーズのフィナーレとなっている。サノスとの戦いに敗北し宇宙を漂流していたトニー・スタークは、キャプテン・マーベルの協力によって地球へと帰還する。

Read Article

NEW
女王陛下のお気に入り(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

女王陛下のお気に入り(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『女王陛下のお気に入り』とは、18世紀を舞台に、宮廷で女王の寵愛を奪い合う女性2人の攻防を描いた実話に基づく歴史コメディ映画である。本作は『ロブスター』で鬼才な才能を持つ、ヨルゴス・ランティモスが監督を務めた。第91回アカデミー賞では最多9部門10ノミネートを獲得し、オリヴィア・コールマンが主演女優賞を受賞している。気まぐれな女王アンに代わって絶対的権力を握る側近のサラと、貴族の地位に返り咲く陰謀を企てるアビゲイルの、愛憎に満ちた人間ドラマが繰り広げられる。

Read Article

メッセージ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

メッセージ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『メッセージ』(原題:Arrival)とは、本作後に「ブレードランナー2049」を撮るドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によるSFムービー。 突如地球上に現れた巨大な宇宙船。飛来した目的を探ろうと、船内の異星人とコミュニケーションをとるため軍に依頼された女性言語学者が、彼らと接触するうちに未来を見ることが出来るようになり、自分の人生を見つめ直していくシリアスタッチの知的なドラマ。2016年製作のアメリカ作品。

Read Article

バックドラフト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

バックドラフト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『バックドラフト』とは、消防士の兄弟の火災現場での活躍と葛藤、謎の放火犯を追う物語。監督は『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』で知られるロン・ハワードが務めており、出演者はカート・ラッセル、ロバート・デ・ニーロなど豪華な顔ぶれが揃っている。火災現場の視覚効果をアメリカの特殊効果及びVFXの制作会社インダストリアル・ライト&マジックが務めている。エグゼクティブ・プロデューサーはブライアン・グレイザーと『砂の惑星』のラファエラ・デ・ラウレンティスが務めている。

Read Article

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』とは2018年にアメリカで製作されたヒューマンストーリー映画。大ヒットTVドラマシリーズ『This Is Us/ディス イズ アス』の製作総指揮を務めた、ダン・フォーゲルマンがメガホンを握った作品として話題を集める。アメリカとスペインという遠く離れた地に住む2つの家族の過酷な人生模様を描く。その2家族が運命的に出会った時、そこに真の愛の物語が生まれた。ボブ・ディランの名曲をバックに、2つの家族の生き様を、3世代に渡って描いた壮大なラブストーリーだ。

Read Article

【トリビア・伏線】ファイト・クラブの徹底解説・考察まとめ【ネタバレ】

【トリビア・伏線】ファイト・クラブの徹底解説・考察まとめ【ネタバレ】

『ファイト・クラブ』とは1999年公開のアメリカ映画。鬼才と呼ばれるデヴィッド・フィンチャーが監督を務めた。不眠症の”僕”は自分とは正反対の自信家でマッチョな男タイラーと出会い、男同士が素手で殴りあう「ファイト・クラブ」と言う組織を結成していく。殴り殴られることで自分の存在意義を確認するが、やがて組織はテロリズムに傾いてき、”僕”は衝撃の事実を知ることとなる。 巧妙に張り巡らされた伏線とサブリミナル効果、ラストシーンの解釈、製作時のトリビアなどをネタバレ解説していく。

Read Article

ファイト・クラブ(Fight Club)のネタバレ解説・考察まとめ

ファイト・クラブ(Fight Club)のネタバレ解説・考察まとめ

『ファイト・クラブ』とは、1999年製作のアメリカ映画である。1996年に発表されたアメリカの小説家チャック・パラニュークによる同名小説が原作となっている。監督はデヴィッド・フィンチャー。アンダーグラウンドな雰囲気と過激な暴力描写、また自由で大胆不敵、それでいて頭も切れるブラッド・ピット演ずる、タイラー・ダーデンの存在感。その彼の魅力に惹かれてしまう、主人公(演:エドワード・ノートン)の繰り出す非合法な活動が、やがてテロ活動にまで発展してしまう様を描く、カルト映画である。

Read Article

羊たちの沈黙(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

羊たちの沈黙(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『羊たちの沈黙』とは、1991年にアメリカで製作されたサイコ・スリラー映画で、アカデミー賞主要5部門を獲得した大ヒット作品である。トマス・ハリスの同名小説をジョナサン・デミ監督が映像化した。ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスが主演を務める。連続殺人事件の調査として、FBIは実習生クラリス・スターリングを抜擢。収監中の猟奇殺人犯で、元精神科医のハンニバル・レクターに捜査の協力をさせるべく派遣する。クラリスはレクターとの奇妙な関係を築く一方、自らの過去と対峙してゆくことになる。

Read Article

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

トム・クルーズの代名詞ともいえる大ヒットスパイアクションのシリーズ第5作。2015年公開のアメリカ映画。監督は、クルーズ主演映画「アウトロー」のクリストファー・マッカリー。各国の元エリート諜報部員を集めた謎のスパイ組織「シンジケート」の暗躍により、秘密工作機関IMFはまたも解体の危機に陥る。組織の後ろ盾を失いながらも、イーサンは仲間とともに世界の危機を救うため史上最難関のミッションに挑む。

Read Article

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

往年の人気TVシリーズを、トム・クルーズ製作・主演、「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード監督で映画化した大ヒット・アクションシリーズ第4弾。前作から5年後の2011年、日米同時公開。爆弾テロ犯の濡れ衣を着せられたイーサン・ハントとそのチームが、組織の後ろ盾を失いながらも事件の黒幕を突き止めるべく世界を股に過酷なミッションに挑む姿を圧倒的なスケールで描き出す。

Read Article

レッド・ドラゴン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

レッド・ドラゴン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『レッド・ドラゴン』とは、トマス・ハリスの小説をもとにして2002年に公開されたアメリカのサスペンス映画である。 監督はブレット・ラトナー、主演をアンソニー・ホプキンスである。人食いハンニバルと呼ばれる精神科医の殺人犯ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)に殺されかけた過去を持つ、元FBI捜査官であるウィル・グレアム(エドワード・ノートン)との戦いを描く。見どころは、レクター博士とウィルの頭脳戦と徐々にレッド・ドラゴンと呼ばれる猟奇殺人犯を追い詰めていく所である。

Read Article

HACHI 約束の犬(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

HACHI 約束の犬(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『HACHI 約束の犬』とは、2009年に公開されたアメリカ映画。1987年公開の日本映画『ハチ公物語』のリメイク作品である。ある寒い冬の夜、アメリカ東海岸の郊外の駅でパーカー・ウィルソン教授は1匹の迷い犬に出会う。飼い主を探しながら保護するが、妻の反対を押し切りパーカーは自分で飼うことにするのだった。首輪のタグに「八」と刻まれていた漢字から「ハチ」と名付けられその秋田犬の子犬は、パーカーの大きな愛情を受け立派に成長して行く。そんな幸せな日々がいつまでも続くと思われたが、突然の悲劇が降りかかる。

Read Article

NEW
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』とは、2019年のアメリカのSF怪獣映画である。監督はマイケル・ドハティ、主演はカイル・チャンドラー。2014年公開の『GODZILLA 』の続編である。 世界各地では、休眠状態であった怪獣達が次々目を覚ましていた。世界の破滅を防ぐ為、未確認生物特務機関モナークは怪獣ゴジラと手を組み、地球を破滅の道に導こうとしている怪獣たちに立ち向かうのであった。 作品の見所は怪獣を愛する人と、怪獣を憎む人の心の葛藤である。

Read Article

心の闇が深い!サイコスリラー・サイコホラーがテーマの洋画まとめ【スクリームほか】

心の闇が深い!サイコスリラー・サイコホラーがテーマの洋画まとめ【スクリームほか】

世の中にはゾンビや幽霊などのホラー映画が数多く存在しているが、人間の心の闇の部分を題材とした「サイコスリラー」「サイコホラー」もまた、幽霊などとは異なったジャンルの「ホラー映画」として人気を博している。一見すると普通の穏やかな人物の凶行や、実在の殺人事件をモチーフとした映画も多い。本記事では「サイコスリラー」「サイコホラー」をテーマにしている洋画を、厳選して紹介する。

Read Article

【閲覧注意】実際の事件や事故がもとになったホラー・サスペンス映画まとめ【死霊館ほか】

【閲覧注意】実際の事件や事故がもとになったホラー・サスペンス映画まとめ【死霊館ほか】

この世に数多くの作品が存在しているホラー映画。その中には実際に起こった事件や事故をモチーフにした作品もたくさん含まれている。とある仮説を検証するために行われた実験の末に起こった凄惨な事件や、地元で有名な心霊スポット、悪魔に憑りつかれた少女などがその一例だ。本記事では実際の事故・事件がモチーフとなったホラー映画やサスペンス映画を、厳選して紹介する。

Read Article

目次 - Contents