ビッグ・フィッシュ(Big Fish)のネタバレ解説まとめ

『ビッグ・フィッシュ』とは2003年に公開されたアメリカ合衆国のファンタジー映画である。原作は『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』で、ティム・バートン監督による作品。病が悪化した父エドワードの看病をするために実家に妻とともに戻ったウィル。父はウィルが小さいころから自分の人生をおとぎ話のように語っており、ウィルは年を取るにつれその話を信じなくなり二人の間の関係は悪くなる。しかし、看病を通して時間を過ごすうちに二人の父子の関係は少しずつ変化していく。

『ビッグ・フィッシュ』の概要

『ビッグフィッシュ』とはアメリカ合衆国のファンタジー映画である。『チャーリーとチョコレート工場』や『シザーハンズ』などで知られるティムバートン監督による作品である。脚本はジョン・オーガスト、音楽はダニー・エルフマンが担当。原作は2000年に出版された著者ダニエル・ウェルスのビッグセラー作品『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』である。
2004年に第76回アカデミー賞の作曲賞(作曲家 ダニー・エルフマン)ノミネート。2004年に第61回ゴールデングローブ賞に最優秀作品賞(コメディ / ミュージカル)、最優秀助演男優賞(エドワード・ブルーム役 アルバート・フィニー)、最優秀作曲賞(作曲家 ダニー・エルフマン)、最優秀主題歌賞のすべてにノミネートされている。

父のエドワードは息子のウィルが小さいころから大きな魚を金の指輪で捕まえたときの話などのほら話をよくしており、ウィルの結婚式でもその話をする。いつまでもほら話をしている父にしびれを切らしたウィルは結婚してから父と関係が悪化し、話さなくなる。ある日、父は病気になり死期が近づく。そのためウィルは父の看病のために実家に戻ることにする。しかし、父はほら話し続けていた。ウィルは父にあきれていたが共に時間を過ごすうちにほら話ばかりの父の人生の真実を知るべく父親の足跡をたどり始める。
この映画は父エドワードの若い日の幻想のような回想のシーンと現代のシーンが交互に描かれている。若い頃のシーンは色が鮮やかに表現されており、様々なファンタジー的な登場人物が出てくる。一方で現代のシーンはおとなしく描かれており、その二つのシーンの対比がはっきりと描かれている。

『ビッグ・フィッシュ』のあらすじ・ストーリー

ウィルの結婚式とエドワードの病気

エドワードがビッグフィッシュの話をするときの回想された魚

ウィルは小さいころから父であるエドワードの奇想天外な話が大好きだった。しかし、彼は年を取るにつれその話が作り話であると考えるようになる。ウィルの結婚式の日、エドワードは一番ウケがいいという、息子が生まれた日に巨大な魚を金の指輪で釣った話をして皆を笑わせた。それに対しウィルは息子の結婚式でさえも自分に注目を集める父にあきれ、けんかをしてしまう。父エドワードも息子の晴れ舞台を盛り上げようとしただけのことであったため悲しむ。それをきっかけに二人は疎遠になってしまう。ウィルは母とは話すが母も二人の関係を考慮して息子が電話するときはエドワードがいないかのように接していた。しかし、ウィルとエドワードが連絡を取らなくなってから三年ほど経ったとき母親サンドラから父が病気で倒れたという連絡が来る。そのためウィルは父の看病をするために帰省することになる。エドワードは病床でもほら話をしていた。

魔女の瞳に映る未来

瞳を見せる魔女

自分の死に方はこんなものではないと言うエドワードはウィルの妻であるジョセフィーヌに少年時代に会った沼地に住む義眼を持った魔女の話をする。少年時代、エドワードとドン・プライスなどの友人は義眼を持った魔女の噂を聞く。その噂によると魔女の義眼を覗くと自分の死に方がわかるという。彼らは一緒にその家に行き、ドンにそそのかされたエドワードは魔女の義眼を盗みに入ることにする。しかし、家の前まできたところでドアが開き、中から魔女が現れる。エドワードと魔女は一緒に彼の友人のところまで行き、魔女はみんなに義眼を見せる。ドン・プライスは自分がトイレで若く心臓発作で亡くなるところを目の中に見る。また、他の子は年を取って脚立から落ちて亡くなるなどそれぞれが自分の死に方を目撃することになる。エドワードもそこで自分の死に方を知る。その内容は語られないが彼は今までも危ない目にあっても自分はここでは死なないのだと知っており、今も死なないのだとジョセフィーヌに語る。その話をジョセフィーヌはウィルに話すが、彼はそれもまた父のほら話だと言う。

巨人との出会い

巨人との旅

エドワードはその後急に体が成長するという謎の病気にかかる。そのため骨格と体が合わなくなってしまい三年間体を揺り動かす特殊なベットの上で三年間寝たきりとなる。その間彼は「自分の体は大きいのだからその体に見合った大きな人間にならないといけない」と考えるようになる。そのため、骨格が落ち着くと彼はあらゆることにチャレンジするようになる。野球、フットボール、科学発表会。すべてにおいて彼は優秀な成績を収めた。

18歳になったある日彼の町は巨人によって荒らされる被害に悩まされるようになった。エドワードは町を救うため巨人を倒すために名乗りを上げた。しかし、巨人の住む洞窟を訪れたエドワードは特異な体質のせいで寂しく生きていることで悲しみに暮れている巨人カールと出会うのであった。エドワードは自分が大きすぎるのではなく町が小さすぎるのだと言い、カールを体に合ったもっと大きい都会に行く旅に誘う。エドワードは町からいつでも歓迎するという意味を込めた町の鍵をもらい、カールとともに旅立つ。その道中エドワードは少年時代に出会った魔女と再会する。魔女は彼に「釣られぬ魚が川で一番大きい」というアドバイスをし、彼はこれを胸にきざんで旅に向う。

町スペクター(幻)への訪れ

スペクターで8歳のジェニーと出会う

しばらくカールと進んでいくと二人は塗装されてみんなが使うきれいな道と朽ち果てておばけが出るという噂があるために誰も使わなくなった旧道の分かれ道に着く。エドワードはその旧道を通ると言うがカールは気が乗らず二人はその先で合流することを約束して分かれることにする。

少し進んでいくとエドワードは旧道で迷子になり、町からもらった鍵をなくしてしまう。そしてたどり着いたのがスペクターという町だった。そこではたくさんの人々が幸せそうに暮らしていた。その町で彼は旧道を通ってから何年も音沙汰がないと言われていた詩人のノーザン・ウィンズローと出会う。エドワードは大歓迎され彼とスペクターの市長であるビーマンとノーザンがビーマンの妻であるミルドレットお手製のパイを一緒に食べる。その時8歳のジェニーにエドワードは靴を取られてしまう。スペクターの住民は皆裸足で生活しているからである。

エドワードはノーザンと共に川の近くで時間を過ごす。その時にノーザンはエドワードに12年かけて今書いている詩を見せてくれた。しかし、その詩は三行しかなく、それに驚いたエドワードの反応に怒ったノーザンはその場を立ち去ってしまう。そこでふと川を見たエドワードは川にいる裸の女性に蛇が近づいていることに気づき咄嗟に川に飛び込み女性を助ける。しかし、蛇を捕まえた瞬間に女性は消えてしまう。そこにジェニーが現れ、エドワードに彼が見た裸の女性は魚であり見る人によって違うのだと説明する。

皆のもとにもどるとパーティーが行われていた。皆と一緒に踊るエドワードだがそこで急にこのまま町に居残ってしまうのではないかという危機感を感じ、その場を立ち去ることにする。最後にジェニーにスペクターにまた戻ってくると約束をして彼は町を出る。スペクターを出たエドワードはカールと合流し、旅を再開する。

サーカスでの生活

時間が止まった中で一目ぼれした女性に近づくエドワード

エドワードとカールは旅の途中でサーカスに立ち寄る。そこで二人はキャロウェイ団長と出会いカールはそこで働くことになる。一方でエドワードはそのサーカスで青いワンピースを着た女性に一目惚れをする。キャロウェイ団長はその青いワンピースの子と家族ぐるみで仲がいいという。エドワードはそこでただ働きをすることで毎月一つだけその女性についての情報をもらうという約束をした。

キャロウェイ団長は毎月「彼女は水仙が好きだぞ」や「彼女は音楽が好きだぞ」「彼女は大学に行くことになったぞ」などの情報を彼にあげる。しかし、三年経っても核心をついた情報を得ることができずエドワードは我慢ができなくなる。ある晩、団長のトレーラーに文句を言いに行くが、そのトレーラーにいたのは団長ではなく大きな黒いオオカミであり、彼は襲われてしまう。サーカスの弁護士兼ピエロであるソギ―ボトムはそのエドワードを助けようとオオカミを銃で打とうとするがその弾はエドワードに当たってしまう。エドワードはけがをしながらも木の棒でオオカミを手なずけることに成功する。朝になって彼はそのオオカミが実はキャロウェイ団長であることを知る。秘密を知られたキャロウェイ団長は涙ながらにエドワードがどれほど素晴らしい青年であるかを語り、彼に一目ぼれの相手の女性の名前はサンドラと言い、オーバーン大学に通っていると伝える。エドワードはサンドラに会いに行く。

サンドラへの求婚

サンドラが窓の外を見ると水仙に囲まれたエドワードがいる

エドワードはサンドラを探し出すことに成功する。彼は彼女に会うや否やプロポーズをする。しかし、彼女は別の男性と婚約していることを知り、その上その婚約相手は少年時代からの友人のドン・プライスであることを知る。それでもエドワードはめげずにあの手この手でサンドラにアプローチをかける。サンドラは苦笑しながらもまんざらでもない態度をとっていた。そしてある日、サンドラが窓の外をみるとそこ一面に黄色い水仙が敷き詰められていた。エドワードが彼女が水仙が好きだということを覚えていて彼女のために全国から集めたのだ。彼女は大喜びしたが婚約者であるドンはそれを目撃し激怒する。今にも殴りかかりそうなドンを前にサンドラはエドワードに「お願いだからけんかしないで」と言う。その約束を守ったエドワードはドンにぼこぼこにされるが、エドワードはけんかには負けたが勝負には勝ち、サンドラはドンとの婚約を解消しエドワードと結婚することにする。そして、ドンは少年時代に魔女の義眼で見たように心臓発作でなくなった。

エドワードの徴兵と下半身が結合した双子

帰ってきたエドワードと喜ぶサンドラ

結婚をしてから幸せだったサンドラとエドワードだが二人のもとに徴兵令状が届く。エドワードは徴兵期間の三年間サンドラと会えないことがつらかったため危険な任務に参加することで期間を一年にしようとする。その任務とは北朝鮮から機密情報を盗むというものであった。エドワードは直前まで韓国語を勉強して任務に挑む。

機密情報があるというキャンプに入り込んだエドワードは情報を盗んだあと抜け出すことができなくなってしまう。そこで出会ったのがそのキャンプで歌手としてパフォーマンスをしていた下半身が結合している双子のピンとジンである。最初はエドワードを突き出そうとした二人だが彼の妻に対する愛のスピーチを聞き気持ちが変わる。エドワードがアメリカでの仕事を持ちかけたことで共にロシアやキューバを経由してアメリカに帰ることとなる。

一方アメリカではエドワードは行方不明とされ、サンドラのもとにはエドワードの死の知らせがくる。サンドラは悲しみにくれ、以前のように車が訪れたり電話がなるたびにエドワードではないのかと思わなくなっていった。しかし、エドワードは生きており、無事にサンドラのもとへ帰る。二人はまた幸せな結婚生活を送ることとなる。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge!)のネタバレ解説まとめ

『ムーラン・ルージュ』とは、2001年製作のアメリカ映画。ハリウッドを代表する2大スター、ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーを主演に、 『ロミオ+ジュリエット』のバズ・ラーマンが製作・監督・脚本を担当したミュージカル大作。劇中の楽曲には20世紀を代表するポップ・ナンバーがふんだんに使用されている。19世紀末の夜のパリを象徴する魅惑のナイトクラブ“ムーラン・ルージュ”で繰り広げられる、若き作家と高級娼婦の悲恋物語を絢爛豪華にして幻想的に描く。

Read Article

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒(BIRDS OF PREY)のネタバレ解説まとめ

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』とは2020年に公開された「DCコミック」の作品で『スーサイド・スクワッド』で初登場して人気となったハーレイ・クインが主役となるスピンオフ映画である。 悪のカリスマ、ジョーカーと破局して、自由に生きようとするハーレイクイン。しかし、舞台となるゴッサムシティでこれまでに悪党から恨みを買っており、ついには街を牛耳る顔剥ぎが趣味のマフィアである最悪のサイコ、ブラックマスクに狙われる。彼女と同様に今の境遇から抜け出そうとする女性4人と手を組みブラックマスクと対決する。

Read Article

チャーリーとチョコレート工場(Charlie and the Chocolate Factory)のネタバレ解説まとめ

2005年、ティム・バートン監督とジョニー・デップのコンビで公開された、アメリカの映画です。ファンタジー・コメディーに分類されます。しかし蓋を開ければ内部非公開の工場を見物できるというワクワク感とは裏腹のブラック・ジョーク、皮肉全開のミュージカル調のシーン、美しくも怪しい映像のセンスなどが監督ティム・バートンの世界観をよく表現しています。第78回アカデミー賞衣装デザイン賞ノミネート作。

Read Article

目次 - Contents