新世紀エヴァンゲリオン劇場版(旧劇場版)のネタバレ解説・考察まとめ

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版(旧劇場版)』とは、ガイナックス制作による庵野秀明監督のアニメーション映画。主たるジャンルはロボットアニメに分類される。同名TV作品のリメイク映画作品。
地球に突如として謎の巨大生命体「使徒」が出現。これへの対処に組織された特務機関「ネルフ」は、巨大人造人間「エヴァンゲリオン」を創造した。操縦には資格を持った14歳の少年が必要である。操縦者に選ばれた少年碇シンジと、彼を取り巻く人間たちの複雑怪奇な愛憎劇を描く。

戦略自衛隊(J.S.S.D.F.)

『エヴァ』世界における日本の軍隊だが、本来の自衛隊は国連軍に吸収されたという設定になっており、こちらは2003年よりも後に新設された別組織。
現実の自衛隊と違う点は、大量の生物兵器や化学兵器そしてN2兵器を所持しており、国家を防衛するための最低限の戦力の保持どころか、国連軍をも上回る世界最強の軍隊という設定になっていることである。
略称は戦自。

使徒

『エヴァ』世界における敵怪獣や、敵ロボットの役割を担う存在。
使徒は突然現れ、地下ジオフロントに設置されるリリスを目指してくるためにネルフに迎撃される。

ただし、本作においては物語の時間軸は全ての使徒が撃破された後となっているため『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』において、回想的に演出されるTV版流用の映像中に、極一部が顔見せ程度に出てくるのみである。

その姿形は『ウルトラマン』シリーズの怪獣がモチーフになっているとされている。
(本作では上述の通り「怪獣的なものとしての使徒」は出番がないが、わずかに描写(TV版流用映像)されたもので説明すると、第3使徒サキエルは人型だが、首から上が存在しないなど「ジャミラ」がモチーフで、宝石のような第5使徒ラミエルは「プリズ魔」がモチーフとされている)

また、使徒という用語はTV版においては「怪獣のようなもので人類の敵」という表面的な扱いだったが、本作においては「アダムおよびリリスの子孫=人間も使徒であった」という物語の根底にある真実を語るためのキーワードへと変貌している。

アダム

原初の地球に飛来した神と同等の生命体であり、第1使徒ともされる。
その後に飛来したリリスとその子リリン以外の、すべての使徒の祖になったとされる。

『エヴァ』の世界では、一つの惑星に二つの神は存在できないのに、アダムとリリスという二つの神が飛来し、それぞれの子孫が発生してしまったがために、どちらかが融合すると全生命体が原初の形、羊水のような生命のスープ(L.C.L.)に還元してしまうという設定である。

エヴァ弐号機以降のコピーベースになった。
物語の初期では、こちらがジオフロント地下に設置されていると思われていた。

リリス

原初の地球に、アダムの次に飛来した神と同等の生命体であり、第2使徒ともされる。
使徒以外の(つまり現実にも存在する)すべての地球生命体の祖とされているため、人類の祖でもある。

エヴァ初号機のコピーベースとなった(零号機以前は不明)。

リリン

リリスの子であり、人類のことを指している。
そのため『エヴァ』世界においては、じつは人類もまたリリス系列の使徒であり、アダム系列の使徒と解り合えないゆえに争いが起きるという設定になっている。

場所

神奈川県第3新東京市

本作の舞台となる都市。
世界的な水位の上昇によって、かつての東京都は水没してしまったとされており、その代替として神奈川県箱根が新東京市とされた。

しかしそれは建前であり、本当の姿はネルフ本部を狙って来襲する使徒を迎撃するための要塞都市。ジオフロントからのエヴァ発進・回収口をいたるところに備えており、ビルに偽装された大型火器や、各種装備およびアンビリカルケーブルを内蔵した建造物によってエヴァの戦闘をサポートする。

巨大ロボットものの立ち位置としては、ネルフ本部が「秘密基地」とすれば、こちらはそれが持つ「迎撃能力」を、ひとつの都市の大きさにまで拡大し、再現したものである。
たとえば、エヴァが地下ジオフロントから発進してくるのは『マジンガーZ』で、主役ロボットのマジンガーZが巨大なプールの水をモーゼのごとく割って光子力研究所の地下から発進してくるシーンのオマージュである。

長野県第2新東京市

神奈川県と共に、新東京市とされる都市。
神奈川県第3新東京市に遷都が行われるまでの暫定的な首都とされている。

シリーズ全体であまりクローズアップされておらず、本作においても、その市長室がほんのわずかに描写されるのと、第2新東京市にMAGIの2号機があるらしきことに言及があるのみ。

ジオフロント

第3新東京市の地下に広がる大空洞。その中央にはネルフ本部があるという設定であり、地上までは22層もの装甲に厚く守られている。
その正体は、リリスの卵あるいは本体である「黒き月」そのものであり、いわば超巨大生命体の内部を人間の手で改造した秘密基地といえる。

ネルフ本部よりも潜った位置に巨大連絡路が設置され、これをセントラルドグマという。
また、そこからさらに地下へ進むと、ロンギヌスの槍によって活動を停止したリリスが配置(幽閉)される最深部ターミナルドグマが現れる。

(なお『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では、二つのドグマの名称が逆になっているので注意)

その他

人類補完計画

本作の物語を知っていく上で中核となる設定。
だが、非常に複雑怪奇な設定であり、劇中の描写だけではまったく全貌が理解できず、そのうえ公式が完全な設定をすることを意図的に避けている(庵野秀明がよく用いる制作手法)ため、本気で付き合おうとすると学術レベルの探求・研究時間が必要になってしまう恐れがある。

従って、真の意味での「正解」は存在せず、これを考察した人間次第で解釈が分かれている。並行して、公式非公式問わず『エヴァ』系の解説文で人類補完計画について扱ったものは、どれを見ても完全に同一なものがなく、執筆者によって結論が異なってしまうという頭の痛い問題が存在する。

そのため、ここではあくまで「『新世紀エヴァンゲリオン劇場版(旧劇場版)』でなにが起きたのか、ある程度は理解すること」のみを目的にして、情報を絞る。

基本的には「出来損ないの群体たる人類を、人工的に一個の完全な生命体に変えること」となっているが、関わる者によって少しずつ解釈と目的が異なる。

計画に関わる主な個人・組織の目的
・ゲンドウ個人:その性質を利用して、碇ユイに再会すること。
・ゼーレ:基本の通り。
・ネルフ:実態をあまりよく知らない。
・カヲル個人:自分でも起こせるが、それは違うと考えた(ように見える)。

発動後
・全人類がL.C.L.に還り、ひとつの意識を共有する液体の原初生命体になってしまう。

発動の条件
・使徒(アダム系列)とネルフ地下ジオフロントに設置される神の一柱リリスが接触する。
・リリスのコピーであるエヴァ初号機と、アダムのコピーであるエヴァ量産機が儀式を行う。
・リリスの化身である綾波レイと、アダムの肉体を右手に宿したゲンドウが融合する。

最終的な結末
・エヴァ初号機とエヴァ量産機の儀式の最中に、シンジの元へ飛んだ巨大な綾波レイ(魂が戻ったオリジナル・リリス)が、神としての力をすべてシンジにゆだねた結果、一度はシンジの絶望で全人類がL.C.L.化したが、その後の再考によって取り消しとなった。

セカンドインパクト

かつて南極体力で発生し、世界中に大洪水をはじめ大災害をもたらした事件の名称。

南極の調査によって発掘された神の一柱であり、第1使徒であるアダムに対してロンギヌスの槍を突き刺した結果、エネルギーの暴発が起こって世界に影響を与えてしまった。
情報操作によって隕石衝突によるものと偽装されており、このため月の生成起源説の一つであるジャイアントインパクトになぞらえて、セカンドインパクトと名付けられている。

サードインパクト

使徒もしくはアダムが、ネルフの地下に広がるジオフロントに設置されている神の一柱、リリスと接触することで起こるとされる現象。
また、これが人類補完計画発動のためのトリガーとなっており、ゲンドウやゼーレは使徒の意志ではなく、人間の意志によって発生させることで人間を単一の生命体へ還元しようとした。

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