エヴァンゲリオンシリーズの使徒まとめ

使徒とは、庵野秀明監督率いるGAINAX制作のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』及び同作の再構築版『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に登場する敵である。大きな災厄セカンドインパクトから15年。14歳の少年少女が人造人間エヴァンゲリオンに乗り、謎に包まれた敵、使徒と戦う物語が主軸となっている。使徒は戦い方やデザインが従来のロボット物の敵と一線を画しており、『エヴァ』の人気を支えた一要素でもある。

『新世紀エヴァンゲリオン』及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の概要

『新世紀エヴァンゲリオン』とは、庵野秀明率いるGAINAXによるアニメ作品、及びそれを原作とする漫画、ゲーム作品である。通称『エヴァ』。1994年10月から翌3月までテレビ東京系で放送されたが、本格的に人気が出て社会現象にまでなったのは放送終了後のことである。話数カウントは「第壱話」と言った風に、旧漢数字を使用する。全弐捨六話。
聖書や心理学などをモチーフにしたシンボリックで実験的な作風が特徴。物語としては、14歳の少年少女が汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(以下エヴァ)に乗り込み、使徒と呼ばれる謎の存在と戦うのがメインとなる。
従来のロボット物との違いとしては、エヴァがロボットではなく人造人間であること、使徒が正体も目的も分からないまま倒されていったことなどがある。未回収の伏線も多く、実質テレビ版での物語は第弐拾四話で終わっており、残りの2話は主要キャラクターの内面的な葛藤での終結になっている。1997年7月、『Air/まごころを、君に』が映画公開。使徒の正体を始め、人類補完計画の内容など伏線回収の為のストーリーが展開された。

その後10年以上が経過しても尚『エヴァ』人気は衰えず、2007年に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』が公開される。これはリメイクではなく、「再構築」との触れ込みである。『序』『破』『Q』までが公開されており、完結編の『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:Ⅱ』を含めて全四部作となる。
エヴァやそのパイロットだけでなく、使徒も一部がリニューアル、もしくは全く新しい個体が登場する。またストーリーや設定にも改変が加えられており、オールドファンでも新規のファンでも楽しめる作りになっている。

『新世紀エヴァンゲリオン』=旧作
『Air/まごころを、きみに』=旧作劇場版
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』=新劇場版
と記す。

あらすじ

未曽有の災厄、セカンド・インパクトから15年が経過。人類は、セカンド・インパクト後の大戦を経て使徒と呼ばれる謎の存在との戦いを強いられる。14歳の少年・碇シンジ(声・緒方恵美)は、長いこと疎遠だった父・ゲンドウの呼び出しを受け葛城ミサト(声:三石琴乃)なる人物と待ち合わせをしていた。そこに、突如戦略自衛隊の戦闘機と共に巨大な生命体が現れる。シンジは車でやってきたミサトに連れられ、父が司令を務める組織・特務機関ネルフへと赴くこととなった。
呼ばれた理由は、人造人間エヴァンゲリオン初号機に乗り込み、使徒と戦うこと。先の生命体こそが使徒であり、人類の敵だと言うのだ。何の説明も訓練も受けていなかったシンジだが、重傷を負った綾波レイ(声・林原めぐみ)が出撃せざるを得ない状況を見過ごせずに乗り込む。
暴走しながらも初号機の初陣は勝利に終わった。以降、シンジは初号機の専属パイロットとしてエヴァに乗り、使徒との望まぬ戦いを続ける。それでも学友やネルフの職員、エヴァのパイロット仲間・二号機パイロットの惣流(新劇場版では式波)アスカ・ラングレー(声:宮村優子)との交流と使徒戦の中で少しずつ自信をつけていく。シンジの希望と絶望を中心に各人各様の葛藤や陰謀が渦巻く中、ネルフの上位組織、ゼーレは人類補完計画を進めていた。

上記が、旧作、新劇場版に共通する物語である。新劇場版では使徒との戦いは一応『破』で終了。続く『Q』において、ネルフと元ネルフ職員が立ち上げた組織ヴィレによるエヴァでの戦いが繰り広げられる。しかし、ネルフ側のエヴァに使徒が組み込まれており、それが暴走したり、カシウスの槍なる新アイテムが現れたりなど旧作以上に盛り上がる要素が増えている。

世界観・用語

セカンド・インパクト

出典: evangelion.wikia.com

旧作のセカンド・インパクトで見られた羽はアダムのもの。

2000年に南極大陸で起き、同大陸を消滅させた大災害。生き残ったのは調査隊長だった葛城の娘にして後にネルフの職員となる葛城ミサトのみである。「セカンド」とついているのは、月の誕生の元となった天体の衝突ジャイアント・インパクト並みの規模を持った地球の危機、つまり「2度目のジャイアント・インパクト」という意味である。
この認識により、セカンド・インパクトの原因は隕石の衝突とされていたが、実際にはゼーレが第1使徒アダムを卵に還元する作業中、故意に引き起こされたもの。
使徒を生み出させない為の処理や、アダムを卵に戻す為にロンギヌスの槍を刺したことで凄まじいエネルギーが発生。南極大陸一帯は大爆発を起こし、バクテリアさえ住めない死の領域となってしまった。
第1使徒アダムと、他の使徒が接触することでサード・インパクトが起こるとされる。

新劇場版『破』ではラスト部分で初号機の覚醒によりニア・サード・インパクトが発生し、人類は滅亡しかけた。続く『Q』ではフォース・インパクトを未然に防いでいる。

ロンギヌスの槍

出典: gigazine.net

第2使徒リリスの胸に突き立てられている巨大な槍。ただの槍ではなく、投げる時に変形する。A.T.フィールドをも貫き、使徒やエヴァを仕留める力を持つ。
旧作ではアラエル戦で殲滅の為武器として使われ月まで飛んでいくが、第25話でシンジのデストルドー(死への衝動)により召喚された。
新劇場版ではカシウスの槍も登場。エヴァや使徒の活動を強制的に停止(完全停止ではなく封印)させる力があるらしい。

ちなみにカシウス、ロンギヌスとは同一人物の名である。伝承でイエス・キリストの遺体を死亡確認の為に突いた兵士がカシウスであり、ロンギヌスはキリスト教徒となり聖別された後の名前になる。白内障を患っていたカシウス(ロンギヌス)の目にキリストの血が入り、視力が回復したとの逸話がある。

特務機関NERV(ネルフ)

人類補完計画を遂行する組織、ゼーレを上層に持つ。司令は碇ゲンドウ。
ネルフは世界中に支部を持ち、本部は第三新東京市にある。エヴァを保有し、使徒戦で多くの戦果を挙げている。ネルフはその機械系統を全てを、前身組織の頃に作られたスーパーコンピュータ・MAGI(マギ)に頼っている。これはMAGIの考案者、赤木ナオコ博士の持っていた女、母、科学者としての三つの思考パターンが元になったもので、メルキオール、バルタザール、カスパーの三機が会議のように計算をし、決定を出す。
新劇場版でのネルフは最下層のセントラルドグマに第2の使徒リリスが安置されており、使徒がこれを狙い接触することでサード・インパクトが起きるとして、リリスを守る意味もあって使徒を迎撃していた。使徒がネルフ本部に入ったら基地ごと自爆するよう措置が取られている。

汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン

出典: flavorwire.com

左から初号機、零号機・改、弐号機。

通称エヴァ。唯一使徒に対抗しうる汎用人型決戦兵器である。その理由として、使徒の持つバリアのようなA.T.フィールドを中和、侵食する能力を持つことが挙げられる。単独では動かず、エントリープラグと呼ばれる筒状のコックピットにパイロットが乗り込み、エヴァの延髄から挿入し、脳波をエヴァと接続することで起動する。この時の接続の度合いをシンクロ率と呼び、シンクロ率が高い程巧みにエヴァを操れる。しかしエヴァの負ったダメージ等が痛みとなってフィードバックする為、場合によってはパイロットに部位欠損時の痛みが伝わり、戦闘不能に陥る。
エントリープラグ内はL.C.Lと呼ばれる特殊な液体で満たされる。これは飲み込むことで直接血液に酸素を送る、エヴァとパイロットの神経を接続する、戦闘時にある程度の弛緩剤になるなどの効果を持つ。L.C.Lの正体は第2使徒リリスの体液であり、人類が生まれる前の本来あるべき姿でもあった。
パイロット不在時でも起動するように開発されたダミープラグも存在するが、ネルフ側の信号を受け付けないなどの問題点が多く、実戦での使用が躊躇われる代物だった。第13使徒(新劇場版では第9の使徒)殲滅で大きな成果を見せたものの、その使徒が有人のまま乗っ取られたエヴァであった為、初号機パイロットの反乱を招く結果となる。続く第14使徒戦では初号機がダミープラグを受け付けず、起動しなかった。
通常は装甲板のような拘束具で隠れているが、各機体には人の魂を宿らせたコアが存在する。初号機はリリスをベースに、その他のエヴァはアダムをベースに作られている。
人造人間であり、ロボットではないが電力で起動する。通常はケーブルで繋いで電力を供給しているが、ケーブルを外しても内蔵電力で5分間は活動できる。初号機は使徒を食らい、永久に活動が可能なS2機関を取り込んだ為活動限界とは無縁となった(旧作)。
パイロットの制御下を外れ、暴走状態に陥ることがある。暴走状態ではパイロットの統制から離れ、目の前の敵を攻撃する。また暴走の上を行く覚醒という段階がある。これは各機体にあるコアが覚醒をしたものであり、400%を超えるシンクロ率を持ってパイロットを機体に取り込むなど人知を超えた現象を起こす。

旧作では零号機、改零号機、初号機、弐号機、参号機、量産機のエヴァシリーズが登場。エヴァシリーズはS2機関とダミーシステムを動力源にしており、パイロットはいない。

新劇場版では機体及びパイロットは概ね旧作と同じだが、旧作に登場しない機体もある。
零号機、初号機、2号機、改2号機、3号機、Mark.04、仮説5号機、Mark.06、Mark.08、Mark.09、第13号機が新劇場版に登場する機体であり、無人機(Mark.04)も存在する。
エヴァの呪縛という設定があり、パイロットは歳をとらない。
使徒に対抗するために作られたとされるが、実際には使徒を倒すだけでなく人類補完計画の要でもあった。

使徒(しと) / Angel

新劇場版の使徒

人類の敵と目される存在。分析パターンが青になる、結界状のA.T.フィールドを張る、攻撃などの爆発光が十字架の形になるといった共通点を持つ。それ以外は形状、能力がバラバラであり、そもそも何者なのか具体的な正体すら不明。コアと呼ばれる球体を持つが、それらしいものが確認できない使徒もいる。
使徒は常に単体で現れ使徒同士が結束し、同時に襲撃を仕掛けることはない。作中でも使徒同士の組織的な繋がりは否定されている。
第15使徒以前は皆一様に、何らかの方法で第3新東京市の地下、ネルフ本部のターミナルドグマのアダムを目指していると思われた。しかし、第15使徒アラエル、第16使徒アルミサエルはエヴァやパイロット(人類)と接触し、侵食という形での同化や精神を探る動きを見せた。
尋常ならざる生命力を持ち、ミサイルなどの通常兵器では歯が立たず、強大な力を持った地雷を踏ませても多少の足止めにしかならない。動力源はスーパーソノレイド機関(以下S2機関)と呼ばれる永久機関で、コアに存在する。弱点はコアであり、ここを破壊すれば沈黙、生物学的にいう死に至る。個体によっては爆発し、死体が残らないこともある。
新劇場版では、殲滅された使徒の体は形象崩壊して死体が残らず、殲滅時に虹がかかる描写が加えられた。

キリスト教での「使徒」とはキリストの12人の弟子だが、作中の使徒は「Angel」の英語表記が成され一部を除き各個体に天使の名がついている(旧作のみ)。
正体に関しては旧劇場版で判明したが、新劇場版での正体は現状不明。

使徒の正体

第1始祖民族が「月」を作り、それを星に向かって種として撒いたのが始まりである。地球には白き月、黒き月の二つが撒かれた。白き月から生まれたのが第1使徒とされるアダムであり、使徒を生み出すことになる。本来使徒は地球を支配する生命体だったが、アダムたちが活動を始めた頃に黒き月が落ちてきた。これによりアダムや使徒たちは眠りにつく。
黒き月より誕生したリリスは様々な生命体を生み出し、人類が進化、繁栄するに至った。旧作劇場版のミサトは人類もまた使徒であり、今までの使徒は皆「別の形の人類」であり、「別の可能性」だと言った。

裏死海文書(うらしかいもんじょ)

ゼーレが発見した物であり、旧作における世界観を作り上げることとなった根幹の書。『裏死海文書』には知恵を得た人類がやがて科学力を高め、生命の実に象徴される命の神秘に触れようとした際に怪物が現れるとされていた。使徒は生命の実を持つ別の人類であるが、初期の設定では生命の樹を人類から守る怪物、或いは天使ケルビムであった。
元は史実の1947年に死海付近で発見された『死海文書』と呼ばれる最古の聖書。実在する『死海文書』は一部が欠ける、もしくは解読不能であり、その欠けた部分が『裏死海文書』として『エヴァ』に使われている。

A.T.フィールド

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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