劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-（SAO OS）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

シリカ／綾野珪子（あやの けいこ）

CV：日高里菜

SAOでは二刀流使いと同じく稀な存在として有名だった、モンスターを使い魔として従えることができる能力を持ったプレイヤー「ビーストテイマー」と呼ばれる少女。本作ではSAOの経験を活かして短剣を主武器に選び、その短剣と小柄な体躯ならではの身軽さを活かしたスピード戦法を得意とする。
その小竜型モンスター「ピナ」を使い魔としており、かつて、自らを戦いの中で庇って死んだピナを蘇らせようと奔走していた中でキリトと出会う。そして、キリトの協力を得てピナを蘇らせることができた為、キリトに思慕を通り越して恋心と言っても過言ではない感情を抱くようになる。

SAO事件後は、キリトやリズベットと共にSAO生還者の学校に通い始めており、現実でも彼らともよく一緒にいて交流を深めている。そして本作ではアスナやリズベットと共にOSをプレイしていたが、OSの中でボスエネミーの攻撃を受けてピンチに追いやられてしまう。そして、アスナが自分を庇ってオーグマーのシステムによってSAOの記憶を奪われたのを目の当たりにして愕然となる。
その後、オーグマーのシステムを恐れたキリトからOSに近づくなとリズベットたち共々警告されるが、アスナの記憶を取り戻すために勇気を振り絞ってOSを巡る戦いに舞い戻った。

リズベット／篠崎里香（しのざき りか）

CV：高垣彩陽

SAOにおいて、かつてプレイヤーと鍛冶屋という二足の草鞋を履いて活躍した少女で、アスナの親友であり愛称は「リズ」。鍛冶屋としての腕前は折り紙付きであり、熟練した戦槌系武器使いであることから「マスターメイサー」と呼ばれている。そして本作ではSAOの経験を活かして戦槌を主武器として扱い、さらに盾も装備して、戦槌による肉弾戦はもちろん、盾で仲間を守る前衛として活躍する。
かつて、自分が丹精込めて鍛えた武器を戦いの中で砕いてしまったキリトに怒り、見返すために彼を強引に連れて新たな武器を作るための素材狩りに出かけた。そして、素材狩りの最中でキリトの優しさに触れて好意を抱くが、自らの工房を訪れたアスナのキリトに対する態度から二人の関係を察し、涙ながらに身を引いた。

SAO事件解決後はキリトやアスナ、シリカと共にSAO帰還者を集めた学校に通っており、現実でも彼らと交流を深めている。本作ではアスナやシリカらSAOの仲間たちと共にOSをプレイしていたが、OSの中でアスナがシリカをボスエネミーの攻撃から庇い、オーグマーによってSAOの記憶を奪われたのを目の当たりにして愕然となる。その後、そのオーグマーのシステムを恐れたキリトからOSに近づくなと警告され、シリカたちと共に戦いから身を引いていたが、最後はアスナの記憶を取り戻す決意を固めて戦いに舞い戻る。

ユイ

CV：伊藤かな恵

キリトとアスナが「SAO」のとある森の中で出会った幼い少女で、ふたりを「パパ」「ママ」と呼び慕っている。
その正体はSAOのメインシステム「カーディナル」が生み出した、プレイヤーのメンタルヘルスカウンセリングを目的とした人工知能である。キリトがSAOをクリアしたことで、本来は自分もSAOと共にその存在を消去されるはずだったが、その前にキリトが自らのナーヴギアの中にその存在を移動させたことで消去を免れ、後にALOで、ALOの世界を案内するためのNPC「案内役妖精（ナビゲーション・ピクシー）」として復活した。

その後、キリトたちと共に過ごしていくうちに自らの人工知能の能力を進化させていき、さらに本作ではオーグマーのシステムを利用して自らを構築する基本データをARに送り込み、ARによる空間の中だけでだが現実世界を出歩けるようになった。そして本作の最終決戦では、その進化した人工知能の能力を活かし、SAOサーバーにアクセスしてキリトたちの全盛期のセーブデータ復旧し、彼らの使用するアバターにそれを上乗せすることで能力を強化。さらにALOとGGOから他のVRMMOのプレイヤーたちを援軍に呼ぶなど、勝利の立役者となった。

リーファ／桐ヶ谷直葉（きりがや すぐは）

CV：竹達彩奈

キリトの義理の妹で、原作第2部「フェアリィ・ダンス」編のヒロイン。
幼い頃から8年間竹刀を振り続けて剣道に打ち込んできた努力家で、中学時代には全国でベスト8に入り、そして高校生となった現在ではインターハイのレギュラー選手に抜擢されている。キリトとは義理とはいえ小さい頃は仲の良い兄妹だったが、彼がSAOに閉じ込められた際、兄がSAOの最先端で戦っていることを希望に献身的に世話をしていた。また、キリトのことを知るためにネットゲームの世界に足を踏み入れ、クラスメイトの長田伸一の紹介で剣と魔法のVRMMO『アルヴヘイム・オンライン（ALO）』を始め、徐々にのめり込んでいった。そしてALO及び本作では剣道の経験を活かして剣を主な武器として扱い、キリトとは違って1本しか剣は使わないが、それでもキリトに匹敵するほど卓越した剣さばきを見せる。

そしてSAO事件後はALOでキリトと再会し、当初は素性を知らぬまま良き戦友として関係を築いていた。さらにその頃、リアル世界でも兄として異性としてキリトに思いを寄せていたが、キリトがアスナに抱く想いの強さに気づいて、葛藤しながらも身を引いた。
ALOにおける最終目的地である世界樹を攻略している最中、キリトがアスナの名を口にした瞬間に互いの素性に気づいてしまう。そして、キリトが自分の実の兄であることの混乱と、彼への想いを押し殺そうとしたことでの自己嫌悪からリアル世界に逃げてしまい、キリトを拒絶する。しかし、それでも兄として向き合うべく、リアル世界の自室を訪ねてきたキリトに本心を打ち明け、その後ALOでデュエルを通して和解した。

本作では剣道の合宿で島根県まで飛んでおり、OSには参加していなく、ただ東京で起きているOSでの異変をシリカたちから聞かされ、その異変解決に奔走する兄の身を案じるだけしかできなかった。しかし本作のラストにおいて、ユイからキリトの危機を知らされた際は、ユイのサポートでALOを通してOSへログインし、最終決戦に駆けつけた。

シノン／朝田詩乃（あさだ しの）

CV：沢城みゆき

原作第3部「ファントム・バレット」のヒロインで、銃と鋼鉄のMMO『ガンゲイル・オンライン（GGO）』で、名うてのスナイパーとして活躍している少女。
本作ではGGOの経験を活かしてスナイパーライフルを主武器として扱い、非常に精度の高い射撃による中〜遠距離戦を得意とする。
冷静沈着な性格で大人びた物言いをすることが多く、一見すると冷たい女というイメージを抱かれるが、根は優しく仲間思いで、必要以上の争いを好まない。
かつて幼い頃に強盗に出くわし、自分も殺されそうになった時、その犯人が持っていた銃で犯人を銃殺してしまう。それ以来、銃にトラウマを抱き、それがきっかけで学校でも不良生徒からいじめられるようになるが、「GGO」をプレイすることでそのトラウマの克服を試みようとしていた。

その後、キリトたちと出会って銃のトラウマを乗り越えて平穏な暮らしを取り戻し、キリトはもちろんアスナやリズベットらその仲間たちと共に親しくなり、特にアスナからは「シノのん」の愛称で呼ばれており、自宅に招かれるほど仲がいい。本作ではアスナに起きた異変を知り、オーグマーによってアスナの記憶を取り戻すべく自らOSに参戦し、キリトに協力を申し出た。

茅場晶彦（かやば あきひこ）

CV：山寺宏一

本作も含めた『ソードアート・オンライン』のキーパーソンで、「SAO」を生み出した量子物理学者にして天才ゲームデザイナー。『ソードアート・オンライン』に登場するVR技術のほぼ全てが彼の理論によって組み上げられている。
幼少期から異世界に憧れており、年を重ねるにつれてその憧れは次第に狂気じみたものとなっていき、学生時代になった頃からはその異世界の実現という目的のためなら手段を選ばない危うさを垣間見せるようになった。

そしてSAO事件では自らもナーヴギアを装着し、ゲームマスターとしてゲームを監視しながらも「ヒースクリフ」という名の一般プレイヤーを装って活動していた。しかし、後にキリトにその正体を看破され、その報酬として本来に予定を前倒しにし、SAOクリアを賭けたキリトとの激闘の末に相討ち同然に倒される。
その際、ナーヴギアによって肉体的には死亡したが、ナーヴギアの出力を活かして自らの脳にスキャニングを行うことで自分の精神をデータ化させ、ネットの海を漂う生も死も超越した存在となった。その後、ALOでの戦いにおいてキリトの前に現れて彼の窮地を救い、同時にVRMMORPG作成・制御用のフリーソフト「ザ・シード」を渡して、ネットの海へと消えていった。

ユナ／重村悠那（しげむら ゆうな）

CV：神田沙也加

本作のオリジナルキャラクターで、OS内でかなりの人気と知名度を誇るバーチャルアイドル。その表情や歌声があまりにも自然で生々しすぎるため、AIではなく生身の人間が演じているという噂がある。OSのプレイ中、彼女がステージと共に登場して歌を歌う場面に遭遇すると、そのプレイヤーには強力なステータスアップという有利な効果が与えられる。
しかしその正体は、重村徹大がオーグマーを通してSAO生還者を対象とした記憶収集を行うために開発したAIで、通称「YUNA」。そのモデルとして彼の実の娘で、SAOに巻き込まれて死亡した少女・重村悠那が選ばれている。また、イベントNPCやユイも含めたケアサポートAIに使用されている、下記の再現体よりも1レベル下の言語化エンジンを使用されており、「大勢の前で歌いたい」というプログラムしか設定されていない。そのため、自分が一体何をさせられているのか理解していない。

そして一方で、重村がこのSAO生還者からの記憶を元に製作を進めている白いフードを被ったユナ、つまり悠那の再現体である人工知能が存在する。ちなみにこの再現体はかつてSAOの開発元で会ったアーガスによって用意されたSAOの正規のラストボス「アン・インカーネイション・オブ・ザ・ラディウス」の言語化エンジンを流用して生み出されている。
この再現体の完成のためにはSAO生還者たちが持つ悠那の記憶が必要となり、オーグマーを通してその記憶収集を行う際の最終フェイズが実行された場合、巻き込まれた者たちは最悪の場合、脳を焼き切られて死亡する。重村によって製作を進められていく中で悠那としての自我を得た再現体は、こうしたSAO事件の再来とも呼べる凶行を望んでおらず、自身の完成を防ぐためにキリトに接触を図る。また、明治神宮でキリトの前に現れた白装束の少女は、作中では明言されていないが悠那の幽霊である可能性がある。

エイジ／後沢鋭二（のちざわ えいじ）

CV：井上芳雄

本作のオリジナルキャラクターで、OSのランキングの2位に堂々と名を連ねる青年剣士。実はSAO生還者のひとりで、生前のユナこと重村悠那とは幼馴染の関係にあたり、彼女に恋心を寄せていた。その恋心を告白するきっかけ作りのためにユナと共にSAOにログインした結果、デスゲームに巻き込まれてしまう。
それからはユナを現実世界へ帰すために必死に力を尽くしたが、アバターに理性よりも生存本能が優先して伝達され、強敵を前にすると足が竦むという「フルダイブ不適合症状」が足枷となり、そのせいで攻略に貢献することができなかった。そんな中、危機に陥った他のプレイヤーを救うために迷宮区に向かった先で、そのプレイヤーを助けるために自ら囮になったユナを目の前で死なせてしまうという悲劇に見舞われ、絶望の底に落ちる。

SAO事件後、重村と出会って「SAO生還者たちの記憶の断片を元に、悠那をAIとして新生させる」という計画を持ちかけられ、加担することを決意。そしてOSのプレイヤーを装い、同じくOSにログインしたアスナやクラインらSAO生還者を探してこれを闇討ちにすることで、彼女らが装着しているオーグマーのシステムを使ってSAO の記憶をYUNAに転送する役割を担っていた。
そして、彼がOSランク2位というズバ抜けた成績を維持できていたのは、重村から提供された人工筋肉を仕込んだパワードスーツを衣服の下に装着しており、従来のプレイヤーよりも高い戦闘能力を発揮できるようになっていたからだった。さらにその上で、人体の行動予測プログラムを仕込んだ特注のオーグマーを重村から提供されたことで、OSに登場するエネミーも含めた相手の行動の先読みができることも大きな要因となっている。