龍が如く 見参!(Yakuza: Kenzan!)のネタバレ解説まとめ

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アクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」シリーズのスピンオフ作品。
今作は、主人公の桐生一馬を宮本武蔵としてキャラ設定を変え、宮本武蔵が生きた日本の歴史を舞台にしたアクションアドベンチャーとなっている。
キャッチコピーは「桐生一馬之介。またの名を、宮本武蔵。」。

概要

2007年9月14日「セガコンシューマ新作発表会2007 Autumn」にて発表され、現代を舞台とした前2作「龍が如く」「龍が如く2」までの時代背景やストーリーを一新。後のファミ通のインタビューにて正当な続編ではなく、日本の歴史をモチーフとし、宮本武蔵が生きた江戸時代後期の日本を舞台にした、いわゆるスピンオフ作品であると宣言された。

主人公の宮本武蔵の宿敵・佐々木小次郎役の松田翔太をはじめとして、寺島進、加藤雅也、塚本高史、竹中直人、松方弘樹と豪華俳優陣が出演。さらに今作ではゲストの顔をフェイスキャプチャーでモデリングしたキャラクターを登場させる「顔出し出演」の形を取っており、本シリーズでも「龍が如く4」から正式に採用。その他のゲストとしては、ミニゲーム内のゲストとしてタレントのインリン・オブ・ジョイトイが出演している。

ストーリー

時は1605年、京・祗園の街。遊女として売られてきた少女たちが町の入り口に集められ、泣き叫んでいることで騒然となっている中、その町の入り口である大門の横にひっそりとある「龍屋」という店の軒先で、桐生一馬之介は鬱陶しそうにしていた。
そこへ大門の番人をしていた一人の男が「大門で旦那の客が暴れている」と駆け込んでくる。気だるそうに桐生が外を見ると、取り押さえようとする男たちに必死に抵抗しながら、桐生の名前を叫んでいる少女の姿があった。
自分の名前を叫ぶ、見知らぬ少女を見て、面倒事に首を突っ込みたくない桐生は素知らぬ振りをしてその場を立ち去ろうとする。しかしその時、その少女・遥は「お金さえ払えば、なんでもしてもらえるんですか?」と、聞いてきた。その言葉を聞いて、桐生は何か少女に理由があると察し、とりあえず店へと連れて話を聞くことにした。
遥はかつて両親を殺され、宛てもなく彷徨っていたところを、ある人物に「桐生を頼れ」と教えられて祗園にやってきたという。そんな自分の経緯を話した遥は、強い眼差しと真剣な表情、そして震える声で桐生にこう頼んできた。「お願いします……宮本武蔵……お願いです、宮本武蔵を殺してください」と。

時は遡ること5年前。剣術師範として門下生を指導する桐生こと宮本武蔵の元に徳川家の剣士にして剣術師範を名乗る一人の男・丸目長恵が現れ、関ヶ原の戦いで行われるある作戦に、腕の立つ侍として武蔵が必要だと勧誘する。武蔵はこうして関ヶ原の戦いに招かれ、そこで同じく集められた侍たちは酒を酌み交わすが、武蔵だけは酒を飲まない。そんな彼の態度を面白くないと感じた、真島五六八という侍が竹刀で勝負しろと絡んでくるが、逆に返り討ちにあい、さらに丸目にこれを見咎められる。
その後、作戦の発案者であり江戸幕府の重臣である南光坊天海がやってきて、武蔵と真島に「重要な任務」を任せる。それは、ある城へ忍び込み、指定の部屋で寝ている男を暗殺せよ、というものだった。
二人は何の疑いもなく城へ忍び込み、その指定の部屋で寝ている対象の男の寝首をかくが、「弟を天海の罠から救い出せなかった」という男の最後の言葉を聞いた。疑問に思った次の瞬間、現れた城の家臣により、暗殺した男が徳川家康の嫡男「結城秀康」であることを知る。命からがら逃げ出すが、そこへ丸目が立ち塞がり、秀康殺害の罪を武蔵たちになすりつけるため、配下と共に殺害しようとしてくる。何とか配下を倒す武蔵だったが、その後現れた佐々木小次郎に手も足も出ず敗走してしまう。
深手を負った真島を背負い、吊り橋まで逃げおおせた武蔵だが、さらに追っ手が迫る。このままでは逃げ切れないと観念した真島は「妹にこの刀を形見として渡してくれ」と言い残し、武蔵を逃がすために吊り橋を落とし、追っ手を道連れにして谷底へ落ちてしまう。断腸の思いとなりながら、武蔵はその言葉に従い、真島の妹「浮世」の面倒を見るため、彼女の住む村へ向かう。
そして、武蔵は浮世と夫婦になり、浮世は武蔵の刀にお守りといって鈴をつけてくれる。しかし、武蔵と真島にかけられた賞金目当ての山賊に目をつけられて襲われてしまい、武蔵は山賊たちを倒すが、浮世は山賊から武蔵を守るためにその兇刃に倒れてしまう。その一部始終をみた村の住人から、武蔵が殺したと誤解され村を逃げ出すことを余儀なくされる。
その後、当てもなく放浪する武蔵だったが、ついに自身も深手を負ってしまい、賞金稼ぎたちに追い詰められるが、そこへ現れた謎の僧に助けられる。そして、僧に「新たな人生を歩みたいのなら祗園へと向かえ」と教えをうけ、僧とともに祗園で一番の遊郭「鶴屋」に足を運ぶ。
そこで浮世と瓜二つの女で「吉野」と出会い、どうしても吉野が気になる武蔵は「桐生一馬之助」という偽名を使い、祗園にて「龍屋」という何でも屋稼業を始めるのだった。

そして5年後の現在。桐生の前に現れた少女・遥は、代金と思しき一両を持って「宮本武蔵という男を殺してほしい」と改めて依頼してくる。かつて桐生に金を持っていないことで依頼を断られた遥は、近くを通りかかる際、桐生に冷やかしをかけてきた鶴屋の女将に自分を遊女として買ってくれと頼み込んだ。そして驚いたことに、たったの一両で自分を遊女として鶴屋に身売りしたという。
仇討ちのために一両で自分を身売りした彼女の表情に深い決意を感じたこと、そして「宮本武蔵」名を語る人物がいることを知り、桐生は依頼を引き受けるのであった。

「宮本武蔵」の調査を始めた桐生は、鶴屋の用心棒であり仕事仲間である伊東から情報屋の本阿弥光悦を紹介される。祗園一の情報通である光悦ならば遥の両親を殺した「宮本武蔵」の情報が手に入れられると思って頼むが、光悦に「宍戸梅軒」という盗賊に盗まれた宝を取り戻してほしい。という依頼を交換条件として出される。そこで向かった先の盗賊の隠れ家で出会した隻眼の男・宍戸梅軒の顔を見て、桐生は驚きを隠せなかった。なんと宍戸は、かろうじて生き延びていたが、代わりに記憶を失った真島五六八だったのだ。記憶は取り戻せなかったものの、戦いを経て宍戸は桐生の事を気に入り、宝を返してもらう。
そして、宝を取り戻すという条件を満たしたことで、光悦に提供してもらった情報によると、宝蔵院で行われる武術大会に「宮本武蔵」が現れるという情報を得た。さらに祗園藤次という遊び人の剣士の男から、「宮本武蔵」が吉岡道場に現れるという情報を聞き、吉岡道場の門を叩く。そこで吉岡道場の師範の吉岡清十郎に認められ、晴れて入門することになった桐生は、武術大会に「宮本武蔵」が出場するという情報が確固たるものとなる証拠を手に入れるが、なんとあの佐々木小次郎が鶴屋に現れるという情報も入ってきた。
伊東も実は小次郎と因縁があり、小次郎を討たせてくれという願いを聞き、共に小次郎を待ち受けることにする。しかし、鶴屋には遥を連れ去ろうとする謎の男の姿があり、さらにその混乱に乗じて何者かが鶴屋に火を放つという非常事態が発生。炎と混乱の最中、桐生は謎の男から遥を救出するが、その時遥は、桐生が持っていた鈴と、自分が「宮本武蔵」の手がかりに持っていた刀の鈴が同じものであることに気付き、桐生への疑念が生まれる。

翌日、桐生の元を訪れた遥は、感情的に彼に食ってかかる形で問い詰める。
遥は由緒ある武士の娘だったのだが、ある時、謎の侍に家族を皆殺しにされてしまい、そのうちの一人が持っていた刀を奪って逃げてきた。その刀を元に仇を捜していたところ、浮世の村にたどり着き、その刀についた鈴をみた村人が「宮本武蔵」の刀だと遙に教え、仇が「宮本武蔵」だと思い込んでいた。
桐生を親の仇だと思い込んだ遥は、「嘘つき」と罵倒するが、桐生は何とか彼女を宥め、「宮本武蔵」が現れる武術大会へと向かう。その武術大会の決勝戦で宝蔵院流槍術の現当主・宝蔵院胤舜と対決し、見事勝利を収めるが、「宮本武蔵」は現れなかった。そして、「宮本武蔵」が現れるという噂は、本来の職務である僧侶としての務めを忘れ、強さを追い求めてばかりだった胤舜の性根を叩き直させ、彼に感化されている宝蔵院を建て直すために、先代当主である胤栄が桐生の腕を見込んで流したデマだったという。
手がかりを失い、行き場をなくす桐生。するとそこへ、丸目が再び現れる。驚き戸惑い、気色ばむ桐生を前に、丸目は遥は幕府にとって命を狙われるほど重要な存在であり、鶴屋の火事もその遥を狙っての策謀だと語る。その上で、自分の立場ではこれ以上は話せないと手前勝手を承知で、桐生に遥を守ってくれと頼み、丸目はどこかへ去っていった。
その後、「宮本武蔵」から送られてきたと思しき一通の挑戦状が届き、指定された場所へ向かうと、吉岡清十郎が現れた。問答無用で決闘を挑まれるも、これを倒す桐生。そこで桐生は瀕死の清十郎から、この決闘は藤次によって仕組まれたもので、道場を乗っ取ろうとするために桐生に自分を倒させることが目的だと聞かされる。その後、後を追って現れた藤次の差し金たちに襲われるが、駆けつけてきた伊東によって難を逃れ、桐生は道場にて藤次と対峙。悪びれも無く自らの野心を明かした藤次は、邪魔者となった桐生を始末するべく襲いかかるが、その卑劣な本性とやり口に怒りを露わにした彼によって、激闘の末に返り討ちにされた。
そうして藤次との激闘を制した桐生だが、逆に自らも深手を負ってしまい、辛くも祗園へ戻り着いたところで意識を失い、通りかかった光悦の手下に龍屋へ運び込まれる。そこで桐生の帰りを待っていた遥は、伊東と光悦から彼の本名が「宮本武蔵」であると聞かされ、怒りに駆られるあまり刀を手に取る。だが、そこへふらりと現れた吉野に「殺すの? 別に止めへんで。あんたが後悔せんかったらの話やけどね」という言葉を投げかけられ、刀を振り下ろす手を止めてしまう。そして、やり場が見えなくなった怒りと悲しみを抱えたまま、どこかへ走り去ってしまうのを見届けた後、吉野は桐生を振り返り、追いかけなくていいのか、と尋ねた。そこで目を覚ます桐生。既に意識を取り戻し、わざと目を瞑っていたのだ。「今の俺は、あいつに何も言えないからな」桐生は、そう答えた。

それから、光悦と伊東の元を訪ねた桐生は、二人からこれからどうするのかと聞かれる。手がかりが全てなくなって振り出しに戻り、さらに自分が武蔵であるということを知って、賞金稼ぎのように命を狙いに来る人間もいるはず。祗園にいてもこれ以上は何もできないこの状況で桐生が出した答えは、約束を守るため、そして謎を解き明かすため、遥を守るべく祗園に残ることを選んだ。
そんな中、“狸爺”と名乗る裕福な身なりをした老人が現れ、桐生に祗園の案内を頼んでくる。するとそこへ、宍戸まで現れて、老人と3人で祗園の街、そして鶴屋を案内することになった。
そこで宍戸は、吉野を一目見た途端、自身の中で何か引っ掛かるものを感じ、吉野も宍戸を見て、急によそよそしい振る舞いになる。この二人の様子を見て、疑問に思う桐生。そして、酔いを醒ますために屋根に上がって夜風に当たっていた宍戸は、うっかり足を滑らせて下へ落ちてしまう。すると、それが弾みとなる形で真島五六八としての記憶が戻り、武蔵と浮世のことも思い出した。そこへどこからともなく走ってきて、ぶつかってしまう遥。そんな彼女を見て、真島は何か思いついたかのようにニタリと不気味な笑いを浮かべた。
その頃、桐生と老人は、慌てた様子の鶴屋の番頭から「真島が遥を祗園から連れ去った」という話を聞かされた。さらに真島は、桐生に清水寺に来い、と伝えてきたので、桐生は急ぎ清水寺へ向かう。そこで待ち受けていた手下の山賊たちを蹴散らしながら清水寺へ辿り着いた桐生を待っていたのは、鎖鎌を手にした真島と、柱に縛り付けられた遥だった。吉野に会ったことで記憶が戻ったと語った真島に安堵の溜め息をつきながら、何故遥を連れ去ったのかと問おうとする桐生。だが真島はそんな彼に鎖鎌を振るう。驚きを隠せない彼に真島は、自分が託したはずの浮世(吉野)が鶴屋で働いているのを見て、桐生が浮世を誑かして鶴屋に売り飛ばしたという怒りを叫ぶ。誤解だと訴える桐生だが、「お前にも大切な人間、オモチャにされる気持ちを味わわせたる」と、真島は鎖鎌をついに遥に向けた。だが桐生は身を挺して遥をかばい、「俺はどうしてもこいつを守ると決めたんだ。その為ならば、お前でも相手にする」と、決意と共に刀を引き抜き、ついに真島と二度目の戦いを繰り広げる。
その後、現れた吉野がその場に割って入り、真島に自分は浮世の姉だと言ったことで、ようやく真島の誤解は解けた。しかしそれに安堵するのも束の間、小次郎がどこからともなく現れる。突然再び現れた因縁の剣士に驚きを隠せない桐生たち。彼らをせせら笑いながら、鶴屋の火事の一件は自分が身請けする、つまり大金を払うことで自由の身にさせてやる代わりにやらせたことだと小次郎は語った。鶴屋に遊女として働く身となり、祗園から出られないはずの吉野が、祗園の外にある清水寺まで来れたのは、そのためだったのだ。だが吉野は、桐生に心惹かれた為に自由の身と引き換えに鶴屋に火を放ってしまったことを恥じていて、金なら返すから自分は祗園に残ると宣言する。だが小次郎は相手にすることなく、「この娘を殺せば、俺の任務は全て終わる」と、遥に刀を振り上げた。それを真島が鎖鎌で止めるが、小次郎は蝿でも追い払うかのように真島に脇差を投げつける。桐生と吉野が助けに駆け寄ろうとするのも虚しく、脇差を胸に受けた真島はそのまま清水の舞台から転落してしまうのだった。「5年前を見ているようだな」とさらにせせら笑う小次郎に怒り、挑みかかろうとする桐生だが、そこへ昼間案内した老人が現れ、小次郎をたしなめ追い返す。それでも怒りが収まらない桐生に老人は、すべての真実を話すので、明日、自分が送る使いの籠に遥と共に乗ってくれと言うのだった。

次の日、老人の送った使いの者たちが籠を提げて遥と桐生を迎えに来た。籠に乗って向かった二人を待っていた老人の正体は、なんと征夷大将軍・徳川家康その人だったのだ。
家康は、約束通り桐生と遥に全てを話した。遥の正体は、桐生が殺した結城秀康の実の娘で、家康の跡継ぎは秀康で決まりだと思われていたのだが、天海が秀忠を将軍に据えて自分に便宜を図らせようと画策。5年前のあの関ヶ原の戦いの中の作戦で、桐生と真島を使うことで秀康の暗殺を目論んだのだ。その陰謀を察知した秀康が家臣を養父母にして避難させたが、その甲斐虚しく、遥以外も皆殺しにされてしまった。
そして、その遥の養父母と義理の兄を殺した犯人で、彼女が仇と思い込んでいた「宮本武蔵」の正体は、なんと丸目だった。丸目も天海の一派のひとりであり、天海に命令されて遥の家族を皆殺しにし、そして遥も殺そうとしたが、遥は一瞬の隙を突く形で逃げ出し、生き延びた。その時に丸目から奪った刀には、偶然にも浮世が桐生にお守りとしてつけたものと同じ鈴が付いていて、後に村人から「宮本武蔵」がこれと同じ刀を持っていることを聞いたことにより、遥は「宮本武蔵」が自分の親の仇だと今の今まで誤解していたのだ。
秀康の娘で跡目候補である遥を旗印に掲げられることで、操り人形である秀忠を将軍から引き摺り下ろされるかもしれない。それを恐れた天海は、遥も邪魔者となると判断。丸目を使っての暗殺は失敗したが、それでも諦めずに遥の命も狙い続けているという。
全てを聞いた遥は、最初は戸惑っていた。そして、真犯人である丸目も許すことはできないが、自分がこれ以上仇討ちを桐生に頼めば、桐生にこれ以上殺し合いを、辛い思いをさせてしまうことになる。だからもう、桐生のためにも仇討ちを願うのは止めると決意した。その孫娘の決意を讃えた家康は、今度は自分が遥を守ってやる番だと言い、家康は遥に自分と共に江戸へ来ないかと誘う。しかし遥は、その誘いを断った。驚く家康に遥は、たとえどんなに辛くても、どんなに危険でも、祗園と鶴屋を捨てることはできない。そして、桐生と一緒にいたいという思いを打ち明ける。そんな遥の想いに心打たれた家康は、彼女を桐生に託すことで身を引いて、また祗園へ来ても構わないか、と言うと、遥は笑顔で頷いた。
その後桐生は、天海の陰謀に加担する柳生新陰流の師範の正体を探るため、家康から教えられた“柳生の里”を訪れる。そこで桐生は、なんと過去に自分を賞金稼ぎから助けてくれたあの謎の僧と出会う。彼こそが、新陰流の創始者・柳生石舟斎だったのだ。
石舟斎は桐生に語った。天海に荷担しているその新陰流の師範は自分の息子・柳生宗矩で、それが佐々木小次郎の本名だという。そして丸目は、表向きは天海の一派の人間を装っているが、石舟斎がその陰謀に歯止めをかけるべく送り込んだ間者だった。天海の陰謀から息子を救ってほしいと頼まれた桐生は、再会した丸目から柳生新陰流の太刀筋を学び、小次郎を止める決意をする。

そうして柳生の里から祗園へ戻ってから一週間が経った後。桐生は吉野を身請けすることになり、鶴屋では盛大な宴が催されていた。だが桐生は表情に憂いを帯びていた。柳生の里から戻ってきた時、遥がまたも行方不明になっていたのだ。
そんな矢先、小次郎が再三桐生の前に現れ、遥は現在、天海の指示で自分たちが預かっていると語った。小次郎によると、秀忠は秀康の死に天海が関わっているのではないかと疑問を抱いており、徐々に都合の悪い存在となってきている。そこで天海は遥を殺すことよりも、秀康の血筋であることを利用して徳川を操り、自らが支配者となるため、秀忠を廃して新たな操り人形にしようとしているのだと語った。そして、遥は巌流島にいると答え、助けたければそこへ来いと締めくくり、その場を去った。

桐生は遥を助け、すべてに決着をつけるために巌流島へ向かい、待ち受けていた小次郎と激闘を繰り広げる。小次郎に打ち勝った後、用済みと見なした彼もろとも桐生を始末しようとついに天海が遥を連れて姿を現す。
巌流島に密かに築かれていた要塞を舞台に、「五鬼衆」と呼ばれる5人の忍者軍団の首領を筆頭とした天海直属の精鋭たちとさらなる激闘を繰り広げる桐生。そして、天海をも打ち倒し、遥を助け出した。
天海にとどめを刺そうと迫る桐生。しかしそれを制したのは、秀忠だった。自分が天海を過信したせいで兄が死に、徳川も堕ちてしまったことを責任に思う秀忠は、せめて自分の不始末は自分でつけようと、代わって刀を手に取る。だがこれを桐生は「あなたは綺麗な人間でいなくてはならない」と制した。
その直後、海の向こうから何百何千の軍勢を乗せた大船団が現れる。これに驚く桐生たちに、天海はこの軍勢こそが自分の意志を継ぐ者たちで、彼らの存在がある限り、たとえ自分が死んでも力と支配は決して揺るがないと豪語し、勝ち誇り、高笑う。すると小次郎が「お前の意思など誰が継ぐか」と、怒りの言葉を爆発させ、天海を斬り殺した。
しかし、目の前で指導者の天海が死んだにも関わらず、天海の軍団は、歩む足を止めない。どうやら天海の意思を受け継いでいるということは嘘ではない。その様子からそう察した桐生は、遥を秀忠と小次郎に託し、彼女を守るため、何より桐生一馬之介として、宮本武蔵として最後の生き様を刻むため、一人でこれに立ち向かうことを決意。遥は涙ながらに引き止めるが、桐生は今日までの自分があったのは遥のおかげだと礼を言い、彼女の手を優しく払う。そして、目と鼻の先まで来た天海の軍団に「俺が相手だ。宮本武蔵、ここに在り!!」と、叫び、刀を手に果敢に突撃していく。そして、桐生は遥の目の前で天海の軍団と壮絶な戦いを繰り広げた末、命を落とすのだった。

それから数年後。小次郎は柳生宗矩と名を変えて、千姫という幕府の要人の救出作戦の指揮を執っていた。集められた大勢の兵士の中から先陣で切り込む者はいるか、と彼が尋ねると、兵士たちは次々と挙手。彼らは「宮本武蔵のような侍になりたい」と口々に言った。
そして、再び奇跡的に生き延びて、その場に居合わせていた真島は、この兵士たちの様子を見て、「お前さんの魂は、永遠に死なん。見とるか? 武蔵チャン」と、夜空に浮かぶ月に向かって語りかけた。

登場人物

桐生一馬之介(きりゅう かずまのすけ)/ 宮本武蔵(みやもと むさし)

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CV:黒田崇矢

祗園で「龍屋(たつや)」という店を構える男。別名“祗園の龍”。
数年前、徳川家剣術師範のひとり・丸目長恵の誘いを受け、関ヶ原の戦いへ向かう。
その関ヶ原での事件をきっかけに、“桐生一馬之介”と偽名を使って生きることになり、現在は祗園で用心棒や集金を請け負う“掛廻(かけまわり)”と呼ばれる仕事を営む。
そんなある日、見知らぬ少女・遥の依頼をきっかけに大きな事件へと巻き込まれていく。

佐々木小次郎(ささき こじろう)

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CV:松田翔太

関ヶ原で武蔵の前に現れた、若き最強の剣士。
端麗な容姿と落ち着き払った性格とは裏腹に、通常の倍はあろうかという長剣を駆使し、敵対する者を容赦なく力で圧倒する。
武蔵の命を狙うも、武蔵の隠れた剣の才能を目の当たりにし、強く興味を持つようになる。
宮本武蔵が桐生一馬之介として生きるきっかけとなった重要な人物。

伊東(いとう)

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CV:寺島進

祗園一を誇る遊郭である“鶴屋”で掛廻を務める男。
桐生にとって仕事の先輩であり、唯一無二の親友と言える人物。
常に桐生の動向を察知し、時に協力、時に重要な助言をしてくれる相棒の一人。
人懐っこく、気さくで世話焼きな性格だが、実は桐生同様、祗園に来るまでに隠された過去がある。

吉岡清十郎(よしおか せいじゅうろう)

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CV:加藤雅也

京随一の名門剣術道場として名高い吉岡家の現当主。
天才的な剣の才能を持っているが、何故か自ら剣から離れていってしまう。
現在は道場以外の家業である“染色業”に力を入れ、道場には滅多に顔を出さない。
道場の繁栄を第一に考える実弟の吉岡伝七郎と確執がある。
品行方正な言動で、武士らしい人物。

祗園藤次(ぎおん とうじ)

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CV:塚本高史

吉岡道場の師範代のひとりで、門下生の中でも一、二を争う実力の持ち主。
吉岡伝七郎を中心とした古参派閥の中心的存在。
剣の腕は超一流だが、遊び人としても有名で、毎晩のように祗園に通っては遊女たちを片っ端から口説いている。
遥の依頼を受け、手がかりを探す桐生を吉岡道場へ手引きするが、その行動には謎が多く、何かを企んでいる様子すら窺える。

丸目長恵(まるめ ながよし)

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CV:竹中直人

1600年、関ヶ原の戦い以前に諸国を巡り、戦力となる剣士を集めていた徳川家の剣士。
当時、美作国で道場を営んでいた武蔵と出会い、彼を関ヶ原の戦いへと誘うが、その真の目的は謎に包まれている。
落ち着いた雰囲気、口調、礼節さを弁えながらも、言動の節々にただならぬ重さを感じさせる。
武蔵を軽くあしらう程の剣の腕を持つ最強剣士のひとり。

謎の僧(なぞのそう)

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