十二国記(ラノベ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

麒麟が契約し、下僕とした妖魔。麒麟により名を読み取られ呼ばれることで使令に下る。一度下った妖魔は麒麟や王に絶対的な忠誠を誓い、護衛や密偵、搬送など彼らのために働く。妖魔は麒麟にも攻撃を加え、使役されるにふさわしい麒麟かどうかを測った上で使令に下るので、場合によっては逃げた方が良いと景麒は泰麒に教えた。妖魔には言葉を話す者が多いが、力の弱い妖魔は片言しか話せない。
麒麟と妖魔の間には、「麒麟が死んだ場合はその死肉を使令に食わせる」との契約が交わされている。延麒曰く「麒麟の肉はうまいらしい」。塙麟の死に際し、塙麟の使令が遺体へと向かっていく描写がある。

半獣(はんじゅう)

陽子が船で乗り合わせた、猫の半獣。

人と動物の姿を取る人物。動物の姿の時でも、二足歩行や会話は可能。十二国世界では遺伝というものがない為、いきなり半獣の子が生まれることもよくある。国や土地によって程度はあれ半獣に対する差別意識が存在し、半獣は出来損ないだとはっきり口にする者もいる。他にも船で言いがかりをつけられる、宿屋でいい部屋をあてがわれないといった待遇を受けることもしばしば。自身も半獣である楽州曰く、半分人間の半人前。
巧国では戸籍や土地が与えられず、少学にも行かせてもらえない。半獣を雇うと重い税がかけられることも巧国特有の法である。この為、楽俊は延国の港に行くまで働かせてもらったことがない。延国では大学に通うこともできるが、講師によっては半獣の姿での受講を拒むこともある。

騎獣(きじゅう)

最高級の騎獣、騶虞(すうぐ)。

乗り物として使用される獣。妖魔ではなく、妖獣とされる。多くが空を翔ける。十二国世界には馬もいるが、空を飛ぶことから馬よりも距離を稼げる為、可能であれば騎獣に乗ることが多い。種族によっては人に馴れやすい騎獣もいるが、基本的に金で買った騎獣は乗り手を侮る為、自力でとらえて馴らすことも多い。また赤虎など世話役が決められているほど獰猛なものもいる。よって騎獣を持つのは一定以上の富や権威、力量を持つ者であり、騎獣の所有は一種のステータスでもある。騎獣を連れているだけで、半獣であっても良い部屋をあてがわれることがある。基本的には主人以外を乗せることはないが、よく馴れれば主の命令によって他者を乗せることもある。
作中では、楽俊が騶虞(すうぐ)と呼ばれる最上級の騎獣を陽子から借り受けて旅をしていた。騶虞のおかげで高級な宿や部屋に泊まれていたが、楽俊自身は宿が高級かどうかには頓着しておらず、一旦騶虞を帰している。むしろ騶虞の預け先として、信頼できる高級な宿を選ばざるを得なかったという方が近い。この件に関し、途中から一緒に旅をすることになった祥瓊は「騶虞を帰したらボロ屋に泊まる羽目になる」と苦言を呈した。

白雉(はくち)

十二国世界で、各国の二声宮なる宮に住む鳥。王が天勅を受け正式に玉座に就くと人の声で「即位!」と鳴く(一声)。これにより、玉座に立つ王が偽王か本物かが分かる。王が死ぬ時は「崩御!」と鳴いて(末声)白雉も死ぬ。王が斃れない限り、死ぬことはない。
『月の影 影の海』では舒栄との戦いの前、新景王(この段階では舒栄)が立ったのに白雉が鳴いていないと楽俊が陽子に説明している。
『月の海 迷宮の岸』において、戴国の白雉が雉泰王の即位に伴い一声を上げた。各国には御璽(王による印鑑)があり、王が斃れた後は各国の白雉の脚が御璽の代わりとなる。 『風の万里 黎明の空』では、峯王が討たれた後に芳国の白雉が末声を上げて死に、公主である祥瓊は御璽代わりの白雉の脚で仙籍から外された。

鸞(らん)

出典: fod.fujitv.co.jp

各国の王宮に住む鳥。体に止まっている時に言葉を吹き込むとその言葉を覚え、伝えたい相手の下へ飛んで行く。言わば伝書鳩とテープレコーダーが一緒になったような存在。陽子と楽俊は時折この鸞に自分の近況などを吹き込み、連絡の手段にしている。餌は銀で、楽俊、陽子共にひとかけらの銀を与えてから言葉を吹き込んでいた。楽俊の与える銀は陽子から預かったもので、時折延麒が補充しに来る模様。
『月の影 影の海』で陽子が自国の鸞を楽俊に預け、時々連絡し合おうと言った。

鳳凰(ほうおう)

梧桐宮(ごどうきゅう)の主とされる鳥。オスを鳳、メスを凰と呼ぶ。凰は他国の凰と会話が通じ、鳳は他国に王が立ったなどの大事を人の声で知らせる。作中では慶国の鳳が泰王即位を知らせる声を上げた。

その他

冬器(とうき)

仙を殺す力を持った武器。特殊な金属でできており、仙籍にある者の首を刎ねることができる。慶国の国宝たる水禺刀(すいぐうとう)もまた冬器である。
冬器自体は特別なものというわけでもなく、ごく普通に店での購入ができる。作中では鈴が景王を暗殺すべく、護身と称して冬器の武器を購入した。

水禺刀(すいぐうとう)

水禺刀。

陽子が十二国世界に戻る時、景麒によって手渡された剣。陽子は初めこの剣の正体も何も分からなかったが、真の慶国景王にのみ使うことができる慶国の国宝である。強力な妖魔を封じたもの。真に支配できれば刀身は美しく輝いて未来や過去を水鏡のごとく映し出せる。少しでも気を抜いた場合には幻覚を見せるので、鞘で封じている。鞘の方は禺(さる)を意味し、持ち主の心を乱すため剣で封じる。つまり、剣と鞘は互いに封印し合っている状態にあった。
剣を抜くと蒼猿(あおざる)と呼ばれる存在が現れて陽子の心を乱してきた。これは旅の最中に鞘を失ったことで互いの封印が解けた為である。旅の最中、陽子は蒼猿を倒すまで剣を布でくるんでいた。
陽子が蒼猿を倒したことで鞘が死んだ状態になり、誰でも抜刀はできるが、景王である陽子以外の人物にとってはなまくらで、藁を切ることすらできなかった。鞘の機能が失われたことで陽子は剣が見せる悪夢に悩まされることが増えた。水禺刀の鞘を作ったのは達王に使えていた遠甫である。達王時代の遺物の一つ。陽子は初めて王として民の前に出る際に仮の鞘に納めた水禺刀を腰にすることとなった。これは達王が封じた剣を携えることで、慶国の王としての意義が整う、「(達王のような)名君になる」との体裁を持つとの意味を持つ。陽子にとって水禺刀の帯刀は、いわば懐達(慶国の名君と謳われた達王を懐かしむ言葉)の象徴でもあった。
初めは長い柄を持ち、名前は水鑑刀(すいかんとう)であった。気を抜くとのべつ幕なしに幻覚を見せるので、鞘が作られた。鞘は、主が変わるたびに刀の形状を変えてきた。これは持ち主の心に応じての変化と思われる。斧であろうとこん棒であろうと、それに応じて鞘の形も変わる。
鞘には癒しの力を持つ碧双珠(へきそうじゅ)なる球がある。蒼猿が出現し出したのは、まだ何も知らなかった陽子が水禺刀を振るった際、鞘を取り出せず、碧双珠のみを持って行ったことに起因する。

懐達(かいたつ)

慶国で度々口にされる言葉。男の王を懐かしむという意味である。現状慶国最後の男の王である達王は、末期に暴政を敷いたものの名君としての功績や印象が大きい。その後、無能な女王が三代続いた為、女王よりも男の王(というより、達王のような名君)を望まれるようになる。
陽子もたびたびこの言葉をつぶやかれるが、結果としては王宮から出て街に下り、十二国世界のことを知ろうとするきっかけとなった。

里家(りけ)

えどのゆうき
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@edono78

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