十二国記(The Twelve Kingdoms)のネタバレ解説まとめ

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

芳極国(ほうきょくこく)

芳極国とは、十二国世界の国の一つである。またの名を芳国、もしくは芳。王による厳しすぎる法の締め付けで毎日のように死刑が行われており、遂には病で仕事に出られず決められた石高を挙げられなかった者や、空腹に耐えかね餅を一つ盗んだ子供にまで死罪を与えるようになった。刑の方法は数多あるが、両脚を二頭の牛につないで体を裂く牛裂きの刑が最も残酷とされる。処刑に怯え、わずかな楽しみすら取り上げられるため、次第に民が王を憎むようになった。幼子でさえ親を処刑されたことで王や公主の祥瓊を憎んでいた。祥瓊が預けられた里家の孤児は皆、峯王の定めた法で親を処刑されている。刑吏たちは民の報復を恐れて逃げ隠れている模様。
こうした事態を憂えた州候の一人、月渓によって謀反が起き、王、王妃、麒麟までが討ち取られた。その後は月渓が仮王を務めている。新たな麒麟が生まれたはずだが、行方不明とされる。つまり、今芳国には麒麟がいないことになる。この事は供王を始め一部の者しか知らない。

峯王・仲韃(ほうおう ちゅうたつ)/洌王(れつおう)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:徳丸完

祥瓊の父。姓は孫。厳格にして、独善的かつ理想主義的で融通の利かない面がある。罪を嫌い、厳しい法を敷いていた。30年の治世の間、次第にその締め付けは強くなり、生活苦から餅を一つ盗んだだけで死罪にするような恐怖政治へと変わっていく。遂には民の楽しみである旅芸人の興行を冬に限定した。これは民が働かなくなるとの理由である。この件に関して月渓から苦言を呈されるが「日々の労働にこそ楽しみを見い出してほしい。この私のように。」と聞く耳を持たなかった。
表裏のない人格であり、他者も同様に表裏を持たないと思い込んでいた為、妻の捏造した罪を鵜呑みにして、何の罪もない母娘も処刑させた。月渓の起こした謀反により討ち取られる。おくり名は洌王。

佳花(かか)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:竹口安芸子

峯王・仲韃の妻で、祥瓊の母。煌びやかな服装を嫌う夫の手前では質素な衣装を着ていたが、実際には華美を好み贅沢三昧の日々を送っていた。虚栄心や嫉妬心も強く、祥瓊の遊び相手が自分の娘以上に美しく見えた時にはそれを妬んで罪を捏造し、夫に報告して処刑させた。
謀反の際、月渓の手により、祥瓊の目前で討たれる。

峯麟(ほうりん)

出典: 12kingdoms.wikia.com

声:松下美由紀

芳国の麒麟。二人の王を選んだが共に暗君であり、峯王の圧政が元で失道の病にかかっていた。月渓から二代続けて暗君を選んだ民の失望を言い渡されて討ち取られる。王の死に際し、王気が絶えたと口にしている。
峯麟の死後、捨身木には新たな芳国の麒麟の卵果が実り、峯麒が生まれたとされるが、そちらは行方不明らしい。

月渓(げっけい)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:田中正彦

芳国の元恵州侯。峯王・仲韃の信頼を得て、月渓自身も王を慕い忠臣として仕えていた。しかし王によって法が厳しくなり、毎日のように死刑が行われることで民が怯え暮らすことになる。法を緩めるよう王に通達したものの聞き入れられなかった。ついには自ら剣を取り、謀反を起こす。王と王妃を討ち取り麒麟まで手にかけた。公主の祥瓊だけを生き永らえさせたのは、祥瓊の成長と更生を望んでのことである。また、目の前で家族を討たれる気持ちを分からせる意味もあった。
誠実な性格ゆえに民からは慕われており、仮王の座に就くことを望まれ供王からも玉座を勧められた。本人は、長く玉座に腰を据えることは天命に背くとして拒んでいた。景王の使者である垣魋に峯王を討ったのはこれ以上王を憎みたくないとの私怨だと語る。垣魋から月渓にとっての良き王とは、民の為になる王だったと指摘を受けた。更に、「仮王でも偽王でもない、月に乗じて暁(新王の登極)を待つ月陰の王になってはいかがか」と勧められる。
月渓は、垣魋が慶国の内乱に加わっていたこと(間違えば逆賊になっていた)、祥瓊が自らの過ちに気付いて景王に仕えていることを聞いてく。「人は変われる」との言葉通り、祥瓊が成長をし、垣魋が行動を起こした結果将軍となったことを知った月渓は、自分にすべきことが新王が現れるまで国を預かることだと認め、仮王となることを決意する。

沍姆(ごぼ)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:竹口安芸子

祥瓊が送られた里家で閭胥(ちょうろう)を務める老婆。閭胥とは里家のまとめ役である。息子を処刑されたことから峯王を恨んでいた。祥瓊が公主であることは知っており、陰で虐待を行う。それは祥瓊の仕事が遅いためだが、王の娘という理由もあった。月渓を王位簒奪者だという祥瓊に、月渓が玉座が欲しくて王を討ったわけではないことを告げ、「お前の性根が芯から腐っていることがよく分かった」「自分が恥知らずだからと言って他の人間も恥を知らないと思わないがよかろうよ」と、そのことを見抜けない心根に対する皮肉を言った。
沍姆とのやりとりで、祥瓊が峯王の娘であることが里家に伝わる。峯王を恨む人々により、祥瓊の処刑が行われそうになったが、沍姆が月渓の部下に里家の者たちによる私刑を知らせたことで、処刑は中止された。
本心では祥瓊を憎んだところでどうにもならないのは分かっていたのだが、仲韃の娘であることや自分の過ちに気付いていない祥瓊への憎しみがどうしても抑えられなかったと月渓に語る。祥瓊の身柄が恭国に渡った後、月渓から「もう我々は仲韃を忘れてもいいだろう」と仲韃親子を憎しみながら生きることをやめるよう言われた。沍姆の息子が処刑されたのは、刑場に運ばれる子供を哀れみ、刑吏に石を投げたのがきっかけである。

戴極国(たいきょくこく)

戴極国は十二国の一つである。別名戴国、または戴。現在の王は泰王・驍宗、麒麟は胎果の泰麒。戴国では先王の圧政で国が傾いていた。雁国とは隣り合っている。十数年前に泰麒の卵果が実るが、それは蝕で蓬莱に流された。延麒、廉麟の協力もあり泰麒が帰還を果たす。泰麒は麒麟の本能をほぼ失っており、迷いながらも驍宗を王に選ぶ。『風の海 迷宮の岸』において、泰麒の卵果が蝕で蓬莱に流されてから、十二国世界に帰還するまでが回想の形で描かれた。
この章では日本での様子も描かれる。日本では、優香が高里要(泰麒)と、その弟卓に接触していた。優香がこの兄弟に近づいたのは、「要が1年間神隠しに遭っていた」「要を傷つけた者は祟られ怪我をする」といった噂があり、要が十二国世界と関係があるのではないかと思ったためである。泰麒と共に蓬莱にやって来た辿子は要(泰麒)を守る為、「お前(優香)は王の敵か?」とに対し圧をかけてきた。優香は姿こそ見えなかったものの辿子の存在から要が十二国世界の者であると確信したようだった。

泰王・驍宗(たいおう ぎょうそう)

出典: mydramalist.info

声:藤原啓治

王となるため昇山してきた人物。姓は乍(さく)。驍宗は字。元は王直属たる禁軍の将軍職にあった。知略に長け、人望に厚いとされる。凄まじい威圧感(実は王気)を持ち、泰麒からは恐れられていた。同じく将軍職にある李斎をして「敵に回すと恐ろしい」と言わしめる猛者。
泰麒から、王ではない人物にかけられる挨拶である「中日まで御無事で」と言われたことで自分が王ではないと思い、下山をしようとした。元々自分が王でないと分かったらあとは黄海で騶虞を捕らえようと考えており、李斎、泰麒を連れて騎獣狩りに出かけた。この時に伝説級の最強の妖魔である饕餮に襲われる。泰麒により饕餮が使令として下されたのを目撃した。
その後、改めて山を下りる際、麒麟の姿で追って来た泰麒が頭を垂れて誓約をした為に、泰王として即位する。即位後、泰麒に蒿里(こうり)の字を与えた。蒿里は十二国世界における死者を葬る山であり、蓬莱での泰麒の姓、高里にちなみ「いっそ不吉で縁起がいい」としてつけたものである。
将軍を務めているだけあって剣の腕にも長けており、剣の名手とされる延王と試合をして一本を取ったことがあった。驍宗が腰に帯びているのは、延王から賜った剣である。
聡明で実行力や判断力にも長けるが、それだけに独善的な部分もあり、旧勢力や敵対する勢力を粛清したこともあって反乱を招く(いくらか部下の意見を聞くだけの分別はある)。地方で起きた反乱を、自ら鎮圧しに向かい、行方不明となる。

泰麒蒿里(たいき こうり)/高里要(たかさと かなめ)

出典: baike.sogou.com

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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