十二国記(The Twelve Kingdoms)のネタバレ解説まとめ

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

海客とは蓬莱(日本)から蝕で流されてきた人物である。『十二国記』アニメ本編では浅野郁也、杉本優香、大木鈴、松山誠三、壁落人が海客に当たる。基本的に蝕自体がいつどこで起きるか分からないこともあって元の世界に戻ることは不可能だが、優香は景麒の力で日本に帰還した。
山客は崑崙(中国)から蝕で流されてきた人物を指す。海客が虚海の果てに流れ着くのに対し、山客は金剛山の麓にたどり着くとされる。作中では、山客は登場しない。
胎果との違いは十二国世界の人間ではなく、蝕に巻き込まれた漂流者であること。卵果から生まれる十二国世界の住民とは違い、母親の腹から生まれるなど、本質的に違う存在。半獣と同じく差別される存在で、「できそこない」呼ばわりする者もいる。
十二国世界の言語は古代中国語のような漢文形式らしく、海客には聞いたことのない言葉に聞こえ、意思の疎通に苦労する。仙籍にある者とは言葉が通じ、仙籍に入れば言葉の苦労はなくなる。松山誠三が近隣住民から「訳の分からない言葉で怒鳴るな」と文句を言われる描写がある。
海客は、東寄りの国である慶国、雁国、巧国に流れ着くことが多い。その為、十二国世界の住民からは虚海の東から流れつく者と認識される。芳国は山客によって仏教がもたらされており、建造物に寺院の名残りがある。

海客、並びに山客は生きた状態で流れ着くこともあるが、「溺れて」死んだ状態で流れ着く場合もいるらしい(溺れるとは言っても、水に流されるわけではない)。海客の呼び名は、虚海に流れ着くことからついた模様。胎果と同じく、その出生方法や別の世界から来たとの出自から気味悪がられる。

作中では山客が登場せず、海客の扱いのみが描写された。雁国では難民や半獣だけでなく海客の保護も行っており、日本語を話せる受付を置いて電話番号や郵便番号、氏名などを聞く。優香は郵便番号が7桁であることから「海客のふりをして保護を受けようとしているのだろう」との嫌疑をかけられた。たまたま居合わせた延麒が「今の蓬莱の郵便番号は7桁」だととりなしている。
巧国では、海客が流れつけば生死にかかわらず役所に届け出られることになっており、生きていれば良い海客か悪い海客かを見極められる。良い海客と判断されればしかるべき人物が後見人となり適当な場所で暮らしていけるが、悪い海客と判断されればよくて幽閉、悪くて処刑とされる。陽子は県庁に運ばれる際、このことを聞いた。

妖魔(ようま)

出典: www.netflix.com

天の理にそぐわぬ存在。様々な種族が存在する、怪物のようなもの。黄海や王のいない国に現れては人間を始め生き物を襲い、時には麒麟にも攻撃を仕掛ける。人間の赤ん坊の泣き声に似た声で人をおびき寄せるものも多い。蓬山付近にも現れて昇山する者を襲うこともあり、昇山が危険と言われる理由の一つである。
麒麟は妖魔を折伏してからめとり、妖魔の主として使役する。妖魔は麒麟が自分の主にふさわしいと認めた場合、使令(麒麟の部下)となる契約を結ぶ。契約とは麒麟の死肉を食らわせることである。
妖魔の強さには幅があり、高位の妖魔は人語を操る。姿を変えるものもあるが、これは麒麟並みに強い力を持つことを意味する。作中では、饕餮が最高位の妖魔として現れて、何度もその姿を変えて泰麒を威嚇、攻撃した。
景麒は、泰麒に強い意志の力が妖魔を縛るとは景麒が泰麒に語った。泰麒は強い意志を持って最強の妖魔・饕餮を使令に下した。麒麟でも妖魔から主として認められずに命を落とすケースもある(景麒談。実際、泰麒が饕餮を使令にしたと聞いた女仙たちが「饕餮を絡めとった麒麟は初めて」と口にしたことから、饕餮を使令に下せず死亡した麒麟もいたと思われる)。

使令(しれい)

麒麟が契約し、下僕とした妖魔。麒麟により名を読み取られ呼ばれることで使令に下る。一度下った妖魔は麒麟や王に絶対的な忠誠を誓い、護衛や密偵、搬送など彼らのために働く。妖魔は麒麟にも攻撃を加え、使役されるにふさわしい麒麟かどうかを測った上で使令に下るので、場合によっては逃げた方が良いと景麒は泰麒に教えた。妖魔には言葉を話す者が多いが、力の弱い妖魔は片言しか話せない。
麒麟と妖魔の間には、「麒麟が死んだ場合はその死肉を使令に食わせる」との契約が交わされている。延麒曰く「麒麟の肉はうまいらしい」。塙麟の死に際し、塙麟の使令が遺体へと向かっていく描写がある。

半獣(はんじゅう)

出典: 12kingdoms.fandom.com

陽子が船で乗り合わせた、猫の半獣。

人と動物の姿を取る人物。動物の姿の時でも、二足歩行や会話は可能。十二国世界では遺伝というものがない為、いきなり半獣の子が生まれることもよくある。国や土地によって程度はあれ半獣に対する差別意識が存在し、半獣は出来損ないだとはっきり口にする者もいる。他にも船で言いがかりをつけられる、宿屋でいい部屋をあてがわれないといった待遇を受けることもしばしば。自身も半獣である楽州曰く、半分人間の半人前。
巧国では戸籍や土地が与えられず、少学にも行かせてもらえない。半獣を雇うと重い税がかけられることも巧国特有の法である。この為、楽俊は延国の港に行くまで働かせてもらったことがない。延国では大学に通うこともできるが、講師によっては半獣の姿での受講を拒むこともある。

騎獣(きじゅう)

出典: 12kingdoms.fandom.com

最高級の騎獣、騶虞(すうぐ)。

乗り物として使用される獣。妖魔ではなく、妖獣とされる。多くが空を翔ける。十二国世界には馬もいるが、空を飛ぶことから馬よりも距離を稼げる為、可能であれば騎獣に乗ることが多い。種族によっては人に馴れやすい騎獣もいるが、基本的に金で買った騎獣は乗り手を侮る為、自力でとらえて馴らすことも多い。また赤虎など世話役が決められているほど獰猛なものもいる。よって騎獣を持つのは一定以上の富や権威、力量を持つ者であり、騎獣の所有は一種のステータスでもある。騎獣を連れているだけで、半獣であっても良い部屋をあてがわれることがある。基本的には主人以外を乗せることはないが、よく馴れれば主の命令によって他者を乗せることもある。
作中では、楽俊が騶虞(すうぐ)と呼ばれる最上級の騎獣を陽子から借り受けて旅をしていた。騶虞のおかげで高級な宿や部屋に泊まれていたが、楽俊自身は宿が高級かどうかには頓着しておらず、一旦騶虞を帰している。むしろ騶虞の預け先として、信頼できる高級な宿を選ばざるを得なかったという方が近い。この件に関し、途中から一緒に旅をすることになった祥瓊は「騶虞を帰したらボロ屋に泊まる羽目になる」と苦言を呈した。

白雉(はくち)

出典: 12kingdoms.fandom.com

十二国世界で、各国の二声宮なる宮に住む鳥。王が天勅を受け正式に玉座に就くと人の声で「即位!」と鳴く(一声)。これにより、玉座に立つ王が偽王か本物かが分かる。王が死ぬ時は「崩御!」と鳴いて(末声)白雉も死ぬ。王が斃れない限り、死ぬことはない。
『月の影 影の海』では舒栄との戦いの前、新景王(この段階では舒栄)が立ったのに白雉が鳴いていないと楽俊が陽子に説明している。
『月の海 迷宮の岸』において、戴国の白雉が雉泰王の即位に伴い一声を上げた。各国には御璽(王による印鑑)があり、王が斃れた後は各国の白雉の脚が御璽の代わりとなる。 『風の万里 黎明の空』では、峯王が討たれた後に芳国の白雉が末声を上げて死に、公主である祥瓊は御璽代わりの白雉の脚で仙籍から外された。

鸞(らん)

出典: fod.fujitv.co.jp

各国の王宮に住む鳥。体に止まっている時に言葉を吹き込むとその言葉を覚え、伝えたい相手の下へ飛んで行く。言わば伝書鳩とテープレコーダーが一緒になったような存在。陽子と楽俊は時折この鸞に自分の近況などを吹き込み、連絡の手段にしている。餌は銀で、楽俊、陽子共にひとかけらの銀を与えてから言葉を吹き込んでいた。楽俊の与える銀は陽子から預かったもので、時折延麒が補充しに来る模様。
『月の影 影の海』で陽子が自国の鸞を楽俊に預け、時々連絡し合おうと言った。

鳳凰(ほうおう)

梧桐宮(ごどうきゅう)の主とされる鳥。オスを鳳、メスを凰と呼ぶ。凰は他国の凰と会話が通じ、鳳は他国に王が立ったなどの大事を人の声で知らせる。作中では慶国の鳳が泰王即位を知らせる声を上げた。

その他

冬器(とうき)

仙を殺す力を持った武器。特殊な金属でできており、仙籍にある者の首を刎ねることができる。慶国の国宝たる水禺刀(すいぐうとう)もまた冬器である。
冬器自体は特別なものというわけでもなく、ごく普通に店での購入ができる。作中では鈴が景王を暗殺すべく、護身と称して冬器の武器を購入した。

水禺刀(すいぐうとう)

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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