十二国記(The Twelve Kingdoms)のネタバレ解説まとめ

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

声:釘宮理恵/岡野浩介(高校生)

『風の海 迷宮の岸』に登場。戴国の麒麟。胎果であり、高里要の名で10歳まで蓬莱で暮らしていた。ある夜、水の入ったコップを落としたとして厳しい祖母から雪の降る外に出されていたが、その時に廉麟の協力もあって十二国世界に帰還。
初めこそ皆にかしずかれる生活や、自分が人ではないことなどに戸惑ったが、家族の中で自分が異分子であることは蓬莱にいた頃から感じ取っており、すぐ十二国世界に順応する。ところが人としての生活が長すぎた為か、麒麟の本能がほぼ失われており、本来の麒麟が遊びのように行う妖魔の折伏(妖魔を自分の下僕とする為の誓約。「絡めとる」「使令に下す」ともいう)、および自然な動作であるはずの麒麟の姿への転変はやり方さえ分からずにいた。ホームシックに陥ることもあり「お家に帰りたい」と涙をこぼすこともあった。

景麒から王の選び方、転変の仕方を聞くものの、「王気は自然に分かります」「腕を上げる方法を人に尋ねますか」といった、胎果の麒麟の気持ちが分からない不器用な景麒の発言は却って泰麒の不安を煽るものとなった。それでも折伏の仕方などを教えられたことから景麒の気持ちを汲み取り「景台補はお優しい方です」と言って送り出す。
夏至を過ぎた頃に昇山が始まり、そこで将軍職を務める驍宗や李斎と出会う。李斎には親しみを覚えるが、驍宗には威圧感や恐怖心を感じる。彼らには王ではない人物への挨拶である「中日まで御無事で」との言葉をかけた。その後も李斎とは親しく話していたが、恐ろしいと感じるはずの驍宗のことも何故か気になっていた。

泰麒は騎獣に興味を持ち、李斎、驍宗らと共に騎獣狩りに連れ出されることとなった。この時、最上級の妖魔・饕餮(とうてつ)に出くわしている。饕餮を絡めとった(使令に下した)麒麟はいないと言われていたが、逃げ切れないと悟り、折伏を選択。驍宗を守るべく気力を振り絞り、饕餮(名は傲濫)の折伏に成功。初の使令とする。
驍宗が山を下りると聞いた際傲濫に驍宗の護衛を頼むが、泰麒の安全が最優先と言われる。驍宗を引き留めたいとの衝動から駆け出し、無意識のうちに麒麟の姿に転変して驍宗一向に追いついた。もはや驍宗を引き留める手段はこれしかないと、頭で「彼は王ではない」と思いながらも膝を折り、誓約をしてしまう。これにより驍宗の即位が決まったが、泰麒自身はいけないことをしたと気が沈んでいた。景麒と再会した際、罪の意識にさいなまれて驍宗に行ってほしくなくて頭を下げてしまったと告白。
後日、延王、延麒が戴国に訪れた時に礼を尽くせと延王への土下座を強制されるがどうしても頭を下げられなかったことから、麒麟は自国の王以外に頭を下げることができない、偽りの誓約はできないと思い知る。尚、土下座の強制は延王、延麒、景麒らの芝居である。麒麟としてはまだ雛同様で成長の余地があり、蓬莱に戻った後も年齢より幼く見えるとされながら15歳程度まで成長した。
「蒿里」の字は、即位直後の驍宗により賜ったもの。泰麒の蓬莱での名前を聞いた驍宗が、「いっそ不吉で縁起が良い」として与えたものである。
原作では陽子の助力で十二国世界に戻ったが、アニメでは蓬莱にとどまったままであった。これは泰麒が十二国世界に戻るエピソードが放送されなかった為である。

白汕子(はく さんし)

出典: 12kingdoms.wikia.com

声:藤生真沙子

泰麒の女怪。女怪の本能により、生まれた直後から泰麒の卵果を見守っていた。蝕で泰麒の卵果が流されて以降、ずっと行方を探しており、10歳の要=泰麒を連れ戻した。泰麒を守る意識が強く、危害を加えた者はもちろん、「蓬莱の話がしたい」と腕をつかんだ鈴にまで攻撃を加えた。これは女怪の本能だが、蝕で卵果が流され10年間も泰麒が行方不明状態にあったことも一因と思われる。泰麒が帰還した際には涙を流し喜んだ。
泰麒が角と記憶を失って蓬莱に戻ってからも守り続けている。魚の首、人間の女性の上体、ヒョウの脚とトカゲの尾を持つ。泰麒には懐かれており、一緒に遊んだり、昇山してきた人物を御簾越しに見ることになった時「汕子を呼んでもいい?」と言われている。
蓬莱に戻った要(泰麒)には十二国世界の記憶はないが、何となく白汕子の存在は感じ取っており、女性的な印象からムルゲンと呼んでいる。ムルゲンとは上半身が人間の女性、下半身が魚もしくは鳥という怪物、セイレーンのことである。
使令の傲濫と共に、泰麒を守っている。要を傷つけた者は祟られるという噂の一因になったが、一つには血を浴びすぎて歯止めが利かなくなっている事情もある。要の描く絵から汕子のものと思われる手がカンバスに生えるように出ているが、これが幻覚なのか汕子の繋がりが一時的に強まったものなのかは不明。要と接触した優香に「お前は王の敵か?」と圧をかけたが、「私は(慶国の)王の友人だ」と返された為、本格的な手出しをしなかった。蓬莱の人物には姿が見えず声も聞こえないが、優香に声をかけることができたのは海客として十二国世界に渡った為かもしれない。

傲濫(ごうらん)

出典: www.quora.com

声:うえだゆうじ

泰麒が唯一使令として下した妖魔。妖魔の最高位に君臨し、麒麟でも絡めとられた(使役された)例はないとされる饕餮(とうてつ)と呼ばれる種族。泰麒が驍宗らとともに騎獣狩りに赴くいた際、一行を襲おうとした。泰麒にも攻撃を加えたが、驍宗を守ると決めた泰麒により折伏されて、使令に下る。戦闘時よりその姿はいかようにも変化していたが、使令となった後は赤い毛並みの犬のような姿を取っていた。
泰麒から山を下りようとしていた驍宗を守るよう頼まれるが、王でもない驍宗の護衛はできないと返答している。この傲濫と泰麒のやりとりは、泰麒に驍宗を引き留めたい、それには驍宗を王にするしかないとの考えを芽生えさせる。傲濫は、間接的に驍宗との盟約を結ばせるきっかけになったと言える。
泰麒が蓬莱に戻っても使令として、白汕子と共に泰麒を守っている。泰麒(要)を傷つける者に容赦なく制裁を加える為、要には「祟る」との噂が付きまとうようになった。要は傲濫の気配を獣のようなものと感じ、グリフォン(上半身と翼がワシで下半身はライオンの怪物)と呼んでいる。

醐孫(ごそん)

戴国馬州の司寇大夫(法令に関する役職)。泰麒が戻ったと聞き蓬山に来た。泰麒を捕らえようとし、鎖で強引に引き寄せて泰麒をひざまずかせた。この時、自ら泰王即位の宣言をするが、泰麒が醐孫に王気を感じていなかった(麒麟が自ら膝を折った正式な契約ではない)為、女仙たちに追い返される。初めは泰麒の髪色が黒いことから、麒麟ではないただの子供かと疑った。後に門が開くのを待って昇山をしてきたが、「泰麒を捕らえた自分が王になるべきだ」と主張する中、驍宗に一撃で返り討ちにされている。

李斎(りさい)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:進藤尚美

戴国の瑞州師中将軍。驍宗と同じ頃に昇山してきた。騎獣の飛燕に興味を示した泰麒と親しくなるも、王気は見い出されず「忠実まで御無事で」と声をかけられた。泰麒は彼女を通し、驍宗とも話をすることとなった。泰麒と驍宗を近づける一因になったとも言える人物である。
泰麒を自分の陣でもてなした際驍宗について聞かれて、驍宗は王直属の将軍だが、李斎自身は、自分は一州候に仕える身であり、実力、人格、身分いずれも驍宗の方がはるかに上だと言っている。李斎もまた優れた軍人であり、承州にその人ありと謳われるほどに名の通った将軍とされる(驍宗談)。

驍宗と共に泰麒を騎獣狩に連れ出した。この時、饕餮に襲われ捕まるが、泰麒が饕餮の折伏を試みたことで解放され汕子に保護されている。驍宗の即位を祝福して下山した。

呂迫(ろはく)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:島香裕

玉座を欲して昇山してきた人物。その容姿から女仙たちに「南瓜大夫」のあだ名をつけられていた。六度も進香(香を上げる儀式)に訪れ、泰麒が広間に出るやその前に跪いて自身の出自等を述べるなど、王に選ばれることを強く望む。王気は見い出されずあっさりと「中日まで御無事で」と言われた。

花影(かえい)

アニメ未登場。
戴国秋官長大司冠にして、元藍州州宰。驍宗の登極の後李斎の友人となった。情に厚い女性で、人を裁く職務は向かず、気を病み秋官長の職を辞そうとした。驍宗が花影を秋官長に任命したのは、裁くのに向かない花影だからこそ、公正な粛清を行ってくれると信じた為と李斎から聞き、迷いを捨てて職務に当たるようになった。
阿選の乱が起きた際には、王宮を抜け出して放浪した。李斎と合流して行動を共にしたが、景王を騙してでも戴国のため支援をさせようとしていたことを知り、袂を分かつ。その後は行方不明。

琅燦(ろうさん)

アニメ未登場。
戴国の冬官長(国が所有する武具や物品を製造、管理する役職)大司空。見た目は18、19歳ほどの女性だが、かなりの博識。冬官の誰と話をしても通じるほどその知識は広く、豊富な知識や論理的な思考力から、冬官長としてはこれ以上ない程の適任とされる。
李斎らは泰麒に阿選の謀反の可能性を隠していたが、泰麒を無力な子供ではなく一国の王を選んだ重要な存在と見なして、阿選による謀反の恐れありと伝えた。琅燦曰く、初めて饕餮を使令に下した泰麒は饕餮以上の化け物。
驍宗を尊敬するが、天の理や麒麟までは敬っておらず、天の理がどう作用するかを知るべく、阿選を唆して泰麒の角を切らせた。

丈阿選(じょうあせん)

アニメ未登場。
戴国禁軍右将軍。戴国の先王である驕王の時代には、武勇や人望の点で驍宗と双璧を成すと言われた人物。驍宗の即位後は、皆が気を使って伝えないような恐ろしいことでも泰麒に伝えていたため、泰麒からの信頼を得ていた。
文州なる土地での内覧鎮圧に向かう驍宗に汕子、傲濫双方の使令を護衛につけるよう仕向け、無防備な泰麒の角を切った(麒麟の角を切ったのは、それをするとどうなるかを知りたい琅燦に唆されてのこと)。泰麒はこれにより記憶と力を失って蝕を起こし、蓬莱へ流された。麒麟が行方をくらませ、王である驍宗死亡の知らせが入ったこともあり、阿選が戴国の実権を握る。
姓が驍宗と同じ乍であり、もし驍宗が亡くなっていたとしても、新王として選ばれることはない。

巌趙(がんちょう)

アニメ未登場。
戴国禁軍左将軍。驍宗が登極する前から、彼の部下であった。驍宗とは兄弟のように親しみ合っていたが、先王の時代禁軍の将軍職に空きができた際、その座を驍宗に奪われたため、彼を憎んでいると噂されていた。李斎は「巌趙は驍宗を誇りに思い、驍宗もまた巌趙を家族同然に見ているようだ」とし、噂にあるように驍宗を逆恨みしていないと見ている。阿選の乱の後の動向は不明。

英章(えいしょう)

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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