BANANA FISH(バナナフィッシュ)のネタバレ解説・考察まとめ

『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』とは、1985年〜1994年に『別冊少女コミック』に連載された吉田秋生によるバイオレンスサスペンスである。1980年代のニューヨークを舞台に、バナナフィッシュというドラッグをめぐる、ストリートキッズ、アッシュの戦いを描く。ハードな抗争を繰り広げる一方、孤高に生きてきたアッシュが英二との友情を通して人間らしさや愛を覚えていく姿が描かれている。かねてより名作として人気を博していたが、2018年に吉田秋生40周年プロジェクトでアニメ化され、人気が再燃した。

『BANANA FIFISH(バナナフィッシュ)』の概要

『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』とは、『別冊少女コミック』1985年5月号〜1994年4月号にて連載された、吉田秋生のバイオレンスサスペンス漫画である。また、それを原作としたラジオドラマ、アニメ、舞台作品がある。

少女漫画誌への掲載ながら、マフィアとストリートキッズ(ギャング)の過激な抗争を描いたハードボイルドな作品である。また、1980年代に、アメリカのストリートキッズを主題に取った漫画は非常に珍しい。
また、過激な抗争を描くだけではなく、バナナフィッシュに関わる登場人物たちの駆け引きや心情を緻密に描いていることも特徴である。
さらに、主人公アッシュと英二の友情と愛情の間のような深い絆が紡がれていく様も作品の大きな主題となっている。

タイトルともなっているバナナフィッシュとは、作中で登場人物たちの運命を左右するドラックの名称であり、名付けの由来は、J・Dサリンジャーによる短編小説集『ナイン・ストーリーズ』に収録されている『バナナフィッシュにうってつけの日』である。
サリンジャーの小説では、退役軍人のシーモア・グラースという男がバナナフィッシュについて語ったのちに自殺をするストーリーである。明言はされていないが、戦中のトラウマから神経衰弱し、バナナフィッシュを夢想して自殺したのだと読み取れる内容だ。
なお、漫画の中では、「バナナフィッシュは、その姿を見ると死にたくなる、死を招く魚」だと説明されている。

コミックスは全19巻、文庫版は番外編も含み全12巻で刊行されている。
コミックスは絶版となっていたが、連載終了後20年以上経った2018年に初のアニメ化がなされたことをきっかけに、全20巻を4つのBOXに分割した復刻版が発売された。
その他、2001年に発売されたのち絶版となっていた『BANANA FISH REBIRTHオフィシャルガイドブック』も2018年に追加編集を加え発売された。原作者の吉田秋生が監修する書籍であり、登場人物の詳しい設定、時代背景の解説などとともに、吉田秋生のロングインタビューも収録されている。

ラジオドラマは1994年および1995年に、NHK-FMの『青春アドベンチャー』枠内にて放送。

舞台版は2005年、2009年、2012年、そして2021年と4度行われている。
2005年版と2009年版は脚本・演出を吉谷光太郎が務めた。2005年は11月にシアターぷらっつ江坂、シアター代官山にて上演され、アッシュ役を柄谷吾史が、英二役を斎藤准一郎が演じた。2009年は4月に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、新国立劇場中劇場にて上演され、アッシュ役は引き続き柄谷吾史が、英二役を宮下雄也が演じた。
2012年版は脚本を菅野臣太郎、演出を古河聰が務めた。上演は10月に品川六行会ホールにて行われた。アッシュ役は磯村洋佑が、英二役は竹内寿が演じた。
2021年版は前後2部作となり、脚本を畑雅文、演出を松崎史也が務める。前編は2021年6月に天王洲銀河劇場にて上演された。アッシュ役は水江健太、英二役は岡宮来夢が演じた。

テレビアニメは2018年7月〜12月に、フジテレビのノイタミナ枠にて全24話2クールで放送された。
アニメーション制作はMAPPAが担当。監督は内海紘子、脚本は瀬古浩司、キャラクターデザインは林明美が務める。

『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』のあらすじ・ストーリー

バナナフィッシュの謎

路地裏で殺されたスティーブン・トムソン(右)は、アッシュ(左)に「バナナフィッシュ」という謎の単語を言い残した。

1985年、ダウン・タウンを縄張りとするストリートキッズのボスであるアッシュ・リンクスは、とある男の臨終の瞬間に立ち会っていた。
男は「ロス・アンジェルス ウエストウッド42」という番地を伝えると共に、謎の粉末が収められたロケット付きのペンダントをアッシュに託す。そして「バナナフィッシュに会え」と言い残して息絶えた。

アッシュと「バナナフィッシュ」とは深い因縁があった。事の発端は1975年のベトナム戦争中、錯乱した兵士のグリフが仲間3人を撃ち殺した事件だ。グリフの親友マックスは事態収拾の為にグリフの両足を撃ち抜く。その時朦朧としたグリフが呟いた言葉が「バナナフィッシュ」だったのだ。グリフはアッシュの実の兄であったが事件以来廃人と化しており、情報が全くつかめない。

一方グリフを撃ったマックスもまた「バナナフィッシュ」の手掛かりを追っていたが、スティーブン・トムソンという男の手記にあった「ある特定の麻薬密輸密売ルートと浅からぬ関係があると思われる」という情報しかわからなかったのである。マックスは市警時代の友人である、刑事のチャールズ・ディキンソン(通称チャーリー)にその記事を見せた。チャーリーは今年に入ってから立て続く不審な自殺事件について担当していた。そしてスティーブン・トムソンは今朝方死体となって発見されたのだと教える。スティーブン・トムソンは、アッシュが最後を看取った男であった。

アッシュと英二

アッシュには奥村英二(おくむらえいじ)という日本人の友人がいた。日本人ジャーナリスト共にストリートキッズの取材にやって来た折に知り合い、初対面のアッシュに「銃を見せてくれないか」と頼むほどの純真さに興味と信頼感を抱いたのだ。
そんな折かつてアッシュに敗北して傘下に入っていたオーサー一味が、復讐の機会を狙って襲撃を仕掛けてくる。自身の右腕ともいえる存在のスキップと共に攫われた英二を救うため、アッシュは罠だと自覚しながらも救出に乗り込んだ。

アッシュは乗り込んだ先にコルシカマフィアの手先・マービンがいることに気付き、その思惑を見抜く。マフィアのボスであるディノ・フランシス・ゴルツィネは、「バナナフィッシュ」の秘密を護るためアッシュを捕らえようとしていたのであった。アッシュはかつて男色のディノに買われて育てられた過去があり、そこで深い愛情と確かな戦闘技術を学び取る。しかし自由を欲したアッシュはディノの元から逃げ去ったのだ。

アッシュは隙をついて英二、スキップと合流し、英二を先に逃がす。しかし闘争中アッシュを庇ったスキップが命を落とした。英二の通報によって市警が現場周辺に集まるなか、マービンはアッシュの捕縛に失敗し逃亡する。アッシュはディノの執念から「バナナフィッシュ」の存在価値を改めて考え、その謎を解き明かすことを決意した。アッシュはマービンから情報を得る為後を追ったが、マービンはすでに何者かによって殺害されていたのだった。

ニューヨーク裏社会の権力者であるディノは、警察内部の手の者を操ってアッシュにマービン殺害の嫌疑をかける。チャーリーはアッシュが所内で処刑されることを危惧してマックスにアッシュの警護を依頼した。
アッシュは英二に「謎の粉」と兄・グリフの保護を依頼し、英二はチャイナタウンのストリートキッズのボスであるショーター・ウォンと接触する。しかし尾行していた刺客によってグリフは殺され、報を受けたアッシュは益々ディノへの復讐心を強くしたのであった。

バナナフィッシュの正体と刺客の足音

アレクシス・ドースン(右)からバナナフィッシュについて教えられるアッシュとマックス(左)

マックスの手引きによって早々に出所したアッシュは英二と共に逃亡し、ショーターと合流する。そして後日ディノが経営するレストランを襲撃したが返り討ちに遭い、アッシュは怪我を追って退却を余儀なくされた。

アッシュたちは態勢を整える為グリフの家へ向かい、そこで手掛かりを入手する。死の間際に託された番地はグリフを撃ち殺した元同僚のアレクシス・ドースンの住所だった。アレクシスは半年前から行方不明となっていたが、アッシュたちは「養子」を名乗る青年ユーシスの協力を得て調査する。その結果「バナナフィッシュ」の正体が20種以上の薬物を混ぜ合わせたドラッグで、軍が絡んでいることが判明した。

アッシュはこれ以上騒動に巻き込むのを避ける為、英二を帰国させることを決める。一方アッシュたちの背後にはディノが放った刺客・李一族(リーいちぞく)の魔の手が迫っていた。ディノはアッシュから依頼されてユーシスの調査をしていたショーターを脅し、二重スパイに仕立て上げる。そしてショーターは「ユーシス」と名乗っていた李一族のボス・李大龍(リー・タイルン)の弟、月龍(ユエルン)の指揮下に入ったのだった。月龍はアッシュ生け捕りという任務を達成するため、英二の誘拐を決行したのである。

月龍の作戦により一時ドースン邸を後にしていたアッシュとマックスが戻ると、英二とユーシスが居なくなり、英二の同僚のジャーナリストが毒を盛られて倒れている現場に遭遇する。するとそこへ行方不明とされていたアレクシスが姿を現した。ドースンはアッシュたちに「バナナフィッシュ」の正体を説明する。それは「暗示を掛けられると必ずそれを実行する」という作用のドラッグで、若き日のアレクシスとその弟、そして後輩エディが生み出したものだった。アレクシスは薬の効果に恐怖して廃棄したが、弟のエイブラハムは薬を持ち出しひそかに実験を続ける。実験台となったのはベトナム戦争に従軍した兵士たちで、グリフはその被害者だった。

一方攫われた英二はディノの元へ引き渡されていた。しかしショーターは道中英二の側に常に着くことで安全を確保し、李一族もまたディノとは違う思惑を心中に抱く。大龍は月龍を利用して「バナナフィッシュ」の真相を探ろうとしており、月龍は一族繁栄の為に母を殺された恨みを晴らすべく、密かに一族の転覆を狙っていた。

ショーターの死

英二と月龍はディノの手に渡り、ショーターはエイブラハムが完成させた「バナナフィッシュ」の実験台にされることとなった。エイブラハムはショーターに「英二は敵だ」という暗示をかけたうえで、ドースン邸に居たアッシュ達を捕らえる。そしてディノが支配権を狙っているアメリカ軍幹部数名の立ち合いのもと、「バナナフィッシュ」の実験を開始した。

英二を敵だと思い込まされているショーターと、手錠を掛けられたアッシュを引き合わせ、そこに英二を放り込む。ショーターが無抵抗の英二を殺そうとした瞬間、拳銃を渡されていたアッシュは一撃でショーターの心臓を撃ち抜いた。
いつも沈着冷静なアッシュが親友を手にかけたことで激しく狼狽していると、再び手錠を掛けられショーターが運び出される。エイブラハムは脳を解剖して「バナナフィッシュ」の作用を検証するつもりだったのだ。憔悴しきったアッシュの様子を陰で観察していた月龍は、「あとは君次第だ」と囁くと、手錠のカギをこっそり手渡す。さらにディノの屋敷にはアッシュの仲間であるアレックスを始めとした部下たちと、ショーター失踪後に彼の後釜におさまったシン・スウ・リンが、ボス奪還のために手を組んで急襲してきた。

騒ぎに乗じて手錠を外したアッシュは英二の救出に向かう。「ショーターの遺体を持って帰りたい」と懇願する英二に同意したアッシュだが、ショーターの脳はすでに取り出されており、変わり果てた親友の姿を見てアッシュの怒りは頂点に達した。その場にいたエイブラハムを撃ち殺し、ショーターの遺体もろともディノ邸を焼き払ったのである。

すれ違いの果てに

アッシュの無事を心から喜ぶ英二。

仲間たちと合流したアッシュはまずディノを遠ざける為、情報操作によってコルシカ財団に甚大な被害を与える。ディノは弁明の為ニューヨークからパリへ出向くこととなった。

アッシュは奪った金を使ってディノのオフィスを監視できる場所にオフィスを借り、英二と共に隠れ住む。そしてオーサーに支配されたダウン・タウンを取り戻すべく、オーサーの傘下に入ったグループのボスたちを次々粛清していった。するとアッシュの狙い通りオーサーは決闘を申し込んでくる。

一方で英二は、目的を達するために平気で人を殺すようになったアッシュを心配し続けていた。とうとう言い争いになってしまい、アッシュは隠れ家を飛び出す。翌日英二は、戻ってこなかったアッシュに謝罪するため中央図書館に向かった。英二の護衛をしていた二人の仲間から、「アッシュが一人になりたいときに向かう場所」だと教えられたのである。再会した英二とアッシュはマンハッタンの街を眺めながら話をして、和解することができた。

そんな中アッシュとオーサーの決闘が執り行われることとなり、アッシュは護衛二人に英二を帰国させるよう指示すると、ひとり決闘の場へ向かう。オーサーは伝統的な一対一の決闘に部下を乱入させたが、アッシュは冷静に、的確な銃の腕を発揮して次々部下を撃ち殺していった。再び一対一になり、今度は足場が悪い中でのナイフによる争いとなる。アッシュは劣勢を覆して一瞬のすきにオーサーにとどめを刺したが、殺す瞬間を密かに侵入していた英二に目撃されてしまった。憤ったアッシュは「日本に帰れ」と叫んだが、駆け付けた警察によってその場にいた者たちは全員逮捕され、重傷を負っていたアッシュは警察病院へ搬送されたのだった。

治療を受けたアッシュの身柄は突如FBIに引き渡され、ドクター・マナーハイムの研究所に連れていかれる。マナーハイムはディノの傘下で「バナナフィッシュ」の研究を行っていたが、ディノの失脚を受けて独断でアッシュを拘束したのだった。
研究所では「バナナフィッシュ」の連続投与によって著しい知能低下が現れるという問題に直面しており、優秀な頭脳を持つアッシュを実験台にしようともくろんでいたのである。マナーハイムは「アッシュ死亡」という虚偽情報を流してアッシュを社会的に抹殺したが、不審に思ったディノはすぐに調査して真相に気づいた。そして着任したばかりの研究所責任者を利用し、再びマナーハイムを支配したのである。

一方アッシュは、研究所に捕らわれて幼児並みに知能が低下したアレクシスを連れて脱走し、すぐに英二の行方を探りあてて再会した。英二は無事に生きて戻ってきたという事実を心から喜び、アッシュを抱きしめる。一方アッシュもようやく英二を遠ざけるのではなく護る覚悟を決め、二人の絆はより強固なものに変わっていった。また仕事で協力するうち、マックスとの間にもいつしか親子のような絆を得ていたのである。

一方月龍は「バナナフィッシュ」の秘密とディノの企みを調べ上げ、取引を持ち掛けた。ディノの障壁となる人物を抹殺してコルシカ財団のトップに返り咲く事と引き換えに、李一族を根絶やしにしてほしいと依頼したのである。
取引に応じたディノによって月龍は復讐を果たしたが、「憎しみの先に得られるものはない」と悟り、虚無感を覚えた。そして同時に「自分と同じ孤高の存在」だと感じていたアッシュに愛を与え、彼を変えてしまった英二に対して憎しみを募らせていくのだった。

アッシュとブランカ

ディノはかつてアッシュの教育係を務めさせた殺し屋のブランカを再び雇い、アッシュの監視をさせていた。
ブランカの気配に気づいて用心していたアッシュだが、ついに隠れ家を発見されて英二が狙撃される。そして英二の命と引き換えにアッシュに取引を持ち掛けてきた。
月龍とディノは「バナナフィッシュ」の全情報及びアレクシスの身柄を要求し、アッシュは英二を護るため条件を受け入れる。
情報を持っていたマックスは追い詰められた態度から状況を察し、アッシュにすべてを託した。英二もまた突然姿を消したアッシュの背後にディノがかかわっていることを見抜いて、アレックスらと共にチャイナタウンのシンと接触する。居場所を探り当てたシンは、近々開催されるディノ主催のパーティーにアッシュが連れてこられると踏み、奪還計画を立てた。
一方月龍は護衛の為、ディノとの契約が終了したブランカを個人的に雇ったのである。

当日様々な思惑の中、潜入した英二は発砲してパーティー会場を混乱させた。アッシュは拒食症で弱っていたが、意を読み取り脱出に成功する。アッシュが行動できた裏には、ブランカが「警護の為」と称して月龍の行動を抑制したという事情があった。
アッシュを庇ったブランカに激怒した月龍は、すぐさま一行の捕縛に動く。先読みしていたブランカによって追い込まれたアッシュたちだったが、英二の捨て身の特攻で生じた隙を突き、全員脱出に成功した。

シンの離脱

まんまと逃げられた月龍は、シンのもとでアッシュに協力していたチャイニーズマフィアたちを処刑し、密かに英二抹殺を指示する。
アッシュはシンの仲間を救うべく行動するが、ディノに雇われた元傭兵のフォックスによりマックスを人質に取られて窮地に陥った。強大な力の前に一行が疲弊する中、シンと彼の異母兄であるラオがもめ事を起こす。アッシュをリスペクトするシンに対し、ラオはアッシュの手下に成り下がったような態度を見せるシンが許せず、不満を募らせていったのだった。

そして密命を受けていたシンの仲間二名の銃弾によって英二が重体に陥り、アッシュは怒りから即座に二人を撃ち殺す。これが決定的なきっかけとなり、シンは同盟関係の解消を決意した。
シンは自分一人の命ですべての責任を取るために落とし前の決闘を申し込む。シンを死なせるわけにはいかなかったラオはアッシュに対する不満をぶちまけた後に脱退し、シンの覚悟を酌んだアッシュは、フォックスの決着後まで決闘を先延ばしにして協力関係を維持したのだった。

一方ブランカは、英二によって生きる気力を得て変化したアッシュの姿を見て、月龍との契約を打ち切る。死の中でしか生を見いだせない少年だったアッシュを護るための行動だった。

ディノの最期

捕虜となっていたマックスを救出するべくアジトに乗り込んだアッシュは、ディノを人質にしてマックスの解放を持ち掛けた。
しかしフォックスはディノを撃ち抜きアッシュを捕らえる。ディノを排した後で「バナナフィッシュ」とアッシュを手中に収め、コルシカ財団のトップに立とうともくろんだのだ。

アッシュを救うため、シンとブランカは共闘してアジトに乗り込む。アッシュも隙を見て脱出を図り、フォックスの部下と戦いながら逃亡を開始した。
その裏で重傷のディノはアジトのシステムをロックしつつ、アッシュの手助けをする。フォックスの手に渡ることなど我慢ならぬというディノの意地がそこにあった。

フォックスはアジトの上部にアッシュを誘導し、階下を爆破する。傷を負いながらも一対一の戦いでフォックスを追い詰めたアッシュだが、足を滑らせて転落しかけたシンに気を取られて形勢を覆され、フォックスに銃を突き付けられた。
絶体絶命に陥ったアッシュだったが、突如ディノの放った一発の弾丸がフォックスの額を撃ち抜く。
虫の息だったディノは刹那アッシュを見つめると、何も言わず燃え盛る階下に落ちていったのだった。

そして生き延びたアッシュは、シンに「決闘をやめよう」と声を掛けたのである。

別れ

長期に及んだ「バナナフィッシュ」との因縁に決着をつけたアッシュは、一人中央図書館の中にいた。そこへシンが英二からの手紙を携えてやって来る。
英二は今日帰国予定だったが、英二を平和な世界に戻して自分を忘れさせるため、見送りにはいかないことを心に決めていた。
手紙を渡したシンは空港に向かい、英二に対して「アッシュが『また会おう』と言っていた」と嘘をついて元気づける。

一方のアッシュは「アッシュの平穏と再会を願う手紙」を読んで、日本行きのチケットが同封されていた封筒を握りしめた。
英二の優しさに心揺らいだアッシュが慌てて空港へ向かおうとしたところに、突如ラオが襲撃してくる。
ラオはアッシュとシンの決闘が取りやめになったことを知らず、シンの命を護るために行動したのだ。

ラオを撃ち殺したアッシュだが、自身もまた致命傷を負って、英二との再会が二度と叶わぬことを悟る。英二からの手紙を握りしめながら、アッシュは静かにその生涯を終えた。

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