十二国記(The Twelve Kingdoms)のネタバレ解説まとめ

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

慶東国とは、十二国世界の一つである。ここにまとめるのは、アニメ版のシリーズを通した主人公と言える中嶋陽子が王となった慶国(または慶)の人物。中には他国の出身者や海客もいるが、最終的に慶国の住民となった者もここに記す。
慶東国は別名を慶国(けいこく)、または慶(けい)という。現在の王は胎果の中嶋陽子(または中陽子)、麒麟は景麒である。
数代前の達王以来王に恵まれておらず、無能な女王が三代続いた。陽子はそんな中で景麒に選ばれた女王である。陽子が正式に登極するまでは偽王の舒栄がおり、国は内乱による戦火を始めとする災禍に見舞われていた。陽子の即位後、今まで王の代わりに政治を動かしてきた官吏からすれば王、特に胎果の王は邪魔な存在でしかなく陽子が官職を言い間違えるなどすると揚げ足をとるような発言をした。
陽子は即位に際し、景麒と話し合った結果、年号を赤楽(せきらく)とした。この「楽」の字は、陽子の友人にして大恩人の楽俊から一字とったものである。
都は堯天(ぎょうてん)。王宮は金波宮(きんぱきゅう)。陽子は普段、金波宮で生活をしている。
予王の時代より、和州なる土地では昇紘やその部下らが天意に背いた行いを繰り返していた。これにより、『風の万里 黎明の空』では垣魋らによる和州の乱なる内乱が起きるも、事態を知った景王・陽子により鎮圧されている。この和州の乱は、人道を重視する高官を救い、人道を踏みにじり君臨する悪徳高官を罰することとなり、陽子や国にとっては良い結果をもたらした。

中嶋陽子/景王/中陽子(なかじま ようこ/けいおう/ちゅう ようし)

出典: gyao.yahoo.co.jp

王となった陽子。

声:久川綾

中嶋陽子は、蓬莱(日本)に生まれた女子高生である。『月の影 影の海』初登場。アニメ版では全編を通した主人公と言える。『風の海 迷宮の岸』のように、原作に陽子がいないエピソードでも、聞き役として(視聴者と同じ目線で)わずかながら登場している。

厳格な父とそれに従うだけの母の下、他者の顔色を気にする性格に育つ。実は十二国世界から蓬莱に流された胎果であり、慶国の王となるべき人物だった。突如現れた景麒にひざまずかれて、「(陽子を狙う)追手が来ている」と言われた。わけが分からぬまま、陽子は景麒の力で十二国世界に渡る。この時、幼馴染みの浅野郁也、クラスメイトの杉本優香が一緒でないと嫌だと口にした為、二人も同行することとなった。また、十二国世界に渡る直前に護衛の意味で、人に取り憑き戦力を上げる妖魔の冗祐を体内に入れられている。この為、自分の意志と関係なく冗祐に操られる形で景麒から手渡された刀(水寓刀)で戦うこととなる。
十二国世界に戻った途端に別人のように容姿が変わるが、これは胎果の特性である。陽子の場合は釣り目になり、目の色が緑に変貌した程度だが作中人物からすればまるで別人らしく、優香や郁也から「誰だ」と言われている(声や服装で陽子だと分かった)。景麒やその部下である女怪、使令からは何の説明も受けておらず、なぜ自分が追われるのかも分からなかった。

十二国世界の人間だけでなく海客、果ては優香にまで裏切られて騙された為、ネズミの半獣(見た目には二本足で歩いて口を利く大きなネズミ)、楽俊と会った時には人間不信状態だった。楽俊とその母のお人好しともいえる性格に心が溶きほぐれていくが、完全に信じ切ることはできなかった。警備兵に見つかった時には、海客だとばらされるのではないかと思い、一度は楽俊を見放した。
蒼猿から何度も「いい子ぶっているだけ」といった陽子自身の本心を口にされ心を乱されるが、陽子は楽俊を信じたいとの気持ちが募り、迷いを捨てて蒼猿を斬り、楽俊を追って雁国へと向かう。雁国の港で楽俊と再会した陽子は、海客の松山誠三の元へ案内される。そこで「景麒にひざまずかれた」旨を話すと、誠三と楽俊は陽子を慶国の王・景王となるべき人物として態度を改める。それまで陽子に対し気さくに接してきた楽俊だったが、王は自分とは遠い存在として一歩退いて接し、逃げるように陽子の下を去ろうとした。楽俊を信じると決め、友人と認識していた陽子は、逃げるように去った楽俊を追い、一歩退いた今の楽俊の態度を差別だとして説得。改めて友人となる。

延王からは麒麟が頭を垂れた時点で人として死んでいるので、蓬莱(日本)に戻ったところで長くは生きられないと聞かされる。慶国に残り王となれば生きられる上、荒れた状態にある慶国を建て直せるのが自分以外にいないとも言われた。慶国には王を名乗る舒栄がいたが、舒栄は仮王であり、仮王が玉座につくことは天命に背くとされ国は荒れたままとなる(実際には偽王)。舒栄は、景麒を呪具で縛りつけ従えていた。蓬莱に戻るか王になるかとの選択を突き付けられた陽子は十二国世界にとどまり王となる覚悟を決める。その為には、景王を名乗る舒栄から景麒を救出する必要があった。囚われていた景麒を救い、誓約を交わして舒栄から玉座を奪還、景王として即位した。
王になる決意こそ固めたものの、蓬莱とはまるで違う世界や、どこへ行っても平伏される生活などに戸惑う。そもそも無能な女王が三代続いた慶国においては、女王という時点で、官僚たちから歓迎されていなかった。何も知らない胎果という点も、高官たちに歓迎されない理由であった。十二国世界のことを把握しきっていない状態で家臣の役職名を間違えるなど失態も多く、自らの至らなさを思い知る。
『風の万里 黎明の空』ではこの世界の道について何もわかっていないと痛感し、達王に使えていた飛仙(現在の王に仕えない仙)である遠甫の教えを受けることで王として、人としての道を学ぶ。

お忍びで出かける際は男性的な服装をすることが多い。これは男装というわけではなく蓬莱で「女の子らしい」生活や姿を強要されていたことの反動と、王の衣装がゆったりとしている上重ね着で動きづらい為である。お忍びの際は「中陽子」の名を使う。

和州における乱で祥瓊、鈴、垣魋といった信頼できる者と出会い官僚とする。この一件の後、王が初めて出す命令である初勅として、自分への平伏の禁止を命じた。これは地位で人が人を踏みにじることで悲劇が起きる、和州の乱を見て決めたことである。すなわち、慶国の民が、唯一無二の自分の君主として、何があってもくじけない心を持ってほしいとの気持ちからきている。

景麒(けいき)

出典: fotki.yandex.ru

声:子安武人

慶国の麒麟。蓬莱まで陽子を迎えに来て誓約の為頭を垂れる。塙王の追っ手が来ていることもあり、何も知らない陽子に対し説明ができず、陽子たちをまず十二国世界に逃がすことになった。優香や郁也も十二国世界に行かせたのは陽子がそう望んだ為である。景麒自身は血を浴びたことで弱り、塙麟によって動きを封じられる。
予王(先代の景王)の妹の舒栄が偽王として覇権を握るために、麒麟を弱らせる鎖を使われていたところを陽子に救われて改めて誓約を交わす。その後は陽子に仕えるが、使用人に「お疲れ様」と声をかけたり、メモを取ったりする陽子の姿勢に王らしくないとの不満を抱く。原作では「不満だけはすぐ顔に出る」とされており、真面目で慈悲深いが不器用な印象を与える。

景麒は戴国の麒麟の泰麒と話をしたことがある。その頃胎果の泰麒は十二国世界に戻って来たばかりで、転変ができず落ち込んでいた為、女仙の長である碧霞玄君に頼まれて蓬山を訪れたのだった。この時、泰麒に王の選び方や転変の仕方を聞かれるが、景麒は王を選ぶことも転変もさして難しいことではないと告げた。この言動は悪気があってのものではなかったが、話し方が四角四面な上、泰麒が麒麟にとって自然で簡単に出来るはずの動作すらできないとの事実を知らしめることとなり、却って泰麒にプレッシャーを与える結果となった。この一件に関して碧霞玄君に「もっと言いようがあるだろう」ととがめられて「同じ蓬莱生まれの延台補にお頼みすればよかったのでは」と返している。
それでも泰麒の目の前で転変を行い、使令の捕らえ方や、王を選んだ時のことなどを教え、不器用ながら泰麒のためできうることをした。その真意は伝わったらしく、泰麒から「景台補はお優しいです」と言われている。転変以外でも泰麒が王を選び出す自信がないことを知っていたため、泰王即位の知らせを受けた時には無事に王を選ぶことができたのだと安堵した。

景麒自身は泰麒が戻る二年前に王気を感じ、王気をたどって予王を探し当てた。予王の時代、王から異性として想いを寄せられていた。予王が景麒に近づく女性への嫉妬から、ことごとく女官などが罷免した際に失道の病(王が道に外れた政治をした時に、麒麟がかかる病)にかかっている。予王が自主的に退位したことで病は治った模様。

白芥瑚(はく かいこ)

出典: s.dianping.com

声:進藤尚美

景麒の女怪(麒麟が幼い時に乳母の務めをし、王を選んだ麒麟の使令となる存在)。『月の影 影の海』に登場。景麒の命令で陽子の先導役となる。郁也や優香とは離れて移動していることや、水禺刀についた碧双珠が陽子を守ることなどを説明し、水禺刀を失くさぬように言った。十二国世界に入った後、しばらく陽子を護衛していたが、追手の妖魔から陽子を逃がすべく囮になった。陽子に聞かれたことにはある程度の説明をしたが、何故十二国世界に陽子を迎えに来たのかなどの理由は話すことができないままであった。

冗佑(じょうゆう)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:堀川仁

景麒の使令で、賓満(ひんまん)という種族。戦場や軍隊に現れる妖魔であり、人間などに憑依する。取り憑いた相手の目を借り、戦闘力を上げる。物語当初で陽子の体内に憑依し、剣を振るわせた。
景麒の命令に従い、無き者として振る舞っていた(姿を見せずにいた)ものの、陽子が十二国世界に留まるかどうか悩んでいた際に言いつけを破って話しかけている。尚、無き者として振る舞えとの命令は陽子が冗祐を恐れた為である。
『月の影 影の海』のラストで、陽子から名前の字を尋ねられ礼を言われた。この時、「使令は王や麒麟に仕えるもので、礼を言われるには及びません」と陽子に告げている。

驃騎(ひょうき)

出典: shinyaanimewalker.blog.fc2.com

陽子を背に乗せ、空を翔る驃騎。

声:清水敏孝

景麒の使令で種族は鉤吾(こうご)。原作での表記は「暗赤色の豹」。『月の影 影の海』では第一話から登場。陽子が投げ捨てた水禺刀を拾って景麒に手渡し、追っ手の妖魔と戦った。『風の万里 黎明の空』では、班渠共々昇紘の居場所を陽子に伝えている。

班渠(はんきょ)

出典: 12kingdoms.fandom.com

声:岡野浩介

景麒の使令で、鋼色の毛並みを持つ狼のような外見。種族は狗即(いそく)。騎獣に匹敵する俊足を持つ。班渠は陽子を蓬莱に迎えに行った際、景麒と共に塙王の放つ追手の囮となった。その後も生き永らえ、陽子や景麒に仕える。
『風の海 迷宮の岸』では、景麒が泰麒に使令の捕らえ方を指南した際、「使令は麒麟の死肉を食べる」との景麒の言葉で大口を開けて泰麒を驚かせた(「麒麟を食べる」との言葉に対する一種のジョークと思われる)。
『風の万里 黎明の空』では、街に下りる陽子を影ながら護衛した。

重朔(じゅうさく)

出典: note.mu

景気の使令で、雍和(ようわ)という種族。蓬莱まで陽子を迎えに来た。陽子の要望により共に十二国世界に渡るべく、優香と郁也を抱えていた。見た目は巨大な狒狒に似る。

雀胡(じゃっこ)

出典: passport.weibo.com

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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