Maison book girl(ブクガ)とは【徹底解説まとめ】

Maison book girlとは、2014年11月5日に結成された日本のアイドルグループ。作曲家・音楽プロデューサーのサクライケンタとBiSのメンバーであったコショージメグミを中心として誕生。サクライケンタの「現音ポップ」と称する変拍子を多用した楽曲をバックにコショージメグミが詞の朗読を行うというパフォーマンスを発展させた形といえる。一筋縄ではいかない「現音ポップ」に合わせてパフォーミングを行う、という独自の世界を持っている。2021年5月30日、活動終了が公表される。

コショージメグミ インタビュー
アイドルのみんなが抱えているような心配みたいなものが一切ない
──最近、欅坂46だったりアイドルネッサンスだったりいろんなアイドルに興味を示していて、実際ライブに行ったりもしてますよね。
アイドルを好きになったのは高3のときなんですけど、この仕事を始めてからは離れちゃって。単純に忙しかったから、好きなものをシャットアウトしてたんです。「どうせ観れないし」っていう感じで。ブクガが始まった当初はバンドのライブを観て勉強してたんですけど、最近はまたアイドルがすごい好きになっちゃって。めちゃくちゃ勉強になるんです。普通に好きだから行ってるんですけど、自分がハッとしたやつをブクガに取り入れるようにしていて。セットリストとかに生かしてます。
──コショージさんはけっこう精力的にアイドルを観に行っている印象があって。Maison book girlは去年の11月のメジャーデビュー以降、忙しくなっているんじゃないですか?
前はライブをすごいやっていたんですよ。多いと月に20本とか。でも最近は減らしていて。ライブを減らした分、今までなかったお仕事をしていたり、忙しさはそんなに変わってないのかもしれないです。
──ファンも増えて、たくさんイベントに出なくてよくなった?
それはある(笑)。それに、何度もやってるとお客さんが分散しちゃうじゃないですか。
──そうなんですよね。
イベントで「ブクガ目当てのお客さんを毎回このくらい呼べるようになったらいいね」っていう話をスタッフさんにされて、そこを目指してやってきたんですけど、最近はライブが減ってお客さんが集中しているのもあってか、ブクガ目当てのお客さんが増えてきてるなって思います。
──“実は顔で売ろうとしているMaison book girl”が、いよいよ売れてきていると。
それ、ネタで言ったことじゃないですか(笑)。今回のアー写はやばいですよ。私たちがスケスケ。もう残像になっちゃいました。おかしいですよ。
──リリースのたびに宣材写真がどんどん暗くなり、顔が見えなくなってきていて。
今回はもうどこにいるかもよくわからない! なのに実は顔で売ってたらめっちゃカッコいいですね。曲が売りと見せかけて、顔がいいんですみたいな(笑)。
──実際、ブクガに期待する声はたくさん耳にするんですよ。今はアイドルブームが落ち着いてきてるから。
うちらは全然絶好調ですね……ってそんなことはないですけど(笑)、みんなが抱えているような心配みたいなものが一切ないです。
──メンバーの中で誰も「この人はヤバそうだ」みたいな闇を感じないですし。
そう! そういうのがまったくないんですよ。「実はありそう」という気配もしない。グレーなこともない。

リーダー的な存在がいないのが、逆によかったのかもしれない
──Maison book girlはメジャーデビューのタイミングでメンバー全員のブログを始めましたよね。最初は続くわけがないと思ったんですよ。でも、それがちゃんと続いていて。
ですね(笑)。変なまとまり感があって。「みんなやってるからちゃんとやろう」ってことじゃないかな。
──ほかのメンバーがやってるから私もやらなきゃと全員が思っている。
そう。最初は「週に何回更新して」みたいに言われたんですけど、「いや、この曜日はこのメンバーって決めよう」ってことになって。それで毎週ちゃんとやってるんです。
──実際にやってみてどうなんですか?
秘密にしてたんですけど、実は私、1回飛ばしてるんですよ。でも気付いてないでしょ、みんな。
──ファンは気付きますよ。
あはは(笑)。私は“火曜日の女”なので。火曜日は更新がんばります。
──ブログを書くこと自体は楽しいですか?
あとから苦しくなるかもしれないですけど、今は全然普通に楽しくできてます。アイドルが好きっていうのもあって、最近は好きなアイドルのブログを読むんです。なので読む人の気持ちがわかるし、書き方もインスパイアされてると思います。
──そうやって少しずつちゃんとしていっているのがいいなと。
実はちゃんとしてるんですよ。人に「背負うものが増えたよね」って言われたりして、それをなんとなく感じてるのかなって思います。でも、ファンの人からは「しっかりしたよね」って言われたり、「やっぱりそうでもないわ」って言われたりしてます(笑)。
──メンバーを見ていて、変わったと思いますか? 和田さんなんかはすごく真面目なタイプじゃないですか。
そうですね。和田、唯はすごい真面目。2人は思ってることを言うようになったのかなと思います。私、「この人はこんなことを考えてる」っていうのがなんとなくわかるんですよ。エスパーなんで。和田とか唯は、思ってることがあるのはわかってたんですけど、それを口に出して言うようになった感じがします。こういう取材でちゃんとしゃべれるようになったし、振り付けのときも率先して意見を言ってくれたりします。
──矢川さんはいかがですか?
葵はコショージと同じタイプ。和田と唯が言い合って、私たちはそれを聞いてる。話がまとまったら「よし」って動き出します(笑)。もしかしたら、葵は一番変わってないのかもしれない。最近は一緒にいる時間も増えたから、葵がどういう感情の持ち主かなんとなくわかった気がします。
──ブクガってリーダー制度はないんですよね。コショージさんがリーダー的な存在ということでもない?
全然です。でも、逆にそれがよかったのかもしれないですね。みんなができることをやるのが。もしリーダーがいたら、それを全部やっていたのかもしれないけど、1人ずつがやれることを持ち寄っているので責任感がある。この人がMCをする、この人がスタジオの予約を取るとか、みんなが自然とやっているので。
──いざというときにコショージさんが頼りになるという場面はあるだろうと思いますよ。節目でグッとくるコメントを残したりしますしね。
じゃあ、コショージがリーダー的存在かもしれない(笑)。

出典: natalie.mu

コショージメグミ

ソールドアウトしなかったことないから埋まりますね
──5月に赤坂BLITZワンマンが決まったことについては?
ヤバいっすよね。埋まりますかね?
──そんなふうに思ったりするんですね。
思いますよ! めっちゃ不安です。「マジかー」みたいな。
──11月のWWW Xはすぐにソールドアウトしましたよね。
いや、キャパが大幅に増えるじゃないですか。WWW Xに来た人が全員来てくれても埋まらないんですよ?
──以前は「なんだかんだワンマンは人が来る」みたいなことも言ってたのに。
でもいきなり赤坂BLITZとは思ってなくて。あと200人くらい少ないところがよくないですか?
──完売させたいと。
させたいです。じゃないと意味ないですよね? ブクガではソールドアウトしないワンマンをやったことがないのかも。次が3回目のワンマンで、2回ともソールドアウトしてる……ヤバ! 今気付いた! ソールドアウトしなかったことない! ……ってことは埋まりますね。
──急に楽観的(笑)。それは今回のアルバムとツアーにかかっているんじゃないですか?
地方の人が付いて行きたいと思うかどうかってことですよね。アルバムはどうでしたか?
──すごくよかったです。
「bath room」に比べてどのくらいいいですか? 「bath room」、けっこういいですよね。
──その「bath room」と比べても圧倒的にいいと思いますよ。曲はもちろん、皆さんの歌の表現が素晴らしいと思いました。
ホントですか! 確かに歌がうまくなったなっていう実感はめっちゃあります。声とか歌い方が大人っぽくなった。だから「bath room」に比べて聴きやすいのかなって。「bath room」は幼さと音楽のズレがあって、それはそれでよかったのかもしれないけど、今回はその2つが近付いているのがいいと思います。

無の空間に手を突っ込んで、引っ張り出して書く
──ポエトリーリーディングの「opening」はコショージさん作詞で、これまでの散文的な詩ではなく、ストーリーのある短編小説のようになってますよね。これは手応えがあったんじゃないかなと。
今まで音源化されたポエトリーリーディングにはストーリーっぽいものはないんですけど、音源化してないやつではそういうのは何個かあったんですよ。そっちのイメージで書きました。けっこうみんなに「ここはこういうふうに言って」って監督みたいなことをやっちゃって。
──ディレクションをした。
はい。だから気持ちが入ってると思います。今までは誰でも言えるようなこと……その人の声質に合った言葉をチョイスしてはいましたけど、今回は「ここはこういうふうに言ってほしいからもう1回やって」みたいなことも言ったりして。確かに新しい挑戦ではありますね。
──どうしてこういう文章を書こうと思ったんですか?
アルバムの曲ができる前にサクライさんに言われて1曲書いてたんですよ。そうしたら、「もっとストーリーっぽいものを書いてほしい。希望みたいなテーマで、これから何かが始まりそうなのを書いてほしい」って言われて。それですごい考えて、ちょっとサクライさんの気持ちがわかりました。
──というと?
なんて言うんですかね……自分の体の一部に何もない穴があるとするじゃないですか。無の空間が。そこに手を突っ込んで、うわーって引っ張り出して書くみたいな。けっこう大変でした。
──希望がテーマでこういう内容になったというのもすごいなと。
私は毎回希望についてしか書いてないと思ってたんですよ。すべてにおいて。でも人に聞いたらそうは思われてなかったみたいで。だからどうやったらわかってもらえるんだろうとすごい考えて。でも、やっぱり、希望は絶望の中からしか生まれないんですよ。そう思ったら、こうなりました。
──この詩を聴いて「大切な人が亡くなったのかな」と思ったんです。
ああ、なるほど。昔から周りの人が死ぬっていうのはけっこう経験していて。友達だったり、家族だったり。自分の中に死のイメージが確実にあって、それを掘り起こすのが苦しかったですけど、だからリアルなことが書けたのかもしれないです。
──死が身近だった?
自分では普通かなと思っていたんですけどね。こないだ人と話してたら「お世話になった人が亡くなったみたいで。私、知ってる人が亡くなるの初めてなんだよね」って言われて、そうなんだと思って。私は小さいときからけっこう多かったので、逆にびっくりしました。
──リアリティがあったので納得しました。
葵が録ってる最中に「泣きそうになっちゃった」って言ってくれて。私も自分で書いたセリフなのに、ストーリーに入り込んじゃって泣きそうになった部分があるんですよ。
──エモーショナルですね。
そうなんですよ。「あれ? おかしいなあ」って(笑)。配役が難しかったです。猫とおじいさんが出てくるんですけど、私の中では猫は男の子だったんです。葵か和田が言っちゃうと猫が女の子になっちゃうなと。でも、葵や和田におじいさんをやってもらうのも違うなと考えて。唯が毎回おじいさん役になるんですよ(笑)。
──サクライさんは暗い気持ちを言葉にしますが、それとコショージさんの言葉には似たところがあると思います。不思議ですよね。性格的には全然違うと思うんですけど、近いところでものを作っているんだなと感じました。
ああ、そうなのかもしれないですね。最後にこれがきて、アルバムに合っていると思ってもらえたらすごくうれしいです。

出典: natalie.mu

井上唯

井上唯 インタビュー
「いつまでも学生気分じゃいけない」って気付いたんです
──今コショージさんと「井上さんは真面目で、以前よりも思っていることを口にするようになったんじゃないか」という話になりました。
中学生くらいまでは本当に真面目だったんですよ。高校くらいから友達にも影響されて、あんまりがんばらなくてもいいんじゃないかって思い始めて、宿題とかをやらない子になり、それが最近まで続いていて。で、最近また真面目になった気がします。
──高校時代から最近まではどんな感じだったんですか?
待ち合わせで「やべ、このまま行ったら5分くらい遅れるな……まいっか」から始まり、最終的には30分遅れてもなんとも思わなくなってたんですよ。最近までは。それがダメだと思って、今は集合時間前に来てます。半年くらい前から「ヤバい」って思い始めた気がします。
──変わったきっかけは、やはりメジャーデビューしたこと?
それもちょっとあるし、大人としてヤバいと気付いたんです。「いつまでも学生気分じゃいけない」って。
──はっきり自覚して変えたんですね。
はい。それまでも仕事に対して真面目じゃなかったわけじゃないけど、プライベートではダラっとしてたんです。でも、そこをちょっとキュッとして、全部をがんばろうって。

自分たちがいくらがんばっても、人が来ないと意味がないじゃないですか
──最近のブクガをどう見てます?
いい方向に行っていると思います。中身も外見も、みんながんばってると思う。最初に手を抜いていたというわけではないんですけど、技術が伴ってきて、がんばり方がどんどんわかってきたんです。粗を直したりして、求めるものが高くなっていってる気がします。ライブも媒体の方が来てくれて、皆さん「カッコよかった」と口々に言ってくれるし。私は褒められて伸びるんです(笑)。
──「お客さんがたくさん来ると自信が付く」というような話もしてましたもんね。秋のポリープ手術後、喉の調子はいかがですか?
喉は大丈夫です。昨日も病院に行って、「もう来なくてもいいくらいだね」って言われました。
──それはよかった。今は順調そのものなんですね。
このまま何事もつまずかなければ順調にいく予定です。今気になるのはツアーです。
──何が気になります?
人。
──集客?
はい。自分たちがいくらがんばっても、それで人が来るかというのは、まあ、ねえ……人が来ないと意味がないじゃないですか。ワンマンはこないだやったばっかりなのに、会場がデカいし、地方にも行っちゃうし。どうなんですかね。こないだのワンマンも、その前後に出たイベントでは別にすごい集客が伸びてるとは感じなかったんですよ。なのにワンマンが即完になって。よくわからないんですよね。「ワンマンなら来たい」と思ってくれている人がいるってことなんでしょうけど、それが地方にどのくらいいるのかが全然未知数だから。その不安ですかね。
──2月に福岡に行ったときはどうだったんですか?
キャンペーンで行って、ラジオの観覧だけだったんですけど、わりと地元の人が来てくれたりしました。でも、どうなんですかね。大阪とか新潟は東京に住んでる人でもまだ行けるから。
──どこでも東京から行けるでしょ(笑)。
いや、「福岡とか北海道は遠くない?」って話をしてて。
──確かに海を越えますから、そこは東名阪とは一段違うハードルがありますね。お客さんが増えているという実感はあるわけですよね?
それがわからないんですよね。客観視できない。

「自分たちがやっていることは正しい」と思えるようになった
──ライブ映像のBlu-rayってCDと比べるとそんなにみんなが買うタイプの商品じゃないと思うんですが、2月にリリースされた「Solitude HOTEL 2F + faithlessness」はインストアイベントでも反応が大きかったような気がしました。
ああ、売り切れちゃったりしてましたね。それってすごいんですかね。
──今までとは違う広がり方をしているということだとは思います。
そうなんですかね……。
──すごい自信のなさ(笑)。自分たちのパフォーマンスについてはどう考えているんですか?
そこは自信満々にやってるんですけど(笑)。楽しいです。日々成長していると思います。
──どこが悪いのかわからない、どうすればよくなるのかわからないという段階は抜けている?
そうですね。それはよかったと思ってます。
──始めて1年近くは何もかもわからないという状態でしたもんね。
本当に。そう考えると道が開けましたよね(笑)。前までは想像もできなかったんですよ。自分たちのやっていることが合ってるのかがわからなくて、「これで本当に広がるの?」っていう気持ちがあった。
──曲も風変わりだし。
そう。けどもう、メジャーデビューしたのもあって「自分たちがやっていることは正しい。このままいけばきっと大丈夫だ」と思えるようになった。だから早く広まればいいなと。

出典: natalie.mu

井上唯

妹と弟は友達に聞かれても隠してそう
──売れたい欲求は強いほうですか?
強いと思います。演出面にしたって、大きくなればなるほどやれることも増えるじゃないですか。やりたいことはきっとみんなたくさんあるから、明るい未来を切り開いていきたい。
──やや暗い人たちが。
ですね(笑)。最近は自分たちの音楽が変わってるとも思わなくなってきました。私、前まではJ-POPとかアイドルソングみたいなのしか聴かなかったんですよ。めっちゃアイドルが好きな時期があって。でも、自分たちが歌ってる曲はなんかおしゃれじゃないですか。その影響なのか最近、洋楽とかを聴くようになって。だから、変わった音楽だと思ってる人の認識のほうを変えちゃうのがいいんじゃないかと思うんですが、どうですか?
──「ブクガが普通なんだよ」と。ちなみに洋楽って、どんなのを聴いているんですか?
1D(One Direction)とか。ひさびさに実家に帰ったら妹が1Dにハマっていて部屋にポスターが貼ってあって。あとはアリアナ・グランデとかSweetboxとか、かわいいやつを聴いてます。
──妹さんとは疎遠なんじゃないんですか?
すげー仲悪いし、弟とはもっとひどいです(笑)。妹とは仲が悪いというか、私が嫌われてるだけなんですけどね。ブサイクだって幼少期から言いすぎたので(笑)。でも、「洋楽聴くとかかわいいな。ポスターおしゃれじゃん」って思って。
──妹さんとか弟さんがライブを観に来るくらいにブクガを変えるっていうのはどうですか?
いやあ、ないかな。
──地元の福岡公演に来てもらいましょうよ。
福岡は……絶対来ないですよ。「行かん」とか「めんどくさい」とか言われそう。メジャーデビューのこと知ってるかなあ? もし知ってたとしても、友達に聞かれても隠してそう(笑)。

サクライさんが作るもので「これはないよね」は基本ない
──アルバムの仕上がりを聴いてみてどう感じましたか?
インディーズのときのCDの音源が一応ケータイに入ってるんですけど、前は自分の曲を聴くのがあまり好きじゃなかったんですよ。シャッフルで流れてきたら飛ばしちゃってた。歌声も聴いていられないくらい嫌いだったんですけど、このアルバムが届いてからはずっと聴いてます。
──おお! 自分でも聴ける作品。
インディーズの曲も、ライブでやるのに飽きたってわけではないんですけど、聴くのはなんか嫌で。聴けるようになったのは、歌が成長したんだと思います。感情が入りました。
──アルバムで「これはうまくいった」という曲や、印象に残った曲はありますか?
「end of Summer dream」がすごい難しいんですよ。拍にハマってないというか、最初に聴いたときは意味がわからなくて。でもめっちゃ聴いてめっちゃ練習したら、意外とすんなり歌えました。今は振り入れをしているんですけど、死ぬほど難しいんです。だからこれが一番がんばった曲かもしれないです。あとは「veranda」。レコーディングの日に体調を崩しちゃって。おなかにくる風邪で、夜中から朝までずっと吐きまくってたんです。病院で先生に「大丈夫」って言われたからレコーディングに行ったんですけど、ブースにゲロ袋持ち込んで歌いました(笑)。死にそうになりながらがんばりました。それはしんどかったですね。
──そんな体調でレコーディングしたんですね(笑)。
サクライさんに「袋持って行っていいですか?」って言ったら、「吐いたらその音どこかで使おうか、ははは(笑)」って言われました。「はははじゃねーよ」みたいな。だから印象に残ってます。
──今回、ついにメンバーではなくサクライさんの声だけが入った曲があります。
「int」ですよね。しかもアルバムの中で一番長いっていう。
──10分越えですね。
Eテレで流れてそうな曲。こういう曲を間に入れてくるあたりが普通じゃないですよね。
──そこがブクガの面白いところだなと思うんです。こういう曲がアルバムに入っていても自然に聴けるというか。
音楽とか、写真のイメージとか、サクライさんが作るもので「これはないよね」って私たちが思うことは、基本ないですね。すんなりと入ります。私が変わったんですかね。染められてるんですかね。
──わからない中でやってきたけど、お客さんが増えたことや、メジャーでの活動を通して、さらにサクライさんを信頼できるようになったということですよね。
いい流れ!
──「int」のようなサクライさんらしさが全開の長い楽曲もありますけど、メンバーの皆さんが操り人形になっているわけでもないんですよね。存在感が拮抗しているというか。
なるほど、そうかもしれない。「bath room」のときは“音ありき”みたいなところがあったけど、今回のアルバムで私たちに自我が芽生え出した気がする。それがよいのかもしれないです。もっと磨きをかけます。
──コショージさんのインタビューでも話題に挙げたんですが、ブログを定期的に更新するようになったことで、それぞれのキャラを知れるいいきっかけができたなと思ったんです。
それレベル低いですよ(笑)。
──でもそういうことすらほとんどしてこなかったわけで。以前は「ブログを更新する意味があるんですか?」くらいのことを言っていたじゃないですか。
それはやる気がないですね(笑)。今は仕事が増えて日常が充実してるから、ブログに書きたいことがあるんだと思います。あの頃はバイトばっかりしていて、書くことが本当になかったんだと思う。そう考えると変わりましたね(笑)。
──そろそろ時間ですが、言い残したことはありますか。
アルバムを買ってほしい。これ聴いてたらおしゃれだと思う。あとはライブに来てください。

出典: natalie.mu

矢川葵

矢川葵 インタビュー
まだ大阪に帰る気はない
──コショージさん曰く、一番変わらないのが矢川さん。
うーん。根本的には何も変わってないと思います。ちゃんとやろうっていうのは最初から思ってましたよ(笑)。度合いが変わったのかもしれないけど、ちゃんとやろうという気持ちはずっとあります。「次は赤坂BLITZだ」とか新しい目標が増えて、それに向かう気持ちは強くなったけど、ずっとがんばろうと思ってやってます。
──そうですよね。ブクガは全員地方出身で、矢川さんも大阪から東京に出てくる時点でかなりの覚悟を持っているわけで。
20歳くらいのときに、そうやって1つくらい決断しておかないと、私はこのまま何も決断せずに死んでいくんじゃないかと思って。やっとがんばろうと思うことができたんです。ブクガに入ったことが今までの人生で一番大きな転機なのかもしれない。
──実際、始まってみてから、お客さんが増えない時期というのもあったわけじゃないですか。
東京に越して来る前は「もしこのまま何も変わらなかったら大阪で就活しなきゃな」って思ってました。けど、こうしてデビューさせていただいたりして。まだ帰る気は、ない。もっと東京でがんばろうと思いました。
──矢川さんはこうなりたいと思い描いているものはあるんですか?
漠然としているんですけど、一番の目標は、親がテレビを観ているときに「うちの子が出てるな」って思ってもらいたい。大阪に行ってもすぐにブクガだってわかってもらえるようになりたい。そこはずっと目指してます。相当がんばらなきゃダメですよね。
──カフカの楽曲にゲスト参加しましたよね(参照:カフカ、ブクガ矢川葵も歌う「City Boy City Girl」を配信&MV公開)。ミュージックビデオにも出て、ライブにも参加して。そういった課外活動も積極的にやっていきたいですか?
いろんなことをしたいと思っているので、そういうお話が来るのはありがたいです。でもやっぱり、1人で出るとなると、ちょっとだけソワソワします。ブクガのワンマンのときって、和田ちゃんとか唯ちゃんは緊張しいなんですけど、私はあまり緊張しなくて。でも1人になると、私も緊張するんだなと思いました(笑)。
──ブクガは安心できる場所。
うん。

「私、寂しいって気持ちがあったんや」って気付いて
──東京の友達はできました?
できないですね。どうやったらできるんでしょう。最近は1日休みの日があんまりなくて、休みでもレッスンが入ってたりする。そうなると遊ぶ日があんまりない。ほかのアイドルさんと予定が合わないんですよ。会ったらしゃべる人はいるんですけど、がっつり遊びに行こうっていうのは誰ともできてない(笑)。
──そうしたくないわけではないんですよね。
遊ぶ約束をしても、明日急にレッスンが入ったりしたら断るのが申し訳なくて。ドタキャンになるじゃないですか。休みになってもあんまり気軽には誘えないです。
──そんなに急にレッスンが入ったりすることがあるんですか。
あるんですよ。それで2回くらい遊べなくなったことがあって。そうなると、「いつも誘ってくるくせにドタキャンするじゃないか」と思われたら嫌だなと思って、誘えなくなる。ドタキャンしても大丈夫な間柄の子だったら全然誘えるんですけど。
──そうなると、メンバーしか会う機会がない。
そうなっていきますね。コショージなら休みの日は確実に一緒じゃないですか。大阪に行くタイミングも一緒だし。そうなると、コショージとばっかりピューロランドに行くことになるんですよね(笑)。
──でもコショージさんはいろんな人と交友があるじゃないですか。
そうなんですよ。なぜ?
──なぜですかね(笑)。
すごい過密スケジュールで遊んでたりしますよね。午前中にピンキーさん(でんぱ組.incの藤咲彩音)と会って、そのあと撮影に行って、そのあとまたほかの友達に会うとか。すごいなと思います。私にそこまでのバイタリティはない。
──とはいえ矢川さんも、今くらいの人付き合いでいいと思っているんですよね?
いや、急に休みになったときに何もすることがないと寂しいなと思うようになりました。実家にいたときは妹が遊んでくれるんですよ。地元の友達と遊んだりもします。だけど最近は東京で1人なんで、「私、寂しいって気持ちがあったんや」って気付きました。
──「寂しい」とか「緊張する」とか人間らしい感情が芽生えている昨今。
はい。「おなか空くな」とか「悔しいな」とか、そういう感情もブクガに入って芽生えました(笑)。前は食欲もなくて。1日1食食べれれば別に大丈夫だったんですけど、最近は24時間ずっとおなかが空いてます。

出典: natalie.mu

矢川葵

「売れたいな」って思うことすらおこがましい気がしてた
──どこか無機質なブクガのイメージとは裏腹に、「自分はこんなところが人間的だったんだ」と気付いた部分もあるわけですね。寂しさを解消するには、友達を作るか、ブクガがより忙しくなるかしかないですね。
忙しくなってほしい。
──そこは即答ですね。矢川さんもやはり売れたいという気持ちが強い?
はい。みんなでごはんを食べてるときに、コショージが急に「売れたいなー」って言うんですよ。みんなで「そうだね」ってうなずきました。
──あまりそういうことを言わないイメージでした。
「売れたいなと思ってもいいのかな」って自信が付いたのかもしれない。前は言うのもおこがましいと思ってたんです。大きいところでライブしたいと言うのもおこがましい。ワンマンをして、お客さんが明らかに増えてるのを見てるうちに、最近は「もうちょっと大きいところでやりたい」って思えるようになりました。
──「言っちゃいけないんじゃないか」と思っていたんですか?
始めたばっかりのくせに「武道館立ちたいです」とか言って、「こいつ何言ってんだ」って思われたらどうしようって考えちゃうんですよ。だけど、2ndワンマンの後のインタビューでは、「次はどんなところでライブがしたいですか?」って聞かれたときに「1000人規模のところでやりたい」って素直に言えました。赤坂BLITZも決まったし。
──赤坂はどう思っているんですか?
埋まるんだろうか……。
──やっぱりそうなんですね(笑)。
みんな心配性なんですよね。1000人規模でやりたいと言ったけど、「本当に埋まるのか?」「でも埋めたい、埋めなきゃ」みたいな気持ち。チェキ会に来てくれたお客さんに「チケットはあとで買おうと思わないですぐに買って」って言ってます(笑)。
──「赤坂BLITZだったら買うのはギリギリでいいかも」って思っている人はたくさんいそうですよね。
私も締め切りとかをすぐ忘れるほうなので、そういう人を出さないためにも、今すぐに買いに行ってほしい(笑)。
──でもきっと大丈夫ですよ。赤坂BLITZは埋まると思います。
結果が出るまでわからないじゃないですか。でも、周りの人がそう言ってくれるのに、メンバーには大丈夫って思ってる子が1人もいない、っていうのがいいのかなと思います。
──気をゆるめないでいられますもんね。
はい。調子に乗らずに。

変わらず、調子に乗らず、着実に
──「bath room」がそうだったように、次のアルバムがまた新たな層にリーチすると思っています。前回のシングルの発売時に矢川さんは「以前は自分の声が好きではなかったけど、だんだんそうでもなくなってきた」という話をしていましたが、今回のアルバムはいかがですか?
アルバムも、前のシングル以上にすんなり聴けました。ボイトレの先生が親身に教えてくれていて。一番の恩人と言っても過言ではないくらいの人なんです。自分たちが気付いてないことも占いの先生みたいに当ててくれるんですよ。「葵ちゃんはこうだから」みたいな。「考えて歌ってるつもりかもしれないけど、まだちょっと足りてない」「歌詞だけに囚われると、これから先の歌い方がずっとワンパターンになっていくから、メロディとかいろんな音を聴きなさい」みたいなことを言われて。音を聴いて「この曲はこういう歌い方をしてみよう」って考えながら歌うようになりました。
──ボイトレでかなり変わったんですね。
変わりました。ボイトレは1stワンマンの前に集中的にやって、そのあと何カ月か空いてたんですけど、最近また定期的にやるようになったんです。楽な声の出し方を教えてくれるので、ライブがすごくしやすくなりました。
──アルバムはどの曲が印象に残っていますか。
「end of Summer dream」がすごく好きです。今までにはないかわいらしい曲なので。イントロの時点でかわいいダンスになるのかなって想像してたんですけど、振り入れをしたらイメージと違うんですよ(笑)。そのときはサクライさんの仮歌を聴いて振りを入れていたので、私たちが歌ったのを合わせたら印象が変わるのかなと思ってたんですけど、やっぱりあれは違うなって(笑)。今度レッスンがあるので、振り付けをしてくれたミキティー(二丁ハロのミキティー本物)に「あれは違う」って伝えようと思ってます。
──そこはちゃんと伝えるんですね。
けっこう言います。特に和田ちゃんは言う。振りはミキティーに全部任せるんじゃなくて、和田ちゃんと相談して決めてます。「この曲が好きだな」っていうのがわかるのは、振り付けが決まったり、ライブで歌ったりしてからなんですよ。
──こうして取材をする段階では、ライブでやっていない曲もあるから、メンバー自身も全貌がつかめなかったりするわけですね。
はい。「townscape」の振りがめちゃくちゃややこしくて、今すごい頭を抱えてます。難しい。何回かやってるうちにすんなりわかるタイミングがあって。1回わかると大丈夫なんですけどね。
──「opening」のレコーディングで矢川さんが感極まったという話を聞きました。
内容を事前に知らされてなくて。詩をもらって、すぐに「録ります」って感じだったんですよ。朗読してたら最後のほうで感動的になっていって、一番大事な唯ちゃんのセリフで泣きそうになりました。コショージも「自分で書いたんだけど、いい詩じゃない?」って言いながら泣きそうになってて、「わかる!」って。悲しいだけの話じゃないんですよね。最初と最後のセリフが私なので、緊張しました。
──とてもいいラストだと思いました。ブクガはこれからどうなっていきましょうか。
いい意味で変わらず、調子に乗らず、着実に階段を登っていきたいと思います。
──急に友達がいっぱいできたりして。
性格上できないです! 一番仲がいい大阪の友達に、「東京で友達を作るんだ」って言ったら「無理やろ?」って言われて(笑)。私は増やしたいと思っているんですけどね……。

出典: natalie.mu

和田輪

和田輪 インタビュー
シュッとしたイメージの中に変なのが混ざってて、大丈夫なのかなって
──ほかの3人とは、大まかに言えば「最近のブクガは順調だ」という話をしてきたんですよ。
そうですね。新曲の振り入れが始まりまして。新しい曲を練習していると、今までの曲へのモチベも上がっていい感じです。Blu-rayのリリイベで集合写真を撮ったんですけど、ファンの人が1年前の写真と集客を比べているのを見たら、確実に伸びているなと実感できて、「ブクガきてるな」と(笑)。この波に乗らねばって思います。曲は聴いたことはあるけどライブに行くのはちょっと怖い、みたいな在宅の隠れたファンが多いのかも。最近、「ブクガ」でエゴサすると私たちが知らない人もよく話題にしてくれてるんですよ。徳間さんの力で在宅が増えて、それがちょっとずつ浮き出てる時期なのかなと思います。
──メジャーデビューしてよかったと実感している?
してます。すごく。お尻叩いてくれる人ができて、広めてくれる人もできたから、私たちはがんばるだけだと。そこに専念できるのですごいうれしいです。
──「サクライさんは音楽を作ることしかできない人なんですよ」みたいなことを言ってましたもんね。営業向きではないと。
メジャーデビューして、サクライさんが人を頼れるようになってくれてよかったなって(笑)。本当に全部を自分でやりたいように見えてたので。よかった。
──ツアーと赤坂BLITZワンマンの集客が心配だと全員が言っているんですが、今それ以外の心配事はありますか?
そうだなあ。実は赤坂BLITZに行ったことがないんですよ。当日いきなりそこに行ったら緊張しちゃうと思うので、下見して、そこに見合う女になるような気持ち作りをしないとなって思ってます。節目のライブって緊張しちゃって、ずっとやってたことが思い出せなかったりするので心配です。手が震えるんです。今はみんなの気持ちがちゃんと一点に向かって前を見ているので、グループ全体としては以前ほど心配はないです。メンタル的にすごくいい波が来てるんですよ。
──それは感じます。
メンバーもサクライさんもスタッフさんもいい波が来てる。赤ブリとかツアーに向けては「どうなっちゃうんだろう」って心配より、「どれだけいいものが作れるかな」みたいな前向きな気持ちです。
──和田さんがブクガにもたらしたものは大きいですよね。
そうですか?
──ダンスに貢献しているし、キャラクターも立っているし。
シュッとしたイメージの中に変なのが混ざってて、大丈夫なのかなってずっと思ってるんですけど。
──まだ思ってるんですね。その存在感がブクガを引っ張ってると思いますよ。
目立っていいのかな……ってたまに思うんですけど、ファンの人がサクライさんに和田のいいところを聞いたりしたときに、サクライさんは「面白いところ」って言うので、「じゃあいいや」ってなります。ダンスに関しては、ほかの3人は変拍子を聴いても変拍子とわからないくらいなんです。でもせっかく変拍子なので、その面白味をリスナーに伝えるためには、それをちゃんと噛み砕いているメンバーも1人は必要かなって(笑)。そこに関しては、私は入ってよかったと思います。
──ミキティーさんも感覚の人だから、和田さんの役割は重要ですよね。
すごい口出ししちゃうし、「ここは和田に任せる」って言われたりもします(笑)。

社会に溶け込めないからブクガに入れてよかった
──「メガロックV」の工場見学のレポートが面白かったです。(参照:Maison book girl和田輪、愛用の「メガロックV」工場に潜入)
あれめっちゃ面白いですよね! でも会社の人は私のことなんか全然知らないんですよ(笑)。
──あれを見て、やっぱり独自すぎるキャラだなと思って。
ホントですか(笑)。私はこの仕事をしてなくても見た目はこうだったと思うんです。黒髪ロング、メガネっていうのは個人的な趣味なので。たまたまたこの仕事ができたから、いい意味で目立ててますけど、普通の仕事に就いてたらちょっとヤバかったなと(笑)。個性が強すぎて、OLの子たちと絶対に仲よくなれない。
──ああ。想像付きます。
社会に溶け込めないからブクガに入れてよかったなと思います。悪いところを個性にできて。キャピキャピのアイドルでもダメだったと思うし。
──和田さんの加入以降はグループのカラーが変わったというか、ブクガがフレッシュな感じになったと思います。
フレッシュですか。アキバにいたので、最初は「アニメっぽくない声で歌って」って言われることが多かったんですけど、最近はそれをちょっと残しながらブクガに寄せる声の出し方を模索していて。
──そういうことも考えるんですね。4人の声のカラーを分けようってことですよね。
最初は歌うことで精一杯だったんですけど、ボイトレの先生がすごくいい人で、メンタル面をいい感じに持っていってくれるんです。普通に歌うんじゃなくて、歌詞や曲調を考えて歌い方を決めたり、「前の人がこう歌ってるから、その流れを汲んでこう歌う」って頭を使いながら歌ったほうがいいって言ってくれて。

出典: natalie.mu

和田輪

人間らしく自分の熱を出しても、いいものができるってわかった
──ブクガの中で、自分はどんな立ち位置だと思いますか?
そうだなあ。今回のアルバム、曲によってけっこう歌い方を変えようとしてみたんですよ。サビは全部雰囲気が違うんです。メンバーも考えてたかもしれないんですけど、4人のユニゾンのところで私が声を変えたら雰囲気が変わるんだなってことがわかって。私は4人の中では歌をがんばる人になりたいなと思ってます。みんなもどんどんうまくなってますけど。
──雰囲気が変わったと実感できた曲はありますか?
「end of Summer dream」をかわいく歌ってみたら、完成したときにかわいくなってて気に入ってます(笑)。
──サクライさんから歌い方のリクエストもあるんですか?
最初は「とりあえず歌ってみて」って感じで歌って。
──方向が見えてきたら、ディレクションが入ったりする?
でもそんなに言われないですね。キレイに録れたらOK、みたいな感じです。基本的には。
──では、かわいく歌おうというのは自分発信?
やってみて、ダメって言われなかったからそうしたって感じです。我を出すことを覚えました。
──なるほど。今回のアルバムの魅力はそこに尽きますよね。今までになかった人間味が出ているというか。
ビジュアルのイメージで「無機質な少女担当」みたいな感じだったので、それっぽいほうがいいのかなって思ったりもしたんですけど、人間らしく自分の熱を出していっても、それはそれでいいものができるっていうのがわかった。きっとみんなも「感情を込めてもいいんだ」って思い始めてます。
──それはひとえに皆さんの努力の賜物ですよね。
本当に。模索してきてよかったなと思います。前は素人の女の子4人がただ集まってるって感じだったんです。わからない人には直しようがないじゃないですか。でも、ボイトレの先生や徳間さんが付いてくれて、いろんな人がライブを観に来てくれるようになって。その方たちの意見を聞きながら、自分たちでダメだと思ってたところをいいと思ってくれる人がいるんだとわかったんです。関わってくれる人たちが増えて、客観的な意見が聞けるようになったのが大きいと思います。
──ボイトレの先生の存在は大きいんですね。
そうなんですよ。ほかのメンバーも言ってました? 自分がよくなるのがわかります。最初のレッスンのときに“マジ精神論”みたいなのを語られて、「なんだこの人は……」って思ったんです(笑)。でも、その後のボイトレで腹式呼吸や姿勢を意識して声が確実に出るようになってきたので、この人は信じてもいいかもしれないって心を許し始めて。精神論に耳を傾けると、今まで悩んでたこともほぐれてきて。
──これは理にかなってるぞと。
最初は「私はよかれと思ってやってきたことなのにダメって言われた……」って落ち込んだんですよ。でも、誰かに自分を見てもらうのは本当に必要なことだったと思うようになりました。
──そのことによって自信が持てて、ライブもよくなっていって。
メンバーが自信を持てるようになったのはいい傾向だと思います。

今はやる気と焦燥感のバランスがすごくいい感じ
──全員が素直に前向きなことを言っていて、本当に上り調子のときに話を聞いているんだなと思います。
またきっと「ズーン」って落ちるときもあると思いますよ(笑)。今はやる気と焦燥感のバランスがすごくいい感じなんです。アルバムも……よい。よいと思います。CDが1枚出るごとに、「Maison book girlの世界観の中でやってもいいコーナー」がだんだん広がっている感じがして。
──やっていいコーナー(笑)。
またちょっと違うところを開拓しているなって思います。みんなの声質が変わったのもありますし。「end of Summer dream」が気に入っています。
──ほかのメンバーからもこの曲が挙がってますね。
あと「townscape」も好きなんですけど、振り付けが超ムズくて。すごい苦しんで練習してます。難解な分、一度噛み砕くと二度と頭から離れない系のハマり方をしてます。今までの曲で「blue light」が1、2を争うくらい気に入っていたので、メジャーでもう1回みんなに聴いてもらう機会ができるのもよかったです。
──少し前の曲なので今回のアルバムに入ると思わなかったです。「blue light」こそブクガの世界、という感じがします。
仮歌を聴いて一番衝撃を受けた歌です。すごくいいなって。アップテンポな曲が多かったので新鮮でしたし。
──和田さんの個人的な目標はありますか?
具体的にはあんまりないです。ただ、今やってることを追求して高みを目指したい。磨きをかけて、ビッカビカにしたい。「デカい会場でやりたい」「集客を増やしたい」とかはいずれ付いてくるだろうという気持ちで、ただ磨きをかけ続けたい。己を磨くのみ。
──最後にちょっと別の話題を、和田さんは友達多いですか?
少ないです! わかってて聞きましたよね(笑)。
──いや、最近はどうかなと思ったんです。
全然ダメです。社会こわい。友達がいないせいで、こういう場でうまくしゃべれないのはよくないと思うので、その意味で作りたいとは思うんですけど、誰かと楽しく遊びたいという気持ちはないです。
──インタビューでしゃべるために友達が欲しいって発想がすごい(笑)。でも全然大丈夫ですよ。コミュニケーション能力が高くて受け応えがスムーズでも、その内容がどうかというのはまた別の話なので。
私はがんばって言葉を絞り出すしかない(笑)。でも、今はメンバーと毎日顔を合わせてるからそう思っているのかも。

出典: natalie.mu

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

以下、rockin' on.comよりインタビューを引用。
上記に引用した音楽ナタリーの各メンバーのソロインタビュー以上に、本アルバムの内容にコミットした内容になっており、本アルバムを聴く際の手助けになる内容となっている。

一般的な「かわいい」ではないけど、最近のブクガはそういう部分も出てきた(矢川)
――このアルバムにどういう印象を抱いていますか?
コショージ 春っぽい感じがしました。でも、明るい春というよりは、ちょっとふわふわしたイメージなのかなと思います。
井上 あまり尖っていないというか。でも、ブクガらしさは出ていると思います。
――“cloudy irony”という曲があるくらいですし、曇り空とか靄がかったイメージがブクガには一貫してありますよね。
コショージ そうですね。煙っぽい感じもありますし。
――「明るさ」とか「柔らかさ」は、これまでのブクガの曲を聴いてきた人たちの大半も『image』に対して抱く印象として挙げると思います。プロデューサーのサクライさんの中で何かが変化しているんでしょうか?
井上 どうなんですかね? でも、最近、新曲ができる度に、前とは違う雰囲気を感じます。“faithlessness”が送られてきた時は、「サクライさん、やばい状態なのかなあ」って4人で心配したんですけど(笑)。
――(笑)。“faithlessness”は、去年からライブでやっていますね。
矢川 はい。あと、“blue light”は、『summer continue』(昨年3月にリリースされた1st EP)にも入っていた曲です。
――“sin morning”もライブで聴いたことがあります。
コショージ “sin morning”は“faithlessness”の次にできた曲です。
――“sin morning”辺りから柔らかさが出てくるようになったのかも。
和田 そうかもしれないですね。味わい深いキャッチーさが出るようになっているのかなと思います。
矢川 メロディも弾むような感じが増えています。「やっと私がずっと聴いていたようなタイプのメロディを作ってくださったな」と感じているんですけど(笑)。
――加入前にサクライさんに「Perfumeみたいな」とブクガの方向性に関して言われていて、いざ活動が始まったら「全然違う……」と思ったんですよね?
矢川 はい。「デートのこととか歌ったりしないし、全然かわいくないなあ」と思っていたんです(笑)。一般的な「かわいい」ではないですけど、最近のブクガは、そういう部分も出てきたと感じています。
――みなさんのパフォーマンスも、どんどん磨かれていますね。最近のライブを観ると、かなり練習をしているんだろうなと感じるんですけど。
井上 悲鳴を上げながらやっております。
和田 どうにかなりそうなくらいです。
矢川 「イーッ!」ってなりますから。
コショージ ブクガはそういう悲鳴の下に成り立っているんです。
井上 「血の滲むような」とは、このことではないでしょうか(笑)。
――(笑)。4人が表現することによって、もともとかっこいい曲にさらに立体的な味わいが加わっていますね。
コショージ 今回のアルバムの曲から特に感じたんですけど、サクライさんが作る楽曲が私たちの側に寄ってきているところもあるのかもしれないです。それもあって、より立体的に表現できるようになっているのかなと思います。例えば「かわいらしさ」というのも、メンバーから出てくるものと、楽曲が私たちに寄ってきたことで醸し出されているもの。その両方があるのかもしれないですね。
矢川 自分自身もブクガに染まってきていますし、そういうのもブクガ全体の変化に繋がっているのかもしれないですね。「ダンスがあまり得意ではない自分なりにこの曲に追いつかなきゃ」という意識も出てきています。4人が必死でやることによって、クールな曲に熱をこめられているのかもしれないです。
コショージ サクライさんはあまりいろいろ言うタイプではないので、自分たちで考えるしかないというのも大きいと思います。
――曲のイメージや歌詞の説明とかは、あまりしない人ですよね?
コショージ そうですね。自分たちで考えています。イメージしていることは4人それぞれで違うかもしれないですけど、それも含めて「ブクガ」になっているんじゃないでしょうか。
和田 ボイトレの先生が、歌詞を噛み砕く時間をくださることがよくあるんです。そうやって考えたことをもとにして声色を変化させる表現方法も覚えたので、私たちの感情が、より楽曲にこもるようにもなっているのかもしれないです。
井上 前まではサクライさんが作った楽曲がメインで、私たち自身はどこが正解なのかよくわかっていなかったんです。でも、いろんな経験を積んでいく中で、どういう世界を作っていけばいいのか、進む方向がわかってきたのかなと思います。

「ブクガ」という世界の中でいろんな曲ができているのが面白い(井上)
――ブクガの曲は、想像を無限に広げられる楽しさがリスナーの我々側にもすごくあるんですよ。例えば《時計台》が今作に収録されている“sin morning”と“blue light”、昔の曲の“my cut”(2015年9月にリリースされた1stアルバム『bath room』に収録されている)にも出てきたり、川や雨みたいな水のイメージがいろんな曲に散りばめられていたり。曲同士が関連があるように感じられるのも面白いんですよね。
コショージ たしかに、同じモチーフがいろいろな曲に出てきますよね。例えば《夏》が出てくると「あの曲と同じ夏なのかな?」とか、私もよく考えています。
――でも、サクライさんは、曲同士の関連性についても説明はしないですよね?
井上 説明はないです。
和田 「同じ出来事をめっちゃ元気な時に思い出して作ったのがこの曲で、こっちは元気じゃなかった時に思い出して作ったのかな」とか想像したりしています。
――例えば、“faithlessness”の《裏切られて。裏切るの。》、“snow irony”の《許さない許さない許さない許さない許さない》、“cloudy irony”の《許せない過去とか》も、リンクさせながら想像する人が結構いるんじゃないでしょうか。
井上 「同じ世界の中で、見る角度が違う」みたいなことなのかもしれないですね。「ブクガ」という世界の中でいろんな曲ができているのが、面白いなと私も思います。
――RPGって、ひとつの世界があって、プレイヤーによっていろんな角度から世界を見られて、様々な物語が展開するじゃないですか。そういう感じなのがブクガの曲なのかも。
井上 RPG感? それいいですね。
和田 そういえば、たまに「ゲームっぽい」と言われることがあります。
矢川 RPGっていう感覚、しっくりきます。でも、私はRPGよりパズルゲームのほうが好きなんですけど(笑)。
――(笑)。ひとつの大きな世界を旅するような感じになれるというのは、ブクガの独特さを語る上で欠かせないポイントだと思います。
和田 「誰が何をした」みたいなことが歌詞に描かれているわけではないんですよね。だから「どういう曲ですか?」と訊かれても、なかなか一言では答えられないんですけど。
――アルバムタイトルが『image』なのも、イメージを無限に膨らますことができる曲が詰まっている作品だからかも。
コショージ 「image」って、「虚像」というか「原形がない」みたいな意味もあるようなんです。今回の私たちのアーティスト写真も、はっきり顔が写っていないですし(笑)。CDのジャケットにも私たちはいないですから、ブクガにぴったりの言葉なのかなと思います。
井上 アー写に関しては、好きなタイプの顔をイメージしながら眺めて頂ければと(笑)。

出典: rockinon.com

前列左から和田輪、矢川葵。後列左から井上唯、コショージメグミ。

絶望から希望への流れを作るのが大変だった。嘘っぽくならないようにしたかった(コショージ)
――ブクガって、なんとも言葉で説明し難い抽象的な部分があるのが面白いんですよね。「どんなグループなの?」という質問にも答えにくいんじゃないですか?
井上 そうなんですよ。ブクガの活動を始める前に「どんなグループに入るの?」と訊かれた時も、答えが難しかったです。
――そういえば、前作までの資料ではブクガについて「4人組アイドル・グループ」と書かれていたんですけど、今回から「4人組ニューエイジ・ポップ・ユニット」になりましたね。
和田 はい。「アイドル」と言わないほうが、枠にとらわれないで活動できるんじゃないかということになったんです。
矢川 「4人組ニューエイジ・ポップ・ユニット」って、気に入っています。新しい世界を作りつつ、ちゃんとポップさもあるって、すごくブクガに当てはまると思うので。カタカナがいっぱいなのも、かっこいいですよね(笑)。
――今回のアルバムに関しては、約10分間のインスト“int”を経ての“townscape”“karma”の流れがドラマチックで、とても興奮しました。
コショージ ありがとうございます。“townscape”は、レコーディングで苦戦しました。デモのサクライさんの歌の通りにレコーディングで歌ったら、「そこ、俺、歌うの失敗したから、その通りに歌わなくて大丈夫。普通に歌って」と。サクライさんのこだわりがあるんだと思っていたんですけど(笑)。作った人も簡単には歌えないくらいの曲みたいです。
和田 でも、1回理解したら、二度と耳から離れなくなる系の曲なんですよ。
井上 私もたくさん練習したら耳から離れなくなりました。
矢川 この曲はレコーディングの前に、息継ぎのところとかをいっぱいメモしました。
和田 メンバーそれぞれが順番にズレて踊るところがあるので、ライブで誰かが間違えると大変なことになります。連帯責任色が強い曲でもあります(笑)。
――“karma”もなかなかぶっ飛んだ曲ですが、すでにライブの定番になっていますね。これ、どんどんかっこよくなっていると思います。
コショージ いっぱいライブでやったからかもしれないです。“karma”はライブでやると記憶が飛ぶというか、無意識でやっちゃうことがよくあって。気づいたらめっちゃキレている時があるんですよ(笑)。別に何かに対して怒っているわけじゃないんですけど。
井上 その感じ、私もわかる。
コショージ あるよね? そういう不思議さがある曲なんです。野生の私が暴れだします(笑)。
――“karma”の後に始まる“screen”の瑞々しさも心地よいです。この曲、ブクガの中で一番王道のアイドルソングだと思いました。
井上 これ、実は難しい曲なんですよ。“townscape”が一番難しいと思っていたんですけど、実は“screen”が隠れボスだった感じです。
コショージ 裏番です(笑)。そんなところも楽しんで頂けたら嬉しいです。
――そして、ポエトリーリーディングの“opening”も引き込まれました。コショージさんが書いた詩のポエトリーリーディングは、これまでもやってきましたけど、今までで一番具体的な設定が見えるストーリーですね。
コショージ サクライさんから「希望の物語を作ってください」と言われたんです。音源にはしていないポエトリーリーディングの中に、猫が出てくるお話が何個かあるんですけど、その猫を登場させて作ったのが、この詩です。
和田 “opening”、いい話ですよね。
矢川 私もこの詩に出てくる猫みたいに、誰かの希望になりたいと思いました。
コショージ 希望を描くのって難しかったです。絶望から希望への流れを作るのが大変でしたし、嘘っぽくなっちゃわないようにしたかったんですよ。
井上 ポエトリーリーディングは、ライブでやる曲が少なかったから始めたものですし、最初の頃はただ読むだけだったんですけど、だんだん魅力がわかってきました。私たちの読み方も上手くなっていると思います。
――ブクガの魅力は、どんどん幅広くなっていますね。注目する人も着々と増えていますけど、「私たち、来てるかも」みたいな感覚はあります?
井上 ないです(笑)。
――そうなんですか?(笑)。
コショージ 昨日もミキティー(正式な名前は“ミキティー本物”。二丁ハロのリーダー兼プロデュース担当。ブクガの振り付けをしている)に「もっと自信を持って!」と言われました。
矢川 言われたねえ(笑)。
和田 私たちは一生、この感じなのかもしれないです。
井上 ミキティーは「私がいろいろ見た結果、データが出たのよ」って言っていましたけど。何のデータなのかよくわからなかったです(笑)。
矢川 ブクガはすぐに自信をなくすので、「定期的に『自信を持って!』って言ってね」とお願いして、昨日は帰りました(笑)。
――(笑)。ワンマンツアーは、自信をつける機会になるんじゃないでしょうか。みなさんの故郷も回りますし(矢川は大阪、井上は福岡、和田は北海道、コショージは新潟出身)。
コショージ 新潟は初日ですし、気合が入ります。
矢川 赤坂BLITZもありますし、自信を持たなきゃ。
井上 会場をお客さんで埋めたいです。私の地元の福岡はアイドル・グループがたくさんいるので、アイドルの音楽以外が好きなお客さんにも来て頂きたいです。私たちはニューエイジ・ポップ・ユニット、新しいんですから(笑)。
和田 札幌の会場も大きいんです。そこも満杯にできたら自信が持てそうです。ツアー初日からファイナルの赤坂BLITZに向けて気持ちを高めていきたいです。

出典: rockinon.com

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

以下、Music Voiseよりインタビューを抜粋して引用。
こちらは本アルバムにコミットしているパートのみを抜粋している。
上記のrockin on.comのインタビュー同様、、本アルバムを聴く際の手助けになる内容となっている。

――メジャー1stアルバム『image』がリリースされました。今作でダンスが大変だった曲は?
矢川葵 「townscape」がステージの中心に向かって輪になってグルグルとしているんですけど、細かい動きや立ち位置がけっこう難しいので苦戦しました。
コショージメグミ 「faithlessness」はけっこう長くライブではやっているんですけど、サビのダンスが激しいので、いまだに難しいですね。
――変拍子の曲は覚えるのが難しいそうですよね?
コショージメグミ でもダンスが付くと分かりやすくなりますね。
井上唯 先にレコーディングをして、後で振付をする事が多いんですけど、レコーディングの時よりもダンスを付けてもらってからの方がスッと入ってきて歌いやすいんです。
――それは意外でした。ちなみにボイストレーニングなどは大変ですか?
和田輪 今まで苦しんできた事を出せるようにしてくれるので楽しいです。
井上唯 自分の知らない声の出し方などを教えてくれるので楽しいですよ。
――レコーディングが大変だった曲は?
井上唯 歌も「townscape」は難しいので、一番練習してからレコーディングに臨みました。
和田輪 私は「screen」です。他の曲とはちょっと違った歌詞の割り方をしていて、耳で仮歌を聴いた時よりも歌を入れる時の方が難しかったです。
矢川葵 私も「screen」ですね。「townscape」は難しいなと分かっていたので、レコーディングの前に自分で息継ぎのタイミングをメモしていました。「screen」は特にメモなどをしないで臨んだら、実は一番難しかったんです。
コショージメグミ 「blue light」はインディーズの時の曲なんですけど、これが難しかったのを覚えていますね。
――インディーズの頃に収録した「blue light」ですが、これは当時のまま?
コショージメグミ そうです。当時レコーディングしたものを収録しています。
――今作に再び収録されたのはなぜでしょうか?
コショージメグミ 単純にサクライさんが気に入っていたんだと思います(笑)。
――昨年11月リリースの『river』からは「karma」が収録されていて、リードトラックの「cloudy irony」は収録されていませんね。
コショージメグミ 「karma」が気に入っていたんだと思います(笑)。『river』の時も、サクライさんは「karma」をリードにするか迷っていたみたいだったんですけど、結局「cloudy irony」になったんです。それでポップというか聴きやすいシングルが出来たんですけど、このアルバムでは「karma」を入れているように、Maison book girlの深い部分が知れるような選曲にしているんです。
――コアな部分を出したアルバムになっているんですね。ちなみにサクライケンタさんは皆さんから見てどんな方ですか?
矢川葵 こだわりが強そうというイメージがあります。このジャケット写真を撮ったのもサクライさんなんですけど、サクライさんの作りたい世界というのが固まっているから、ずっとやっていてもブレないグループになると思うんです。
――アーティスト写真にメンバーの姿がほぼ写っていないというのは、前代未聞だと思いました。
矢川葵 透けて写っていますからね(笑)。
――最終的には消えてしまうんじゃないかと。
和田輪 アーティスト写真を撮った時に、首から上を消そうかという話があったので、その可能性は否めないです。最終的にはいなくなるかもしれないですね(笑)。
――レコーディングでハプニングはありましたか?
矢川葵 サクライさんが曲制作に追われていて一番ドタバタしていたという印象があります。私たちは穏便に終わりました。
――サクライさんだけですか? 歌入れは一人ずつ録っていく感じ?
矢川葵 日程は一緒なんですけど、和田ちゃんから録って、次に私が録って、コショージ、唯ちゃんという順番なんです。
――その順番には何か理由が?
コショージメグミ 身長順ですね(笑)。
和田輪 マイクスタンドの高さをずらさないといけないので。
――理にかなった順番なんですね。そして、4月からツアー『「image」 release tour 2017』が始まりますね。
矢川葵 曲だけ知っていて「MVくらいは観た事がある」という人が多いと思うんです。今回は初ツアーなので、これを機にぜひライブに来て欲しいという思いがあります。
井上唯 今までイベントで呼ばれて全国に行ったりはしていたんですけど、ワンマンで東京以外に行くのが初めてなので、東京でいつも見せているMaison book girlを地方で見せて、受け入れてもらえれば嬉しいです。
和田輪 地方で私達の曲を長い尺でガッツリやる事はあまりないので、『image』で自己紹介、集大成的なアルバムが出来たので、世界観を持っていけるかなと思います。
コショージメグミ 『image』を体現できるのは、このツアーと5月9日の赤坂BLITZでのワンマンしかなくて、それは後から体験が出来るものではないので絶対に観て欲しいです。

出典: www.musicvoice.jp

左から和田輪、矢川葵、井上唯、コショージメグミ。

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