Maison book girl(ブクガ)とは【徹底解説まとめ】

Maison book girlとは、2014年11月5日に結成された日本のアイドルグループ。作曲家・音楽プロデューサーのサクライケンタとBiSのメンバーであったコショージメグミを中心として誕生。サクライケンタの「現音ポップ」と称する変拍子を多用した楽曲をバックにコショージメグミが詞の朗読を行うというパフォーマンスを発展させた形といえる。一筋縄ではいかない「現音ポップ」に合わせてパフォーミングを行う、という独自の世界を持っている。2021年5月30日、活動終了が公表される。

曲を重ねていくごとに、表現しようとしていることがわかってくる(井上)
――“言選り”の歌詞は、サクライさんとAIの『cotoeri』との共作なんですね。
コショージメグミ そうなんです。サクライさんは、前からそのアイディアを考えていたみたいなんですけど、MVの撮影当日まで私たちには内緒にしていました。
――みなさんのびっくりする顔を見たかったんじゃないですか?
コショージ そんなにびっくりしなかったよね?
和田輪 うん。あんまりいいリアクションができなかった。
井上唯 私たちは「ああ、そうなんですね」という感じでした(笑)。
矢川葵 今までのブクガの歌詞も具体的なものではなかったから、違和感はなかったんです。でも、言われてみれば、「なるほど、そういうことか」と。これまでの曲の歌詞は、前後が何となく繋がっていたので覚えられていたんですけど、今回のは繋がっていないところがあるんですよね。1番と2番を逆にして歌っちゃうかも(笑)。約6年分のサクライさんの歌詞をAIが学習したみたいです。
――“言選り”の歌詞には、ブクガの曲によく出てきていた《時計台》《白》《青いカーテン》《神社》といった言葉が、散りばめられていますね。これまでのサクライさんは、ご自身の心象風景の中にある様々な要素をチョイスして、それらを組み合わせて作詞をしてきたんだと僕は想像しているんです。それって、学習した言葉の中からチョイスして再構築するAIの作詞のプロセスと重なる部分もあるのかなと思うんですよ。
井上 そうなのかもしれないですね。だから私たちも“言選り”の歌詞に違和感がなかったんだと思います。
コショージ おっしゃる通り、今までのいろいろな歌詞に関しても、似ている言葉や表現が出てきていましたからね。でも、“言選り”に関してサクライさんは、「今までとこれからの分岐点」ということを言っていますし、今までの曲以上にハッキリしたテーマがあるようにも感じています。
――『cotoeri』から出てきた言葉や、そこから見えてきたなんとなくの作風や世界が、ブクガの「今まで」ということでは?
和田 はい。それが、過去との対話っていうことなんだと思います。
――サビは『cotoeri』との作業を経てサクライさんが書いたそうですから、それが過去との対話が示唆したブクガのこれからなのかも。
コショージ なるほど。そういう解釈もありですね。
――“言選り”のラストに鍵の落ちるような金属音が聴こえますけど、それが前作の“rooms”のMVの中で葵さんが誰かから奪う鍵のイメージと繋がったり、「開きたい扉の鍵穴を探している」的な解釈もできる曲なのかなと想像したりもしました。まあ、僕の勝手な解釈ですけど。
井上 いい着眼点です(笑)。次のワンマンライブとか、“言選り”のMVとかも観て頂ければ、さらに見えてくるものがあると思います。私たちも曲を重ねていくごとに、少しずつ表現しようとしていることがわかってくるような感覚があるんですよね。
和田 どの曲も具体的に何があったのかを示す歌詞ではないので、1曲1曲のぼんやりしたイメージが重なって、濃い核が見えてくるような感じが私もしています。
分かりやすさも形にできたのが今回のシングルだと思う(コショージ)
――サクライさんは相変わらず曲に関しての具体的なことは説明しないですか?
和田 しないです。この前、聞けそうなチャンスがあったんですけど、私たちの前では教えてくれなかったんですよ。あえてそうしているみたいです。MVの監督さんには、いろいろ話しているみたいなんですけど。
井上 話をしている部屋に入れなかったですから。「私たち、いないほうがいいですよね……」と(笑)。
コショージ 歌詞の意味を理解するというより、歌詞にこもっている感情を理解することはできるので、私たちはそういうことを考えて歌っています。
――ダンスが加わることによって見えてくる感情もあるでしょうね。
コショージ はい。“言選り”に関しては「過去、現在、未来」を意識しているっていうことをミキティー(振り付けを手掛けているミキティー本物)が言っていました。
矢川 難しそうに見えないけど、実は難しいっていうのがちょくちょくあるダンスなんですよ。
――感情表現やダンスとか、いろんな面が急成長しているのをお客さんも感じていると思いますけど、サクライさんは褒めてくれます?
和田 褒めてくれる……かなあ?(笑)。コショージと葵ちゃんが今回の曲のことをラジオで「一番いい曲です!」と言っていたという話を、サクライさんはどこかで聞いたらしいんですけど、「俺には直接言ってくれないのに……」と。それに対して私たちは、「サクライさんも、あんまり褒めてくれないじゃないですか!」って思いました(笑)。
――(笑)。“言選り”の中にも、ブクガの表現の進化が表れていますね。例えば、《触れた季節 窓と美しい嘘》の《嘘》のハモりも、今までにやっていなかった手法じゃないですか。
和田 あれは初めての試みです。
矢川 サクライさんの仮歌で聴いた時に、「ここ、かっこいい。歌えたらいいなあ」って思ったんですけど、歌割りを教えてもらったら、和田ちゃんだったんですよ。でも、サクライさんも私と和田ちゃん、どっちに歌ってもらうか悩んだらしいんです。私が「いいなあ! いいなあ! 歌いたい」ってわがままを言ったら、「じゃあ、ハモる?」っていうことになりました(笑)。
和田 一瞬、葵ちゃんが歌うことになりそうになったから、「私、そこ歌うことになって嬉しかったんですけど」と(笑)。その結果、ふたりで歌うことになりました。あと、この曲はファルセットも入っているんですけど、それも私たちがボイトレを頑張ってきたからなのかなと思っています。
――サクライさんが作る曲は間違いなくかっこいいですし、そこにみなさんの成長が加わっている今、ブクガはさらに広い場所へと飛び出すべき時期に差し掛かっているんじゃないでしょうか?
コショージ 広いところに飛び出したいですね。今年、「TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)」に私たちが出ている時に、サクライさんがロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017)に出ていたんですよ。私は「TIF」でいろんなアイドルさんを観て、サクライさんはロッキンでいろんなバンドさんを観たみたいです。たまたまその日の夜中に連絡をした時、『今日、いろいろ観て思ったんですけど、もっとわかりやすさがないと駄目だと思うんです』と私が言ったら、サクライさんは『俺も、ちょうどそれを思ってた』と(笑)。それでできたのが、今回の2曲目の“十六歳”なんだと思います。今までやってきたことも良かったと思っているんですけど、世間とのズレみたいなのもあると少し理解し始めています。今までやってきた流れの“言選り”もありつつ、“十六歳”でわかりやすさも形にできたのが、今回のシングルなのかなと思っています。
矢川 最近、「バンドでブクガをコピーするんですよ」っていうお客さんもいて、「変拍子の独特な感じが好きで、ブクガのことをまだ知らない人に、この不思議な感じを味わってほしいと思ってます」と言っていました。いろんな部分に興味を持ってもらえて、聴いて頂けたら嬉しいです。

出典: rockinon.com

矢川葵

ブクガの曲はどんどん外の世界に広がっている(和田)
――先ほどコショージさんがおっしゃった通り、キャッチーな面が出ているので、幅広い層が「おっ!」となると思います。
井上 気になって頂けたら嬉しいです。この曲は、意外と音がいっぱい入っていて、賑やかなんですよ。
矢川 ライブでやるのが楽しみな曲ですね。
和田 サクライさんがツイッターで「サビにスネアが入ってない曲!」と言っていたのが“十六歳”です。その「♪ドンドコ ドンドコ~」っていう感じが最初に聴いていた時から印象に残っていました。あと、歌詞のイメージが「人混み」とか「地下鉄」っていう感じで、音とすごくリンクしていると思います。前作の時も感じたんですけど、ブクガの曲はどんどん外の世界に広がっているんじゃないでしょうか。
――前までは、室内のイメージが湧く曲が多かったですもんね。
和田 そうなんです。“十六歳”は見たことのない単語が結構いっぱいあって、「ブクガのこれから」っていう印象がしています。
――ブクガの過去の曲って、色彩に関しては青とか白がよく出てきましたけど、“十六歳”は《緑色と黄色》が出てきたのが新鮮でした。
コショージ 《緑色》は、山手線かもしれませんね。
井上 《黄色》は、総武線かな? ふたつが混じり合うということは……新宿? つまり、この歌詞に出てくる地下街はサブナード(笑)。
コショージ なんかそんなこと言ってたら、新宿っぽい曲な気がしてきた(笑)。
――(笑)いろいろ自由に想像をふくらませられるのが、ブクガの曲の醍醐味です。
コショージ はい。いろいろ想像して頂ければと思っています。

次のワンマンはもっといいライブができる(和田)
――そして、今回もポエトリーリーディングが収録されましたね。“雨の向こう側で”の詩を書いたのは、コショージさん?
コショージ そうです。これは、なかなか書けなくて大変だったんです。
井上 ずっと悩んでいました。「もう無理だあ~。だってコショージ、作家じゃないもん!」って(笑)。
コショージ 「小説家じゃないし。お話とかもうないし!」って(笑)。レコーディングの日の朝くらいまでかかりましたから。朝の5時ぐらいまで思いつかなくて。私の家のシンクのところにダンボーのフィギュアが2体いるんですけど、それを見て「これだ!」と。そこから一気に書いたんですよ。
和田 そうだったんだ?
コショージ うん。本当に思いつかなくて。最初に作ってみたものがあったんですけど、“言選り”と“十六歳”ができる前に書いたので、「なんとなくテンションが違うよね?」っていうことになっていたんです。ポエトリーリーディングは、毎回、その作品に入っている曲が主題歌になる物語みたいなイメージがあるんですよね。
矢川 毎回、いい物語を書いて、偉いなと思っています。ちゃんと納期も守るんだね?
コショージ 書いたのはレコーディングの日の朝だから、納期は守れてない(笑)。
――(笑)ポエトリーリーディングは、毎回とても楽しみです。コショージ先生、今後も詩を書くのを頑張ってください。
コショージ もう無理なんです。
矢川 頑張ってよお~。
和田 もう出し切っちゃった?
コショージ うーん、思いつけば、すぐに書けるんですけどね。思いつくまでが大変なんです。今までに書いたのが10曲くらいあるから、それをAIにディープラーニングしてもらうのはどうですかね? サクライさんのところに「『cotoeri』貸してください!」って行こうかな(笑)。
――(笑)。今作のリリース後は、12月28日のZepp DiverCityでのワンマンがありますが、どんなものになりそうですか?
井上 今までのブクガのライブとはまた違う感じの、作り込んだものを考えているので、ぜひいろんなみなさんに来て頂きたいです。
和田 前回のワンマン(今年の5月9日に行われた赤坂ブリッツ公演)の映像を全部YouTubeに上げているということは、次のワンマンはもっといいライブができるという、ekoms(所属事務所)一同の自信の表れだと思っています。だから、期待して頂きたいです。どう言ったら、みなさん来てくれますかね?
――「来ないとモテないぞ!」とか?
和田 来ないとモテないですよ(笑)。
井上 そう。モテない!
コショージ あるいは呪う?
和田 あなたの行くとこ、全部雨になります。
コショージ 大事な日に限って雨。
和田 どうでもいい日は晴れ。地味な呪い(笑)。
――(笑)いいライブといい曲を連発しているので、僕もぜひいろんな人にブクガを聴いてほしいと思っています。
コショージ ありがとうございます。私たちも今回のシングルに賭けています。
井上 ブクガをまだ聴いてないのは、誰や?(笑)。
和田 怒ってる(笑)。
矢川 私は最近、「ブクガのライブ気になるな」ってツイートしてくれた人を、「来てね!」と思ってずっとファボしてるんです。そういう気持ちが実ってほしいです。
コショージ こう見えて、私たちは腰が低いですし、話しやすいんで、ぜひいろんな人に聴いてほしいですね。
井上 いい娘たちなんですよ。
コショージ 謙虚ですし。
和田 本当に素直で純粋な娘たちなんです。
矢川 自分で言うな(笑)。

出典: rockinon.com

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

以下、Fanplus Musicよりインタビューを引用。
今回のAIとの作詞共作にあやかって、Maison book girlとAIスピーカー「Google Home Mini」のスペシャルトークが行われた。
このインタビューはそんなスペシャルトーク後に行われたものであり、メンバーにとってAIとは何か、またAIとサクライケンタとの共同作業で作られた詩に対する感想などを知ることができる。
尚、当スペシャルトークの模様はこの引用の次に映像として取り上げておく。

EMTG:『Google Home Mini』を使った感想は?
矢川:かわいかったですね。
井上:使ってるうちに愛着が湧いてきそうだよね。ふふふ。
コショージ:なかなか声に反応してくれないときがあるから、話が通じるとうれしいもんね。
和田:ツンデレAI! 萌えを感じました(笑)。
EMTG:そこが本来の目的ではないんですけどね。
4人:(笑)
矢川:でも、家にあったらAIBOみたいな感じで愛着が湧いてきそう。
EMTG:けっこういろんな質問にしっかり回答してくれましたよね。
4人:うんうん。
井上:小さい子どもだったら一人でも無限に遊べそう。
EMTG:言葉を覚えるのが早くなるかもしれないですね。
井上:たしかに! でも、イントネーションがアレになりそうだね。
3人:(笑)
矢川:“ジカンギリギリノ”……(笑)。
井上:嫌だぁ!
EMTG:今後、『Google Home Mini』でこんな使い方ができたらいいのにっていうアイデアはありますか?
和田:手が離せないときに、『Cookpad』の手順を教えてくれたら便利かも。
EMTG:その機能は既にあるんですよ。
和田:あるんですか! すごいですね!
井上:じゃあ、画面と連携することはできるんですかね?
EMTG:スマート家電との連携はできますね。
和田:「電気つけて」とか?
EMTG:はい。
井上:ええ~!
矢川:それいい。
EMTG:「Netflixの『ウォーキング・デッド』を流して」って言えば流してくれますよ。
コショージ:いいなぁ~。
井上:じゃあ、逆に何ができないの(笑)?
EMTG:(笑)。ドラえもんの世界が近づいてきた感じがしますよね。
井上:そうですよね! そのうち、「どっか連れてって」って言えば連れてってくれたり。
コショージ:車の運転しなくても自動的につれてってくれたり。
和田:わぁ、すごい!
EMTG:「まだ自分で運転してるの?」っていう話になってきますね。
コショージ:そうそうそう!
EMTG:あと、PCもスマホも使う必要がないとなると、“ググる”の感覚も変わってきそうですね。
和田:ああ~!
井上:「まだ打ってんの?」とか。
EMTG:「まだスマホ持ってんの?」とか。
和田:「リモコン(笑)」になるよ。
井上:うわ~!
矢川:こわい!

出典: music.fanplus.co.jp

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

EMTG:PCもスマホもいらない時代がちょっと想像できますね。
井上:ガラケーからスマホになるときもめっちゃ信じられなかったけど、今は当たり前になってるから、そういう時代は余裕で来そう。
コショージ:わかる! 『カードキャプターさくら』の桜ちゃん(主人公:木之本桜)も前まではガラケーだったのに、最近はスマホだもんね。
和田:そのうちハンズフリーになっちゃったり。すごいですよね。
EMTG:「最近は喋るだけでなんでも動いちゃってねぇ……」って。
和田:私たちがお婆ちゃんになる頃にはそうなってそうですよね。
矢川:こわいこわい!
コショージ:そのうち人間もいらなくなりそう……。
EMTG:急に暗い話に(笑)。
井上:AIに乗っ取られそうじゃない?
コショージ:そうだと思う!
矢川:ターミネーターだ!
コショージ:サクライさんがいなくてもAIが作詞してくれるんだから、人の仕事がなくなっちゃう。
和田:しかも、AIは歌えるしね。私たちもいらなくなっちゃう。
矢川:そのうちAIが踊りだすよ!
EMTG:では、ちょうど話も出たので、AIが作詞を担当した「言選り」について聞かせてください。このコンセプトは最初から知ってたんですか?
矢川:レコーディングが終わって、ミュージックビデオの撮影のときに教えてもらいました。
EMTG:それまで知らなかったのか! 話を聞いてどう思いました?
矢川:すんなり受け入れました。あんまり違和感もなかったし、「そうだったんだねぇ」って。
和田:「この曲、ちょっと仕掛けがあんねん」みたいなことをサクライさんから聞いて想像を巡らせてたんで、AIのことを聞いて「ああね」ってなりました(笑)。
EMTG:「ああね」程度の反応(笑)。なんで今回こういうコンセプトの曲になったんでしょう。
コショージ:「次のミュージックビデオはどういうのにしようか」っていう話になったときに、「まず、AIがいて~」みたいなアイデアが出たので、そこから曲に発展したんだと思います。
EMTG:歌詞をもらったときに違和感ありませんでした?
コショージ:それが全くなかったんですよ。だから、きっとサクライさんはAIなんだと思います(笑)。
EMTG:あはは! でも、難解な歌詞ですよね。
和田:これまでの曲よりも意味を理解するのは難しいですよね。
EMTG:言葉の隙間からにじみ出るものからイメージを広げる感覚というか。
和田:今までにない言い回しがあるなとは思います。「音が開く音」とか、「冷たい人の窓が降る」とか。
矢川:でも、サビの歌詞はサクライさんが書いてるので、AメロBメロの歌詞がいくら複雑でも気にならなかったのかもしれないです。
EMTG:さて、今年一年の活動を経て、これまでよりも自信がついた部分はありますか?
井上:ステージングは回を重ねるごとによくなってる自信はあります。
矢川:今年はバンドセットでやらせてもらうことが多くて、バンドの音に負けないような歌い方を練習してきたんで、去年よりは歌いやすくなってるし、その辺は徐々に成長してると思います。
EMTG:バンドがいるとライブも全然違いますよね。
コショージ:違いますね。私、元々声がめっちゃ小さかったんですよ。だけどバンドで歌い始めてから声が出るようになってきました。
和田:私は今も大きい声を出すのに苦労してるところですね。これに慣れたらオケのライブでももっと歌えるようになると思います。
EMTG:バンドセットからオケのライブに戻って自分の成長を感じたり?
和田:感じます! バンドは生演奏なのでリズムにすごく耳を傾けてるんですけど、オケでもそういうことが必要だと感じますね。
EMTG:さて、12月28日にZepp DiverCity公演を控えてます。どんな内容になりそうですか?
コショージ:今までのブクガを追ってくれている人ならわかってもらえるようなものになると思います。なので、今から昔のアルバムを聴いたり、YouTubeにある動画を見ておいてもらえたら。「cotoeri」のコンセプトと同じで、「いままで」と「これから」を表現しようと思っています。
EMTG:これまでの集大成的な一面もありつつ、この先を見据えたものにもなっていると。
矢川:CDを聴くのもいいんですけど、ライブを観ると2倍面白いと思うんですよ。そのために私たちは練習してるんで、ライブも観てほしいです。
和田:Maison book girlは総合芸術なんで、特にワンマンライブではそれが発揮できるんじゃないかと思います!
井上:ライブはAIじゃ味わえないからねっ! ドヤ顔(笑)。

出典: music.fanplus.co.jp

EMTG Stream Maison book girl × AI SPECIAL TALK

Maison book girl 『cotoeri』 コメント動画

2018年6月20日:『elude』

『elude』

1. レインコートと首の無い鳥
2. おかえりさよなら
3. 教室
4. レインコートと首の無い鳥 (instrumental)
5. おかえりさよなら (instrumental)
6. 教室 (instrumental)

徳間ジャパンコミュニケーションズからポニーキャニオンへ移籍後の第一弾シングル。
初回限定盤のみEPサイズ(18×18cm)紙ジャケット仕様でリリースされた。

●楽曲概説
1. レインコートと首の無い鳥
作詞:サクライケンタ
作曲:サクライケンタ
編曲:サクライケンタ
いきなり10拍子で始まる楽曲。
ちなみに10拍子はトルコなど中東地方ではよく使用されている拍子になる。
10拍子に6拍子が絡み途中4拍子の間奏を迎えるが、この4拍子すら変拍子に聞こえてくるような錯覚を覚える。
最初はとっつきにくいかもしれないが、回数を聴いていると不思議と耳に心地よくなってくる。
この曲でのメンバーの歌唱はまた一段とスキルが挙がった印象があり、そのヴォーカル力が決して馴染みのある拍子でないこの楽曲をスムーズに運ぶ役割を果たしている。

「レインコートと首の無い鳥」
監督:suzzken

オフィシャルブログに掲載されたコショージメグミのコメント。
新しいミュージック・ビデオが解禁となりました
レインコートと首の無い鳥
もうみていただけましたか?
なんと
実は
今回のMVにもざっくりとした相関図が存在します
みなさんおわかりいただけただろうか?
冒頭のシーン
葵→コショージに殺される🌂
唯→その現場を写真に撮る📸
和田→その全てを見ていた👓
なんやかんやなんやかんや
なんやかんやなんやかんや
なんやかんやなんやかんや
なんやかんやなんやかんや
コショージの撃った先には誰もいない
3人は存在しなかった
注目して見てね〜(・◇・)/~~~

「レインコートと首の無い鳥」メイキング

2. おかえりさよなら
作詞:サクライケンタ
作曲:サクライケンタ
編曲:サクライケンタ
Maison book girlの楽曲の特徴の一つに、バックの演奏がパーカッシブな音をメインにしていることが挙げられる。
もう一つ、メロディに連続音が少ないことも挙げられるかもしれない。
例えば「ドドドドー、レレレレー」と同じ音が連続して流れるのではなく「ドミレドー、レドシレー」のように、一音ずつ上下に動くメロディが多い。
この曲もその例に漏れず、チェロなどの音もスタッカート気味にパーカッシブに響かせ、サビではかなり激しいドラミングを聴くこともできる。
メロディも短く上下にせわしなく動き回るのだけれど、サビで音の感覚が伸び上下運動がゆるやかになると同時に聴き手にちょっとした解放感を与えてくれる。
そんなサビではパーカッシブな音に初めてストリングスの伸びやかな音がかぶさり、解放感をより強調してくれる。

「おかえりさよなら」
監督・撮影・編集:二宮ユーキ

3. 教室
作詞:コショージメグミ
作曲:サクライケンタ
編曲:サクライケンタ
コショージメグミ作による詩の朗読。
今回も詩、というよりも一つの物語のようになっている。
Music Voiceのインタビューの中で、コショージメグミ本人が詩のイメージを語っている。
以下、そのインタビューより抜粋。
――コショージさんは、どういう想いから「教室」の物語を書いたのでしょうか?
コショージメグミ 毎回の作品ごと、最後にポエトリーナンバーを収録していて、今回も、先に「レインコートと首の無い鳥」と「おかえりさよなら」の世界観を掴んだ上で、そこに関連する形で「教室」の物語も書いたんですけど。この「教室」も、「覚えたものが消えていく、忘れていく」というコンセプトを持って書いています。
――中に出てくる古町って、新潟市に実在する町のことですよね。
コショージメグミ そうです。
和田輪 毎回、ポエトリーに関しては、わたし達が物語を語る言葉を最初に録り、そこへサクライさんがトラックを付ける作り方をしています。だから今回も、「どんなトラックが出てくるのかな?」と楽しみにしていたところ、完成した楽曲を聴いて「好きだなぁ」と思いました。

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

以下、Music Voiceよりインタビューを引用。
本シングルのテーマや各楽曲について主にサクライケンタとリンクさせて各メンバーが語っている。
各メンバーがどのようにしてサクライケンタの音楽観や世界観を受け止め、自らのパフォーマンスの糧にしているのが垣間見られる。

移籍による環境の変化
――最新シングル「elude」をもってポニーキャニオンへ移籍。環境の変化は、活動にも影響を与えていますか?
コショージメグミ まだあまり移籍の実感がないというか、これからいろいろな方々と関わってくると思うので、変化を感じるとしたらこれからだと思います。
――プロデューサーのサクライケンタさんが世界観を構築しています。ですので、移籍という環境の変化によって世界観が大きく変わるということはないとも思えますが。
和田輪 基本はサクライさんがいろいろと決めているので、サクライさんが変わらない限り、Maison book girlの基本姿勢は変わらないと思います。
――そのサクライさんが創り出す世界観をどう感じていますか?
井上唯 メンバーそれぞれ解釈は違うのかも知れないですけど、自分なりに解釈し、意識の中へ落とし込んでというか、自分なりに理解しながら活動をしています。
和田輪 曲も歌詞も、アーティスト写真もそうですけど、サクライさんの頭の中にある世界観をいろんな手段で表現しようとしてるんだな、と受け止めています。受け手一人ひとりによっていろんな解釈があるように、わたし達も一緒です。自分なりに解釈を持ち、そのうえで一つの提案と言いますか、「わたしはこうだよ」というスタンスで想いを表現して、毎回、自分なりにイメージを膨らませながらやっています。
矢川葵 曲の中に使われる歌詞では、同じ言葉を多用することもあるんですけど。同じ言葉でも、「格好良いメロディだから突き刺さるように歌ってみよう」「柔らかいメロディだから、ちょっと可愛らしく歌ってみよう」など、メロディによってテンションの差が歌声に現れたりもします。そこは歌うときに心がけてもいます。

テーマは「忘れてゆく過程」
――みなさん、歌詞に描かれる世界観はどう感じていますか?
矢川葵 サクライさんに「これはどういう意味ですか?」と聞いても、「自分なりに考えて」と言われるから、毎回メンバーそれぞれに考えながら歌っています。
コショージメグミ 今回の「elude」に関しては、サクライさんが収録した曲のイメージを事前に伝えてくれたんですけど、そのイメージが、わたしが思っていた世界観と合っていたので、自然に表現できたんじゃないかと思っています。
井上唯 昔は、頑張って歌詞を理解しようと考えていたんですけど、最近は、経験の積み重ねもあって、メロディや仮歌を通してイメージがつかめるようになったなとは思っています。
――4人の中で、意識の共有もしていくのでしょうか?
和田輪 話しあったりはしないですけど、それぞれにパフォーマンスしている姿を見ていると、そんなに大きく解釈が外れてはいないなとは感じます。
――サクライさんは、「レインコートと首の無い鳥」「おかえりさよなら」にどのようなイメージを投影したのでしょうか。
井上唯 今回の作品のテーマが、「人工知能に忘れることを覚えさせ、その忘れていく過程を描く」こと。それを楽曲や衣裳、ジャケット、タイトルなどにも現しています。
――そのイメージを、どう受け止め解釈するかになるわけですよね。
井上唯 そうです。前回のシングル「cotoeri」でも人工知能というテーマは使ってたんですけど。「そことは繋がらない」とサクライさんは言ってて。だから今回は今回で、「人工知能が忘れてく…あーそうなんだ」と思いながら、自分なりに雰囲気をつかんで表現していきました。
――表現する側も、毎回イマジネーションを広げながらなんですね。
井上唯 そこは、聴いてもらう人にもそれぞれにイメージを広げて聞いてもらえたらいいなと思っています。
コショージメグミ わたしは、「この曲をライブでやったらどうなるんだろうな」「ライブでやったときにどういう風に見えるのか、どう感じるのか」と、イメージや考えを巡らせています。
――Maison book girlの世界観は、聴き込むほどに深く意識や体内へ染み込んでいく。そんな感覚があります。
和田輪 正直、最初のとっつきにくさはあると思うんですけど。それを、わたし達の歌やダンスを通し壊していけたらなと。とくに、今回の2曲については、そう思っています。
――メンバー自身も、とっつきにくさは感じますか?
和田輪 サクライさんの仮歌が入る前のピアノメロだけの音源の時点では、どう歌声を乗せるかの解釈が難しいんですけど。そこへ仮歌が乗ると、ちゃんとポップスとして成立する形が見えてくる。それを、わたし達の歌声を通して、もっと明瞭なものにしていく。特に今回の曲たちに関しては、そう感じました。むしろ、それぞれの楽曲をポップに、メロディアスに伝えるのが自分たちの役目だと思っています。
矢川葵 確かに解釈の難しさはあるんですけど。みなさんへ発表するまでにも、メンバー内でレコーディングや振り入れなどを通して理解を深めて、ライブや音源を通したお客さんたちの反応も観ながら変化させていきます。どの楽曲も一緒に育てながら自分たちの曲にしていく。そこに、面白みがあるなぁと思っています。

出典: www.musicvoice.jp

左から井上唯、和田輪、矢川葵、コショージメグミ。

リリースする毎に世界観が広がっている
――「レインコートと首の無い鳥」と「おかえりさよなら」には、共通するワードもいろいろ出てきます。と言うことは、2曲とも共通したテーマで歌ってるという解釈で良いのでしょうか?
井上唯 サクライさんが作る楽曲には、今までにも同じワードが出てきているので、今回もその流れだと思うんですけど。でも、1枚のシングル盤を作るに当たって、2曲の流れとして意識したところもあるのかなとは勝手に解釈しています。
和田輪 Maison book girlの世界観を創っているのはプロデューサーのサクライさん。自分じゃない人が創った世界観だからこそ、それを自分のものにしていくのは、毎回苦労しています。この3年間、ずっと試行錯誤してきたなという部分も正直あります。
――でも、自分たちなりの意志や意見もサクライさんには伝えているんでしょ?
和田輪 そこは聞いてもらっていますし、今のわたし達の歌い方を把握したうえで楽曲も作っています。そこは、お互いに影響しあってると思います。
――完成したシングルの「elude」、それぞれどんな作品になりましたか?
矢川葵 今までの中でも、すごく格好良い作品になったなと思っています。今回、「AIに覚えさせたことを忘れさせる」というテーマですが、「レインコートと首の無い鳥」の振りの中にも、イントロでやった振りをアウトロで巻き戻す振りが出てきます。そこって一度忘れたものを巻き戻し、また冒頭へ戻って繰り返すという印象としても捉えれて、そこにも面白さを感じました。
和田輪 「レインコートと首の無い鳥」も「おかえりさよなら」もタイプの違う楽曲なんですけど、CDをリリースするごとにMaison book girlの世界観が広がっていくなというのは毎回感じています。また新しいことができて楽しいなって感じです。
コショージメグミ 「elude」というタイトルが、「忘れる」「逃れる」という意味なんですけど。人って、忘れたいことや逃れたいことってあるじゃないですか。そういう人に寄り添える作品になったと思います。
井上唯 わたし達の表現の技能が増すごとにMaison book girlとしてできることも増えているように、またわたし達のレベルが上がったからできた1枚だと思いますし、まだMaison book girlのことを知らない人にも聴いてもらいたい作品になりました。

「教室」のコンセプトも「消えていく」
――3曲目には、ポエトリーナンバー「教室」を収録しました。
井上唯 今回も、コショージが物語を書いたんですけど。その内容をあえてメンバー内で詳しく聞くことはせず、そこも曲たちと同じように、個々に解釈をしたうえでレコーディングをしていきました。
――Maison book girlに関しては、個々の解釈が何よりも大切なことだ。
井上唯 そうですね。
――コショージさんは、どういう想いから「教室」の物語を書いたのでしょうか?
コショージメグミ 毎回の作品ごと、最後にポエトリーナンバーを収録していて、今回も、先に「レインコートと首の無い鳥」と「おかえりさよなら」の世界観を掴んだ上で、そこに関連する形で「教室」の物語も書いたんですけど。この「教室」も、「覚えたものが消えていく、忘れていく」というコンセプトを持って書いています。
――中に出てくる古町って、新潟市に実在する町のことですよね。
コショージメグミ そうです。
和田輪 毎回、ポエトリーに関しては、わたし達が物語を語る言葉を最初に録り、そこへサクライさんがトラックを付ける作り方をしています。だから今回も、「どんなトラックが出てくるのかな?」と楽しみにしていたところ、完成した楽曲を聴いて「好きだなぁ」と思いました。
――先に語りの部分を録るということは、テンポ感や間合いも大切になっていきますよね。
和田輪 そこは、何時も4人の醸しだす空気感の中で録っています。
コショージメグミ 録りながら、「ここはこうしたいな」というときは言いますけど、基本的にみんなの感覚を優先したいので、ほとんど注文を出すことはないです。サクライさんへ曲をつけていただくときも、「こういう感じがいいです」と伝えてくように、そこも「イメージが違うなぁ」ということはないですね。
矢川葵 物語の内容面でも、わたし自身は経験したことはないけど、でも、あり得そうな話だなとは感じてて。学校で何か事件が起きて、急に体育館に呼び出されるところとか、いろいろあったけど、友達に遊びに誘われたから気にせず体育館を出ていっちゃったりとか、みんなの記憶の中にも有り得そうな話なんだけど。でも、ちょっと不穏な空気も出ていたり。その世界観も、「elude」というシングルに描き出した世界観へ寄り添ってるなと思いました。
――6月23日には、日本青年館ホールを舞台に『tour final Solitude HOTEL 5F』をおこないます。過去にもワンマンは『Solitude HOTEL』シリーズとして、1F、2F、3Fなど、少しずつ階層を上げています。そこにも連動性があるのでしょうか?
コショージメグミ 『Solitude HOTEL 4F』と『4.9F』のときは連動性もありましたけど。『5F』に関しては、取材段階ではまだツアー中なので、自分たちでもどうなるのかまだ予測はできてないです。
井上唯 そこは、当日のお楽しみですね。ただ、イベントライブに関してはコショージがセットリストを決めてるんですけど。そこは、対バン相手の雰囲気に合わせたりということも、過去には考えたりしてましたね。
コショージメグミ 最近は、「自分たちがどう見られたいか」を一番に考えてセットリストも組み立てています。
和田輪 Maison book girlのライブの場合、勝手に騒いでる人もいれば、ジッとライブを見続けてる人、涙を流してる人、本能のままに声が出てしまう人など、反応は本当にそれぞれ。いろんな解釈や反応が生まれるのは自由なことだし、むしろ、それだけしっかりMaison book girlの世界観が響いてくれてるんだなと思っています。
――最後に、ひと言ずつメッセージをいただいても良いですか?
井上唯 最新シングルの「elude」が出ます。収録した3曲ともMaison book girlらしい楽曲なんですけど、でも、それぞれに違う雰囲気を持っているように、ぜひ聴いて欲しいのと、ライブにも遊びにきてもらいたいです。
コショージメグミ 日本青年館ホールでのワンマン公演は、今回のシングル盤の世界観を体現する内容になると思います。むしろ、今回のシングルの世界観をしっかり体感出来るライブは今回しかないので、ぜひ観に来て欲しいです。
和田輪 シングル盤として楽曲は成立しているんですけど、また別の楽しみ方としてライブがあるように、やっぱしライブは観て欲しいなと思います。日本青年館ホールは着席会場だから、気になっている方には観やすい場だと思うから、ぜひ来てください。
矢川葵 この曲たちを音源を通して何度も聴き、楽しみ尽くしたなと思っても、ライブでは、また違った視点で楽しめると思います。6月23日の日本青年館ホールでのワンマンは、その日にしか味わえない内容にもなります。だからこそ、それを味わいに日本青年館ホールまで来て欲しいです。

出典: www.musicvoice.jp

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