岸辺露伴は動かない(荒木飛呂彦)のネタバレ解説・考察まとめ

『岸辺露伴は動かない』とは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするアニメ、ドラマ作品であり、荒木の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する岸部露伴のスピンオフである。リアリティを追求する漫画家の岸辺露伴が、作品の取材で奇妙な現象に巻き込まれ、持ち前の知識、機転、スタンドと呼ばれる超能力で危機を回避する。日常に潜む恐怖や、意外な真実との遭遇を奇抜なアイディアで描く。派生作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の他、短編小説集もある。

『岸辺露伴は動かない』の概要

『岸辺露伴は動かない』とは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするアニメ、ドラマ作品であり、荒木の作品『ジョジョの奇妙な冒険』(通称『ジョジョ』)Part4『ダイヤモンドは砕けない』のキャラクター・岸辺露伴のスピンオフである。ただし、物語の中心になるとはいっても、露伴の役目は狂言回しであり、主人公ではない。
『懺悔室』をはじめ、一部のエピソードは荒木飛呂彦が作画を担当しているとの設定。

人気漫画家・岸辺露伴は、作品を描くに当たりリアリティを重視する。「自分が体験をしなければ、リアリティのある作品は生まれない」との信念に基づいて行う取材の中、露伴は奇妙な現象に遭遇する。時には露伴自身も危険にさらされるが、持ち前の豊富な知識や機転、「スタンド」と呼ばれる超能力で切り抜けている。
ちなみに、スタンドを扱える者・スタンド使い自体は、『ジョジョ』に複数存在する。露伴は『ジョジョ』において一スタンド使いとして登場した。露伴の固有の能力は「ヘブンズ・ドアー(天国の扉)」という名前で、他者を本にして記憶を読み、時に命令を書き込んで行動を制御できる。本作中では、正体の分からない者について探ることもあれば、危機を回避する為に行動を制限することもある。

露伴の登場作品である『ジョジョ』Part4は、何の変哲もない地方都市にスタンド使いが複数現れ奇妙な冒険、バトルの原因になっていた。中には15年間捕まらずに人を殺し続けていた殺人鬼もおり、「日常に潜む恐怖」を描いた作品として、ファンの人気が高い。
『岸辺露伴は動かない』は、Part4の世界観を引き継いだ作品と言える(実際のPart4の設定と齟齬が生じる場面が多々あるが、Part6のラストで「世界が一巡りし、新しい世界が生まれた」為『岸辺露伴は動かない』は一巡りした後の世界ではないかと言われている)。
Part4のようなスタンドバトルではなく、主に露伴が巻き込まれる形で怪奇現象に遭遇することに重きを置いている。対象を倒すことなく身を引くことが多い(そもそも倒せるようなものではない場合もある)。引き継いでいるのは、日常に潜む恐怖、もしくは何かのきっかけで一変する運命という点であり、奇想天外な存在による事象もあるが、異様な現実感と読後感を読者に与える。

第1作の『懺悔室』は1997年に『週刊少年ジャンプ』に読み切りとして掲載された。『懺悔室』は荒木の短編集『死刑執行中脱獄進行中』に収録されている。
2008年第2作『六壁坂』を皮切りにシリーズ化した。2013年ジャンプコミックスとして単行本化され、2018年第2巻が発売された。
2017年、一部のエピソードを『ジョジョ』Part4に準じた形でOVA化。
シリーズとしての同作は、『週刊少年ジャンプ』の他、複数の雑誌に掲載されている。単行本での収録順は発表や時系列の順ではない。各短編に作者の解説がついている。

派生作品に、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2010年発表の長編。2011年にフルカラーの愛蔵版で観光された)の他、小説短編集『岸辺露伴は叫ばない』と『岸辺露伴は戯れない』(いずれも2010年刊行)がある。タイトルは異なるが、露伴を中心に据えたスピンオフという点は同じである。
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、フランスのルーヴル美術館とフュチュロポリス社が実施したバンド・デシネ(フランスやベルギーの漫画)プロジェクトの第五弾として執筆された。フルカラーなのは、「それまでの四作品がフルカラーであったから」「めったにない機会だから」と荒木が語っている。新作ではなく露伴を主人公とした理由は、「新キャラクターを主人公にすると、その人物紹介に時間がかかってしまうが、作者がよく知るキャラなら、露伴を知らない読者にも提示しやすい」とのことである(荒木談)。この作品の露伴は、従来の彼のキャラクターのようなエキセントリックさは鳴りを潜めたキャラクター像で描かれている。
『岸辺露伴は叫ばない』及び『岸辺露伴は戯れない』は、作家北國ばらっど、維羽裕介、宮本深礼、吉上亮により執筆された短編小説集である。

物語中には、露伴の他『ダイヤモンドは砕けない』のキャラクターが複数登場するが、一部の設定が『ダイヤモンドは砕けない』と異なる。
2020年にはNHKでドラマ化された。第一話『富豪村』と第三話『D・N・A』は『岸辺露伴が動かない』が原作だが、第二話『くしゃがら』は『岸辺露伴は叫ばない』の収録作品を基にしている。

OVA主題歌はOP『岸辺露伴は動かないのテーマ』(作曲・編曲:菅野祐悟)、ED『FINDING THE TRUTH』(作詞:青木カレン・作曲・編曲:菅野祐悟・歌:Coda)である。

『岸辺露伴は動かない』のあらすじ・ストーリー

『懺悔室』(『週刊少年ジャンプ』1997年30号掲載)

懺悔に来た男の娘に取り憑いた浮浪者の霊。

怪我をして、連載を休止していた人気漫画家の岸辺露伴は、休載期間を利用してイタリアへと旅行し、ストーリーの新展開の為に取材を行った。教会の懺悔室に入ると、ある一人の男が懺悔に訪れる。自分が間違えて神父の部屋に入ったことに気付いた露伴だったが、作品のリアリティの為神父に成りすまして男の話を聞く。

男は、若い頃トウモロコシの食品工場の下働きをしていた。いつものように残業をしていると浮浪者が現れて食べ物を要求してきた。一日中働いてきた自分とは違い、一日中ダラダラとしていたであろう癖に食料を乞う浮浪者に怒り仕事を押し付けるが、浮浪者は空腹のあまり死亡。男が倒れた浮浪者を「怠けるな」と罵ると、浮浪者の霊が現れ、「お前の人生の幸福の絶頂期に迎えに来る」と言って去る。
その後、男は不気味なほどの幸運が続いた。使いきれないほどの財産、モデルとの結婚や妻に似たかわいらしい娘と誰もが羨む生活を手に入れたが、常に浮浪者の言葉が頭にあった。そんなある日、娘と出かけていた際、かわいらしい娘を見た男は「自分はなんて幸せなんだ」と感じる。「幸福の絶頂を迎えた」と見て、浮浪者の霊が娘の体に取り憑いて現れた。
男は「逆恨みだ」と主張したが、浮浪者の霊は「運命に委ねる」と言い、ゲームを提案。ゲームをしなければその場で首をはねると言われた男は、仕方なく提案を受け入れる。
ゲームの内容は、「街灯よりも高くポップコーンを投げ、手を使わずに口にれる」というもの。3回続けて手を使わないで口に入れれば男の勝ち、つまり自分の死は逆恨みということにして消えると浮浪者の霊は言った。
どうにか2回連続で成功したが、3度目に失敗し、男は殺される。

ここまで話したところで、懺悔者は「殺されたのに、なぜここにいるのかとお思いでしょう。本当に恐ろしいのはここからなんです」と続けた。露伴が男のいる部屋を覗くと、懺悔室には中年の男と、自分の首を抱えた若い男の霊、その足元にしがみつく浮浪者の霊がいた。男は、使用人を金で釣って整形手術で若い頃の自分の姿と同じにし、身替わりに浮浪者の霊に殺させたのだった。
使用人の霊は「旦那様の娘が幸福の絶頂の時に、あなたを迎えに来ます」と言い、騙されて関係のない者を殺してしまった浮浪者は「今度は騙されねえよう、四六時中この糞野郎を見張ってねえと駄目だ」と口にした。

『六壁坂』(『ジャンプスクエア』2008年1月号掲載)

六壁坂の取材に来た露伴。

露伴の新しい担当編集者・貝森稔は、打ち合わせの席で露伴から「破産した」と言われ、原稿料の前借りを打診される。最近山を六つも買ったとの話を聞いていた貝森は驚くが、露伴は「取材の為に仕方がなかった」と言う(取材をしようとしていた土地が、リゾート開発で切り開かれそうだったので山を買ったが、地価が下がり破産した)。露伴は、「取材をした価値はあった」と、六壁坂の妖怪のことを語り出す。

六壁坂には、味噌作りで成功し300年以上栄える大郷家がある。一人娘の楠宝子は、バイトで庭師をしている釜房群平と付き合っていた。楠宝子は大学卒業後、許嫁との結婚が決まっており、群平とはもう会えないと言って手切れ金を渡す。納得がいかない群平が楠宝子に食い下がるが、楠宝子に突き飛ばされ後頭部にゴルフクラブが当たって死亡。
楠宝子は外にいる父と、許嫁の修一に群平を見られないように隠すが、群平は死んでいるのにどんな手段でも血が止まらず、遂にはミイラ化が始まった。

翌年の春、楠宝子は修一と結婚式を挙げた。長い年月が経過したが、群平は生体反応は止まったまま血を流し続けていた。結婚以来、一度も一泊以上の遠出をしない楠宝子は、寝室のクローゼットの天井裏に隠した群平の血の処理を夫にも両親にも内緒にしたまま日課にしていた。二人の子をもうけながら、夫には何の情熱も抱けなかったが、群平の「世話」をする内彼を愛おしいと思う感情がわくのだった。

楠宝子の記憶を読み、上記の事実を知った露伴は、群平に会いに行こうとしたが、ある少女に声を掛けられる。「変質者が多いから、知らない人と話すなと言われた」と言って少女は逃げ出すが、その最中に転倒し、頭をぶつけて死んでしまう。直後、少女の体はミイラ化し始めた。群平と同じ兆候を示す少女を、露伴はヘブンズ・ドアーで本にする。まだ完全に死んでいないらしく、字が残っていた。完全な死を迎える前に、露伴は少女に「岸辺露伴なんて知らない。もし出会っても、岸部露伴を見ることさえできない」と書き込む。一瞬奇声を発し、異形と化した少女だが、すぐ元の姿に戻り、何事もなかったように去って行った。
露伴は、少女が群平と楠宝子の子であり、群平が人ではなく子孫を残すことを目的とした妖怪であると推測した。

『富豪村』(『週刊少年ジャンプ』2012年45号掲載』)

来訪者はマナーを試される。

露伴は、担当編集者・泉京香との打ち合わせの際、山奥の別荘を買う漫画にしないかと言われる。「六壁坂」の一件で破産している露伴は買わないと言ったが、泉は実際に別荘を買うのは自分であり、露伴には購入までの過程を取材してアイディアに繋げればいいと言った。
別荘地のある村は、杜王町から北西へ80㎞の山奥にあるが、道路は一切なく住人はヘリコプターを使用している。送電線もなく、周囲の深い森に遮断され完全に独立した群(むら)であった。たまたま地図でその特異な村を見つけた泉が調査したところ、村には11件の豪邸があり、所有者は皆世界屈指の大富豪であった。元々はごく普通の一般人だったのが、「25歳の時にこの別荘地を買ったのを機に成功を収め大富豪となった」共通点を持っていた。
今回、別荘の一区画が800坪300万円で売りに出されていることを知った泉は、自身が25歳ということもあって購入を検討していた。11人の富豪が本当に土地を購入したことで金持ちになれたのかを調べたいとの意図もあり、まずは購入の意思があることを示す為に村に行くと言う。訝し気に聞いていた露伴だったが、泉に背中を押されて同行する。
登山の果てに村に着くと、泉は「富豪村の者はマナーにうるさいから気を付けてほしい」と言った。購入希望者だけではなく、同行者がマナー違反をしても追い返されると言う。
大きな門をくぐると、案内人の一究を名乗る少年が現れた。露伴と泉は、売り主が来るまでと和室に案内され、茶を出された。露伴は既にマナーの試験は始まっていると見て茶を正しく飲むマナーをネットで検索するかと泉に尋ねるが、泉は購入するのは自分だからと音を立てずに茶を飲む。
一究が現れて、二人が既に三つもマナー違反をした、無礼なる者には土地をお売りできないと言った。「勧められるまで上座に座ってはいけない」、「畳のヘリを踏んではいけない」、「ティーカップの取っ手に指を入れてはいけない」とのマナー違反であった。
泉がもう一度試験してほしいと言うと、一究は「再トライをなさりたいと?」と尋ね、泉はこれを承諾。露伴は止めたが、泉の意思は揺らがなかった。
この時、門の入り口で巣から落ちたひな鳥(泉が後で巣に戻そうと箱に入れて運んでいたもの)にムカデが巻き付いていた。泉の携帯に、母と婚約者が事故に遭い、二人とも亡くなったとの報せが入る。
露伴は何かを感じ取り、ヘブンズ・ドアーで一究を本にする。彼はただの案内人でスタンド使いではなかった。売り主は山の神で、マナー違反をした者は、一つの違反につき一つ大切なものを失う。三つの違反で、泉は三つ大切なものを失ったのだ。
他者の心を読むヘブンズ・ドアーもマナー違反に当たり、露伴のマナー違反により泉も心臓発作を起こした。露伴は泉の命を助けてほしいと言うが、一究は「マナーに寛容はございません」と答え、再トライをさせる。
再トライの内容は、トウモロコシの正式な食べ方だった。ナイフ、フォーク、箸の他、塩やコショウが用意される。「この岸辺露伴を舐めるなよ」と言い、露伴はトウモロコシを両手でつかんで食べた。そして、一究に「ヘリを踏んでいる」と付け加える。ヘブンズ・ドアーで、畳のヘリを見えなくさせたのだった。
一究は「神の怒りに触れるぞ」と怒りながら、それでも再トライをするか、今日の所は帰るかと尋ねた。マナー違反をしたのは一究であり、露伴は何の罰も受けず、「二度と来るつもりもない」と言って、蘇生した泉、鳥と共に帰って行った。

『密漁海岸』(『週刊少年ジャンプ』2013年46号掲載)

トニオの料理を食べた露伴。

露伴は、杜王町でイタリアンレストラン・トラサルディーで食事をした際、店主のトニオ・トラサルディーにクロアワビの密漁を手伝ってほしいと言われた。杜王町のヒョウガラ列岩なる場所で採れるアワビは、世界中のどこにもない特別なもので、それさえあれば自身の生涯で最高の料理ができると言う。
あまりに貴重である為、地元の漁師からも売ってもらえず、杜王町の歴史書で調べた「芸術」とも言える密漁法を実行することとなる。
荒らされたことも、アワビが盗まれたことさえも分からない日があるという。それは、真夏の天気の良い日で水温は25℃。8月のお盆前後、満月の夜の本の数時間だけで、潮の流れが変わる時があった。岩にくっついているアワビたちは上下の感覚を失い、岩から剥がれて泳ぎ出す。それを捕まえる作戦であった。
露伴は、トニオに何故そこまでしてクロアワビが欲しいのかと尋ねる。彼には、故郷に残してきた恋人がいた。名はヴェルジーナ。彼女の脳には、グレープフルーツ大にまで大きくなった腫瘍がある。トニオは、食べることで体の悪い所を治すスタンドのパール・ジャムを持っていたが、彼の能力を持ってしてもヴェルジーナを治すことができなかった。神々の食べ物とまで言われるクロアワビなら、彼女を救える。そう睨んでいたのだ。
上下の感覚を失くし、海に落ちて泳いでいるクロアワビを取り始めるが、気が付くとトニオが海中に沈んでいた。見れば、彼の体には大量のアワビがついている。トニオを抱えて水面に上がろうとしたが、あまりにおびただしい量のアワビがついている為に重くて浮上できない。露伴は、歴史書に記された密漁法が、対密漁者用の罠であったと悟る。海底には、密漁者の成れの果てと思われる骸骨が転がっていた。
露伴は、アワビの天敵であるタコを捕まえ、ヘブンズ・ドアーで「アワビに攻撃をしろ」と書き込んだ。
タコにアワビを退治してもらい、露伴とトニオは生還を果たす。
後日。露伴はトラサルディーでタコのトマトソース煮を食べていた。「新作のアワビ料理はないのか」と文句をつけながらも、厨房に立つトニオ、回復したヴェルジーナを見て微笑んだ。

『岸辺露伴 グッチへ行く』(ファッション誌『SPUR』2011年10月号別冊付録の小冊子掲載)

祖母の形見であるバッグの修理で、グッチの工房に訪れた露伴。

グッチの設立90周年に際し、女性ファッション誌『SPUR』が荒木に「グッチの職人とものづくり」をテーマにした作品の依頼が舞い込み、描かれたもの。

露伴の祖母の形見であるバッグの中に、金目のものを入れると消えてしまう謎の現象が発生。露伴はバッグの修理の為、通訳の女性を連れてイタリアのフィレンツェにあるグッチの工房を訪れる。バッグの修繕をしてほしいと、職人の前で合計60ユーロの紙幣を入れると、跡形もなく消えた。グッチの職人は「このバッグは、天才的な職人が作った3個しかない物の一つ」「あなたはこのバッグの本当の価値をご存知ではない」と難色を示したが修理を引き受けた。

修理が終わり、ワインを飲んで酔っている間、所持品の入ったバッグは通訳の女性に盗まれてしまう。露伴には中の入っていないグッチのバッグだけが残され、イタリアの土地勘がない状態の上、雨が降ってきた。遭難を覚悟した露伴だが、グッチの傘と牛の糞を見つけた。ペンで糞に火をつけ、通りすがりの車に拾われた露伴は、どうにかホテルへとたどり着く。ところが、身分証も金もないので宿泊を拒否される。
途方に暮れた露伴だったが、別の宿泊客から「60ユーロでそのグッチの傘を譲ってほしい」と言われた。グッチの職人にバッグの修理を頼む際に入れた額とちょうど同じだった。露伴は、このバッグが単に金目のものを消してしまうのではなく、持ち主に危機が迫った時に等価交換で運命を好転させるスタンド能力を持ったバッグだと理解する。
等価交換で助けるバッグを残してくれた祖母に感謝する露伴だったが、既にバッグは修理された為60ユーロが最後の等価交換となった。部屋には泊まれた露伴だが、あと50ユーロあれば豪華ディナーがついたと聞き、「100ユーロ紙幣を入れておけばよかった」と独り言ちた。

『望月家のお月見』(『ジャンプ+』2014年公開)

望月家の「宿命」を力説する当主・昇。

「最近取材に行けていない」と読者に前置きをし、露伴は近所に住む望月家について語り出す。
望月家には、直系の先祖の命日が必ず「中秋の名月」であるという奇妙な宿命を持っており、死を逃れる為に中秋の名月には家族が揃って月見をしなくてはならない。作中では9月8日が中秋の名月に当たり、当主の望月昇の主導の下、月見が行われる。
昇は子宮頸がんで陽性反応が出た妻に「望月家に嫁いできたから、中秋の名月以外では不死身」「今日を過ぎれば体調は良くなる」と言い、出かけようとする娘や息子には自身の父や弟が月見に参加せずに死んだ経緯を話した。
夜中、長女の亜貴が恋人の電話を受け、家を出る。亜貴の後をつけ現れたのは、兎のような男(亜貴には見えていない)。兎のような男は、スズメバチをけしかけて亜貴を殺そうとしたが、亜貴が恋人のプロポーズを受けたことで「(亜貴が)身も心も、望月家の者ではなくなった」と憤慨。「数合わせ」と称し、通りすがりのライダーを殺し、「いずれうっかり月見を忘れる者が出るだろう」と意味深なことを呟きながら天に昇って行った。

『月曜日 天気-雨』(『ジャンプスクエア』2016年1月号掲載)

歩きスマホをする人々の様子に違和感を持つ露伴。

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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『ジョジョの奇妙な冒険』×「資生堂」になんだかワクワクさせられた!

資生堂といえば日本が誇る化粧品メーカー。ところが資生堂が“本気”を出した「ジョジョ」のコスプレ(?)を、それも18人にも及ぶキャラクターを披露していた事実をご存知でしょうか? その本気クオリティたるや「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」レベルなうえに、実はコスプレをしたモデルやスタッフなどにも大きな秘密があったのです。

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名言、迷言多し!第六部までの『ジョジョの奇妙な冒険』歴代ジョジョとラスボスを網羅

第一部冒頭より名言と迷言、そして名シーンの宝庫である『ジョジョ』。まさにタイトル通り、「ジョジョ」の異名を持つ者が過酷な運命に身を投じるというサーガ。「宇宙が一巡りする」前の第六部までの「ジョジョ」と、各部を盛り上げてくれたラスボス、並びに名言と迷言をまとめました。ジョジョ立ち、スタンド戦、頭脳戦ばかりがジョジョの魅力ではない!?

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子供、動物、ゾンビまで?『ジョジョの奇妙な冒険』異質のスタンド使いまとめ(第六部まで)

『ジョジョ』のスタンドバトルは知略戦、意外な能力などで見ていて白熱します。基本的にスタンド使いといったら10代半ば以降の人物、人間が多いのですが、中には「こいつがそうだったのか!」となるような「スタンド使い(本体)」も。動物だったり子供だったりと、そんな異色のスタンド使いをまとめました。能力を操れていなかったり、修行の果てに能力が目覚めた人までいて、奥の深いスタンド道です。

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アニメ・漫画に出てくる、見ているだけでよだれが出てくる美味しそうな食べ物たち

アニメ・漫画で度々登場するのが、食べ物のシーン。しかし食べ物は現実、色のグラデーションや光の吸収率や反射率などがまちまちで、絵として表現するのは至難の技なのです。けれども、そんな中でもその独特な食べ物たちを極めて美味しそうに書いたアニメや漫画があるのです。今回はそんなシーンにこだわって、たくさんの美味しそうな食べ物をまとめてみました。

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昔と今の「週刊少年ジャンプ」の表紙の変化まとめ

長い歴史を持つ「週刊少年ジャンプ」。ジャンプといえば、1968年に『少年 ジャンプ』として連載が開始され、少年少女たちに夢を与える熱血or白熱漫画の代表格としてとても有名でした。しかしながら、50年ほど経とうとしている今現在、その漫画や内容・ジャンルの扱いは、時代とともに大きく変わりました。そんな中、今回は「ジャンプの表紙」に注目して、その変遷や変わり様をまとめてみました。

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[誰が好き?]ジョジョの奇妙な冒険・敵キャラクターまとめ[第8部(ジョジョリオン)]

濃いキャラクター達や歴史に残る名言を残した人気マンガ、『ジョジョの奇妙な冒険』の敵キャラクターを各部、登場順でまとめました。 第3部からは「スタンド」の概念が登場したので、見えるスタンドは本体の下に表示してあります。 第8部は現在連載中のため、不明なスタンドが多めです。随時更新します。

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②《vol.16〜30》「アメトーーク」DVD別《アニメ・漫画》ネタ芸人まとめ

「アメトーーク」DVD別《アニメ・漫画》ネタ芸人まとめですが、今回はvol.16〜vol.30までをまとめてみました。15巻までで、とりあえずガンダムネタは一段落ですが、まだまだたくさんネタは存在しますよ。ちなみにDVDは全て2枚組、さらにテレビでは放送されていない完全限定特典映像などもついてきますb

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彼女が出来て幼なじみと修羅場!?『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』

2013年冬に放送されたアニメ『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』に関する記事です。この作品は、色恋沙汰を毛嫌いする主人公に彼女が出来て、それを知った主人公の幼なじみが、その彼女と修羅場を繰り広げる物語です。この記事では、個性豊かなキャラクターと彼女らが描く青春について紹介します。

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【ジョジョの奇妙な冒険】心に残る名言・珍言・擬音集【名セリフ&迷セリフ】

荒木飛呂彦による人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。アニメ化もされますます話題を集めているこの作品ですが、他の漫画にはない印象的なフレーズが多数登場します。そんな名言・珍言・擬音を集めてみました。印象に残る名言、珍言、時にはあり得ない擬音を堪能して下さい。

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