スポットライト 世紀のスクープ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『スポットライト 世紀のスクープ』とは2015年に製作された伝記・犯罪・ドラマを扱ったアメリカ映画である。第88回アカデミー賞において作品賞を受賞するなど、様々な映画賞で受賞する非常に大きな評価をされた作品である。カトリック教会の神父による小児への性的虐待への真相を暴いた、新聞社『ボストン・グローブ』の特集記事『スポットライト』を担当しているメンバーが奔走する姿を描いた、実話に基づいている。監督はトム・マッカーシーが務め、『アベンジャーズ』シリーズのマーク・ラファロらが出演した。

マイク「記事にしない場合の責任は?」

公になったはずの神父らによる性的虐待の証拠を示す資料請求を断られたマイクは、判事に掛け合ってその資料開示を要求する。判事からは「機密性の高い文書である。これが記事になった場合の責任はどうするのか」と問われたマイクが「記事にしない場合の責任は?」と返すのである。

マイク「いまがその時だ!ロビー」

神父らによる小児への性的虐待の証拠文書を手に入れたマイクが「いまがその時だ!ロビー」と言って、すぐにでも報道すべきだと迫る。他社もこの情報を嗅ぎつけており、早く報道しないとまた教会から潰されてしまうのではないかと危惧していいる。

バロン局長「私たちは毎日闇の中を手探りで歩いている。そこに光がさして初めて間違った道だと分かる」

ようやく記事を掲載される段階になってロビーは、今まで報道されなかったことに対して新聞記者である自分たちに責任はなかったのかを皆に問う。ベンは自分たちが調査して明らかになった結果であることを強調するも、これらの調査を始めるには十分な資料が『ボストン・グローブ』に1993年と7年以上も前に届いていたのに、それを自分が気にも留めていなかったことを白状する。そのロビーの発言を受けてバロン局長は「私たちは毎日闇の中を手探りで歩いている。そこに光がさして初めて間違った道だと分かる」と言葉をかける。

『スポットライト 世紀のスクープ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

受賞とノミネート

第88回アカデミー賞では、作品賞と脚本賞(トム・マッカーシーとジョシュ・シンガー)の計2部門を受賞し、監督賞(トム・マッカーシー)、助演男優賞(マーク・ラファロ)、助演女優賞(レイチェル・マクアダムス)、編集賞(トム・マカードル)もノミネートされた。

第73回ゴールデン・グローブでは受賞こそならなかったが、最優秀作品賞(ドラマ)、最優秀監督賞(トム・マッカーシー)、最優秀脚本賞(トム・マッカーシーとジョシュ・シンガー)の計3部門でノミネートされた。

第72回ヴェネツィア国際映画祭ではトム・マッカーシーがブライアン賞、シルバーマウス賞の計2部門を受賞した。

第19回ハリウッド映画賞では脚本賞(トム・マッカーシーとジョシュ・シンガー)を受賞した。

第25回ゴッサム・インディペンデント映画賞では作品賞、脚本賞(トム・マッカーシーとジョシュ・シンガー)、特別賞の計3部門を受賞した。

第9回デトロイト映画批評家協会賞では作品賞、助演男優賞(リーヴ・シュレイバー)、アンサンブル演技賞の計3部門を受賞した。

第20回サテライト賞では作品賞、監督賞(トム・マッカーシー)、キャスト賞の計3部門を受賞した。

第50回全米映画批評家協会賞では作品賞、監督賞(トム・マッカーシー)の計2部門を受賞した。

第68回全米脚本家組合賞では脚本賞(トム・マッカーシーとジョシュ・シンガー)を受賞した。

第69回英国アカデミー賞では脚本賞(トム・マッカーシーとジョシュ・シンガー)を受賞した。

第31回インディペンデント・スピリット賞では作品賞、監督賞(トム・マッカーシー)、脚本賞(トム・マッカーシーとジョシュ・シンガー)、編集賞(トム・マカードル)、アンサンブル賞を受賞した。

第29回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞では外国作品賞を受賞した。

第90回キネマ旬報ベスト・テンでは外国映画ベスト・テンで7位だった。

バロン局長が最初に読んでいた「バンビーノの呪い」とは

ロビーがバロン局長に初めて会う時にバロン局長が読んでいる本である。バンビーノとはボストンの地元野球チームボストン・レッドソックスにも在籍した偉大な野球選手ベーブ・ルースのニックネームである。そのバンビーノことベーブ・ルースがニューヨーク・ヤンキースにトレードに出されて以来、ボストン・レッドソックスは長らく優勝から遠ざかり「バンビーノの呪い」と言われているのである。

実際に神父から性的虐待を受けた俳優が出演

マイクがガラベディアン弁護士に掛け合って会うことができる被害者のパトリックを演じたジミー・レブランクは過去に実際に神父による性的虐待を受けた被害者の1人である。

マイクが言った「善きドイツ人」とは

神父による小児への性的虐待があったことを知っていながら話をしない人たちのことをマイクが「善きドイツ人(Good German)」と発したことを受けて、ベンが「差別用語だぞ」と指摘する場面がある。

ナチスドイツの時代に、ユダヤ人への迫害行為や強制収容所送りなどの残虐な行為を知りながら見て見ぬふりをしていたドイツ人が善きドイツ人であると揶揄された言葉であり、それを神父による小児への性的虐待の事実がありながらも隠蔽し続けた教会になぞらえて言ったのである。

カトリック教会の反応やその他の批判

カトリック教会の公式ラジオ放送局であるバチカン放送によると、本作を評価してアメリカカトリック教会に改めて罪を受け入れて責任を取るように促している。2016年にはバチカン内に設けられている神父らによる性的虐待に関する委員会では映画の上映も行われた。ローマ教皇庁における日刊紙のコラムでは、敬虔なカトリック教徒が神父による小児への性的虐待の事実に対峙した際の衝撃と痛みの表現について称賛している。

また、BC高校の理事長は自身がまるで隠蔽に加担したかのように描かれたことに異を唱えたが、実際に理事長を取材したロビーとサーシャは理事長が都合よく話をして高校を擁護していたとして反論している。

映画のその後

本作が公開されてからも、神父らによる小児への性的虐待はまだ解決をしていない。アメリカのペンシルベニア州で行われた調査報告書によると、過去70年間にわたって神父らによる小児への性的虐待の事実があり、教会が神父を別の教区へ転属させることで虐待の事実を隠蔽し続けてきたというものだった。また、フランス、インド、オーストラリア、イギリスなどの世界各国で神父らによる小児への性的虐待の事実が明るみとなったことを受け、2019年にはローマ法王は9人の枢機卿、世界130国以上のカトリック司教協議会会長を招集した特別会議を開催した。

『スポットライト 世紀のスクープ』の主題歌・挿入歌

挿入歌:きよしこの夜(Silent Night)

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

アベンジャーズ/エンドゲーム(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ

『アベンジャーズ/エンドゲーム』とは、2019年に公開されたアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画である。マーベル・コミック『アベンジャーズ』の実写映画化作品としては4作目で、完結編となる。マーベル・コミックの実写映画で、世界観を共有するクロスオーバー作品として2008年公開の第1作『アイアンマン』から続いてきたMCUシリーズとしては22作目、本シリーズのフィナーレとなっている。サノスとの戦いに敗北し宇宙を漂流していたトニー・スタークは、キャプテン・マーベルの協力によって地球へと帰還する。

Read Article

トランスフォーマー/最後の騎士王(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『トランスフォーマー/最後の騎士王』とは、2017年公開のアメリカ合衆国のSFアクション映画。実写版『トランスフォーマー』シリーズ5作目であり、4作目の『トランスフォーマー/ロストエイジ』の続編でもある。オートボットの総司令官「オプティマス・プライム」が宇宙へ旅立って数年後、ケイドは新たな仲間と共にトランスフォーマーたちを守るため、人類とトランスフォーマーたちの生存競争に身を投じていく。

Read Article

スパイダーマン:ホームカミング(MCU版)のネタバレ解説・考察まとめ

スパイダーマン:ホームカミングとは2017年に公開されたアクション映画である。監督はジョン・ワッツ、主演はトム・ホランドが務めている。マーベル・コミックのスパイダーマンを原作とした作品でアクション映画だが超能力を得た高校生の主人公が高校生活とヒーロー活動の両立に悩みながら成長していく人間ドラマも描かれている。

Read Article

トランスフォーマー/ロストエイジ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『トランスフォーマー/ロストエイジ』とは、2014年に公開されたアメリカ合衆国のSFアクション映画。実写映画『トランスフォーマー』シリーズの4作目であり、前作『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』から5年後を描いた作品でもある。シカゴ惨劇から5年後、オートボットを排除しようとする組織によって、オートボットたちが次々と消されていってしまう。そんな中、廃品回収業を営む発明家・ケイドは、映画館の中で眠っていたオプティマス・プライムと出会い、戦いに巻き込まれていく。

Read Article

プラダを着た悪魔(The Devil Wears Prada)のネタバレ解説・考察まとめ

『プラダを着た悪魔』とは、2006年の公開から時間が経ってもなお人気を得ているアメリカ映画である。名門大学を卒業後、アンドレア・サックスはジャーナリストになることを夢見て田舎町からニューヨークへと移ったが、何故か超人気ファッション誌『ランウェイ』の悪魔のような編集長ミランダ・プリーストリーのアシスタント職に配属されてしまう。ファッションとは無縁だったアンドレアであったが、本来の彼女の夢をかなえるためにミランダの無謀な要求を乗り越え、ファッション業界とアシスタントの仕事の魅力に気付き始める。

Read Article

シャッター アイランド(Shutter Island)のネタバレ解説・考察まとめ

『シャッター アイランド』とは、2010年公開のサスペンス映画である。監督はマーティン・スコセッシ、主演はレオナルド・ディカプリオ。 連邦保安官のテディ・ダニエルズは、同僚のチャック・オールとともに、シャッター アイランドという孤島にある精神病院に、女性患者の失踪事件を捜査しに船で向かう。その精神病院には多くの犯罪者が収容され、失踪した女性患者も、自らの子供たちを殺害した犯罪者だった。事件を捜査していくうちに意外な事実が浮かび上がってくる。

Read Article

はじまりのうた(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『はじまりのうた』は『ONCE ダブリンの街角で』を手掛けたジョン・カーニー監督の音楽映画である。シンガーソングライターとして成功した彼氏とともにニューヨークに引っ越した主人公だが、浮気をきっかけに彼氏と別れてしまう。失恋に押しつぶされそうになりながらも、ライブハウスで知り合ったプロデューサーに声を掛けられアルバムを作ることになる。主演に「パイレーツオブ・カリビアン」シリーズのキーラ・ナイトレイ、恋人役には世界的バンドのMaroon5のボーカルであるアダム・レヴィーンを起用した作品である。

Read Article

目次 - Contents