チェンソーマン(Chainsaw Man)のネタバレ解説まとめ

『チェンソーマン』とは、『週刊少年ジャンプ』2019年1号より連載中の藤本タツキによる漫画。単行本は既刊8巻。主人公・デンジは、チェンソーの悪魔である相棒の犬・ポチタとともに悪魔退治をして死んだ父親の莫大な借金を返済していた。明日をも知れない極貧生活の中、デンジは自分を飼っていたヤクザのボスにハメられて殺されかけるが、ポチタと融合して彼自身がチェンソーの悪魔へ変身しヤクザたちを皆殺しにする。そんなデンジをマキマと名乗る美女が、公安所属のデビルハンターにならないかスカウトにくる。

『チェンソーマン』の概要

『チェンソーマン』とは『週刊少年ジャンプ』2019年1号より連載中の藤本タツキによる漫画。ジャンルはダークアクション、単行本は既刊8巻。作者の藤本タツキは『ジャンプ+』で連載していたデビュー作『ファイアパンチ』に続いて本作が2作目の作品となる。
連載当初からその尖ったアクションやギャグとシリアスの緩急が見事なキャラクター同士の軽妙な掛け合い、血や臓物が噴き出す容赦ないバイオレンス描写や頭部が異形と化したビザールな悪魔の造形がネットを中心に大きな話題を呼ぶ。
『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019』では9位、『第5回次にくるマンガ大賞』では2位、『このマンガがすごい!2020』のオトコ部門では4位を獲得している。
シリーズの累計発行部数は単行本第7巻発売時点で210万部を記録。

悪魔と呼ばれる異形の存在が人間を害する世界。
極貧の少年・デンジと、一見変な犬にしか見えないチェンソーの悪魔であるポチタは、デンジの父親が残した借金返済の為悪魔を駆除するデビルハンターの仕事で稼いでいた。ある日デンジは自分に仕事を斡旋していたヤクザに騙され、ゾンビの悪魔によってポチタと共に殺害される。しかしポチタはデンジの血を飲んで甦り、自らがデンジの心臓となることで彼を生き返らせる。ポチタと合体してチェンソーの悪魔へ変身したデンジはゾンビの集団を駆逐し、現場に駆け付けた公安のデビルハンターであるマキマに即戦力としてスカウトされる。

『チェンソーマン』のあらすじ・ストーリー

第1話の巻頭カラー表紙。

地獄から来た異形の悪魔が人間に危害を加える世界。主人公・デンジは、一見変な犬にしか見えない相棒のポチタと共にトマトの悪魔を撃退する。ポチタのしっぽを引くと彼の頭からチェンソーの刃が飛び出し、それを使ってトマトの悪魔を切り刻んだデンジは、自分に仕事を斡旋してくれているヤクザの親分に悪魔の死体を流す。デンジは死んだ父親が残した膨大な借金を背負い、極貧に喘いでいた。

主人公・デンジは亡き父が残した膨大な借金を返済する為臓器を売るが、収入は少なかった。

右目や腎臓など臓器を売ってもヤクザに利息として取られてしまい、手元に残る貯金は乏しい。それでも相棒のポチタと支え合い、デンジは日々逞しく生きていた。
デンジはデビルハンターとして活動していた。デビルハンターとは人間に仇成す悪魔を退治する仕事人だが、デンジが世間知らずな馬鹿なのをいい事に、彼の借金元であるヤクザは報酬をピンハネしていた。借金の利息分を差し引かれるとたった1800円しか残らず、デンジはこれで1か月凌がなければいけない。
ヤクザの親分と部下は何でも言う事を聞く犬のようなデンジを軽んじていた。部下が「煙草を食えば100円やる」と持ち掛けると、デンジは喜んで食べて100円をゲットする。部下はドン引きするが、デンジは100円もらえるなら自分の健康などどうでもよかった。
そんなデンジの夢はジャムを塗った食パンを食べること。トマトの悪魔を退治し家へ帰ったデンジは、何も付けてない食パンを齧りながら、借金で首が回らない自分は女と付き合うことも叶わない、ならせめて女を抱いてから死にたいと愚痴る。自分を慰めるように鳴くポチタを抱き、デンジはポチタとの出会いを回想する。

デンジとポチタの出会い。

数年前、まだデンジが子供だった頃にデンジの父親が死んだ。ヤクザの親分は父の墓の前に立ち尽くすデンジに、「明日までに金を用意しろ、できなければ体を売ってでも用立てろ」と厳命して車で去っていく。天涯孤独の上に一生かかっても返せない程の膨大な借金を背負われたデンジは、突如として自分の前に現れ、頭部のチェーンソーを唸らせるポチタに「殺してくれ」と頼む。この時デンジは人生に絶望し、全てを投げだそうとしていたのだった。しかしポチタは深手を負って瀕死の状態で、デンジを殺すほどの力も残ってない。それに気付いたデンジは自分の血をポチタに与えて契約を結ぶ。悪魔が人間の血を飲むと、その相手と契約が成立するのだ。デンジは「お前を助ける代わりに俺を助けてくれ」とポチタに言い、チェンソーの悪魔であるポチタと組んでデビルハンター稼業を始める。
回想を終えたデンジだが、空腹と将来の不安のせいでなかなか寝付けない。そんな時、突然血を吐く。血に噎せたデンジは、自分の母親も胸の病で血を吐いて死んだ事を思い出す。愕然とするデンジの携帯にヤクザから連絡が来て、悪魔討伐に駆り出される。指定された廃工場を訪れたデンジは、味方だと思っていたヤクザの騙し討ちにあい、ポチタもろとも刃で貫かれ命を落とす。

ゾンビの悪魔に取り込まれゾンビ化したヤクザたち。

ヤクザの親分は不死身の身体と永遠の命の餌に釣られ、ゾンビの悪魔と契約していた。そして自分もゾンビとなりはて、デンジを夜遅く廃工場に呼び出して奇襲をかけたのだ。この世にはびこる悪魔にとってデビルハンターは天敵であり、1人でも多く駆逐すべき存在だった。故にヤクザの1番近くにいたデンジがターゲットになったのだ。
ポチタの死体ともどもダストボックスに廃棄されるデンジ。しかしデンジの傷から流れ出た血が口に入ってポチタが蘇生、もう駄目になったデンジの心臓の代わりに自分が心臓となることでデンジに延命を施す。とことん馬鹿で単純なデンジと過ごした数年間は、悪魔であるポチタにとってもくだらなく楽しい日々だった。ポチタを体内に吸収すると胸にコードが表れ、それを引くやデンジの頭と腕がチェンソーへ変貌する。デンジは頭と両腕のチェンソーでヤクザゾンビの集団およびゾンビの悪魔を瞬殺する。

廃工場を訪れた公安のデビルハンター・マキマと対峙するデンジ。

デンジがヤクザゾンビたちを殲滅した後、廃工場には黒いスーツ姿の集団がやってくる。先頭の巨乳美女はマキマと名乗り、自分たちは公安のデビルハンターだと告げる。マキマはチェンソーの悪魔と融合を果たしたデンジと、ヤクザゾンビたちを一掃した彼の実力に興味を示し、公安のデビルハンターにスカウトする。生まれて初めて女性に優しくされたデンジは舞い上がり、マキマにぞっこん惚れこむ。
マキマの勧誘を承諾したデンジは、公安の車でパーキングエリアに移動し食事をとることにする。
しかしパーキングエリアに停まっていた車から女の子が悪魔にさらわれる事件が発生、女の子の父親がパニックを起こしてマキマたちに助けを乞う。父親曰く、女の子を拉致した悪魔は向こうの森へ逃げたらしい。困惑するデンジに対し、「私に飼われている犬はいいえなんて言わない、返事ははいかワンだけ」とマキマは命令し、彼1人に女の子の救出を任す。
マキマの命に従って森へ飛び込んだデンジは、悪魔と楽しそうに遊ぶ女の子の姿を目撃する。デンジを見た女の子は暴力的な父親から助けてもらったと悪魔を庇い、自分たちを見逃してくれとデンジに頼む。デンジはなら3人で逃げないかと女の子と悪魔に提案する。彼もまた自分を犬扱いするマキマに腹を立て、逐電のチャンスを窺っていたのだった。ところがそれは悪魔に脅された女の子の演技に過ぎず、油断したデンジは悪魔に捕まってしまう。女の子を操っていた悪魔に対し、「クズなら殺しても心は痛まない」とデンジは宣言し、頭部と腕のチェンソーで悪魔を切り刻み女の子を無事救出する。
女の子を連れ帰ったデンジは「使える犬だね」とマキマに褒められ、パーキングエリアの食堂で食事をおごってもらう。初めて食べる美味しいうどんに感激するデンジ。デンジはマキマに自分が一度死んだこと、しかし親友のポチタが代わりに心臓になってくれたから生き返ったことを話すが、マキマは「ポチタはまだ死んでない、君の中で生きている」と断言する。彼女はデビルハンターの中で格別鼻が利くらしく、人の身体の中の悪魔の気配もわかるのだ。
ポチタの生存を知って喜ぶデンジが、調子に乗ってマキマに好きな男のタイプを聞くと、彼女はニッコリ笑って「デンジ君みたいな人」と答えた。
マキマの言葉を真に受けたデンジは鼻の下を伸ばし、自分もマキマが好きだと言うが、車中に戻った彼女は全くデンジの話を聞いていない。高速道路を走らせ東京へ到着後、マキマは公安デビルハンターの東京本部へデンジを案内する。一通り案内と説明が済んだあと、マキマはデンジに制服を渡して着替えるように勧める。この後もずっとマキマと働けると思い込んでいたデンジだが、途中で3年先輩の早川アキに引き渡され、渋々ながら彼と行動を共にすることになる。
アキはまだ若いが腕利きのデビルハンターだった。男嫌いのデンジは彼の話にも上の空で、マキマと仲良くなる妄想している。2人で東京の街を歩いている時、突如としてアキに路地に連れ込まれる。アキはデンジを殴り、給与やマキマ狙いで信念がない新人はすぐ悪魔に殺されるとデンジを脅す。真面目なアキはデンジの不真面目な態度が許せなかった。

路地裏で殴り合うデンジとアキ。

これにデンジも逆上し、立ち去ろうとするアキの股間に1発蹴りを入れ、「自分は今日初めてうどんを食べた、人並みに扱ってもらえた、この生活を続けるためならデビルハンターでもなんでもする」と啖呵を切る。

互いに殴り合ってボロボロの姿で本部へ帰還したデンジとアキ。

ぴりぴりした空気のまま本部へ帰還した2人をマキマは笑顔で出迎え、デンジをアキの部隊に組み込むと発言する。アキはこの決定に異を唱えるが、マキマはデンジが悪魔になれる人間だということ、故に特別な対応で扱うこと、デンジが公安を辞すか違反行為をしたら悪魔として処分する旨を通達し、アキにはデンジの暴走を制す監視役を兼ねて欲しいと頼む。それを聞かされたデンジは唖然とする。
デンジは住む所がまだ決まっておらず、アキの部屋で同居する羽目になる。
本部からアキの部屋へ帰る途中、デンジは「マキマは悪い人なのか」とアキに問うが、彼の返事は「そう思うならあの人の事は諦めたほうがいい」とそっけないものだった。

夢のパンを作っておいしさに感動するデンジ。

アキの部屋に転がり込んだデンジは翌朝からやりたい放題だった。デンジは考えうる最高の贅沢として食パンにバターやシナモン、ハチミツやジャムなどをどっさりのせ、トイレで居眠りするわ長風呂するわ好き勝手する。おかげでアキのストレスは溜まっていく一方だ。デンジのだらしない生活態度にイライラするアキのもとに、東練馬区のアパートに魔人が立てこもった一報が舞い込む。
魔人とは人間の死体に悪魔が乗り移ったもので、角が生えたり頭が変形していたり、頭部に特徴が出るらしい。
現場に急行したアキは、チェンソーの悪魔の力を使って魔人を倒せとデンジに指示するが、デンジは言う事を聞かず斧の一撃で魔人を倒す。自分も一歩間違えれば魔人になっていたかもしれないデンジは、悪魔の力を使うのを躊躇し、できるだけ魔人を楽に死なせてやりたいと述べる。チェンソーの悪魔になって悪魔や魔人を倒すと、彼らは酷く苦しんで死ぬのだ。それを聞いたアキは自分の家族は悪魔に皆殺しにされた、同情は禁物だ、お前は悪魔と友達になりたいのかとデンジに釘をさす。
アキが公安のデビルハンターを志願したのは家族の復讐が動機だった。アキは子供の頃両親・弟と暮らしていたが、両親は病弱な弟ばかり構い、アキは孤独と不満を抱えていた。しかし弟はアキに懐き、身体が弱いのも無視してキャッチボールをやりたがる。弟にせがまれたアキが「じゃあボールとミットを持ってこい」と苦笑いで促し、喜んだ弟が家へ入った瞬間、両親と弟がいる家は銃の悪魔に踏み潰されたのだった。
アキの身の上話を聞いたデンジだが、ポチタ以外に友達と呼べる存在がいなかった為に、友達になれる悪魔がいるなら友達になりたいと馬鹿正直に答える。デンジの返事を聞いたアキが呆れて現場を離れた途端、デンジは部屋のエロ本に飛び付く。デンジがチェーンソーを使うのを渋ったのは、血でエロ本を汚したくない下心だった。
エロ本を回収したデンジは自分の中のポチタに「アキの夢は復讐だが、俺の夢は毎日の夢のような生活でもうゴールしてる」と話しかける。食パンに好きなだけジャムを塗り、風呂に入って温かい布団で寝れる人並みの生活こそ、デンジがずっと欲しかったものだった。そこでデンジはふと片想いのマキマの夢を気にする。自分はもうゴールしていると思っていたが他に夢があるんじゃないかと思案したデンジは、マキマの胸を揉んでみたいと思い、女性の胸を揉む事を新しい夢に設定する。

マキマによってコンビを組まされるデンジとパワー。

その後本部に呼び出されたデンジは、マキマに公安デビルハンターの魔人とバディを組むように言われ、血の悪魔の魔人・パワーを紹介される。デンジは魔人がデビルハンターをやっていいのかとツッコむが、パワーの大きな胸を見て「まあいいか、よろしくな」と思い直す。2人で行動している間に、上手くすればパワーの胸を揉めるかもしれない打算が働いたのだ。
パワーはガサツな乱暴者で、デンジの頭をはたいて早く何か殺させろと喚く。マキマ曰く、魔人とは総じて知性と理性が高く駆除対象ではないらしい。しかし頭に生えた角が人目を引くので、人通りが少ない所を歩くようにと注意された。
デンジとパワーは2人で組んでパトロールを始めるが一向に悪魔と遭遇せず暇を持て余す。魔人になる前は血の悪魔として恐れられていたらしいパワーは、自分にびびって雑魚悪魔が出てこないのだと得意満面だ。唐突に血の匂いがするとパワーが駆け出し、ビルを駆け上って屋上から飛び降りる。落下の最中に自分の手首を裂いて巨大な血のかたまりのハンマーを形成したパワーは、それでナマコの悪魔を叩き潰す。パワーは自分の手柄を誇るが、このナマコの悪魔は先に民間のデビルハンターが狙っており、結果としてパワーが横取りした形となってしまった。

マキマの前で激しく口論するデンジとパワー。

公安の部下がナマコの悪魔の死体を片付け、パワーに破壊された道路を整備し終える事にマキマがやってくる。民間デビルハンターを妨害した件でデンジとパワーはマキマの叱責を受けるが、マキマを前にしたパワーは途端にしおらしくなる。デンジの目にはパワーがマキマを恐れているように映った。遂にはデンジにナマコの悪魔を倒せと命令されたと嘘を吐き、罪を被せようとする。キレたデンジとパワーの口論をマキマは仲裁し、「2人の活躍が見たいんだ」と諭す。パワーは「自分は猫としか仲良くできない、人間は悪魔の本能で嫌いじゃ、悪魔は自分の猫であるニャーコを連れ去ったから嫌いじゃ」と呟く。
デンジもチェンソーの悪魔であり、見た目は変な犬のポチタを親友にしていたので、パワーの気持ちはわからないでもない。ニャ―コを取り返す為なら人間にも寝返るパワーと女の乳を揉む為ならなんでもするデンジは、譲れない目的の為に気に入らない者や組織に与する点で似た者同士だった。デンジの夢を知ったパワーは、ニャ―コの奪還を手伝ってくれたら自分の乳を揉ませてやると交換条件を出す。デンジは女の乳を揉みたい一心でパワーに協力する。
本部に外出許可をもらったパワーはデンジと一緒にニャ―コを助けに行く。ニャ―コをさらった悪魔の居場所は既にわかっているらしい。悪魔に見付かるとニャ―コを盾にされてしまうので、慎重に行かなければいけないとパワーはデンジに話す。デンジはポチタの事をパワーに打ち明け、ポチタは自分の中にいるのだと胸をさす。それを聞いたパワーは「死んだ命は無であり、心の中にいるなんてのは浅ましい慰めじゃ」と一蹴する。パワーを慰めようとして裏目に出たデンジは、彼女とは絶対仲良くなれないと憤慨する。
一方マキマは上層部に呼び出される。マキマは上司に対し、デンジとパワーを「使えそうな犬です」と評し、上司は「君の仕事は与えた犬を育て使うことだ、情は入れるなよ」と苦言を呈される。本部に戻る車中にて、運転手を務めるアキはデンジはただ不愉快なだけだと述べるが、マキマの意見は違った。全ての悪魔は名前を持って生まれてくる、その名前が恐怖を集めるほど悪魔も力を増すのであり、デンジならチェンソーの悪魔になれるとマキマは話す。
デンジとパワーは悪魔の家に到着していた。ところが、慎重に行こうと話していたパワーがずんずん家へ向かっていく。デンジが「バレるとまずいんじゃないか」と慌てて止めれば、「そんな設定じゃったか?あれは言い間違いじゃ」ととぼける。パワーの態度に不審を感じたデンジは武器を構えるが、パワーの方が素早く血のハンマーでデンジを殴る。パワーは家に上がり込み、気絶したデンジをコウモリの悪魔に引き渡す。パワーはコウモリの悪魔の仲間だった。以前人間に傷付けられたコウモリの悪魔は、以来人間を恐れて家にひきこもっており、パワーが餌食の調達役を引き受けていたのだ。

masami
masami
@masami

目次 - Contents