チェンソーマン(漫画・アニメ)のネタバレ解説まとめ

『チェンソーマン』とは、『週刊少年ジャンプ』2019年1号より連載中の藤本タツキによる漫画。主人公・デンジは、チェンソーの悪魔である相棒の犬・ポチタとともに悪魔退治をして死んだ父親の莫大な借金を返済していた。明日をも知れない極貧生活の中、デンジは自分を飼っていたヤクザのボスにハメられて殺されかけるが、ポチタと融合して彼自身がチェンソーの悪魔へ変身しヤクザたちを皆殺しにする。そんなデンジをマキマと名乗る美女が、公安所属のデビルハンターにならないかスカウトにくる。

ポチタ(=チェンソーマン)を囮にして、デンジは千載一遇にして乾坤一擲の一撃をマキマに叩き込む。

マキマに食らわせたチェンソーは、デンジの中に残っていたパワーの血で作られたものだった。パワーの血をマキマの中で暴れさせることで再生を阻害しつつ、デンジはちょうどその場に現れた仲間たちと共に、「マキマを殺すための策」の準備を始める。

策の準備を整え、デンジは岸辺と共にアパートの一室で顔を合わせていた。岸辺は「これでマキマを殺せるとは思えない」と言いつつ、デンジに「死ぬな、お前は俺が今まで会ってきたヤツの中で一番デビルハンターに向いている」との激励の言葉を告げて部屋を後にする。
一人部屋に残されたデンジは空腹を覚え、冷蔵庫に大量に詰められている現状に縛り上げられたタッパーを一つ取ると、その中に入っていた肉の調理を始めた。

あれほどの目に遭わせられながら、それでも自分の中でマキマに対する恋心は消えない。だが今までマキマがやってきたことが許されないことはよく分かる。だから自分も彼女の罪を背負おうと決意はしたものの、どうすればいいのかは分からない。何しろマキマにはどんな攻撃も通じない。
「そこで天才!俺は閃いた。マキマさんと俺…一つになりゃいいんだ…」
生姜焼きにした“何か”の肉を頬張りながら、デンジは「マキマさんってこんな味かぁ…」とつぶやくのだった。

しばらくの月日が経った。公園で密かに岸辺と接触したデンジは、「全て食べた」ことを報告する。どんな攻撃も通じないマキマをデンジの策で倒すことができたことに岸辺は首を傾げるも、それ以上に「どうしてデンジがまったく気付かれずにマキマに近づけたのか」が不思議だという。それに対し、デンジは「マキマが執着していたのはチェンソーマンであって、自分のことなど最初から眼中に無かったからだ」だと、寂しげに答える。
そこに公園で遊んでいた女の子が近づき、話の邪魔だと追い払おうとしたデンジの指に噛みつく。かつてのマキマを彷彿とさせるその言動に驚愕するデンジに、岸部は「それは中国で発見されて俺が盗んできた、もう“マキマではない”、生まれ変わった支配の悪魔だ」と告げる。このまま成長させれば第二のマキマにもなりかねないこの女の子を、「お前に任せる」と一方的に伝えると、デンジが拒む間も無く岸辺は公園から姿を消す。

仕方ないとばかり、“ナユタ”と名乗るその女の子を引き取ると、デンジは彼女と新たな生活をスタートさせる。ナユタと、マキマの飼っていた何匹もの犬の世話をしながら穏やかな日々を過ごす中、デンジは夢の中でポチタと出会う。
「デンジ…私の夢はね 誰かに抱きしめてもらう事だったんだ」
夢の中でポチタはそう語り、しかし圧倒的な強者である自分にとってそれはとても難しいことだったと言葉を続ける。それを叶えてくれたデンジに感謝した上で、ポチタは支配の悪魔をも助けてやってほしいという。支配の力を持つ彼女は、支配(=上下関係)でしか他人との絆を作ることができず、ずっと対等な存在を欲していた。チェンソーマンを追い求めたのも、全てを支配せんとしたのも、その根底には“家族”のようなものへの憧れがあったのだ。
支配の悪魔は間違った方法でそれを叶えようとして、結果一度滅ぼされた。だから今度は間違えないよう、デンジがそういう世界を作ってあげてほしい。どうすればいいのかと問うデンジに、ポチタは微笑みながら「たくさん抱きしめてあげて」と告げるのだった。

公安のデビルハンターから高校生へと立場を変えて、デンジ=チェンソーマンの戦いは続く。

時は流れ、チェンソーマンの噂は人々の間で半ば伝説と化していた。曰く、また悪魔を倒した。趣味で悪魔と戦っている。女の子しか助けない。今は高校生をやっている。
街に現れた悪魔から人々が逃げる中、学生服を着たデンジはそれに一人立ち向かい、胸のスターターロープを引く。不敵な笑みを浮かべる彼の心臓から、チェンソーのエンジン音が力強く鳴り響くのだった。

『チェンソーマン』の登場人物・キャラクター

主要人物

デンジ

本作の主人公で16歳の少年。
死別した父親の借金を背負わされ、自分の臓器を売らざる得なくなるほどの極貧生活を強いられていた。父親が死んだ日に出会ったポチタに血を与え契約して以来、ポチタのチェンソーの力を使いデビルハンターとして生計を立てる。
ゾンビの悪魔と契約してゾンビになったヤクザたちに殺害されるが、ポチタが心臓の代わりを果たす事でチェンソーの悪魔に変身する能力を獲得して甦る。ゾンビの悪魔とヤクザたちを一掃後、マキマにスカウトされて公安所属のデビルハンターとなる。
馬鹿で単純でムッツリスケベ、短気で喧嘩っ早い性格。マキマに惚れているが女には滅法弱く、レゼの色仕掛けにもよろめいている。
公安に入る前は人並みの生活が目標だったが、公安のデビルハンターとして活動する中で自分の実力が周囲に評価されることに喜びを見出し、同僚にして同居人であるアキやパワーとも家族同然に親しくなり、次第に変わり始めている。
アキの部屋に居候していたが、彼の死後その遺産の一部を受け取り、現在はそこを出て部屋を借りて暮らしている。

チェンソーの悪魔

デンジが悪魔に変身した姿。胸から生えたコードを引っ張ると頭部がチェーンソーとなり、両腕からも腕を貫くように刃が生える。口には鋭利な針のような牙が並ぶ。刃は自分の意志で出し入れ自由。なお刃は身体を引き裂いて出現するので、変身後は貧血で倒れがち。
天使の悪魔曰く地獄で死んだ悪魔は死ぬ前にチェンソーの唸りを聞くらしく、悪魔たち全ての死にチェンソーの悪魔が関与していると予想される。

チェンソーマン

チェンソーの悪魔の真の姿。アキを殺し、パワーも失い、かつて父を殺した過去を思い出したデンジが「もう普通の(幸せな)生活はできない=ポチタとの契約を守れない」と感じた後にこの姿に変身した。
マキマ曰く「地獄のヒーロー」であり、名前を叫ばれた悪魔も、助けを求めた悪魔も、恐ろしいエンジン音と共に現れては無差別に惨殺する。そしてチェンソーマンに食べられた悪魔は、その名を冠する存在がこの世から消滅し、思い出すことさえ誰もできなくなるのだという。
作中ではナチスやエイズの悪魔が食われたことが示唆され、実際に岸辺はこれらの単語が何を意味するのか理解できなかった。
マキマは彼のこの力を利用し、飢餓や戦争などの“この世に無い方が良いもの”を消し去ることを目的としている。

この状態になると言葉を話すことができなくなる。時折りデンジが過去に発した言葉を想起するが、アングルなどからしてデンジ本人ではなくポチタの回想のように描かれている。このことから、チェンソーマンの自我はデンジのものではなくポチタのものである可能性が高い。

ポチタ

デンジが数年前に出会って以来一緒に生活していたチェンソーの悪魔。頭部にチェンソーの刃が生え、後頭部と尻にハンドルが付いている。見た目は変な犬だがチェンソーとしても使用でき、デンジはポチタを使って木の伐採などの副業をしていた。
子供の頃のデンジに血を貰って回復し、彼と契約する。デンジが一度殺害された時は自らが心臓となり彼と融合、マキマ曰く今もデンジの中で生き続けているらしい。
銃の悪魔と関係が深く、地獄の悪魔の死に関与しているらしいが詳細は不明。ポチタと融合してから度々見るようになった悪夢では、どこか廃墟のような場所のドアの奥から「開けちゃだめだ」とデンジに警告してくる。

「誰かに抱きしめられる」ことを求めていたが、その圧倒的な強さのために誰からも恐れられ、あるいは忌避され、長年その夢を叶えられずにいた。偶然の出会いを果たしたデンジによってそれを叶えられ、彼と強固な信頼関係を築く。契約後はデンジの中から彼の活躍を見守り、常にその味方であり続けた。
支配の悪魔もまた自分と同様に孤独な存在であることを見抜いており、新たに生まれ変わった彼女の家族になってあげてほしいと、夢の中でデンジに語り掛けている。

公安対魔特異課

マキマ

デンジの上司にして彼を公安のデビルハンターにスカウトした女性。内閣官房長官直属の優秀なデビルハンターだが、契約している悪魔の詳細は不明。
優しく穏やかな巨乳美女だが狡猾な一面もあり底知れない。デンジとアキの憧れの人。趣味は映画鑑賞でデンジを映画デートに誘った事がある。新人歓迎会では姫野との飲み対決にあっさり勝利するなど、実は酒豪。
生贄に対象の名前を言わせた後に指を組む事で、生贄の命を犠牲に対象を圧殺できる。また相手を凝視するだけで顔面から血を噴きださせたり、銃で撃たれてもぴんぴんしていたり、ただの人間ではない描写がある。
サンタクロースの真の標的であることや岸辺に殺害を計画されていた事実が判明し、いよいよ謎が深まった。その正体は「支配の悪魔」で、放置すれば“最悪の平和”が訪れるとされている。
非常に強力かつ瞬間的な洗脳能力らしきものを持ち、自身に反旗を翻した天使の悪魔をも、「伏せ」のたった一言で制圧した。

より良い世界を作るためにデンジの中にいるチェーンソーの悪魔を欲しており、“デンジが普通の(幸せな)生活をする”という彼らの契約を破棄させることを目論む。デンジをアキの下につけたのも、パワーを彼らと組ませたのも、全ては「デンジに人並みの幸せを与えてから奪う」という残酷な計画のためであった。そもそもデンジを部下にしたこと自体、彼を悪魔の姿で戦わせることで世間の人気者として祭り上げさせ、チェンソーマンを弱体化させるため。悪魔は他者の恐怖を力の源としているため、好意や敬意は毒のようなものとして作用するのである。
内閣総理大臣との契約により、彼女が受けたダメージは全て適当な日本国民への事故や病気として変換されるらしく、自身を狙う岸辺に「自分を撃っても無駄」だと告げた。
最終的にデンジに倒され、パワーの血を流し込まれたことで傷を再生できることもできないまま細切れにされた上で、彼に「食べられる」という末路を迎えた。

「支配」の力を持つ悪魔だからこそ、支配という形でしか他人と関わることができず、自身でも気付かぬまま孤独に苦しんでいた。デンジと一緒に映画を見た際、抱き締め合う家族を見て涙を流したのもそれが理由であり、チェンソーマンに異常なほど執着したのも“あれほどの強者であれば対等な関係が築けるのではないか”という淡い期待からのものだった。

早川 アキ(はやかわ あき)

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