七福星(香港映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『七福星』とは、サモ・ハン・キンポー監督・主演のアクション・コメディー作品で、『福星』シリーズ第3弾。『あぶない刑事』の同時上映として公開された。前作『大福星』にてヤクザ撲滅に協力したキッド(演:サモ・ハン・キンポー)ら一同は、褒美としてパタヤ旅行へ行く事となった。またその先でも思わぬ魔の手が立ちはだかっていた。一方で香港警察の刑事マッスル(演:ジャッキー・チェン)やリッキー(演:ユン・ピョウ)達は香港で捜査に乗り出していた。ジャッキー・チェンやユン・ピョウは『福星』シリーズ出演最後となった。

『七福星』の概要

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香港版広告。

『七福星』(原題:夏日福星 、英題:twinkle twinkle lucky stars)とは、サモ・ハン・キンポー監督・出演、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ出演によるアクション・コメディー作品であり、『五福星』『大福星』に続く『福星』シリーズ第3弾として、1985年に劇場公開(日本では1987年)された。
前作『大福星』にてヤクザ撲滅に協力したキッド(演:サモ・ハン・キンポー)達は、褒美としてパタヤ旅行へ行く事となった。旅行に同行した香港警察の女性警部フラワー(演:シベール・フー)は警視からマーという男から手紙を受け取るという指令を受けており、協力を頼んだキッドと共に彼のもとへ向かう。しかし、ある組織の裏切り者であるマーが殺し屋によって襲撃される。キッドとフラワーが急いでマーのもとへ駆けつけると、彼は手紙は香港へ送ったと言い残し息を引き取る。更にキッドやフラワーのもとにも刺客達が襲い掛かる。フラワーはここにいたら危険だと告げ、一同は帰国する事となった。その頃、香港では特捜部のマッスル(演:ジャッキー・チェン)とリッキー(演:ユン・ピョウ)、そして若手のラッキー(演:アンディ・ラウ)がある捜査に乗り出していた。
興行収入は前作程ではないものの、2800万香港ドルを越えるヒットとなり、日本でも『あぶない刑事』の同時上映という事もあり好評を得た。またジャッキー・チェンとユン・ピョウにとってこの作品が『福星』シリーズ最後の出演となる。

『七福星』のあらすじ・ストーリー

突然の旅行宣言に驚き

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フラワー(写真左端)からパタヤ旅行に行くことを告げられ、驚くヒゲ、キッド(写真前列左から順に)、クレイジー(写真後列右端)。

前作『大福星』にてヤクザが撲滅して以降、キッド、クレイジー、ちび、ひげ、二枚目の5人は同じ家で過ごす様になり、また新たなメンバーとしてロミオも転がり込んで来て、家の中はすっかり騒がしくなっていた。そんなキッド達のもとへフラワーが訪ねて来て、パタヤ旅行へ行くと言い、一同は急いで支度をして向かう。
パタヤ・ビーチ(タイ)にてバカンスを楽しむちび達だったが、その一方でキッドはフラワーと二人きりになった際に、彼女から自分には気がないと告げられ、キッドは失望する。
ちびやクレイジー達はツアーで知り合った女性数人とレストランで食事を共にし、最初は楽しく時を過ごす。しかし会話に紛れてわざと女性達に抱きついたりする事で下心が露わとなり、彼女達に嫌われてしまう。
それでも懲りずに、クレイジーは現地の祈祷師のもとを訪れ、黒魔術を教えてもらったうえ、彼から操り人形を受け取る。そして、その人形で女性陣をモノにしようと企む。ちび達の宿泊部屋へ女性四人が訪ねて来たのを見計らい、クレイジーは操り人形の威力を試そうと人形に釘を刺す。彼女達はクレイジーに恋い焦がれた様な素振りを見せるも、実は女性陣は部屋へ入る前にちび達に話していたクレイジーの企みを盗み聞きしており、呪術に取りつかれた「演技」をしていた。クレイジーは彼女達がすっかり自分の虜になったものと思い込んで部屋の奥へ連れて行くが、逆に女性陣に服を脱がされ、彼女達はその場を撤退する。身ぐるみ剥がされたみじめな姿となり、それをちび達に笑われていた。

殺し屋の襲撃、そして帰国

刺客達の襲撃に立ち向かうキッド(写真中央)。

フラワーのもとへ警視から連絡があり、マーという男に会い手紙を受け取るという指令を言い渡される。フラワーはキッドにも協力を求めるが、キッドは自分がフラワーや警察に使われる犬のようになっている事に苛立ちを覚えていたため、指令を断ろうとする。
説得に応じないキッドを尻目にフラワーは単身でマーのもとへ向かう。しかしフラワーに対し、淡い恋心や未練があったキッドは彼女の後を追いかけ彼女の援護につき、二人でボートに乗るが、セイリングを楽しんでいたマーが殺し屋集団に襲撃される。マーはその組織の裏切り者だった。海へ落ちたマーを救うが、マーは依頼の手紙は香港へ送ったと告げ息を引き取る。更にその後キッド達のもとにも刺客達が襲い掛かるが、キッドがフラワーやロミオらと共に対抗したため、刺客達は撤退する。フラワーの「ここにいたら危険だ」という言葉に従い、一同は香港へ帰国する事となった。
その頃、殺し屋達はマーの暗殺を依頼したギャングのボスのもとを訪れ彼から報酬をもらう。またボスは、香港で次はラウという男を抹殺する様に殺し屋達に命令する。更に、殺されたマーが送った手紙には、組織にとって不利な情報が書かれている為、送り先を探して手紙の受取人も消す様に依頼する。

特捜部の熱き戦い

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麻薬密売現場に入り込むマッスル(写真中央)。

香港警察の特捜部刑事マッスル、リッキー、ラッキーの三人は、別のギャング組織による麻薬密売の現場(飲料工場)へ乗り込み、その場にいる者達全員を取り押さえようと銃を構える。
しかし、そこの主犯格二人が爆薬を持ちマッスル達に銃を撃たせない様にした。マッスルら三人は銃から(暴発しない様に)弾を抜き、密売組織一味と素手で対抗する事にした。マッスル、リッキー、ラッキーは十数人はいるであろう一味と激しい格闘戦を展開する。そこへ、香港警察一同がやって来て、一味は取り押さえられた。

華やかな出会いと忍び寄るイタズラ

キッド(写真左端)達と同行する事となったウォン(写真右から三番目)。

その後リッキーは、フラワーと共にマーが送った手紙の送り先のもとへ向かう。向かったアパートには演劇をしている男性ベンがおり、彼がこの部屋を貸している同じ劇団仲間であるウォンもいた。
フラワーはウォンにマーが殺害された事を話し、マーから送られて来た手紙はないか尋ねると、ウォンはマーから毎週の様に手紙は来ていたがただの友達だと答える。手紙に手掛かりがあるかもしれないとフラワーが言うと、ウォンはマーから送られて来た手紙を持ってくる。しかし、マーがパタヤから送ったであろう手紙はそこにはなかった。フラワーは、ある犯罪組織がマーが(パタヤから)送った手紙を狙ってると話し、ここにいると組織に狙われる為、ウォンとベンに身を隠す様に言う。それを受け入れるウォンに対し、ベンは頑なに拒否するも、リッキーが銃を取り出すとあっさり承諾し、キッド達のいる家に連れて行く事となった。
キッド達の家にて、クレイジーはまだ懲りもせず操り人形に没頭し、またひげはパタヤにて女性陣との関係が上手くいかなかったストレスをちびやロミオに八つ当たりしていた。そんな彼等のもとへウォン、ベン、そしてフラワーが訪ねて来る。フラワーは、クレイジーやちび達を少し変わった者達と言いつつも、彼等のもとで暮らす様にウォンとベンに言う。ウォンとベン両者とも、初めは不満がありながらも、クレイジー達が悪人でないだろうとみなし、同居する事を決め、フラワーは職務に戻った。
ウォンの考えは甘く、彼女は同居するキッド達からイタズラを受ける。先ずウォンの部屋の前で喧嘩(のフリを)しているキッド達の騒ぎに気付いて部屋から出て来た彼女に対し、どさくさに紛れてキッド達が一人ずつウォンに抱き着いたり接吻を迫ったりした。案の定、ウォンに直ぐにバレてしまう。しかしその後もキッド達は、ウォンの部屋の前にて木材と油で火を起こし火事を偽り、火を消している間は(ストローで息をしながら)風呂の浴槽に潜っている様に指示する大掛かりなイタズラを決行。木材の火を消した後、風呂場へやって来て、浴槽に潜っているウォンの色っぽい姿を、途中からやって来たベンも共に暫く眺めていた。

護衛の失敗、追跡の末に

殺し屋(写真左)と格闘するマッスル(写真右)。

一方マッスルとラッキーは、警視からラウの護衛を命じられる。ギャング達と裏取引を行い税金を悪用するラウを守衛する事にマッスルは不満を漏らすも、仕方なく護衛についた。そんなマッスル達の護衛車が煩わしいと感じたラウは別の車に乗り換えて、替え玉を使いマッスル達を煙に巻く。
マッスルが護衛についた前の車にラウが乗っていない事に気付いた矢先、バイクで乗り込んだ三人の殺し屋がラウ本人が乗車している車を追跡し、ラウ達数人を銃殺した挙句、車を炎上させる。その直後に居合わせたマッスルとラッキーが、車で殺し屋のバイクを追いかける。マッスルは銃で車のドアを外し、車からジャンプし一人の金髪の殺し屋に飛びつく。そして金髪の殺し屋を住宅街まで追いかけギリギリまで追い詰めるも、殺し屋は割れた瓶を顔に突き付け、腹部を殴り逃亡。この件でマッスル達は、警察署にてチョウ警視から叱責を受け、捜査から外されてしまう。マッスルはフラワーやリッキーの捜査を手伝う事となり、彼等のいる場所へ向かった。

意外な才能に一同喝采

柔道教室に参加するキッド(写真中央)。

キッド達一同はウォンに誘われカルチャークラブを訪れ、そこでキッドとクレイジーは柔道を体験する。他の体験生に混じって座っているキッドとクレイジーに対し、柔道講師の女性が声を掛けて、手合わせを行う事となった。先ずクレイジーが手合わせるも、美人の講師に鼻の下を伸ばし、手合わせという名目で彼女にボディータッチをした。次に手合わせたキッドは格闘技に長けており、講師を投げ技で倒し勝利し、体験生の女性陣に囲まれ、ちやほやされる。

オ~、ロミオ!ジュリエット!

演劇『ロミオとジュリエット』の練習にて、ロミオ役を演じるベンとジュリエット役を演じるウォン(写真左から順に)。

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