死亡遊戯(香港映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『死亡遊戯』とは、1978年に公開されたロバート・クローズ監督、ブルース・リー主演の香港映画である。
スター俳優のビリー・ローはシンジケート組織からの契約を迫られるが、それを頑なに断る。ある日の撮影中に、ビリーは銃弾を浴びて銃弾を受けて殺害されたと思われたが、実はビリーは死んでおらず、単身でシンジケート組織へ戦いを挑む。
1972年にアクション場面を撮影後、ブルース・リーが急逝。
数年後に代役スタントマンを起用して追加撮影したうえで1978年に制作された。

『死亡遊戯』の概要

『死亡遊戯』(原題:死亡遊戯、英語題:Game of Death)とは、1978年に公開されたロバート・クローズ監督、ブルース・リー主演の香港映画である。
アクション俳優のビリー・ローはシンジケート組織から、脅迫まがいな手を使いつつ契約を迫られる。頑なに断っていたビリーだったが、ある日の撮影中に銃弾を浴びて倒れる。殺害されたと思われたビリーだったが、それは表向きの偽装であり、ビリーは単身でシンジケート組織への戦いに挑む。
1972年秋にクライマックスの塔内でのアクション場面を撮影するも、翌1973年にブルース・リーが死去した事により作品は未完成となっていた。その後、スタントマンとして活躍していたユン・ピョウやユン・ワー、韓国出身のタン・ロンらをドラマ及びアクション場面の代役として、アクション監督にサモ・ハン・キンポーを起用して追加撮影して完成、1978年に公開された。

『死亡遊戯』のあらすじ・ストーリー

組織の黒い影

アクション俳優のビリー・ローが映画の撮影を終えて、スタジオを出ようとしたが突然、照明用器具が頭上目がけて落ちてくる。慌ててスタッフが近くまで様子を見にいくなか、ビリーは自身の控え室へ向かう。するとそこには、シンジケート組織のボスであるドクター・ランドの側近スタイナーがいた。組織はこれまで多くの芸能人を脅し、自分達との契約を取り仲介料をせしめており、ビリーもまた彼等から狙われていた。ビリーの近くに照明器具が倒れたのも、組織による仕業だった。そしてスタイナーは、契約を断ったロックバンドが自分達の指を失ったと脅しを掛け、ビリーにも契約を仕向ける。それに対し、ビリーは頑なに断る。恋人で歌手であるアンと車で帰宅する途中、ビリーはランドの手下達に襲われる。ビリーはアンに車から絶対に出ない様に告げ、彼等に抵抗するも、自身も怪我を負わされる。
その後、ビリーとアンは新聞記者のジムと会う。ジムは、ビリーとアンが共に組織の「商品」となればそれなりの報酬も受けられるだろうから、彼等にたてつかずにここは割りきって組織に身を委ねた方がいいと提案する。ジムは知人の俳優が組織に背いた為に、殺害された挙句に港で発見された事を話す。そのうえで、ビリー達が殺された事を記事に書きたくないと告げる。それでもビリーは、悪質な組織に従うのは嫌だ、自分は戦い続けると答えるのだった。
またビリーは、自分の叔父で京劇俳優をしているヘンリーのもとを訪ねる。役者にとって大切なのは客だと告げるヘンリーに対し、ビリーはその事を胸に組織に対抗すると答える。またジミーはアンにも組織からの危険が及ぶ事も話すと、ヘンリーは暫く距離を置いた方がいいのではないかと告げる。
その矢先、ヘンリー達の楽屋もランドの手下による襲撃を受ける。自分が常に組織に追われる身となっていることを自覚したビリーは、このままではアンの命が危ないと感じ、彼女に故郷であるアメリカへ戻る様に言う。しかしアンはそれを断りビリーと一緒にいると宣言した。

ビリーの「死」、傷心のアン

契約を拒否し続けた結果、ランド達はビリーの殺害を決行する。そしてある日の撮影中、ビリーはスタジオに侵入したスタイナーによって銃撃される。銃撃されたビリーに意識は無く、彼は事故死とみなされ、葬儀が盛大に執り行われた。
しかしそれは「表向きの出来事」であり、銃弾が急所を外れていたためビリーは死んでいなかった。ビリーが生きているという事実を知る者は、彼を治療した担当医とジムのみだった。怪我が回復したビリーは単身、組織への戦いに挑む。一方ビリーの葬儀では、沿道にスターの死を悲しむ大勢のファンが押し寄せていた。その中にアンの姿もあった。彼女のもとへ、スタイナーとランドの手下のカールがやって来る。二人の姿を見るなりアンは激昂して彼等に詰め寄り唾を吐きかける。スタイナー達も怒りかけた際、近くにいたジムが駆け寄り、アンを引っ張りその場を後にする。そしてジムは、アンに落ち着く様に説得する。ジムは、ビリーから彼自身の生存を周囲やアンにさえも伝えない様に告げられていた。それ故ジムは、悲しみとやり場のない怒りをぶつけるアンに、慰めの言葉を話すしかなかった。その後、傷心のアンは病院へ入院する。そんな彼女のもとへランド達がやって来て、力になりたいと声を掛ける。しかしアンは怒ってランド達に帰れと言い、全く話し合う気が無かった。仕方なくランド達はその場を立ち去り、ランドは帰り際の車の中で、アンを厄介な女だと愚痴をこぼしたのだった。

復讐劇の開始

アンのもとを去り自身の屋敷へ戻ったランドのもとへ、サングラスに髭面の男が現れ駆け寄る。手下たちはランドを守ろうと戦うが、サングラスの男に返り討ちにされてしまう。男はその場から立ち去ったが、ランドは彼の正体がビリーなのではないかと考え、スタイナーにビリーの墓を掘り返させる。墓の中にあったビリーの遺体は偽物であり、彼の死が嘘である事が判明する。
その後、組織が多額の掛け金を掛けたという空手選手権が開催された。アンはその大会に潜り込み、ランドを自分の手で倒してビリーの仇を討とうとする。アンが忍ばせていた拳銃を取り出し、カールの試合の応援に熱中しているランド達に向けて引き金を引こうとした時、一人の老人がアンの行動を制止した。アンが振り返ると、既に老人の姿は無かった。試合ではカールが勝利し、試合後に控室で祝賀会が開催される。
カールはシャワーを浴びてくると一同に話し、ロッカー室へ向かう。ロッカー室に入ったカールのもとへ、一人の老人が待ち構えていた。すると老人は、カールの前で鬘と髭を取る。その正体はビリーであり、その場で一対一の決闘が行われる。一方、隣の部屋では祝賀会で盛り上がっており、ロッカールームでの激しい戦いに誰も気付いていない。しかし、一人の男がロッカールームからの物音を聞きつけて、ドアに耳を近付ける。異変に気付き、鍵をこじ開けて一同が入った時にはもう遅かった。ロッカールームには、決闘の末ビリーに蹴り飛ばされ、ロッカーへ叩き込まれたカールの姿があった。
ビリーは、アンがランド達を殺害しようとしたうえ、自分の存在に気付き始めた事に懸念を抱く。そこで人気のない公園でアンと会って話す事となった。ビリーはアンに自分の存在を知らせるも、二人の会話が密かに組織に盗聴されていたため居場所を知られてしまう。そしてランドは、手下達にアンをマンションの駐車場で捕まえさせる。アンが捕まった事を聞いたビリーは、単身でアンが捕まっている倉庫へ向かう。ビリーはアンが捕まっている倉庫に向かい、縄で縛られている彼女を助けようとする。そこへ手下達がバイクに乗り、ビリー達目がけて襲ってくる。ビリーはアンを安全な場所に隠した後に、ライダー隊を一人ずつ拳や蹴りで攻撃する。また、一人の倒したライダーから服を奪い、彼のバイクに乗り込み操縦。手下のライダーになりすましたビリーが、他のライダーへバイクごと突っ込んだ。ライダー隊との戦い後、ビリーはバイクで手下から聞いたボスのアジトへ向かう。

アジト内での激闘

ビリーが向かったアジトは、五階建てほどの高さの塔だった。階段を上り中に入ったビリーの前に、棍棒使いパスカルが現れる。パスカルが手に持つ棍棒やヌンチャクで攻撃してくるのに対し、ビリーもまた自分のヌンチャクを取り出して対抗する。最後はビリーがスキをついて、ヌンチャクでパスカルの首を絞め落とす。
上の階に上がると、合気道の達人が待ち構えていた。彼は優れた投げ技でビリーを投げ落とすが、ビリーもまた絞め技で対抗する。そしてビリーは合気道の達人の体を持ち上げ、腰をへし折る。
更に上がると、2mはあろう巨漢の持ち主であるハキムが座っていた。ハキムはその長い足で、攻撃を仕掛けたビリーを蹴り上げる。ビリーの胸部にはハキムの足跡がついていた。またハキムは容赦なく蹴りを浴びせ、ビリーを苦しめる。ビリーはハキムの攻撃をスキをついて対抗し、ハキムの首を絞める。
その直後、上階からハキムを呼ぶスタイナーの声が聞こえてきた。返答が無く降りてきたスタイナーとビリーは対決する。スタイナーは槍を用いて攻撃を仕掛けた後、ビリーを羽交い絞めにする。しかしビリーは直ぐにスタイナーの腕を解き、逆にビリーが足技でスタイナーの首を絞めた後に、蹴り技で階段から突き落とす。
建物の最上階までやって来たビリーが見たのは、机の上で手首を切り自殺したランドの死体だった。しかしビリーは、それがランドそっくりの蠟人形である事を直ぐに見抜く。そしてビリーは、仕掛け鏡の反対側の方にランドがいると分かり、鏡を飛び蹴りで突き破る。最上階のベランダまでビリーに追跡されたランドは、屋根から足を滑らせ落下。ランドの絶命した顔が大きく映し出されたところで、物語が締めくくられる。

『死亡遊戯』の登場人物・キャラクター

ビリー・ロー(演:ブルース・リー)

CV:津嘉山正種
アクション俳優として活躍する一方で、ドクター・ランド率いるシンジケート組織から契約を迫られている。契約を拒否する事で、組織から執拗な嫌がらせも受けている。恋人のアンと車で帰宅途中にランドの手下達に襲撃され、安全の為にアンを車を残して彼等と格闘するも、自分も怪我を負わされる。
知人で新聞記者のジムは、それなりに報酬が与えられるだろうから、ここは割りきってたてつかずに組織に身を委ねる事を提案する。そんなジムの言葉に対し、ビリーは悪質な組織に従いたくないと答えた。
しかし組織による悪行は日に日にエスカレートし、自分のみならずアンの命も危ないと感じ、彼女に故郷であるアメリカへ戻る様に告げるも、アンはそれを断り一緒にいると答える。
契約に拒否し続けるも、ある日の撮影中に、スタジオに侵入していたスタイナーによって銃撃され頭部を撃たれる。その場での意識が無く、「事故死」とみなされ、葬儀が盛大に執り行われる。しかし実際は急所を外れていて、密かに担当医により治療を受ける。自分が生きている事は、担当医とジムにだけ知らせていた。怪我が回復後、顔をサングラスや付け髭で隠して、組織に潜入しランドのもとへ駆け寄る。そこへランドの護衛が数人やって来て、彼等を叩きのめした後にその場を立ち去る。
また組織が多額の掛け金を掛けていた空手選手権の会場に向かい、そこでアンを見つける。アンが忍ばせていた拳銃を取り出し、試合を観戦しているランドへ向けていた。そこへ老人に変装した状態でアンに話し掛け、彼女の行動を止める。アンが振り返った時には、既にその場からいなかった。試合後、勝利したカールの祝賀会が控室で行われる。シャワーを浴びに一人でロッカー室へ向かったカールのもとへ、老人の姿で現れる。そして、自ら鬘と髭を取り正体をカールに見せ、その場で一対一の決闘を行う。はじめはカールが優勢であり、彼により両腕を取られて動けなくなる。しかしそこへ回転両足蹴り、及び連続蹴りをカールに浴びせた後、ロッカーへ蹴りつけた。その直後、ロッカー室での物音に気付いた一同がドアをこじ開けてくる事を悟ってその場から逃げ去る。
そしてアンに自分の存在を知らせるが、組織が盗聴し居場所を知られてしまう。ランド達の手下達によりアンが連れ去られ、彼女が捕まっている倉庫へ向かう。倉庫にて縄で縛られているアンを見つけて、彼女を助けようとする。そこへ手下達が、バイクに乗り込んで襲ってくる。アンを安全な場所に隠し、ライダー隊を一人ずつ拳や蹴りで攻撃。また一人のライダーから服とバイクを奪い、他のライダーに向けてバイクごと突っ込む。ライダー隊との戦いを行った後、手下から聞いたボスのアジトへバイクで向かう。
アジトへ向かい、中へ入ると棍棒使いパスカルがいて、棒やヌンチャクを用いて怪鳥音を上げながら戦う。スキをついてパスカルに連続蹴りを浴びせた後、ヌンチャクでパスカルの首を絞め落とす。
階段を上ると、合気道の達人がベッドの上で座って待っていた。攻撃を仕掛けたビリーは達人の投げ技を受け投げ飛ばされる。それに対しビリーも絞め技を使い対抗する。更に合気道の達人の体を持ち上げ、腰をへし折る。合気道の達人が立ち上がれない状態だったのを見計らって上階へ上がると、2m以上の巨漢の持ち主ハキムが座っていた。彼に向かって攻撃を仕掛けると、ハキムがその長い足で蹴り上げられる。蹴られた胸部には、ハキムの足跡がついていた。ハキムが容赦なく蹴りを浴びせてくるなか、攻撃のスキをついて対抗する。そしてハキムの首を絞めて絶命させる。その直後、上階からハキムを呼ぶスタイナーの声が聞こえるが、返答が無く降りてくる。スタイナーは、倒れているハキムを見るや、槍を用いて攻撃を仕掛けてくる。やがてビリーはスタイナーに羽交い絞めにされるも、直ぐにスタイナーの腕を解く。逆に自身の足技でスタイナーの首を絞めた後に、階段から突き落とす。
建物の最上階へ来るも、そこには机の上で手首を切り自殺したランドの死体があった。しかし直ぐに、ランドそっくりの蠟人形である事を直ぐに見抜き、人形の頭を引っこ抜き地面に叩きつける。ふと近くに鏡があり、それが仕掛け鏡である事が分かる。その向こう側でランドが逃げているとみて、鏡を飛び蹴りで突き破る。最上階の外でランドを追いつめた挙げ句、ランドは屋根から足を滑らせ落下して絶命する。
ビリー・ロー役を演じたブルース・リーは、アメリカのテレビドラマ『グリーン・ホーネット』(1966年〜1967年)のカトー役で人気を獲得する。また武術家としても独自の武術「截拳道(ジークンドー)」を創設する。映画『ドラゴン危機一発』(1971年)以降、自身の主演作がが立て続けにヒットし、一大カンフー映画ブームが巻き起こる。しかし、日本でも大ヒットした最後の主演作『燃えよドラゴン』が日本で公開された時は、既に故人(1973年7月20日)となっていた。

アン・モリス (演:コリーン・キャンプ)

出典: so-s.nflximg.net

CV:土井美加
ビリーの恋人であり、歌手として活動している。ドクター・ランド率いるシンジケート組織からビリー共に目を付けられている。ある日、ビリーと車で帰宅途中でランドの手下達に襲われる。ビリーが単身、車から出て彼等に抵抗するが、彼も相当な怪我を負う。
新聞記者のジムは、ビリーと共に二人は大事な「商品」でそれなりに扱ってくれるだろうから、ここは組織に歯向かわずに身を委ねる事を提案してくる。しかしビリーは組織に従わず、戦い続けると答える。それでも組織による襲撃はエスカレートする事を見込んだビリーから、故郷であるアメリカへ戻る様に告げられるが、それを断りビリーと共にいる事を話す。
組織からの契約に拒否し続けたビリーは、撮影中にスタジオへ侵入したランドの側近スタイナーに銃撃される。ビリーは「事故死」とみなされ、彼の葬儀が執り行われる。アンはビリーの死を悲しむ大勢のファンと共に葬儀へ参加する。そこへスタイナーとランドの手下カールがやって来た。アンは二人を見るや彼等に詰め寄り唾を吐きかける。すると近くにいたジムに腕を引かれその場を後にする。ジムは、スタイナー達に殺される気かと警告し、落ち着く様に説得する。
その後、病院へ入院し療養中のもとへランド達が訪ねてくる。ランドは力になりたいと声を掛けてくるが、彼等に怒り帰れと叫び、全く聞く耳を持たなかった。退院後、カールが出場する空手選手権に忍び込む。そして懐から拳銃を取り出して、試合を観戦するランド達に向ける。そこへ一人の老人が拳銃を持つ手を止める。振り返ると、既に老人の姿は無かった。試合終了後にカールを殺害した男がビリーではないかとジムに告げる。ジムと別れた後に、ビリーと遭遇、彼が組織に復讐する事と、身の安全の為にアメリカへ帰る様に言われる。そのやり取りをランド達に盗聴されてしまい、ランドの手下により人質としてさらわれる。倉庫で手足を縛られ捕らえられていると、ビリーが助けに来る。アンを安全な場所に隠した後、ビリーは手下達と戦いを繰り広げる。その後、ビリーは単身で組織のアジトへ向かった。戦いへ挑んでいくビリーの姿を見届けた。
アン・モリス 役を演じたコリーン・キャンプは、1973年に映画デビュー後に『地獄の黙示録』(1979年)や『ポリスアカデミー』シリーズ(1985・1987年)等、多ジャンルの作品へ出演。現在も女優の他、映画プロデューサーとしても活動を継続している。

ジム・マーシャル (演:ギグ・ヤング)

出典: stat.ameba.jp

CV:宮川洋一
新聞記者であり、ビリーの友人である。ビリーがシンジケートから誘いを受けていて、かつ彼等からの誘いを断っている事に対し異議を申し立てる。ビリーとアンは共に「商品」であり、それなりの報酬があるだろうから、組織にたてつかずにここは割りきって組織に身を委ねる事を提案する。また組織に背き殺害され、港で発見されたという知人の俳優の事を話し、ビリー達が殺された記事は書きたくないと告げる。それに対し、ビリーは組織に従わずに、彼等と戦い続けると答える。
組織と戦い続けるビリーの行動に不安を覚えたアンが、ビリーの撮影スタジオに一緒に来て欲しいと言われ同行する事となる。撮影スタジオに向かいビリーと会い、無理はするなと話す。それに対しビリーから、自分が組織と戦ったら、アンも危険な目に遭うから、彼女をアメリカに帰してくれと言われる。その直後、撮影スタジオに侵入したビリーが撮影中に銃撃される。この際、ビリー本人が生きており、治療を受けた事は、ジムと担当医のみしか知らない。ビリーの意思により、彼の生存は周囲に知らせず、「ビリー死亡」の記事を大々的に書く。ビリーの葬儀が行われた際、多くのファンと共にいるアンが、彼女の前に現れたカール達に唾を吐きかけたのを見て、アンを引き止める。そして彼女と共にその場を去り、気持ちを落ち着かせる様に説得する。
後日アンから、ビリーを殺した犯人が分かったという連絡が来て、彼女はランド達が関わる空手選手権に出向く。アンは会場で試合を観ていたランド達を復讐しようと拳銃を取り出すが、そばにいた一人の老人が止めにかかる。試合終了後、勝利したカールがロッカーで何者かにより殺される。アンから、会場で老人に扮した後、ロッカールームでカールを倒したのはビリーではないかと話す。いずれにしても、アンが不安定な心境であるとみて、彼女の持っている拳銃を預かる事にした。アンはビリーと遭遇し、彼から安全の為にアメリカへ帰る様に告げられる。そのやり取りを組織から盗聴された事で居場所を知らされる。これにより、アンはランドの手下達に人質として捕らえられる。また自分のもとへスタイナーが現れ、アンが捕まった事をビリーへ伝える様に話す。そして、あまりビリーの肩を持つと危険が伴うとも話す。ジムはアンが捕まった事を話し、それを聞いたビリーは単身、助けに向かう。
ジム・マーシャル 役を演じたギグ・ヤングは、舞台で活動中にスカウトされ、ワーナー・ブラザースと契約。アカデミー助演男優賞を受賞した映画『ひとりぼっちの青春』(1969年)やサム・ペキンパー監督作『ガルシアの首』(1974年)等へ出演。1978年10月に死去。

ドクター・ランド(演:ディーン・ジャガー)

出典: stat.ameba.jp

CV:大木民夫
シンジケート組織のボスであり、今まで多くのスターを無理矢理自分達と契約させ、みかじめ料を取ってきた。そして、世界的アクション俳優であるビリーに目をつけ、彼にも契約を組ませようとする。頑なに拒否するビリーに対し、スタイナーに契約を迫らせたり、手下達による襲撃を命じる。契約に拒否し続けたビリーに対し、彼を消す事をスタイナー達に命じる。ビリーが殺害された後、傷心のアンが療養する病院を訪れ、是非力になりたいと声を掛ける。しかしアンからは帰れと言われ、彼女は全く耳を傾ける気が無かった。仕方なく手下達とその場を去り、帰りの車の中でアンを厄介な女だと愚痴をこぼす。
自分の屋敷に帰ったところ、サングラスに髭面の男が現れる。彼が自分に駆け寄って来たので、カールや手下達が護衛する。その男も手ごわかったが、スタイナーが威嚇発砲したところで、男が逃亡。更にその後、開催された空手選手権で優勝したカールがロッカールームで一人の男に殺される。これらの行動を起こした男がビリーではないかと考え、スタイナーにビリーの墓石を掘り返させる。墓の中にあったビリーの遺体が偽物であり、彼の死が嘘である事が判明する。やがてビリーやアンの居場所を突き止め、手下達にアンをマンションの駐車場で捕まえさせる。ビリーは単身、アンが捕まっている倉庫へ向かい、彼女を助け手下達と戦った後、組織のアジトへ向かう。
手下である格闘家達やスタイナーを次々と倒し、アジトの最上階まで追跡してきたビリーに対し、自分そっくりの蠟人形を机に設置して、手首を切り自殺した様に見せる。しかし、直ぐにその仕掛けがビリーにバレたうえ、近くにあった仕掛け鏡の向こう側にいる事を見抜かれる。そして、ビリーが鏡を飛び蹴りで突き破り、自分の居場所まで追跡される。最後は、建物の屋根から足を滑らせ落下して絶命する。
ドクター・ランド役を演じたディーン・ジャガーは、教員を経て、役者としての活動を始める。1920年代終盤のサイレント映画の時代から出演を始めて以降、『聖衣』(1953年)や『尼僧物語』(1959年)といった作品へ出演。映画『頭上の敵機』(1949年)では、アカデミー賞助演男優賞を受賞した。1991年2月に死去。

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