リング2(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『リング2』とは1992年に公開された日本のホラー映画。前の年の劇場版『リング』の続編であり、映画版オリジナルストーリー。『リング』の正規の続編として『らせん』があるが、本作はもう一つの続編として異なる展開を見せるパラレルワールドとして描かれている。前作『リング』のホラー感を継承し、より恐怖を感じさせる映像が増した。亡くなった恋人、高山竜司の死の謎を解く、高野舞。未だ続く「呪いのビデオ」の呪縛。犠牲者が増える一方で、浅川玲子の遺児・陽一を守り奮闘する。貞子の呪いから逃れることはできるのか。

『リング2』の概要

『リング2』とは1999年に公開された日本のホラー映画である。前年に公開された『リング』『らせん』の大ヒットにより製作された。『リング』続編として同時上映されていた『らせん』は原作に沿ったものであるのに対し、本作はもう一つの『リング』後日談として書き下ろされたものである。前作を大きく上回る21億円の配給収入を得る。受賞では第17回ゴールデングロス賞優秀・銀賞を獲得。
シナリオは一般公募し、396通もの応募があったのにも関わらず大賞の決定には至らなかった。4つの佳作が選ばれたがこちらは後に『the Ring もっと怖い4つの話』として書籍化されている。最終的には『リング』の脚本を担当した高橋洋がオリジナルで書き下ろした。高橋は原作者の鈴木光司に「今回、『らせん』は忘れます」と承諾を得ている。キャッチコピーは「貞子は生きていた!?」「事件から1週間…」「リングに恐怖は、始まりに過ぎなかった」。
主人公は『らせん』で死亡した高野舞が恋人・高山竜司の死の真相を突き止めようとするところから始まり、山村貞子から浅川玲子の息子・陽一を守り奮闘する。完全に一作目の『リング』のホラー要素を受け継ぎ、更なる恐怖シーンを盛り込んでいる。続編ということで、『リング』『らせん』『リング2』では、本作の主人公高野舞(中谷美紀)と、浅川玲子(松嶋菜々子)、高山竜司(真田広之)の3名が、同じ役で全て出演している。

『リング2』のあらすじ・ストーリー

山村貞子は生きていた

舞の前に現れた陽一の幻影。何かを言っている。

事件から1週間、発見された貞子の死体が解剖された。身元確認のため彼女の親戚である山村敬(沼田曜一)が大牟田刑事(石丸謙二郎)に呼ばれた。30年前に父親に殺されたはずの遺体は死後、1〜2年だという。驚くことに貞子は閉じ込められた井戸の中で生きていたということであった。一方、恋人・高山竜司(真田広之)の死に疑問を抱いていた高野舞(中谷美紀)は失踪している高山の前妻、浅川玲子(松嶋菜々子)と息子の陽一の行方を追うため、玲子の職場の後輩、岡崎(柳ユーレイ)を訪ねていた。岡崎はその時、見たら1週間後に死ぬとされる「呪いのビデオテープ」の取材を玲子のかわりに引き継いでいた。失踪している浅川の自宅を訪ねる二人。そこで火に炙り焼かれたビデオテープを発見する。そして玲子の父の死体が群馬県で発見されたという知らせが入った。死体を確認した警察に言わせると「どう見てもの普通の死に方じゃなかった」。彼の家にあった遺言と思われるメモには「玲子へ ビデオは処分した。もう何も心配することはない」と書いてあった。その近くにビデオデッキが2つあり、何かをダビングしていたようだった。陽一は通っている小学校をもう10日以上休んでいるとのことであった。舞の目の前に陽一の幻影が現れ何かを言っていたが内容までわからなかった。

浅川玲子の行方・蔓延する「呪い」

中央:念写について語る雅美の主治医・川尻医師

その夜、高山の第一発見者の舞の自宅へ大牟田刑事が事情聴取に訪れた。その際「山村貞子」「山村志津子」「伊熊平八郎」という名前に聞き覚えがないか尋ねられるが、否定。そして、舞は高山がその「山村貞子」の死体を発見していたことを知る。同時に井戸の中で30年生き続けた貞子の苦しみと死に際の恐怖を想像させられ、怯えさせられた。捜査を続けている舞と岡崎は浅川玲子の亡くなった姪・智子が死んだ時一緒にいた倉橋雅美(佐藤仁美)の入所している精神病院に辿り着く。雅美は口が聞けなくなっていた。TVに対して恐怖を抱いているという。彼女の担当医・川尻医師(小日向文世)は、偶然にも高山の大学時代の同期で、唯一の理解者だったという。彼は超能力を研究しており、雅美がカルテのために撮影した写真にに映り込んだ霊的なものを「念写」だと言った。病院の帰り、舞は病院のロビーを歩いている雅美に遭遇する。雅美がTVに近づくと、映像が乱れ出し井戸が現れる。その場にいた患者が次々に苦しみだし一帯はパニックになる。雅美は舞を見て「助けて」と手を伸ばす。そこで、陽一の幻影の口が同じ「助けて」と発していたことに気づく。駅に佇んでいた舞は偶然、玲子と陽一に出くわした。陽一もまた、喋れなくなっていた。玲子は隠れ家に舞を招き入れる。しかし玲子が舞の話に拒否反応を見せたため「また来てもいいですか、陽一くんに会いに」と言い帰った。その頃岡崎のもとへ「呪いのビデオ」の取材をしていた女子高生・沢口香苗がテープを持ってやってきた。最初、怖くて見てないと言っていた香苗だが、「見ちゃったの」と話す。岡崎に「絶対見てね」と念を押して帰っていく。岡崎は「必ず見るよ」と約束してテープを引き出しにしまった。

相次ぐ悲劇・貞子の怒り

香苗の取材テープ。彼女の死後異変が起きる。

川尻医師は雅美の念写能力を使って実験を行っていた。ビデオに雅美の恐怖を映し出し恐怖の開放を行うという。実際映し出されたのは「呪いのビデオ」だった。危険を悟った舞は、TVとビデオを破壊し、見ることを防ぐことができた。ビデオが本物だと知った岡崎は香苗に「見た」と嘘の報告をし、ビデオをデスクの中に戻し鍵をかける。舞は玲子たちの居場所を聞かれるが答えない。その時香苗が死んだという知らせが入る。その死に顔は恐怖に歪んでいた。恐怖を感じた岡崎は玲子と陽一の居場所を警察に教えてしまう。連行された玲子が事情聴取さている中、舞は陽一に「来ちゃだめ」とテレパシーで伝える。逃げ出す陽一を捕まえようとする大牟田刑事ともう一人の警察を陽一は見えない力で弾き飛ばす。玲子と陽一は外へ飛び出し、玲子はトラックに轢かれ死亡する。後を追ってきた大牟田刑事を陽一は睨みつけると首を抑え苦しみ出した。咄嗟に舞は陽一を止め、連れ出した。岡崎は亡くなった香苗の取材テープを確認する。すると、あるシーンが勝手に繰り返され、次第に画面に向かって来る。それを見た岡崎は恐怖に絶叫する。

鎮まらない山村家の深い闇

現れた貞子を消す役割を担う舞。

舞は、全ての謎を解明しようと陽一を連れ、伊豆大島へ渡る。同じ頃、遺体を引き受けた山村敬も漁船で帰路についていた。途中、志津子の言葉通り貞子の遺体を海に還すため棺を海底に沈めた。山村荘を訪ねた舞は陽一を寝かしつけ洞窟へ行く。そこで敬に出会い、貞子の生い立ちを聞かされる。貞子は洞窟で産まれ、父親である伊熊平八は実の所本当の父かどうかわからないと言う。旅館に戻った舞と同時にやってきた川尻はビデオに映る鏡に起きている怪奇現象を目にする。志津子は鏡の前で髪をとき、その横に幼い姿の貞子が現れる。舞は「あなたはもう死んだのよ」と恐怖に怯えつつ強く念じ続ける。志津子はゆっくりと振り返り近づいて来て消えていった。翌日、川尻は陽一に対し実験を行い、超能力があることを確信する。恐怖の念を開放するために雅美に施した水を媒介にした実験を執り行うことになった。プール一杯の水が用意された。陽一が貞子を呼び出し、舞が貞子を消す。という手筈だった。実験が開始され、恐怖で支配される。プールの底から、海に沈んだはずの貞子の棺が浮かび上がってくる。敬は「終わりにしよう」と自ら水の中に飛び込んでいく。川尻も正気を失い、コンセントに繋がったままのTVモニターを持って水に入り絶命する。

生還、そして終わらない呪縛

井戸の底から現れた貞子。舞たちの後を追う。

舞は陽一に繋がったコードを解くと、二人とも貞子のいた井戸の中に飛ばされていた。死んだ竜司に導かれ脱出を図る。舞は壁にしがみつき必死で陽一を抱えよじ登ぼる。すると貞子が底から現れ、後を追う。追いついてきた貞子の顔は骨格復元時の粘土で造られたのっぺらぼうのようだった。「なんであなただけ助かるの」と舞に言い恨めしそうに井戸の底へ落ちてゆく。無事脱出した舞と陽一はプールサイドに戻されていた。「もう怖くない」と言う陽一に対して舞は「まだ、少し怖いかな」と言う。一方、香苗の映像を見てから発狂した岡崎は、雅美と同じく精神病院に入院する。そしてカルテ用の写真を撮ると、何かが写り込んでいた。病室の岡崎が後ろを振り返ると香苗の怨霊が怪しく微笑んでいるのであった。

『リング2』の登場人物・キャラクター

高野 舞(たかの まい/演:中谷 美紀)

『リング』『らせん』に続き登場する本作の主人公。高山竜司の恋人であり助手で、彼の死体の第一発見者である。高山の死の謎を探求していく中で彼の前妻・玲子と息子・陽一に出会う。玲子の死後、貞子の呪いから陽一を守り続ける。竜司同様、人の思念を見通す力がある。

倉橋 雅美(くらはし まさみ/演:佐藤 仁美)

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