チャーリーとチョコレート工場(Charlie and the Chocolate Factory)のネタバレ解説・考察まとめ

2005年、ティム・バートン監督とジョニー・デップのコンビで公開された、アメリカの映画です。ファンタジー・コメディーに分類されます。しかし蓋を開ければ内部非公開の工場を見物できるというワクワク感とは裏腹のブラック・ジョーク、皮肉全開のミュージカル調のシーン、美しくも怪しい映像のセンスなどが監督ティム・バートンの世界観をよく表現しています。第78回アカデミー賞衣装デザイン賞ノミネート作。
『チャーリーとチョコレート工場』の概要
ロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』を原作に持つ映画。同作品は1971年に一度映画化されていますが、今作ではティム・バートン節が随所に見られます。詳しくは後述。
原作本です。
あらすじ・ストーリー
世界的人気を誇るお菓子会社の工場長ウィリー・ウォンカが主力商品である板チョコ、ウォンカバーの中に、5枚のゴールデンチケットを同封。世界にそのチョコをばらまき、「ゴールデンチケットを引き当てた人物5名を工場へご案内。完全非公開の工場内部を見学させる上に、そのうち一人には副賞として、予想もしない素晴らしいプレゼントを贈答します」と宣伝。世界のあちこちでゴールデンチケットを巡る争奪戦が繰り広げられる中、貧しい少年チャーリーが最後の一枚を入手。「同伴者を一人だけ連れて行ける」ということで、祖父と共に工場へ向かうのでした。
チョコレート工場
劇中の主な舞台。工場長のウォンカはここに通勤しているわけではなく、住んでいる模様。従業員が暑い国の出身(後述)ということで、内部は時期が冬とは言え暖房が効きすぎるほど。チョコレート工場と呼ばれていますが、実際には他のお菓子も作っています。OPでは主力商品ウォンカバーが箱詰めされて、ロンドン、ニューヨーク、東京行きのテープが貼られて出荷される様が描写されています。
お菓子の部屋
初めに案内された部屋。一見すると草原のようですが、草の一本に至るまでお菓子で出来ているとのこと。チョコの川、滝もあり、味もいいようです。

出典: ciatr.jp
チョコの川、滝は本物のチョコ、ではないそうです。
ガム開発室
物々しい機械が沢山あり、ずっと舐めても溶けない飴玉や、後述のフルコース料理が味わえるガムが作られています。ただ失敗作も多いようで、毛生えキャンディーを試食した従業員のウンパ・ルンパ(詳しくは後程)は歩く毛玉状態でした。
ナッツ選定室
チョコや菓子に使われているナッツをクルミから取り出す部屋。これはウンパ・ルンパではなく生きたリスにより行われます。理由は、殻からうまく中を取り出せるのはリスだけだから。リスは訓練を受けており、実が駄目になっているかどうか叩いて調べ、駄目なクルミは後方にある焼却炉行きの穴に落下します。

出典: prcm.jp
リスの仕事場。文字通り社畜。
エレベーター
上下だけでなく、縦横斜めどこへでも行ける透明なエレベーター。これでチャーリーの家まで飛んでいき、屋根を破壊しました。
『チャーリーとチョコレート工場』の登場人物・キャラクター
ウィリー・ウォンカ
チョコレート工場の主。またの名を天才ショコラティエ、またはチョコの魔術師。杖に燕尾服という魔術師スタイルで、ゴールデンチケットを引き当てた面々を出迎えます。言動はどこか子供っぽく、「ブツブツうるさいよ」など不満げに漏らすことも。招待した子供たちにトラブルが起きても至って冷静です。むしろ無関心で冷淡。歯科医の息子でしたが、菓子類を毒と称する父に反発して家出した過去があり、その為親という単語を発することができない模様。スパイに新作菓子の秘密を売られたこともあって人間不信気味。
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目次 - Contents
- 『チャーリーとチョコレート工場』の概要
- あらすじ・ストーリー
- チョコレート工場
- お菓子の部屋
- ガム開発室
- ナッツ選定室
- エレベーター
- 『チャーリーとチョコレート工場』の登場人物・キャラクター
- ウィリー・ウォンカ
- ウンパ・ルンパ
- チャーリー・バケット
- チャーリーの家族(バケット一家)
- オーガスタス・グループ
- ベルーカ・ソルト
- バイオレット・ボーレガード
- マイク・ティービー
- ティム・バートン的と思われるシーン
- ブラックジョーク・人形炎上
- ウォンカの歯列矯正器
- 消えた家
- チャーリーのゴールデンチケット入手方法について
- 原作・旧作との相違点
- 実際に売り出されたウォンカバー
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- ゴールデンチケット入りも発売、日本のウォンカバー商戦
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