ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge!)のネタバレ解説まとめ

『ムーラン・ルージュ』とは、2001年製作のアメリカ映画。ハリウッドを代表する2大スター、ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーを主演に、 『ロミオ+ジュリエット』のバズ・ラーマンが製作・監督・脚本を担当したミュージカル大作。劇中の楽曲には20世紀を代表するポップ・ナンバーがふんだんに使用されている。19世紀末の夜のパリを象徴する魅惑のナイトクラブ“ムーラン・ルージュ”で繰り広げられる、若き作家と高級娼婦の悲恋物語を絢爛豪華にして幻想的に描く。

『ムーラン・ルージュ』の概要

『ムーラン・ルージュ』とは、19世紀末の夜のパリを象徴する魅惑のナイトクラブ"ムーラン・ルージュ"で繰り広げられる、若き作家と高級娼婦の悲恋物語を描いた、2001年製作のアメリカ映画。劇中の楽曲にビートルズやエルトン・ジョン、マドンナなど、20世紀を代表するポップ・ナンバーをふんだんに使用したミュージカル大作。20世紀フォックスの配給で日本公開は2001年11月23日 。宣伝キャッチコピーは「ふたりの愛、ひとつの運命。」「パリ、1899年この街で、最も愛された一人の女… 彼女の名はサティーン」。

製作・監督・脚本は、レオナルド・ディカプリオ主演の 『ロミオ+ジュリエット』でハリウッドデビューし注目を集めたオーストラリア出身の若手監督バズ・ラーマン。共同脚本にはラーマン監督の作品全てに携わっているクレイグ・ピアース。撮影監督はオーストラリア出身のベテランでハリウッドでも活躍するドナルド・マカルパインが 『ロミオ+ジュリエット』に続いてラーマン監督作品を担当。そして音楽も 『ロミオ+ジュリエット』に続いてラーマン監督作品を担当するクレイグ・アームストロングで、本作のサウンドトラック盤が第44回グラミー賞にノミネートされた。
主演はハリウッドを代表する2大スター、『誘う女』『アイズ ワイド シャット』のニコール・キッドマンと、『トレインスポッティング』『ベルベット・ゴールドマイン』のユアン・マクレガー。ニコール・キッドマンはラーマン監督と同じオーストラリア国籍を持つ女優であり、ユアン・マクレガーと共に全楽曲を吹き替えなしの歌唱に挑戦している。

『ムーラン・ルージュ』のあらすじ・ストーリー

クリスチャンは自由と愛についての物語を書こうと試みる。

1900年のパリ。権力と金のある男たちが日陰の美女を弄ぶ魅惑のナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」に、"輝くダイヤモンド"と呼ばれていたとびきり魅力的な娼婦がいた。その名はサティーン。イギリスの上流階級出身の若き作家クリスチャンは彼女を心から愛していたのだが、彼女はこの世から旅立ってしまった。

1年前の1989年夏、自由奔放な生き方を実践するボヘミアンに憧れていたクリスチャンは、厳格な父親の猛反対を押し切って単身"華の都"パリのモンマルトルに出てきた。安宿に部屋を取りタイプライターをセットして、いざ自由と愛についての物語を書こうと試みるのだが、自分には物語に出来るような恋愛経験がなかった。途方に暮れていると、突然部屋の天井を突き破って、ナルコレプシー(居眠り病)のアルゼンチン人が落ちて来た。そしてドアからは尼僧の姿をした小男で新進気鋭の画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックが入って来た。彼らは上の部屋で芝居のリハーサルをしているという。その芝居とは、経営が傾いた「ムーラン・ルージュ」の新たなパトロンを見つけるために新しいショーを考えていた「ムーラン・ルージュ」のオーナー、ハロルド・ジドラーからの依頼であり、明日までに完成させなければならない。上の部屋へ行って見ると雇われ作家のオードリーが書いた歌詞に対し、作曲家のサティや大道芸人のドクターが難癖をつけ、トゥールーズやアルゼンチン人も加わったボヘミアン仲間たちが喧々諤々の状態だった。彼らのやり取りを聞いていたクリスチャンは、思わず口から出た歌を披露すると、皆はそれを気に入ったが、オードリーだけはへそを曲げ、部屋を出て行ってしまった。トゥールーズは「ムーラン・ルージュ」のスター、サティーンにクリスチャンの書いた歌詞を聴かせてジドラーに彼を認めさせる計画を立てる。そして意気投合したクリスチャン、トゥールーズ、アルゼンチン人、サティ、ドクターの5人は強烈な緑色の酒・アブサンを飲み、完全な酩酊状態で「ムーラン・ルージュ」にもぐり込むのだった。

クリスチャンはトゥールーズらボヘミアン仲間たちと「ムーラン・ルージュ」へもぐり込んだ。

「ムーラン・ルージュ」では多くの着飾ったカンカンダンサーがショーを盛り上げ、初めて見る絢爛豪華で幻想的な雰囲気に酔いしれるクリスチャン。そしてショーのラストを飾るのは勿論、花形スターのサティーンだった。クリスチャンは華やかに歌い踊る彼女の見事な姿態と妖艶な色気に目を奪われていた。ジドラーはその日のショーの後に、資産家であるウースター公爵に彼女をあてがうことで資金を得ようと考えつき、サティーンにウースター公爵を紹介しようとする。それを知ったトゥールーズは、サティーンにクリスチャンの歌詞を聴かせる絶好のチャンスとばかりに、ジドラーの眼を盗んでウースター公爵を足止めすると、クリスチャンを公爵だとサティーンに信じ込ませるように計らった。そしてトゥールーズの計略にまんまと掛かったサティーンは、ショーの後にクリスチャンを2人だけの部屋に誘うのだった。

クリスチャンの呼ばれた部屋は"象の部屋"と呼ばれ、寝室のある超豪華なサティーンの部屋だった。金のために公爵(クリスチャン)と寝る事しか考えていないサティーンに対し、その気がないクリスチャンは悪戦苦闘。ようやく自分が考えてきた愛の詩をサティーンに聞かせると、彼女はウットリと聴き入りクリスチャンに恋心を抱き始める。良いムードになってきた2人だったが、クリスチャンはそこで自分が公爵ではなく作家であることをバラしてしまう。動揺するサティーン。するとそこへジドラーが本物のウースター公爵を連れてやって来た。サティーンは咄嗟に、クリスチャンがウースター公爵に資金を出させるための物語を書いた作家で、これから緊急リハーサルをやるのだと説明。その状況を外から覗いていたトゥールーズとボヘミアン仲間たちも"象の部屋"へ集合し、クリスチャン、サティーン、資金のためならとジドラーも交え、ウースター公爵へのプレゼンテーションとして即興のリハーサルを始めた。ウースター公爵は戸惑いながらも圧倒され、半ば強制的ともいえる資金援助のOKサインを出したのであった。

クリスチャンとサティーンは、次第に愛し合うようになっていった。

「ムーラン・ルージュ」での新しいショーの物語を書くことになったクリスチャン。その胸の内はサティーンを想う気持ちでいっぱいだった。サティーンもまた、彼が駆け出しの作家と分かっても恋心は醒めていなかった。2人は次第に愛し合うようになっていった。
そんな折、サティーンを諦めていないウースター公爵は、ジドラーに対し、今の「ムーラン・ルージュ」を劇場に改築するための出資の見返りに公爵自身がサティーンを独占する契約を結ぶと言い出した。さらに出資の補償として店の権利書も渡せというのだ。ジドラーは彼が以外にも曲者だったことに驚くが、劇場に改築出来るのならと喜んで契約書にサインをした。

かくして「ムーラン・ルージュ」は劇場に生まれ変わるため、ジドラーを筆頭に、サティーン、クリスチャン、トゥールーズらボヘミアン仲間、そしてすべてのスタッフやダンサーが新しい盛大なショーの初日に向けて準備に取り掛かって行った。一方で、サティーンの独占契約をしたウースター公爵は、それ以来毎日のようにサティーンをデートや食事に誘い出そうとするが、クリスチャンは作家と主演女優という立場を利用して何かと口実を作り、彼女を公爵に渡そうとはしなかった。サティーンに断られ続け遂に堪忍袋の緒が切れたウースター公爵は、「今夜の食事に彼女が来なかったら出資を止める」とジドラーに告げる。困ったジドラーは、サティーンに「クリスチャンとの逢引きを今日限りにしろ」ときつく命令する。苦悩するサティーンは、その直後、部屋で崩れるように倒れてしまい、食事に行ける状態ではなくなってしまう。ジドラーは公爵に何とか嘘で取り繕ったが、医者の話ではサティーンは結核が進んでいて助からない運命だという。何としてもショーを成功させたいジドラーは、その事実を彼女に隠し自分の胸にしまい込んだ。

ウースター公爵は、毎日のようにサティーンをデートや食事に誘い出そうとするが、肩透かしが続いて激怒する。

ウースター公爵は、劇場初日のショーの後に必ずサティーンとの二人の時間を作るようジドラーに強制する。公爵の要求を呑まざるを得なくなったサティーンは、クリスチャンに別れ話を持ち掛けるが、諦めるような彼ではなかった。劇場初日の前日の夜のリハーサル。クリスチャンは台本に自分をモデルに見立てた、サティーンを想う貧しいシタール奏者が歌う"秘密の愛の歌"を追加しようとする。そのリハーサルは上手く行ったかに見えたが、ウースター公爵はそのシタール奏者がクリスチャン自身であることに気が付き、「美女はシタール奏者ではなくお金持ちのマハラジャを選ぶべきだ」と、"秘密の愛の歌"をカットしてエンディングの変更を強制する。サティーンはその場を取り繕うため、敢えて自分がこれから公爵の部屋に行くと言う。必死に止めるクリスチャンを振り切って、ウースター公爵の部屋に行ったサティーン。やっと思いが叶い喜ぶ公爵だったが、サティーンがまだクリスチャンのことを想い続けていることに感付くと、突然暴力的になりサティーンを力ずくで手籠めにしようとする。恐怖に慄いたサティーンは、寸前のところで脱出しクリスチャンの許へと逃げ帰ってしまうのだった。

クリスチャンはサティーンと一緒に今夜「ムーラン・ルージュ」を出る決心をする。サティーンもその気だった。そんな折、またしてもサティーンに裏切られたウースター公爵に「クリスチャンを殺す」と言われたジドラーは、出て行こうとするサティーンにその事を告げるが、彼女は脅しだと言って取り合わない。ショーのためには何としてもサティーンを引き留めたいジドラーは、「君はまもなく死ぬ」と結核が進んでいる事実を彼女に告げてしまうのだった。死の事実とクリスチャンへの想いとの間で苦悩するサティーンの気持ちを汲んだジドラーは、クリスチャンを助けるために彼と別れ彼を「ムーラン・ルージュ」から遠ざけることを提案。「女優は恋をしてはいけない。女優として立派にショーを成功させよう。」とサティーンを説得する。

劇場に生まれ変わった「ムーラン・ルージュ」初日の舞台で踊るサティーンとジドラー。

劇場に生まれ変わった「ムーラン・ルージュ」は、遂に初日の幕を開けた。
サティーンは主演女優として堂々と舞台の中心に立ち華麗な歌を披露する。客席では超満員の観客が一斉に拍手と歓声を送っている。その中には笑顔でサティーンを見つめるウースター公爵の姿もあった。一方、クリスチャンは「ムーラン・ルージュ」に近付けばウースター公爵に殺されることを知らされずに、ジドラーによって「ムーラン・ルージュ」から追放されていた。2人の愛がこんなに簡単に引き裂かれることを信じられないクリスチャンは、サティーンに会って真実を聞くため、もう一度「ムーラン・ルージュ」に行って舞台裏から潜入する。だが、その姿をウースター公爵のボディガードであるワーナーに見つかり、彼は拳銃でクリスチャンを殺そうと追い始めた。事情を知らないクリスチャンは別れる理由をサティーンに問い質そうと彼女にしつこく付き纏うが、サティーンはただただ彼を追い払おうとする。その時、誤って舞台の幕が開き、舞台に居たクリスチャンとサティーンの姿が観衆の前にさらされてしまい、ワーナーも手が出せなくなってしまった。

クリスチャンはサティーンがもう自分を愛していないと誤解し、観客席のウースター公爵を前にして、彼女を捨てて劇場を去ろうとする。と、そこへクリスチャンの誤解を解きたいトゥールーズが、かつてクリスチャンが言った言葉を思い出し大声で叫んだ。「この世で最高の幸せは、誰かを愛しその人からも愛されることだ。」と。立ち止まるクリスチャンにサティーンが舞台上から愛の歌を彼に捧げる。クリスチャンもそれに答えるように愛を歌いながら舞台に戻る。「どんな壁が私たちを別とうとしても、あなたを愛している。命が終わるその日まで」と愛の歌を歌う2人に、ショーのラストシーンだと思った観客から大喝采を浴び幕が下りる。ジドラーももう2人の愛を認め「カーテンコールだ!」と、全員に告げた瞬間、クリスチャンの腕の中にサティーンが倒れ込んでしまう。彼女の病はもう限界だった。そして永遠の愛を誓いながらサティーンはクリスチャンに抱きしめられ、彼の腕の中で静かに息を引き取った。

月日が流れたある日、クリスチャンはタイプライターに向かってある物語を書いていた。それは2人の物語であり、永遠に生き続ける愛の物語であった。

『ムーラン・ルージュ』の主な登場人物・キャラクター

サティーン(演:ニコール・キッドマン)

本作のヒロイン。
ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」で、"輝くダイヤモンド"と呼ばれている妖艶で魅力的な娼婦。
最初はクリスチャンを公爵だと思い込み、ハンサムな彼にほのかな恋心を抱く。彼が駆け出しの作家と分かってもその恋心は醒めず、彼の積極的な求愛に対し次第に彼を愛するようになっていく。「ムーラン・ルージュ」の劇場化に出資をするウースター公爵からも再三に渡って求愛を受け、その都度クリスチャンを想う気持ちとの間で苦悩する。結核を患っており、劇場の初日の舞台には立ったものの、体は限界であり、クリスチャンと愛を確かめながら彼の腕の中で息を引き取ってしまう。

クリスチャン(演:ユアン・マクレガー)

本作の主人公。
イギリスの上流階級出身で作家志望の若者。
自由奔放な生き方を実践するボヘミアンに憧れており、1989年の夏に父親の反対を押し切り、単身"華の都"パリのモンマルトルに出てきた。
トゥールーズらボヘミアン仲間と知り合い「ムーラン・ルージュ」に潜り込んだことから、サティーンの魅力に取りつかれてしまう。ジドラーに認められ「ムーラン・ルージュ」の新しいショーの物語を書くことになると同時に、その胸の内はサティーンを想う気持ちでいっぱいであり、積極的に求愛した結果、彼女と互いに愛し合うようになる。だが財力を武器に彼女に付き纏うウースター公爵の出現によって、次第にサティーンとの愛に亀裂が入って行く。

ハロルド・ジドラー(演:ジム・ブロードベント)

「ムーラン・ルージュ」のオーナー。
経営が傾いた「ムーラン・ルージュ」の新たなパトロンを見つけるために新しいショーを考えていた際、訪れた資産家であるウースター公爵にサティーンをあてがうことで資金を得ようと考えつく。サティーンに惚れてしまったウースター公爵から「ムーラン・ルージュ」を劇場に改築するための出資の見返りに、公爵自身がサティーンを独占する契約を結ぶと言い出され契約書にサインをした。その後、クリスチャンを愛してしまったサティーンに彼と別れるよう再三に渡り警告するが、やがて彼女が結核であり死に至ることを知り苦悩する。

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