BLOOD-C(ブラッド シー)のネタバレ解説・考察まとめ

アニメ制作会社「Production I.G」と漫画家集団「CLAMP」の両名が手掛けた、全12話のオリジナルアニメである。
学園を主要な舞台としているが、ごく普通の日常にも関わらず違和感のある、現実感のない日常描写という雰囲気作りが意図的にされている。
主人公の女子高生「更衣 小夜」が日中は学校に通いつつ、人知れず人間を襲う怪物と戦いを続けるアクションアニメである。

小夜は香奈子によって強引に〈古きもの〉の血を飲まされ、記憶を取り戻していく。

記憶の中で、今とは異なる制服を着ている小夜は、米軍基地のようなところで戦っていた。
そこに化け物を連れた謎の人物が現れ、彼らに捕まってしまう。
そして、血の袋が沢山ある部屋で謎の人物により、小夜は血を抜かれていた。

記憶が戻る最中、巨大な〈古きもの〉と文人が現れて、全ての真実を語りはじめた。

小夜は人間の姿をした人外の存在であり、〈古きもの〉の血肉を糧とする〈古きもの〉の上位種であった。
しかし、彼女は〈古きもの〉でありながら人を殺さない存在であり、心情も人間に近かった。

国の上からの指示で文人は彼女を捕獲して、生い立ちや環境、記憶を全て書き換えることで「小夜の根本を変える」実験を計画した。
実験のために、採取した小夜の血液で〈古きもの〉を使役して、この町や人物を用意し、偽の姓「更衣」を与えた。
文人が小夜に出していた食事やコーヒーも、小夜の記憶を操る薬物や〈古きもの〉から採取した血を用いて作ったものであった。

真実を知った小夜は我を失ってしまった。

黒幕

文人は小夜が記憶を取り戻したことを確認すると、自分の意に反して動いた時真・求衛姉妹・香奈子を不要と見なし、〈古きもの〉の餌にした。
香奈子だけは辛うじて、我に返った小夜に救助されるが、小夜の血を投与されて〈古きもの〉の姿と化した唯芳に喉を食い破られて絶命する。

文人に命じられて小夜に襲いかかった唯芳を倒した小夜に満足した文人は、小夜の友人役だった優花や逸樹、そして自分に忠実な私設兵団と共に去ろうとした。
しかし、逸樹は小夜と過ごした日々の中で彼女を本当に愛してしまったため、私設兵に銃撃される彼女を庇い、射殺される。

小夜は文人の理不尽な所業の真意を問いただすべく、彼の計画のエキストラ役だった町の人々が〈古きもの〉の集団によって喰い殺されていく惨状の中を駆け抜け、ついに文人と優花を乗せて飛び立ったばかりのヘリコプターに追いつき跳躍した。
しかし、そのことを予見していた文人の銃撃によって左眼ごと左頭部を吹き飛ばされてしまい、そのまま湖へ落下してしまう。

しかし、小夜は生きていた。
誰もいなくなった町の水辺で左頭部の再生を待ちながら、茶番劇とはいえ楽しかった日々を思い出していた小夜は、まだ再生が完了していない左眼をスカートの裾で覆い、ヘリコプターの飛び去った方向へ駆け出す。
そのはるか彼方には、東京の街並みが広がっていた。

半年後

惨劇から半年後、小夜は復讐のため、文人を追って東京都へ来ていた。

東京都では、青少年育成を目的とした保護条例が半ば強引に可決され、未成年者の夜間の外出が制限されるなど厳格な規制が敷かれていた。

ある夜、運行中の東京メトロの車両内で1人の乗客が突然怪物化して、他の乗客を喰い殺していった。
しかし偶然乗り合わせいた小夜の力に怯え、逃げ遅れた少女をとらえて電車から逃げ出してしまった。
小夜は怪物を追いかけて、さらわれた少女「柊 真奈(ひいらぎ まな)」を救出した。

その後、怪物の目撃者を確保しようとする文人の組織から追われる身となるが、真奈が所属する組織「サーラット」の仲間の協力のおかげで逃亡することに成功した。
そして、サーラットのリーダー「殯 蔵人(もがり くろと)」から、招待を受けて組織のアジトへ向かった。

殯は文人によって「自由」を奪われた過去から、復讐を考えていた。
そして、文人は自身が会長を務める世界的企業複合体「セブンスヘブン」と、秘密組織「塔」の2つの力を使い、あることを成し遂げようとしているのだと語った。

小夜は彼からサーラットへの協力を要請され、「文人は自分の獲物である」と宣言して、協力を受け入れた。

蔵人と文人

殯は、屋敷の地下に隠された一室へと小夜を案内した。

遙か昔に〈古きもの〉と人間との間に交わされた約定「朱食免」(〈古きもの〉が特定の人間を捕食しない代わりに、それ以外の人間は捕食しても良いという、大昔に交わされた約束)。
この朱食免を取り交わし、〈古きもの〉の存在を隠匿してきた家系、それが殯家だった。
表の殯家と、秘術で殯家を助ける裏の七原家、この両家を合わせて塔と呼ばれていた。
しかし、6年前のある日、文人は「朱食免」を手に入れるために武装部隊を引き連れて屋敷を訪れ、殯は目の前で両親を殺害された。
殯は、家族を奪われた復讐のため、文人を殺してくれと頼んだ。

文人との再会

文人についての情報を調べていたサーラットの「月山 比呂(つきやま ひろ)」は天才的ハッキング技術により、彼が私立十字学園へ講演のために訪れる、との情報を手に入れることに成功した。

真奈が通う十字学園。
彼女は小夜に制服を貸して、小夜と共にこの講演へ潜入することとなった。
そして講堂で学生達の前に文人が姿を見せたが、その時、突然警報が鳴り響いて学生たちに避難指示が出た。

逃げ出す学生の中、小夜は怒りを滾らせて文人斬りかかるも、そこにいた文人は彼が秘術で作り出した偽者だった。
そして一匹の巨大な〈古きもの〉が小夜に襲いかかった。
傷つきながらも〈古きもの〉を打ち倒した小夜は真奈と共に脱出を図るが、扉には電子ロックが掛けられており、真奈が解除を試みた。

直後、塔の実行部隊指揮官の「九頭(くとう)」が襲いかかってきた。
実力では小夜の方が勝ったが、彼女には人である九頭を殺す事は出来なかった。
「だから誰も守れない」と笑う九頭は、電子ロックを無事解除した真奈に剣を突きつけ、小夜を討とうとするが、そこにサーラットメンバーの車が飛び込んできて、二人を救出した。

しかし、全ては文人の計画だった。
嘘の情報を流し、小夜の血を手に入れるための罠だったのだ。

決意

傷ついた小夜を心配する真奈であったが、傷が既に治りかけていることを見せた。
そして、安心した真奈は小夜に自分の過去について語り出す。

早くに母を失い、父子家庭に育った。
父は新聞社に勤めており、セブンスヘブンについて記事にしようとしていたが、上からの圧力で取材は中止となった。
それでも諦めずに独自に調査を続行していた父の力になろうと、真奈は得意のパソコンを使ってセブンスヘブンのネットワークにハッキングして、セブンスヘブンを通じて多くの人々が塔へ送られて行方不明になっている情報を突き止めた。
その情報を手に、文人に面会することとなった父だが、父はその日を境に戻ってこなかった。
以来、真実を知るのが恐ろしくて、真奈はネットワークを介して調べることもハッキングすることも出来なくなった。

しかし、真奈は自分が信じて決めたことに向かって生きる小夜の生き様を感じ取り、逃げることを止めてハッキングすることを決意した。
真奈のハッキング技術は、比呂にその技術を教えるほどの実力である。

潜入

比呂らと夜を徹してハッキングを行う真奈。
そんな真奈にコーヒーを差し入れる小夜に、真奈は殯が自分たちのために入れてくれたコーヒーであり、小夜にも飲んで欲しいと語っていたことを告げた。
小夜はこれまで彼らの出すものにも口を触れようとしなかったが、真奈の心に触れてコーヒーを口にした。
その直後、ついに真奈は文人の拠点を発見した。

文人は東京湾の埋め立て地にあるビルに身を潜めていた。
小夜は真奈たちのバックアップを受けながら、塔の本拠地へと侵入を図る。
しかし、彼女の侵入を事前に察知していたかのように、迎撃態勢を整えていた。

文人のもとへ向かう小夜の前に九頭が立ちはだかった。
腕を切り落とすことは出来たが、小夜は人である彼を殺すことは出来なかった。
九頭は文人の指示である物体を頭へと張り付けると、人から〈古きもの〉へと変化し、敵味方構わずに襲い始めた。

小夜は彼を打ち倒して、文人のもとへ向かうが、小夜を映し出すモニターに囲まれた部屋に辿り着いたとき、全身から力が抜けて倒れてしまった。

真相

朦朧とした意識の中、目の前に現れたのは文人と殯だった。
全て彼らが計画した罠であり、殯は全ての真実を語り出す。

サーラットは元々、東京に自由を求める小さなサークルであったが、将来を見越して、殯が資金援助を申し出て、飼いならした。
そのおかげで、嘘の情報をメンバーが信じたり、小夜の情報をひっかけることもでき、屋敷に案内できた。
さらに、人が出したものを口にしない小夜に、薬物入りコーヒーを飲ませることも出来た。
しかし、真奈が文人の拠点を発見したのは予想外であり、殯はすぐに文人に連絡を入れたのだった。

また、6年前に殯の両親を文人が殺したというのも嘘であった。
実は、殯と文人でお互いの家族を全員殺しており、世界を手に入れるために塔を掌握したのだった。

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