魍魎の匣(もうりょうのはこ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「魍魎の匣」とは、「京極夏彦」による長編小説。百鬼夜行シリーズの第二作目。2007年に実写映画化され、2008年にマッドハウス製作でアニメ化した。キャラクターデザインは漫画家「CLAMP」が担当。百鬼夜行シリーズは古本屋「京極堂」を営む陰陽師「中禅寺秋彦」が事件を解決するストーリー。「魍魎の匣」では、美少女「柚木加菜子」が人身事故に遭った所から事件が次々と起こっていく。

『魍魎の匣』の概要

「魍魎の匣」とは、小説家「京極夏彦」による長編推理・伝奇小説。
一作目「姑獲鳥の夏」から続く「百鬼夜行シリーズ」第二作で、第49回日本推理作家協会賞を受賞した。
2007年に実写映画化。
2008年にマッドハウス製作でテレビアニメ化した。
アニメではキャラクター原案を漫画家の「CLAMP」が担当し、話題になった。
キャラクター設定に違い・アニメオリジナル要素などがある。
未アニメ化である前作「姑獲鳥の夏」を彷彿とさせるシーンや、作者の京極夏彦が声優として出てくるなどのファンサービスもある。

原作小説は文庫版で1000ページを越える長編で、膨大な情報量と緻密なストーリーで構成されている。
百鬼夜行シリーズは、古本屋を営む陰陽師「中禅寺秋彦」が憑き物落としをしていくという物語。
中禅寺は古本屋「京極堂」を営んでいるため、「京極堂」と屋号で呼ばれることも多い。
そのため百鬼夜行シリーズを「京極堂シリーズ」と呼ぶファンもいるが、作者からシリーズ名は特定されていない。
本シリーズは文庫でありながら辞書のような分厚さがある事が特徴で、その頁数の多くは中禅寺による薀蓄(うんちく)であることもある。
しかしこの薀蓄が一見関係ないようで、実はストーリーに関係し、荒唐無稽のような難しい内容を理解するために必要な知識となる。
また、妖怪を題材にしているが妖怪そのものは出てこない。
中禅寺のする憑き物落としという行為も、妖怪そのものと戦ったり祓ったりということではなく、人間の心にある闇を祓うというものとなる。
その方法も祈祷したり特殊な技を使ったりということではなく、中禅寺が巧みな言葉で当人の心を誘導し、心に巣食う悪い物を取り除くというもの。

漫画版はシリーズ通して「志水アキ」作画で角川から発売されている。
他にも、百鬼夜行シリーズの公式二次創作にあたる「薔薇十字叢書」というシリーズがあり、角川や講談社などから様々なライトノベル作家の百鬼夜行シリーズを題材にした作品が発表されている。

百鬼夜行シリーズでも「魍魎の匣」は特に有名で、ホラー小説や探偵小説などのランキングサイトでもよく名前が上がる作品である。
戦後間も無い昭和の世界観と、知識欲を満たす膨大な情報量、そして個性的なキャラクター達と読み応えのある物語が人気。
「魍魎の匣」は昭和27年の夏から秋にかけての季節に起こった数々の出来事と、その解決を描く。

『魍魎の匣』のあらすじ・ストーリー

物語のはじまり

舞台は昭和27年8月15日。夜中の中央線で人身事故が起こる。ホームから落ちて電車に轢かれたのは、柚木加菜子(ゆずき かなこ)という美少女であった。

14歳の少女・楠本頼子(くすもと よりこ)は友達のいない孤独な学校生活を送っていた。ある日、クラスの秀才の加菜子に声をかけられたことで二人は親しくなる。
男性のような話し方をするミステリアスな雰囲気の加菜子に、頼子は憧れを抱く。頼子に話しかけた理由を問われた加菜子は「私たちは互いが互いの生まれ変わりなんだ」と言う。加菜子の言葉に始めは戸惑う頼子であったが、お互いに特殊な家庭環境だったこともあり、加菜子と頼子は仲を深めていく。二人は夜な夜な家を抜け出し、月明かりの下で語らうのが日課であった。
頼子の家は母子家庭で、子供嫌いであった父と別れた後、母は再婚と離婚を繰り返し、今は新しい恋人がいる。そんな母に頼子は反感を持っており、母も娘を夜中に連れ出す加菜子をよく思っておらず、母と頼子の関係は険悪になっていく。
頼子が母との関係で落ち込んでいる事に気づいた加菜子は、「湖まで出かけよう」と提案し、二人は夜の電車で出かける事になった。
頼子が待ち合わせの場所へ行くと、普段は凛とした雰囲気の加菜子はどこか弱々しく、泣いた後のように見えた。頼子は戸惑いつつも、加菜子と共に人気のないホームに向かう。
電車が到着する直前、加菜子の長い髪の毛が風で舞い上がり、頼子は加菜子のうなじに「ある物」を見てしまう。それは家柄も良く秀才で完璧な美少女・加菜子にはあるはずのない、にきびであった。

刑事の木場修太郎(きば しゅうたろう)は加菜子の事故の現場に居合わせた。木場は泣きじゃくる頼子に事情を聞こうとするが、混乱した頼子の話は取りとめが無く、加菜子が事故・自殺・他殺のどれであったかもわからない。
木場と頼子が加菜子の運ばれた病院へ行くと、そこに加菜子の姉、柚木陽子(ゆずき ようこ)が現れた。彼女は過去に美波絹子(みなみ きぬこ)という芸名で女優をしていた人物で、木場は絹子のファンだった。
陽子は加菜子が助かる可能性がある所を知っていると言い、加菜子を「美馬坂(みまさか)近代医学研究所」という施設へ運び、治療を受けさせることになった。
陽子は弁護士の増岡則之(ますおか のりゆき)、陽子の同居人・雨宮典匡(あまみや のりただ)と一緒に居て、三人は加菜子について「遺産」がどうのと揉めており、加菜子の存在は何か訳ありのようであった。
研究所には、研究所の所長・美馬坂幸四郎(みまさか こうしろう)と、美馬坂の助手・須崎太郎(すざき たろう)がいた。

加菜子誘拐事件

頼子が事件に関わったことで頼子の母は精神を病んでいく。母は頼子に魍魎(もうりょう。魑魅魍魎の魍魎。魑魅は山の妖怪、魍魎は水の妖怪の総称)が取り付いていると騒ぎ出し、「穢れ封じ御筥様(けがれふうじおんばこさま)」の教主・寺田兵衛(てらだ ひょうえ)を家に招く。「魍魎を筥(はこ)に封じて穢れを清める」というのが寺田の教えだった。
頼子は自室から寺田のお祓いを見て、「母はおかしくなったのだ」と思う。

陽子の元には、加菜子を誘拐するという脅迫状が届いていた。
神奈川県の警察が警備にあたり、研究所には沢山の警官が配備された。
民間人の護衛にしては警察官の数が多く、木場は「加菜子は莫大な金の行方を握る人物なのではないか」と推察する。

鬱病の小説家・関口巽(せきぐち たつみ)は、出版社で新人の小説家・久保竣公(くぼ しゅんこう)と出会う。いかにも神経質そうな久保は、処女作『蒐集者の庭』で新人賞を取った人物だ。久保は現在『匣の中の娘』という小説を執筆中であるという。
関口は小説だけでは生計が立てられず、たまにカストリ雑誌(太平洋戦争終結直後の日本にあったゴシップ雑誌)でも記事を書いていた。
その雑誌の記者である鳥口守彦(とりぐち もりひこ)から、関口は相模湖で切断された女性の手足が発見された事件について聞く。被害者は若い女性で、手足がそれぞれ箱に収められた状態で発見された。胴体や頭はまだ発見されていない。

加菜子の事で頭がいっぱいの頼子は、加菜子の行動や言葉遣いを真似して生活するようになる。かつて加菜子と訪れた喫茶店で加菜子の読んでいた雑誌を読んでいると、頼子はある事を思い立つ。
頼子は研究所にいる木場を訪ねていき、事件当日の話をした。ホームに電車が入ってきたとき、手袋をはめた黒衣の男が現れて加菜子を突き落とした、ということだった。
木場たちは加菜子の見舞いをしに病室へ向かった。加菜子は一命を取りとめており、頼子が近づくと目を開けて少し微笑んだ。しかし声は出せないようであった。加菜子は色々な機械やチューブを取り付けられ、カーテンに覆われたベッドの上に居た。
頼子、陽子、木場がカーテンの外に出て話していると、カーテンの奥から須崎の悲鳴と美馬坂の罵声が聞こえた。木場がカーテンを開けると、加菜子の姿がベッドの上から消え去っていた。
瀕死の加菜子が自力で立てるはずがなく、厳重警備の中で誘拐されたとも考えにくい。一同が目を話したほんの一瞬で加菜子は煙のように消えてしまったのだ。
混乱する木場に対して、陽子はやけに落ち着き払っている。しかし、加菜子を探しに出て行った須崎の死体が発見されると一変して取り乱して、「加奈子を助けてください」と木場に縋った。
その後、雨宮までも行方不明になっていることがわかり、事態は混迷を極めた。

榎木津登場

弁護士の増岡は、私立探偵・榎木津礼二郎(えのきづ れいじろう)を訪れた。加菜子の捜索を依頼するためだ。
増岡は榎木津に、加菜子は柴田財閥の創業者・柴田耀弘(しばた ようこう)の孫・弘弥(ひろや)の娘であると説明する。加菜子は陽子を姉だと思っているが、実は母なのであった。陽子と加菜子の同居人だった雨宮は柴田家の用意した見張り役だった。
弘弥が戦死したことで、耀弘の血を引く者は加菜子のみとなった。すると耀弘は「加菜子に全ての遺産を譲る」という遺言書を書き、加菜子が誘拐された後に死亡してしまった。誘拐された加菜子が現在も生きていれば財産は加菜子のもの、加菜子が死んでしまっているのなら遺言は無効となる。
そのため増岡は榎木津に、加菜子捜索を依頼したのだった。

中禅寺の登場

先日のバラバラ遺体遺棄事件と同じ手口と思われる事件が連続して発生し、被害者が増えた。いずれも女性であった。
そして加菜子誘拐事件では、事件後に姿をくらませた雨宮が容疑者として指名手配される。
木場は加奈子とバラバラ事件の関連を調べていた。相模湖で発見された最初の手足以外は加奈子の血液型と一致しない。そして相模湖の手足が発見されたとき加奈子は美馬坂近代医学研究所に入院していたため、現状加菜子はバラバラ事件の被害者ではないということになった。
木場は美馬坂の関連を怪しんでいた。

その頃、関口の自宅に鳥口が訪ねてくる。彼は「穢れ封じ御筥様」について調べており、関口に相談にきたのだ。関口はそういった話ならばと、友人の中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)のもとへ鳥口を連れていく。
中禅寺は古本屋の店主だが、武蔵晴明神社の宮司をする陰陽師で、拝み屋の副業もしている男だ。鳥口は中禅寺に相談をはじめる。
鳥口は、清野という人物から「御筥様の信者リストを売りたい」というタレコミを受け、「情報を売る代わりに御筥様の記事を書いて欲しい」と依頼されていた。リストには歌手や政治家などの有名人の名前や喜捨(寄付・お布施)の額が載っていた。
鳥口は御筥様を調べてみる事にした。信者に紛れて取材しに行くが、なぜか自分が信者でない事がバレてしまい、追い出されてしまう。めげずに教団の近隣の家を取材し、教主の寺田兵衛の素性を知ることができた。
寺田は宗教を開く前は木製や鉄製の箱を製造・販売する「箱屋」をしていたという。元々寺田は宗教を開くようなタイプではなかったが、ある時期を境に人が変わってしまったのだと近隣住民は語った。
あるとき、「透視能力がある」と噂されていた祖母の持っていた箱がみつかり、寺田が開けてみると「魍魎」と書かれた紙が入っていた。それから寺田は言動がおかしくなっていき、「穢れ封じ御筥様」を開き、「心に囲いを作ると魍魎が湧く」と説いてまわった。
御筥様ではお金を不浄とし、富や財などの不浄を持つから不幸になるとしている。信者たちは寺田に多額の金を渡し、寺田は穢れた金を清めるという名目で金を受け取っている。信者たちは、不幸の元である財産を投げ打ってもまだ幸せになれないのなら、それはまだ自分に財産があるからと考えるようになっていき、最後には何もかもを手放し破産してしまう。
鳥口は御筥様こそバラバラ事件の犯人では無いかと考えていた。現在行方不明となっている被害者候補の13人の少女の内、7人が御筥様の信者で、被害者の中で唯一素性の判明した少女の母親が御筥様の信者であったのだ。
しかし御筥様が殺人を犯す理由がなく、中禅寺も具体的な推理はできなかった。すると、関口は御筥様の信者リストの中に久保竣公の名前を発見する。

後日、再び中禅寺の家に集まった関口と鳥口は榎木津に遭遇する。関口、中禅寺、榎木津の三人は学生時代からの旧知の仲だった。
榎木津は加奈子の捜索依頼について一同に語った。
鳥口は御筥様について調査を進めていた。寺田が御筥様をはじめる前に、手袋をはめた男が大量の箱を注文したこと、御筥様の道場には血の付いた鉄の箱が祭られているという情報が共有された。
それぞれの報告を聞いていた関口は、加奈子の友人・楠木頼子の名前が御筥様の信者のリストにあることに気が付く。それを聞いた中禅寺は顔色を変えて狼狽した。
するとそこに木場が訪ねてくる。木場は榎木津の幼馴染で、中禅寺、関口とも知り合いだ。
中禅寺は「現状は大変よろしくない」と言葉を濁す。木場は「何がどうダメなのか」と聞くが、中禅寺は明確には答えない。

4人目の被害者

関口と榎木津が頼子の母、君枝(きみえ)を訪ねることになった。しかし留守だったため、近くの喫茶店へ立ち寄る。するとそこで久保に出くわした。
二人が久保に「柚木加菜子を知っているか」と尋ねると、久保ははっきり「知らない」と答える。しかし榎木津が加菜子の写真を見せると久保は動揺し、「その写真を貸して欲しい」と頼みこむ。
榎木津は久保の手つきといつも手袋をつけている様子から、久保は指を欠損していると考察した。
もう一度頼子の家を訪ねると、頼子がどこかへ出かけるところだった。君枝が家の中に居るかもしれないと思った二人が家に入ると、君枝が首吊り自殺をしようとしていた。
君枝は何よりも頼子を大事に思っていたが、その気持ちは頼子には届かず、次第に御筥様に依存するようになった。君枝は言われるがままに財産も持ち物も捨て続けるが、生活が立ち行かなくなり、死のうとしていたのだ。
二人は君枝を説得し、頼子の身の安全を確保するように諭した。

頼子が向かったのは、先ほどまで関口たちの居た喫茶店であった。そこで頼子はある男と待ち合わせをしていた。男は頼子を絵のモデルにしたいと申し出て、了承した頼子は、男と共にアトリエへ向かう。アトリエの床には沢山の箱が置かれていた。

その頃、木場は陽子を訪ねていた。陽子はぽつぽつと自分の過去を語り始める。
陽子には美しい母がいたが病気になり、体が衰えた末に精神を病んで父を虐げ、父は家族の前から姿を消した。陽子は母の介護に疲れ果てたときに弘弥に出会った。弘弥はただただ優しい人間で、陽子を助けるために駆け落ちをしてくれたが、二人は恋愛とはまた少し違う関係だった。
陽子は弘弥と駆け落ちしたことで、身籠った加菜子の養育費を貰うことになった。雨宮が監視役に付き、加菜子は殆ど雨宮が育てたようなものだった。陽子は入院した母へ面会へ行く事は少なく、殆ど見捨てたような状態であった。
こういった事情を加菜子に知らせないために陽子は姉であることにして、柴田の財産の話もしなかった。
陽子は木場に「もっと早く自分の人生に関わって欲しかった」と言うが、木場はその言葉を最後まで聞かずに立ち去った。

中禅寺の元には、加菜子殺人未遂事件、加菜子誘拐事件、須崎殺害事件、連続バラバラ死体遺棄事件の情報が寄せられていた。
中禅寺いわく、別々に起こったこれらの事件は全て繋がっているという。
中禅寺は久保の書いた小説の内容や、御筥様の信者リストからバラバラ事件が起こっている点、久保がいつも手袋をしている点などから、バラバラ死体遺棄事件の犯人は久保竣公だと断定した。
すると、楠木頼子の両腕が発見されたという報せが飛び込んでくる。中禅寺が危惧していたことが起こってしまったのであった。

寺田への憑き物落とし

中禅寺、関口、榎木津は御筥様の本拠地、寺田の自宅へ乗り込んだ。
中禅寺は寺田を前にして膨大な知識から宗教としてのおかしな点を次々と指摘し、寺田は中禅寺が本物の陰陽師だと知ると反論が出来なくなった。憔悴した寺田は御筥様が生まれた経緯を語る。

寺田が箱を製造販売する仕事をしていた頃、仕事に没頭するあまり家庭を蔑ろにしていた。
寺田の妻・サトは鬱病に掛かっており、息子の面倒を見ることができなかった。病気が良くなった頃には息子は5歳になっており、母と息子は意思疎通が取れなくなっていた。
その後、寺田が戦争から帰って来ると妻と息子は家から消えていた。家の中には血のついた鉄製の箱が残されていた。その中には子供の干からびた指が転がっていた。
そして数年後、寺田の元を息子、久保竣公が訪ねてきた。久保は毎日毎日訪ねてきては寺田の耳元で自分のこれまでの人生を語った。
寺田が徴兵されてからサトの鬱病が再発し、学校に通えなかったこと。久保が指を失ってからサトの病気が重くなったこと。サトが久保を連れて九州築上求菩提山へ行き、そこで首を吊ったこと。拾ってくれた老婦人の養子になったこと。養母が死んだこと。
久保は寺田に「自分の指を返してくれ」「何をしても満たされない」と言い募った。そんなとき、寺田の祖母の箱が見つかった。中には「魍魎」と書かれた紙が入っている。寺田の手元にあるもう片方の箱には、久保の指が入っている。
久保から感じる恐ろしさと祖母の箱に入った魍魎という文字は、寺田の中で一体化し、自分の人生は箱と魍魎に支配される運命にあるのだと寺田は感じる。
そして寺田は久保の言いなりになり、「穢れ封じ御筥様」が誕生した。
寺田は久保の悪事に薄々気づいてはいたが触れず、久保に言われるがまま箱を作ったり、信者の名簿を渡していた。久保はこの名簿から少女を選び、あいうえお順に殺して行った。
中禅寺は、寺田の祖母の箱はかつて透視の実験に使われたもので、紙に書かれた「魍魎」は画数の多さで選ばれただけだと説明する。中禅寺が寺田の家を「信者から祓った魍魎でいっぱいだ」と言うと、寺田は中禅寺に助けを求め、言われた通りに信者から受け取った金品を全て返した。
中禅寺は寺田が信者から受け取った財産を「魍魎」と呼び、寺田がそれを手放す事で憑き物を落としたのである。

久保の箱

木場の刑事仲間が久保のアトリエに向かった。アトリエの中は箱でいっぱいだった。その中のひとつから、腕と下半身のない頼子の遺体が見つかった。
久保は緊急指名手配された。しかし数日後、久保の手足が発見される。

中禅寺は関口たちに、「自分と美馬坂は実は知り合いだ」と明かした。
戦時中、中禅寺は陸軍の研究所であった美馬坂近代医学研究所で、異教徒を神道の信者にするための洗脳実験をやらされていた。そして美馬坂は、「死なない兵士」の研究に没頭していたという。
そこに、木場が拳銃を持ってどこかに行ったという報せが飛び込んでくる。中善寺、関口、榎木津は陽子を連れて美馬坂近代医学研究所へ急いだ。

木場は全ての犯人は美馬坂だと考えていた。加奈子の命を助けるために少女たちの臓器を奪っていたというのが木場の考えだった。
しかし美馬坂は木場の推理をきっぱりと否定し、思いつめた木場は拳銃を美馬坂の額に突きつける。
そこへ関口たちが到着し、美馬坂が銃を突きつけられているのを見た陽子は、「その人は私の父です」と叫んだ。
研究所には中禅寺、関口、榎木津、木場、陽子、美馬坂、鳥口、増岡など、事件の関係者が集まり、中禅寺による謎解きと憑き物落としが始まった。

箱の中

加菜子殺人未遂事件の犯人は頼子だった。
頼子にとって加菜子は崇拝の対象であり、加菜子は世界一幸福でなければならなかった。加菜子が「私たちは互いが互いの生まれ変わりなんだ」と言ったからだ。
この言葉を加菜子がどういうつもりで頼子に言ったのか、今となっては分からないが、頼子にとってこの言葉は救いであった。頼子がどんなに不幸な人生を歩んでいても、死んだら加菜子に生まれ変われるのだ。
頼子にとっての救いは「いずれ自分は加菜子になれる」というところにあり、その加菜子が不幸であってはならないのである。
しかし加菜子は涙を見せ、首にはニキビが出来ていた。頼子は衝動的に加菜子をホームから突き落としてしまった。
「黒衣の男が加菜子を突き落とした」という証言は、加菜子が読んでいた小説に出てくる登場人物の姿であり、頼子はその小説から天啓を得た。
その小説とは、雑誌『近代文藝』に載っていた関口の小説『目眩』だった。

加奈子は本当は柴田弘弥の娘ではなかった。陽子は弘弥と駆け落ちはしたが、授かっていた子供は弘弥の子ではなかったのである。
増岡は驚愕したが、陽子はそもそも柴田の遺産などいらなかったし、加菜子に遺産を継がせる気もなかった。しかし加菜子が重症になってしまい、陽子は父である美馬坂に加菜子を託した。
だが、美馬坂の思う「生かす」と陽子の思う「生かす」は意味が違った。
加菜子は医療によって「生かされている」状態にあり、加菜子の生命の維持には膨大な電力や資材が掛かった。しかし美馬坂にも陽子にもそんな金はなく、このままでは数日で加菜子は死んでしまう。陽子は加菜子を生かすために、今すぐにでも莫大な金が必要となってしまった。
そこで陽子は加菜子の誘拐を思いつく。しかし思いついただけで具体的な計画はなく、脅迫状を作ってみただけだった。しかしそこに木場が居合わせてしまい、「脅迫状が来た」と大騒ぎになってしまったのだ。
すると美馬坂の助手の須崎が「誘拐を実行に移そう」と提案した。
美馬坂の「加菜子を生かす方法」とは、加菜子の体の機能を機械で補うというものであった。研究所は、人間の臓器や血管の機能をすべて機械で置き換えるための設備だった。
加菜子の体はバラバラにされ、心臓と脳以外の臓器を取り除かれ、胸部から頭部だけになった。研究所は加奈子の体そのものだった。
加奈子は機材を外してしまえば箱に仕舞える大きさだった。加奈子の誘拐が発生したとき、加奈子はベッドから箱の中に隠されていたのだ。
須崎は切り離された体の一部を生きた状態で保存する研究をしていた。加奈子の腕を生きた状態に保ち、誘拐の脅しに使おうと考えた。
これが加菜子誘拐事件の全貌だった。
加奈子の誘拐は須崎の計画通りに進行したが、須崎は殺され、加菜子は行方不明になった。
美馬坂は誘拐事件に加担はしていたが、加菜子に行ったことは純粋な医療行為だった。しかし、美馬坂の「現在の患者」はバラバラ事件の犯人であると中禅寺は言う。
中禅寺たちが立っているこの研究所は今、久保の体内だった。

久保が殺人事件を起こすきっかけとなったのは、電車でのある出会いであった。
久保は電車の中で、向かいの席に座った男の持つ箱の中から音を聞く。不思議そうにする久保に、男はそっと箱の中を見せた。
箱には胸部から上だけの少女が収まっており、驚くべきことに生きていた。
この少女は加菜子であり、男は雨宮であった。
雨宮は陽子の監視役として陽子・加菜子と一緒に暮らしていた。赤ん坊の頃から加奈子を見ているうちに、雨宮は加奈子を愛するようになる。その気持ちが父性愛だったのか、少女愛だったのかは永遠に謎だ。
施術後の加奈子の状態を知った雨宮は深く悲しみ、せめて脅迫に使わない残りのパーツを、加菜子の好きな相模湖に水葬してあげようと考える。しかし雨宮が加菜子の手足を乗せた車の荷台の止め具が外れており、手足を落としてしまった。それを近隣住民が発見し、相模湖バラバラ事件となった。
雨宮という人間は現実肯定の出来る人間で、自分の幸せのために努力できる男であった。
雨宮は加菜子と一緒にいられるだけで幸せであり、加菜子と一緒に暮らしていた時間は雨宮にとって何より幸福なものであった。
しかし加菜子の事故で雨宮の幸福は奪われてしまう。雨宮はせめて加奈子を普通に死なせてあげようとするが叶わず、今度は加菜子の手足を水葬することで自分を納得させようとしていた。だが手足を落としてしまったことで、それも失敗してしまった。
これまで通りのままでは幸福は手に入らない。現実を受け入れた雨宮は加菜子の生きた腕を見て自分を慰めているうちに、人ならざるものの領域へ足を踏み入れてしまう。
雨宮は、生きた状態の加菜子の腕を加菜子として愛した。腕の入った装置は研究所の外の焼却炉に偽装されていた。
誘拐の当日、雨宮は加菜子の腕を外へ連れ出そうとしていた。そんなことをしたら加菜子の腕は死んでしまうが、雨宮にとってそんなことはもうどうでもよくなっていた。
そこへ、加菜子の体の入った箱を持った須崎が現れる。箱の中には切り離された腕ではない、加奈子がいた。
雨宮は須崎を殺して加奈子を奪い、姿を消した。

雨宮は加菜子の箱を抱え、加菜子と二人で逃避行した。
箱に入れられた加菜子は生命維持に必要な機械を外されてしまっていたが、1日程度なら生きている。
そこに出会ったのが久保であり、久保は箱に入った少女・加菜子を見て、酷く羨ましいと思ってしまう。
久保は箱に入った生きた少女を作ろうと試みて、連続バラバラ事件を起こした。久保は少女たちを殺そうとしていたのではなく、箱に入った生きた少女を作ろうとしていたのだ。しかし当然ながら、生きたまま手足を切断された少女たちは皆死んでしまった。「人間は腕を切断したまま放置したら出血多量で死ぬ」という常識は、加菜子を見たことで覆されてしまった。
頼子は久保の最後の「失敗作」だった。

久保は喫茶店で関口たちから写真を借り、その写真を見た頼子から美馬坂幸四郎の存在を聞いた。
頼子の箱の制作に失敗した後、久保は美馬坂に箱の作り方を聞きに行った。
罪の意識のない久保は、犯罪者として捕まるのは嫌だと美馬坂に言った。すると美馬坂は、「君も被害者になれば捕まらない、加菜子と同じようにしてあげよう」と久保に持ちかける。久保は喜んで美馬坂に体を預けた。
美馬坂は久保を加菜子と同じようにバラバラにして、胸部から頭部だけの状態にして箱に収めた。そして必要なくなった久保の手足を遺棄した。
久保は今まさに、箱となった状態で生きている。

美馬坂は元々、妻・絹子の病気を治すために研究を始めた。やがては衰えていく肉体そのものを憎むようになり、死なない兵士や機械人間の研究へと発展した。「肉体は不要なもので、人間にとって脳髄こそがすべてなのだ」と美馬坂は考えるようになる。
美馬坂の理想の世界とは、脳髄だけになり永遠に幸せな夢を見る状態なのだ。
美馬坂の非人道的な行いに木場は激怒し、美馬坂を殴る。すると陽子は止めに入り、悲痛な声で「加菜子の父は美馬坂」だと言った。

陽子は元々は美しい母・絹子が好きであったが、絹子は次第に衰えて心を病み、父を奴隷のように扱い始めた。
父は何も悪い事はしていないのに母に責められる。そんな父を母から奪いたいと思い禁断を犯し、陽子は美馬坂の子・加菜子を授かった。
弘弥と駆け落ちしたことで、加菜子を育てるための最低限の資金を得るが、あくまでも加菜子は美馬坂の子であるという意識から、必要以上の金の受け取りは拒否し続けた。
美馬坂もまた娘である陽子を愛していた。
中禅寺は木場に陽子の側に居るように言うが、陽子は持っていた刃物で木場を刺し、陽子は美馬坂の元へ行ってしまう。美馬坂は久保の入った箱を持ち、陽子と共に屋上へと逃げた。
二人は死ぬつもりだ。一同は二人を追いかけた。

箱の中の久保にはまだ意識があった。
箱の中には美馬坂の言うような夢の世界はなく、ただ暗く、息苦しく、機械の音だけが聞こえる生き地獄だった。
「これは魍魎の匣だ」と気が付いた久保は、自分を騙した美馬坂を強く憎んだ。
そのとき、箱のふたが開いた。

木場たちが屋上へ追いつくと、美馬坂は死んでいた。首には小さくなった久保が噛みついている。久保は首を絞められて死んでいた。久保を引きはがそうとした陽子が絞めたのだった。
陽子は刺してしまった木場に謝罪し、木場の手で逮捕された。木場が「悪党、御用じゃ」と、陽子の演じた役の台詞を言うと、陽子は憑き物の落ちたような顔をした。

後日、中禅寺のもとに一同が集まっていると、釣り堀を経営している伊佐間(いさま)が訪ねてきた。伊佐間は旅行先の物部神社で、奇妙な男に出会ったという話をした。
大事そうに箱を抱えた男は神社のお祭りを見物しており、箱に向かって嬉しそうに話しかけていた。不思議に思った伊佐間が声をかけてみると、男は箱の中身を見せてくれた。
箱の中には黒い干物のようなものが入っていたという。

ストーリーの時系列

8月15日:加菜子が人身事故に遭う。
8月16日:加菜子が美馬坂近代医学研究所へ運ばれる。
8月25日:加奈子誘拐の脅迫状を木場が発見する。
8月30日:相模湖で加菜子の両脚が発見される。
8月31日:加菜子が誘拐される。須崎死亡。
9月2日:雨宮が指名手配される。
9月6~20日:久保によるバラバラ事件。
9月20日:柴田耀弘死去。
9月22日:榎木津が依頼を受ける。
9月25日:頼子の捜索願が出る。
9月27日:頼子の両腕が発見される。
9月28日:中禅寺が御筥様を訪問。頼子の遺体が発見される。久保逃亡。
10月1日:久保の両手足が発見される。美馬坂近代医学研究所で中禅寺の憑き物落とし。美馬坂・久保死亡。陽子逮捕。
10月8日:伊佐間が雨宮を見かける。

『魍魎の匣』の登場人物・キャラクター

主要人物

中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)

tomorrou
tomorrou
@tomorrou

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『カードキャプターさくら』、『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』を始め数々の漫画作品及びそれを基にしたアニメなどを世に送り出している女性漫画家集団・CLAMP。CLAMP作品の中には個性的なキャラクターが描かれており、スターシステムを採用することによって作品の垣根を越えて一人の登場人物が複数の作品に登場したり、共通した考え方、背景や設定を共有することが多くある。この記事ではキャラクター同士・作品同士の関連性を考慮しながら、CLAMP作品のスターシステムについて解説する。

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xxxHOLiC(ホリック)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

xxxHOLiC(ホリック)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『xxxHOLiC』とは、CLAMPによる漫画およびそれを原作としたアニメ。幽霊や妖怪などが多く登場するオカルト色の強い伝奇ファンタジー作品。自身の特異体質に悩む四月一日(わたぬき)は対価と引き換えに願いを叶える店を営む魔女・侑子と出会い、半ば強制的に彼女のミセで働くことになる。様々な受入れ難い過酷な現実に向き合いながら、四月一日が何を選び生きていくのかが物語の主軸となっている。また『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』と物語が連動しており、本作の見どころの一つとなっている。

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BLOOD-C(ブラッド シー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

BLOOD-C(ブラッド シー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

アニメ制作会社「Production I.G」と漫画家集団「CLAMP」の両名が手掛けた、全12話のオリジナルアニメである。 学園を主要な舞台としているが、ごく普通の日常にも関わらず違和感のある、現実感のない日常描写という雰囲気作りが意図的にされている。 主人公の女子高生「更衣 小夜」が日中は学校に通いつつ、人知れず人間を襲う怪物と戦いを続けるアクションアニメである。

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ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-(ツバサ・クロニクル)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-(ツバサ・クロニクル)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』とは、CLAMPによる異世界冒険活劇漫画およびそれらを原作としたアニメ作品。考古学者の卵である小狼は、飛王・リードの陰謀により羽根となって様々な異世界へ飛び散ったサクラ姫の記憶を取り戻すべく、魔術師のファイ、忍者の黒鋼、記憶を失ったさくら、そして『xxxHOLiC』の主要人物でもある次元の魔女・侑子によって創られたモコナと共に次元を超えた旅を始める。一行を待ち受けていたのは、飛王の野望の為に用意された過酷な旅路であった。

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X(エックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

X(エックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『X』とは、CLAMPによって1992年から『月刊ASUKA』にて連載が開始された漫画。 劇場版やアニメが公開され、ゲーム等も発売された。不定期更新中で現段階では休止中。 劇中には他のCLAMP作品のキャラクターも登場している。 ストーリーの内容に生死の選択がありグロテスクなシーンやBL要素を含む描写もある。 主人公の神威は母の遺言により幼い頃に過ごしていた東京に戻ってきた。 神威は地球の未来を左右する運命を背負っており、幼馴染の封真や小鳥も戦いに巻き込まれていく。

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カードキャプターさくら(クリアカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

カードキャプターさくら(クリアカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードキャプターさくら』とはCLAMPの魔法少女漫画作品。ひょんな出来事から魔法少女となったさくらが身の回りに起こる不思議な出来事に立ち向かいながら成長していく物語。前編では主人公のさくらが魔法のカードを集めを完了し、すべて自分のカードにしたところで物語は完結している。本編ではその続きとして、自分のものとしたはずのカードが透明になって魔力を失い、また同時に不思議な出来事を解決する度に新たな透明の魔法のカードが現れ始めるという新たな現象を主軸に物語が描かれる。

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魔法騎士レイアース(第二章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(第二章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(マジックナイト・レイアース、Magic Knight Rayearth)とは、1993年11月から少女漫画雑誌「なかよし」にて連載が開始されたCLAMPによる漫画およびそれを原作としたアニメ作品。今回は第一章で主人公たち光・海・風が使命を果たした後、東京に戻ってきて再びセフィーロへ向かうところからの物語である第二章について紹介する。

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ちょびっツ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ちょびっツ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ちょびっツ』とはCLAMPによるSFラブストーリー漫画とそれを原作にしたアニメ作品。少女の容姿をしたパソコンと機械には疎い青年が織り出す恋愛模様を描いている。パソコンが人型で普及している東京で浪人生の本須和秀樹はバイト帰りにゴミ捨て場で人型パソコンの「ちぃ」を拾うがソフトが何もインストールされておらず、全てが謎に包まれていたパソコンだった。友人と共にちぃの素性に迫っていくうちに、プログラム通りに行動するパソコンとは違うChobitsという特殊なパソコンではないかという疑念が生まれる。

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こばと。(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

こばと。(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『こばと。』とはCLAMPによる人間界を舞台としたローファンタジー漫画、及びそれを原作とするアニメ作品。花戸小鳩が「行きたい所へ行く」という願いを叶えるため、人々を癒すことで得られる傷ついた心を集めようと奮闘する物語。後半では主要人物らによる三角関係も描かれておりラブストーリーの要素も強い。純粋なこばとは様々な人々と出会うことで、今の自分にとって一番大切なものは何なのか考えるようになる。登場人物それぞれに複雑な過去があり、それらのことを踏まえて最後にこばとが何を願うのかが見どころとなっている。

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カードキャプターさくら(CCさくら)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

カードキャプターさくら(CCさくら)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードキャプターさくら』とは人気漫画家集団CLAMPによって講談社刊の月刊雑誌『なかよし』で、1996年~2000年に渡って連載されていた少女漫画および、それらを原作としたアニメ作品である。強大な魔力を秘めた「クロウカード」の封印を解いてしまった小学生・木之本桜が、クロウカードの守護者・ケルベロスと協力しながら、クロウカード集めに奔走する。

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『カードキャプターさくら』原作漫画とアニメの違いまとめ

『カードキャプターさくら』原作漫画とアニメの違いまとめ

カードキャプターさくらは1996年に、月刊少女雑誌「なかよし」で連載された。小学4年生のさくらがカードキャプターとして、身の回りに起こる不思議な出来事を解決していく話だ。20年経った今でも根強い人気を誇る。連載から2016年には、続編であるクリアカード編の連載がスタート。クリアカード編を機に、漫画を買った者も多い。アニメしか見たことしかない者には、漫画を読むと異なる点が多くある。カードキャプターさくらの原作漫画とアニメでの違いを解説していく。

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魔法騎士レイアース(第一章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(第一章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(マジックナイト・レイアース、Magic Knight Rayearth)とは、1993年に連載が開始された漫画家集団CLAMPによる漫画およびそれを原作としたアニメ作品。舞台は主人公、光・海・風が召喚された異世界「セフィーロ」。そこで世界の柱であるエメロード姫を捕らえた神官ザガートを倒すため数々の試練をくぐり抜けていく物語である。今回は漫画版1(アニメ第一章)について紹介する。

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カードキャプターさくら(クロウカード編・さくらカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

カードキャプターさくら(クロウカード編・さくらカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードキャプターさくら』とはCLAMPの魔法少女漫画作品。ひょんな出来事から魔法少女となったさくらが、封印を解かれ様々な出来事を巻き起こす魔法のカードたちに立ち向かいながら成長していく物語。主人公のさくらは毎回違うバトルコスチュームを着ていたり、魔法を発動している様子が美しく描かれたりすることから、作品作りの細やかさに定評がある。また作中には性別や年齢による立場の違いなど一般的な価値観に捕らわれない恋愛が多く登場しており、前衛的な作品とも評される。

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テレビでは放送されなかったツバサ・クロニクルの物語

テレビでは放送されなかったツバサ・クロニクルの物語

かつてNHK教育放送で夕方の時間に放送されていたCLAMP原作の「ツバサ・クロニクル」。 しかし、結局多くの謎が解決されないまま、テレビアニメの放送が終了した。 原作漫画は28巻もあり、テレビで放送された部分はその半分にも満たない。 テレビで放送されなかった部分は、DVD化、あるいはネット配信となっている。 そんなツバサ・クロニクルの後半部分についての解説。

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CLOVER(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

CLOVER(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『CLOVER』とは、CLAMPが雑誌『Amie』に1997年から1999年にかけて連載したファンタジー作品および、それをもとにした映画作品である。機械技術が発達したサイバーパンク風の世界を舞台に「クローバー」と呼ばれる特殊能力を持つ少年少女達を巡る連作長編。この世で最強の能力を持つ「四つ葉」の少女スウ、「三つ葉」の双子兄弟CとA、自分の死んだ日が分かる「一葉」の歌姫織葉、そして「クローバー」と関わる人間達の物語である。時系列は現在から過去に遡るという構成になっている。

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東京BABYLON(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

東京BABYLON(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『東京BABYLON』とは、CLAMPの漫画及び漫画を原作としたアニメ。伝奇ファンタジー作品でありながら、人々の悩みや孤独をリアルに描き出した社会派作品とも評される。1980年代を彷彿とさせる東京が舞台。そこで起こる怪奇現象に優しい心の持ち主である皇昴流が自らも傷つきながら陰陽術を使って立ち向かっていくストーリーでとなっている。主要人物としては他に昴流の双子の姉である北都と昴流に想いを寄せている獣医の桜塚星史郎がおり、この三人の行きつく悲劇的な結末は衝撃的なものである。

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Wish(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

Wish(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Wish』とはCLAMPの漫画であり、『月刊ミステリーDX』で連載されていた。連載期間は1995年~1998年まで。全4巻。病院で外科医をしている栩堂琇一郎(くどうしゅういちろう)が帰宅途中、琥珀(こはく)という名の天使をカラスにいじめられているところから助け出す。その御礼に琥珀は何でも願いを叶えると言い出し、そのまま琇一郎の家に居候することに。そこから多種多様の天使・悪魔達も交わり慌ただしく過ぎていく毎日だが、2人には衝撃的な運命が待ち構えていた。人間と天使のラブファンタジー漫画。

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カードキャプターさくら(CCさくら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『カードキャプターさくら』とは、CLAMPによる日本の漫画作品である。1996年6月号から2000年8月号まで、少女漫画雑誌『なかよし』にて掲載され、単行本は全12巻まで発売された。アニメやゲーム化もされている大人気作品である。 主人公・さくらが父親の書庫で不思議な本を発見する。本を開くと封印が解かれ、中からケルベロスという封印の獣が現れ物語がスタートする。本に封印されたカードを取り戻すため、さくらは「カードキャプター」として奮闘する。

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聖伝-RG VEDA-(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

聖伝-RG VEDA-(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖伝-RG VEDA-』とは、女性漫画家集団CLAMPが1989年から1996年まで『月刊ウィングス』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。古代インドの神話の世界が基になっている。夜叉王と阿修羅王が「天を滅ぼす」との予言を実現させるため、六星を探す旅に出る。CLAMPの商業デビュー作でありながら、美麗な絵柄や壮大なストーリーが多くのファンを虜に、今もなお根強い人気を誇る作品である。

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魔法騎士レイアースの魔法・呪文・必殺技まとめ

魔法騎士レイアースの魔法・呪文・必殺技まとめ

『魔法騎士レイアース』とは、異世界に召還された少女達の戦いを描いたCLAMPによるファンタジー冒険漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品。 日本の女子中学生・獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の3人は東京タワーから異世界セフィーロに召還され、魔法戦士としてセフィーロを救うために戦いを始める。 セフィーロには魔法が存在しており、召還された魔法戦士やその世界に住む人々が戦いの中で使う。それぞれの属性に適した魔法があり、作中では様々な魔法の呪文や必殺技が登場する。

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カードキャプターさくら(CCさくら)の呪文・魔法まとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)の呪文・魔法まとめ

『カードキャプターさくら(CCさくら)』とは、強力な魔力を持つ少女さくらを主人公とした、漫画家チーム「CLAMP」の漫画作品。大魔術師クロウ・リードが遺した魔法のカード「クロウカード」を封印するべく、魔法少女さくらが奮闘し、魔術師として、ひとりの人間として成長していく物語。 作中にはさくらを含めた様々な魔術師が登場し、魔法を使う。さくらが杖を解放する「レリーズ!」や、占い、攻撃、魔法を使った移動法など、あらゆる場面で魔法が使われることで物語が進んでいく。

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カードキャプターさくら(CCさくら)のカードまとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)のカードまとめ

『カードキャプターさくら』とは、漫画家集団のCLAMPによる少女漫画およびそれを原作としたアニメ作品のことである。主人公の少女・木之本桜(きのもと さくら)が、強大な魔術師により作られたカード・クロウカードの封印を解いてしまった事をきっかけに起こるさまざまな問題を仲間達と共に解決しながら、散り散りになったカードを集めていく。作中にはクロウカード・さくらカード・クリアカードの3種類のカードが登場する。

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20面相におねがい!!(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

20面相におねがい!!(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『20面相におねがい!!』とは、CLAMPによって1989年から1991年まで『コミックGENKi』で連載された作品。 『CLAMP学園探偵団』、『学園特警デュカリオン』とともに「CLAMP学園三部作」の一つであり、シリーズ第一作目である。 「怪人20面相」の顔を持つ小学生の主人公・伊集院玲と偶然出会った幼稚園児の令嬢・大川詠心の二人を通して描かれるラブコメディ。 2012年には角川書店より愛蔵版が出版されている。

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合法ドラッグ/ドラッグ&ドロップ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

合法ドラッグ/ドラッグ&ドロップ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『合法ドラッグ』『ドラッグ&ドロップ』とは、主人公らが謎の依頼を解決していくCLAMPのサイキックサスペンス漫画。物語は栩堂風疾が家出をしてきて雪降る夜に街中で倒れていたところを火群陸王に助けられるところから始まる。風疾は陸王の下宿先であるみどり薬局に連れてこられたことで店主・花蛍と斎峨に出会い、住み込みで陸王と共同生活をしながらみどり薬局での仕事と摩訶不思議な依頼に対応するもう一つのバイトをし始める。謎の依頼をこなしていくとともに、風疾、陸王の抱える不吉な過去とその運命が描かれる。

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CLAMP学園探偵団(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

CLAMP学園探偵団(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『CLAMP学園探偵団』とはCLAMPの漫画及びアニメ。小学生3人が織りなす探偵コメディ漫画である。漫画は『月刊Asuka』、『ミステリーDX』で1992年1月から1993年10月まで連載。全3巻。気球で視察をしていたCLAMP学園初等部学生会会長・妹之山残(いものやまのこる)は、東京タワーの窓に涙を流している老婦人を発見。フェミニストである彼は彼女の涙の理由を解決すべく、書記・鷹村蘇芳(たかむらすおう)、会計・伊集院玲(いじゅういんあきら)を加えたメンバーで探偵団を結成する。

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新・春香伝(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

新・春香伝(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『新・春香伝』(しん・しゅんかでん)とは、CLAMPが雑誌『セリエミステリーSPECIAL』に1992年10月20日号から1994年2月20日号にかけて連載したファンタジー作品、およびドラマCD作品である。朝鮮に伝わる『春香伝』(しゅんこうでん / チュニャンヂョン)を下敷きに、武術が得意な少女春香(チュニャン)と旅人の青年夢龍(ムロン)の出会い、悪政を行う両班達に対し共に立ち向かう姿が描かれる。

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すき。だからすき(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

すき。だからすき(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『すき。だからすき』とは、女子高生・旭ひなたと臨時教師・麻生史郎の恋愛を描いたCLAMPの漫画。とある事情から一人暮らしをしている主人子のひなたは、隣に引っ越してきて更に彼女の高校の臨時教師となった麻生に好意を抱き始める。純粋無垢なひなたは想いが募ってくいくにつれてはっきりと自分の気持ちを麻生に伝えていく。しかし麻生は過去のトラウマが理由でひなたとの関係に一線を引いているのであった。最終的にクールでそっけないがどこか優しい麻生の心を開くことに成功し、ひなたの恋が実るのかが見どころとなっている。

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不思議の国の美幸ちゃん(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

不思議の国の美幸ちゃん(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『不思議の国の美幸ちゃん』とはCLAMP作品の漫画及びOVAアニメ。奇妙な世界に迷い込みやすい性質を持った主人公の美幸が、さまざまな異世界に迷い込み、不可思議な女性キャラクター達にひたすら服を脱がされそうになったりするなど、お色気要素や百合展開のあるファンタジー艶笑コメディ。初期の2エピソードはルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリスが』元ネタとなっており、美少女・美女化したキャラクターが次々と登場するパロディのほか、同一作者による別作品が題材になっているものもある。

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白姫抄(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

白姫抄(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『白姫抄(しらひめしょう)』とは、CLAMPが光文社から1992年に出版した全編描き下ろしのファンタジー作品である。雪を司る美しい女神「白姫(しらひめ)」の伝承をもとに、プロローグとエピローグを挟み、雪の季節を舞台にした三編のオムニバスの物語が収録されている。 雪の降る中、一人の男が白い着物姿の女性と出会うところから始まる。「雪が降る日は白姫が泣いている」という白姫の伝承と共に雪の季節を舞台に人間と獣の間で起こった物語、恋人達の悲恋の物語が綴られる。

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わたしのすきなひと(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

わたしのすきなひと(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『わたしのすきなひと』とは、『ヤングロゼ』(角川書店)にて休載を挟みながら連載されたアンソロジーコミック。作者は『カードキャプターさくら』などで有名な4人組の日本の女性漫画家グループ・CLAMP。1995年に同社からヤングロゼコミックスDXのレーベルで単行本が発売された。毎話異なる主人公が経験する恋愛エピソードを、短編漫画と作者のエッセイで綴った恋愛オムニバス作品となっている。コミック原作とエッセイは大川七瀬が、コミック作画は猫井椿が担当している。

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【厳選】おすすめ面白いミステリー・推理小説20選!新旧の本格ミステリー作家大集合!

【厳選】おすすめ面白いミステリー・推理小説20選!新旧の本格ミステリー作家大集合!

ミステリー・推理小説は、小説ジャンルの中でも人気が高い。殺人・盗難・誘拐・詐欺などの犯罪の発生し、その事件を合理的に解決するまでの内容が描かれており、クライマックスで真相が明かされた際に読者には大きな満足感を与えてくれる。また事件に巻き込まれた人々の深層心理が細やかに描かれているところも魅力だ。 この記事では、宮部みゆきや京極夏彦など、新旧の本格ミステリー作家の作品の中からおすすめの20作品を紹介する。

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