サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER(平ゼロ)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』(通称平ゼロ)とは『仮面ライダー』と並ぶ石ノ森章太郎の代表作『サイボーグ009』の3作目のTVアニメ。サイボーグに改造されてしまった009こと島村ジョーがそれぞれ違った特殊能力を持つ仲間と共に世界中で暗躍する「黒い幽霊団(ブラックゴースト)」と戦う。2001年10月から2002年10月まで全51話が放送された。

CV:石塚運昇

地下帝国「ヨミ」編に登場する。ブラックゴーストの最高幹部でスカールの部下。表向きは三友工業とよばれる企業の会長をしているが、サイボーグである。ザッタン人が支配していた地下帝国「ヨミ」を侵略した後、プワ=ワーク人たちを支配する。加速装置に加え、伸縮が効く腕、周囲の風景と同化する迷彩服、眼窩には熱線を発射する機械の眼球を装備し、スーパーガンの熱線を受けてもそのエネルギーを吸収し、放出する能力を持つ。プワ=ワーク人であるヘレンの妹をゼロゼロナンバーたちのスパイとして利用し、スパイとしての利用価値がなくなると殺害した。009は何度かボグートと戦ったが太刀打ちできなかった。最終決戦でも加速装置を用いて目にもとまらぬ速さで009と激闘を繰り広げるが、009とボグートの加速装置を聞き分けた004の手によって倒される。

総統

CV:上村祐翔、来宮良子、内海賢二

魔神像の中にあるブラックゴーストの本体。3つの人間の脳髄が魔人像を動かしており、魔神像の表面からは高熱の熱線を放ち、脳の周囲には先端から熱線を放つ触手状の機材が装備されている。壮年男性・女性・子供とおぼしき口調で話し、生まれながらにして争いを好む「人間の象徴」であると主張する。

『サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「僕たちはブラックゴーストに鎖でつながれている。だけどその鎖を自分たちの力でよい絆に変えることだってできるかもしれない」

第1話の001のセリフ。ブラックゴーストに反旗を翻したサイボーグ戦士たちについていくかどうかを迷うジョー。そんなジョーに対して001は「決めるのは君自身だよ」と言う。サイボーグ戦士たちはそれぞれに過去をもち、誰一人として望んでサイボーグになってはいない。貧しさや苦しみのある生活のなかでブラックゴーストに唆されてサイボーグになった戦士や、夢をもっていたのにサイボーグによって捨ててしまった戦士もいる。そんな重たい過去をそれぞれの戦士はもっているが、それを「絆」に変えることもできるというセリフがサイボーグ戦士の中でも最も幼い001から出てきたのが印象的なシーン。

あとは勇気だけだ

ミュートスたちに苦戦を強いられるゼロゼロナンバーたち。好戦的なアポロンに目をつけられてしまった009はアポロンの攻撃をかわすので精いっぱいで攻撃をすることができない。「どうした、お前には加速装置だけか?」と言うアポロンに対し、「あとは勇気だけだ!」と言い返す009。

ミュートス・サイボーグ編でアポロンに苦戦を強いられるジョーが言った言葉。平成版サイボーグ009の名言として取り上げられることが多い言葉。「どうした、お前には加速装置だけか?」とアポロンの挑発をうけたジョーが「あとは勇気だけだ!」と返す。ブラックゴーストたちは組織の裏切者であるゼロゼロナンバーたちに対し、性能のいいサイボーグたちを送り込んでは窮地に追い込む。そのたびにゼロゼロナンバーたちは時に自分を犠牲にしてでも仲間を助け、ブラックゴーストと戦うための勇気、そしてやむを得ずブラックゴーストに加担してしまった人たちを守ろうともしている。「あとは勇気だけだ」という言葉はそんなゼロゼロナンバーたちを表現した言葉である。

「本物の博士が オレを相手にこんなバカな実験するかよ」

自分と姿かたちがそっくりのサイボーグと戦うアルベルト・ハインリヒ(004)。004の行動をプログラムする偽物は004を窮地に追い込む。しかし兵器にはなく人間にはある「感情」によって形勢は逆転する。004の行動が読めなくなってしまった偽004は004によって破壊される。

ゼロゼロナンバーたちの中でも004ことアルベルト・ハインリヒは人気のキャラだ。自由を求めてベルリンの壁を恋人ヒルダと共に越えようとしたところ、銃撃され、瀕死の状態となったところをブラックゴーストに身体のほぼすべてを改造される。生身の部分はほとんど残っていない004は身体に対して人一倍思いが強い。
「機々械々」は004が主人公の話である。ギルモア博士に依頼され、廃墟と化した古城へと調査をすることになるが、自分の姿とそっくりの形をした偽物が現れる。偽004は004と同じ能力をもち、動きをプログラムして004に攻撃を仕掛けてくる。偽物に行動を読まれ、苦戦を強いられた004の前に立ちはだかったのは、かつて彼の身体をサイボーグへと化したギルモア博士だった。ギルモア博士は「最先端のロボット(偽004)を作り、旧式のままである004とどちらか優れているのか」という実験をしているのだという。なぜ兵器としてレベルアップをしないのかというギルモア博士の問いに対し、004は「俺は兵器じゃない」と反論する。「兵器でもなければ人間でもない半端なままでいるより、兵器として生きたほうが潔いと思わんかね?」と004に言い、去っていくギルモア博士。再び偽004は004に攻撃を仕掛け、004は満身創痍の状態となる。そんな時、004たちの頭上から廃墟に住み着いているフクロウのヒナたちがいる巣が落下してきた。それを守ろうとした004の行動を偽004は予測することができずなかった。一度予測できない行動をしたことによって偽004は004の動きを読むことができず、形勢は逆転し、004は偽004を打ち破ることに成功する。また偽004と共に現れたギルモア博士も偽物であることを見破った。
身体のほとんどを機械へと変えられてしまった004は人間味があり、情の深い人物として描かれている。味方になったとはいえ、かつて自分の身体のほとんどをサイボーグへと作り変えてしまったギルモア博士に対して、厚い信頼を寄せているのがわかるシーン。

お母さんに会えますように

七夕の日、ジョーは「アリス」と名乗る不思議な少女と出会う。アリスはジョーと交わした昔の約束を果たしに来たというが、ジョーには見当がつかない。そして夜になってアリスはジョーに「一番会いたい人のことを願うのよ」と言い、時間を飛ばし、ジョーを過去の世界へと送り込む。過去の世界についたジョーは少女がもっていた笹に括りつけた短冊の願いを見る。「おかあさんにあわせてください」と願う少女はジョーの母の幼い頃の姿だった。

七夕の日、ジョーは一人で旅に出ていた。旅先で「アリス」と名乗る不思議な少女と出会う。アリスはジョーの名前を知っており、約束を果たすためにジョーの前に現れたという。「時間を飛ぶことができる」と言うアリスに一日振り回されるジョー。夕方になりアリスは幼い頃のジョーと交わした、「あなたが一番望んでいることをかなえてあげる約束」を果たすという。約束を果たすためには、時間と時間をつなぐものが必要だというアリスについていくジョー。それは七夕の夜なのだとアリスはいう。アリスが言う「望んでいるもの」が全く見当がつけられないジョーだが、満天の星空に無数に流れる星を見ながら「一番会いたい人のことを思うのよ」と言うアリスの言葉でジョーは一番会いたい人のことを想う。アリスが飛ばせたのは何十年も前の七夕の夜。ジョーは幼い子供たちが願いが書いてある短冊をくくりつけた笹を川に流そうとしているところに行きあう。その子どもたちの中にいた女の子が持っていた笹の短冊には「お母さんに会わせてください」と書いてある。「お母さんに会えるといいね」とジョーが女の子に言ったその時、満天の星空に無数に流れる星が見えた。アリスが言っていた「つなぐもの」は夜空に無数に流れる星であり、女の子はジョーの母だった。幼い頃の母に出会ったジョーの目には涙が浮かぶ。
サイボーグ009の全編の中でも理解するのが難しいストーリー。アリスは一体何者だったのかというのは最後まではっきりわからない。孤児院でずっと育ってきたジョーにとって母が彼にとってどういう存在なのかは詳しく語られない。だが37話「星祭りの夜」でジョーはずっと母に会いたがっていたことがわかる。またジョーの母もまたジョーと同じく自分の母を恋しく思っており、親子で母親のいない寂しさを引き継いでいるというのが胸に詰まってくる。

「004、あなたの名前、教えてくれない?」

最初はブラックゴーストと繋がっているのではないかと疑われ、004と衝突していたビーナだったが、次第に004に惹かれていく。しかし、ブラックゴーストに捕まってしまい、ビーナも004も処刑されそうになる。ビーナは004に「貴方の名前、教えてくれない?」と言う。004は「こんな時に何を…!」と言いつつも、ビーナに名前を教えるとビーナは「アルベルト・ハインリヒ」と004の名前を呼ぶ。

地下帝国でブラックゴーストに処刑される間際にビーナが004に言ったセリフ。最初、ビーナは004からブラックゴーストとつながっているのではないかと疑われ、二人は衝突していたが、ゼロゼロナンバーたちのために身を挺したビーナの姿を見て、004は態度を改める。2人は次第に惹かれ合うようになったが、ビーナの妹であるダフネの裏切り、他のゼロゼロナンバーたちもザッタン人、ブラックゴーストに捕まってしまい、004とビーナも窮地に追い込まれ、ブラックゴーストに捕まってしまった。お互いに惹かれ合っているのに、引き裂かれてしまった004とビーナ。004の本当の名前を知ったビーナが004という呼称ではなく「アルベルト」と呼ぶ姿、またビーナがバン・ボグートに殺されてしまった後、ビーナの涙をそっとふく004の姿が印象的なシーンである。

神よ、生まれてはじめてあなたに祈ります

001からは「無理だ」と止められるが、「やってみなければわからない」と言い、自分のことを顧みずに、魔人像に送り込まれてしまった009を探しに行く002。だが009が見つかる可能性も、また仲間の元に無事に戻って来られる可能性も極めて低い。わずかな可能性でも信じようとする002は「神よ、生まれて初めてあなたに祈ります」と言う。

ブラックゴーストの本体である魔神像に単身送り込まれた009を助けにいく002のセリフ。魔神像は001の力が及ばない成層圏に到達していた。魔神像を倒しても成層圏にいってしまっては009はもう助からないかもしれないと思った003は泣き崩れ、他のゼロゼロナンバーたちも茫然となる。そんな中、少しでも助かる可能性があるならと002は成層圏に向かって飛ぶ。助けにいったものの009を救い出せる可能性は非常に低く、また助けに行った002も無事に戻れるかどうかはわからない。そんな中で「神よ、生まれて初めてあなたに祈ります」という002のセリフが出てくる。
熱血漢で曲がったことが嫌いな002ことジェット・リンク。彼は18歳でブラックゴーストに改造されるまではニューヨークのスラム街で生きていた。過酷な状況の中で、自分の力でずっと生きてきた彼にとって神というのは最も縁がなく、信じるに値しない存在であったはずだ。空を飛ぶことができるという他のゼロゼロナンバーにはない能力を持っている002は009を助けに行くことをためらわなかった。そんな強さをもつ彼が神にもすがる思いで009を助けにいく姿に胸を打たれる。

「確かに人間の本性は悪かもしれない。だがそれだけじゃない。人は悪を越える何かをもっている

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