ロボット刑事(Robot Detective)の名言・名セリフまとめ

『ロボット刑事』とは、1973年に放映されたテレビ番組の原作であり、『仮面ライダー』や、『サイボーグ009』で有名な石ノ森章太郎が描いたSF漫画でもある。
物語は、優れた科学技術で作られた謎のロボット「K」が、機械嫌いのベテラン捜査官・芝刑事とコンビを組んで、悪人にロボットを貸す謎の組織「R・R・K・K」の正体を追うというものである。
ロボットでありながら人間の心を持つKを中心に様々な名言が生まれている。

『ロボット刑事』の概要

『ロボット刑事』とは、1973年に、石ノ森章太郎が描いたSF漫画である。漫画を原作として、約3ヶ月後に東映の特撮番組としてテレビで放映された。

当時の特撮ヒーローとしては珍しく、主人公のロボット「K」は「キカイダー」や「仮面ライダー」のように変身する事は無く、ロボットの姿のままで活躍するのが特徴である。

そのため、Kは感情を持ったロボットでありながら、作中ではほとんど表情を変えることはなく、他人とのコミュケーションや感情表現は、言葉や仕草のみで表現されている。そしてまったくの無表情で、他人から内面を読み取ることができないので、芝をはじめとして、大半の人間から信用されておらず、Kの孤独感は強調されている。

Kの言葉には、ロボットと人間との境に苦悩する言葉が多く、一方、Kのパートナーである芝刑事の言葉には、利便性や合理性に惑わされて、「人間」を見たり理解することを怠ってしまうことの愚かさを説くものが多い。

漫画と特撮の違いは、特撮版だと、普段Kは、ハンチング帽をかぶり服を纏った姿でおり、戦う際は服を脱ぎ体に内蔵された武器を使って戦うが、漫画版のKはめったに服を脱ごうとせず、科学分析や情報収集を得意とし、武器は最終回を除いて銃だけを使う。

敵対組織の名前も違っており、特撮版では「バドー」という名前の組織だが、漫画の方は「R・R・K・K(ロボットレンタル株式会社の略)」となっている。しかし、ロボットを悪人に貸すことにより悪事に加担して金銭を受け取るという、当時の悪の組織にしては珍しくビジネスを行動原理にするという点は同じである。

又、特撮版がヒーローものであるのに対し、漫画版は、硬派な刑事ものにSF要素を組み込んだ作風となっている。

物語は、警視庁に勤める古株の刑事・芝が、上層部の命令でロボットの刑事「K」とコンビを組んで特捜班をつくるところからはじまる。

警視庁では、近年迷宮入りとなる事件が多数発生したために、最先端の科学捜査や電子頭脳による分析能力を持ったロボット刑事「K」を捜査に導入することを決定した。

Kとコンビを組むのは、警視庁のベテラン刑事で、実績のある芝となったが、機械嫌いの芝はKとコンビを組むのを嫌がった。しかし、上層部にいる芝の同期、橋本の説得により、Kと渋々コンビを組むことにした。

そんな時、多摩川で殺人事件が発生した。アベックが襲われ、女性の方が殺されたというのだ。芝がKと供に現場に急行すると、怪我をした男が事情聴取を受けており、その傍らには男の恋人である女性の遺体があった。彼の証言によると、恋人とデートをしていた時に4〜5人のチンピラに絡まれて、彼女を殺されてしまったということだった。しかし、遺体を分析したKは、犯人が恋人を車の中で殺し、偽装工作のために現場に遺体を置いたのだと見抜いた。そしてKは、自分に内蔵されている嘘発見器によって、男が嘘の証言をしているとわかった。

犯人はチンピラではなく男の方であり、彼は自分の恋人が邪魔になっていたので、彼女を殺してしまったのだ。

芝は、Kが現代の科学技術水準を遥かに上回った能力を持っているとわかり、橋本にKの正体を問いただした。橋本が言うには、Kは警視庁が開発したロボットではなく、何者かに作られて、警視庁に送られたロボットであるとのことだった。

その何者かは、Kを送る前に総監宛に一通の手紙をよこした。その内容は以下の通りであった。

「まもなく、あなたがた警察の手に負えないようなおそろしい事件が続発する可能性がございます。そのときのためにロボットを一体お送りします。それは人間の思考もでき、且つあらゆる科学捜査用のメカニズムを組み込んだロボットですが、どうかわたくしを信じて、ロボット刑事としてお使いいただきたいと存じます」

やがて、その手紙の予言が当たり、ロボットを使った犯罪事件が勃発するようになった。その事件の背後には、悪人にロボットを貸して、犯罪の支援をする謎の組織「R・R・K・K」の存在があった。

Kは事件を通じて様々な人間とロボットと出会う。人間の心を持つKは、人間とロボットの狭間で苦悩する事となる。そんなKを中心に様々な名言が生まれている。

Kの名言・名セリフ

K。犯罪捜査のための科学分析マシンから、戦闘用の武器まで内蔵されたロボット刑事。
警視庁の刑事、芝とコンビを組み、彼の家で下宿することになる。芝からは煙たがられているが、彼の2人の娘達とは仲良くなる。

「ぼくはきっとお役にたつと思います あなたはむかしの探偵が虫メガネを使ったように、ぼくを使ってくださればいいのです」

本編の序盤でKが最初に芝に言ったセリフである。

芝が上司から辞令を受けてKと組むことになった時、機械嫌いの彼はKを化け物呼ばわりし、ロボットと共に捜査するのを屈辱と受け取った。その時Kが、芝に「すみません」と謝った後に、見出しのセリフを言ったのである。

セリフからもわかるように、Kは芝が自分のようなロボットに対して悪感情を抱いていることを察知して、下手に出ているのである。Kは人の感情をある程度理解できるほど優れた電子頭脳を持っているが、それがゆえに繊細な性格となってしまい、人間とロボットである自分との境界に悩まされることになる。

そして、優秀なロボットであるがゆえに周囲から孤立してしまい、人間のことを理解しようとすればするほど、人間の複雑な感情に翻弄されていくようになってしまうのだ。

芝がKの繊細な性格を知るのはずっと後であり、出会った頃はKに心ない言葉ばかり言っていた。

「はは まざー おかあさん おふくろ おっかさん まま…にんげんは ははをいろいろに呼ぶ ははおやはひとりなのに」

Kが芝を巨大な女神像型の移動要塞型ロボット「マザー」に会わせた後に書いた詩である。

芝は、R・R・K・Kがすぐれたロボットを造り出していることから、Kを造って警視庁に送り込んだ者もR・R・K・Kの人間で、Kは警視庁に送り込まれたスパイではないかと疑ったのだ。

Kは自分を造った者を「おふくろさん」と呼んでいた。KのおふくろさんをR・R・K・Kの手先と疑った芝は、Kを強引に説得して、おふくろさんに会わせるようにした。

おふくろさんの潔白を証明するためにも、Kは芝をおふくろさんがいる海岸まで連れて行った。すると海から現れたのは巨大な女神像型の移動要塞「マザー」であった。

Kはこのマザーの内部で「おふくろさん」に造られたが、彼は「おふくろさん」と一度も会ったことがなく、会話はすべてマザーを介して行っていたので、マザーをおふくろさんだと思っていた。

KはマザーにR・R・K・Kとの関係性を聞いたが、マザーは何も言わずに再び海の中へ行ってしまった。

Kが、文学を読んだり詩を書いたりしているのは、人間を知るためである。上記の詩には、Kの母性への憧れが込められている。その一方で、ロボットである彼は、人間がなぜ、母親の呼称をいくつも持っているかを理解することができなかった。人間とロボットの思考の違いを現している言葉でもある。

「人間の現代の日本人の行動は…金でコントロールされています…! 金のためならどんな非常識なことでも…あさましいことでもやるんです!」

Kが殺人事件の推理をして、犯人を見破ったときに言ったセリフである。

大金持ちの大里氏の豪邸で殺人予告があり、大里氏は警察に警備を頼んだが、厳重に警戒されている中で大里の義母が殺されて、その次は妻が殺された。

Kと芝刑事が現場に駆けつけると、Kはわずかな手がかりから、R・R・K・Kのロボットがやった犯行であると見抜く。そして、犯人に気付かれないように単独で行動し、犯人の使っていたロボットを捜し当てた。それは体を分解して、換気口から侵入できるロボットであったのだ。そして、Kが推理を披露した直後に大里の娘が殺されかけてしまう。

Kは、犯人は家の主、大里氏であると言った。彼は大里家の養子であるため、家の財産は彼の妻が管理していた。そのうえ大里氏は愛人がいたので、妻や娘が邪魔になり、財産を自分と愛人のものにするべく家族を殺そうとしたというのだ。

大里は容疑を否認したが、殺されかけた娘が大里に首を絞められたと言ったので、彼は連行された。

大里に愛人がいることも、彼の妻が財産を管理しているのも、周辺の刑事達は調査していた。だが調査した刑事達は、いくら彼に愛人がいたとしても、彼が妻や娘といった自分の身内を殺すはずが無いと思っていた。しかしKは「現代の日本人の行動は…金でコントロールされています…! 金のためならどんな非常識なことでも…あさましいことでもやるんです!」と冷淡に言った。

Kのロボットならではの冷淡で客観的な視点である。

しかし、Kの推理はこの後覆されてしまう。大里の娘が、クローゼットの中に潜んでいた大里そっくりに作られたロボットに殺されてしまった。本当の犯人は佐々木という男であり、彼は大里に自分の経営していた会社を乗っ取られたので、大里に復讐するべく、R・R・K・Kからロボットを借りて犯行に及んだのだ。

Kは論理的かつ正確に現場を分析して、犯人を見抜いたつもりだったが、本当の犯人は別にいて、動機も金ではなく恨みだった。

全ての人間が金で動いているわけではない。Kが人間というものを理解していないと分かる言葉であり、ロボットが複雑な「人間」という存在に翻弄されてしまった瞬間でもある。

「たしかに人間は機械よりはるかにすぐれた部分をもっている でも…弱い部分も、そしてはるかにわるい部分もたくさんあることもわかったんだ…!! ぼくは人間として生きることはやめた…!機械として、機械の誇りを持って機械らしく生きるときめたんだ!!」

R・R・K・Kにさらわれた芝の娘・奈美と由美を助けに向かう途中で、Kが自分に襲い掛かって来たR・R・K・Kの刺客と戦いながら言ったセリフである。

奈美と由美は神之孫島という無人島に連れて行かれ、Kは彼女達を助けるために、神之孫島まで急行した。Kは海中を泳いで神之孫島に向かったが、途中でR・R・K・Kの鮫型ロボットに襲われそうになる。その時Kは体に内蔵されている武器を使って対処した。

Kは人間に近づきたい一心で、今まで自分の中に内蔵されていた武器を使わずに戦っていた。しかしKは人間は完璧な存在ではなく、弱い部分も悪い部分もあるのだと分かり、人間の悪しき感情と戦うために、機械らしく生きようと決心した。

『ロボット刑事』とは、人間もロボットも違った存在であるだけでそこに優劣はなく、互いに長所と短所を見抜いて助け合わねばならないというメッセージを説いている作品だと考えられる。

芝刑事の名言・名セリフ

芝。警視庁に所属するベテラン刑事。機械嫌いで、Kのことが気に入らないが、最終的には一番の理解者となる。
頑固だが愛情深く、若手にも上層部にも人望がある。

「奈美 Kがかえってきたらな…すこしやさしいことばをかけてやってくれや」

芝刑事が家に戻った時、娘の奈美に失敗して落ち込んでいるKを励ますように言った言葉である。

大富豪の大里家に起きたロボットを使った密室殺人のトリックをKは解き明かしたが、犯人推理を誤って家の主である大里を逮捕してしまった。
彼は養子であったために財産を管理する権限がなく、彼には愛人がいたということで、自分の妻や義母を殺して、財産を自分と愛人のものにするつもりだったと思ったのだ。

大里が連行された直後、家の中に隠れていたもう一体のロボットによって大里の娘は殺されてしまう。

犯人は大里を恨んでいた別の男であったのだ。Kは無実の人間を誤認逮捕しただけでなく、殺人を防ぐことができなかった。そんなKに芝は、人間とは機械の力では完全に理解できないほど複雑なものであることを説いたが、Kは落ち込んでしまう。

芝刑事は、当初Kをはじめとする機械を嫌っていた。芝は自分の足とカン、そして人間観察眼を頼りに捜査していた自分を否定するような存在を許せないだけでなく、妻を交通事故でなくしてから、機械嫌いに拍車がかかり、当然Kに対しても悪感情しか沸かなかった。

しかし、本来は愛情深い人物であり、Kが人間らしい感情を持ったロボットとわかると、Kを気遣うようになっていった。

「…強のいうとおり…あいつは…科学捜査用の機械なんだ…!その意味では…その使い方をあやまった人間の…わしがいちばん責任をとらにゃいかんのかもしれんな」

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