人魚シリーズ（人魚の森・人魚の傷・夜叉の瞳）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『人魚シリーズ』とは、高橋留美子が1984年から『週刊少年サンデー』で不定期連載していた、人魚の肉を巡る不老不死をテーマにした漫画作品の総称、およびそれを原作としたOVA、テレビアニメ、小説、ラジオドラマ作品である。人魚の肉を食べたことにより不老不死の体になった漁師の湧太。約500年間、普通の人間に戻るための方法を探し旅をしていた彼は、人魚に育てられた少女・真魚と出会う。人魚伝説の永遠の命・若さに翻弄されていく人間の愚かさや、強欲にとらわれた人々の悲哀が描かれたシリアスな作品である。
CV：山寺宏一（テレビアニメ版、OVA版）／野口五郎（ラジオドラマ版）
物語の主人公で、年齢は500歳。500年前に漁師をしていたが、興味本位で仲間たちと人魚の肉を食べてしまい、仲間たちが苦しみながら死んでいったり、なりそこないになっていく中、湧太だけが人魚の肉に適合し、不老不死の体になってしまう。
人間の体に戻り、普通に老いて死ぬため、その方法を探す旅に出ていた。
嫁をめとり一緒に暮らしていたことがあるが、年を取らずいつまでたっても若い姿のままの湧太に恐怖心を覚える。
女だらけの村の「人魚の里」に辿り着き、真魚（まな）という人魚に育てられ、同じく人魚の肉を食べて不老不死になった少女に出会い、人魚に食べられるために殺されるところだった真魚を助け出す。
人魚に人間の体に戻る方法はないと告げられ、死ぬためには首を切り落とすしかないと言われる。
永遠に死ねない体と永遠に続く時間の中で、2人は生きることを選択し、旅を共にするようになる。
人魚の肉を食べたころの見た目から体に変化がないために、同じ場所に長居できない。人魚に槍で体を突かれても元に戻ってしまう。
真魚（まな）
CV：高山みなみ（テレビアニメ版、OVA版）／島田歌穂（ラジオドラマ版）
本作のメインヒロイン。真魚（まな）は、赤子のときに人魚にさらわれ、足枷をはめられた状態で15歳まで人魚の里で人魚に大切に育てられていた。
人魚は不老不死になった人間の肉を食べないと若さを保てないため真魚を餌として飼育していた。
人魚の肉を食べて不老不死になった人間の肉を食べると人魚は若返り、顔もその者の顔になるため、真魚は美しい娘になるまで人魚の里で育てられた。
なにも知らず出てきた人魚の肉を食べた真魚は不老不死の体になってしまうが、人魚の里に体を元に戻す方法を聞きに来ていた湧太に助け出される。
元の体に戻る方法がないため、湧太と共に永遠に続く長い旅に出る。勝ち気で強気な性格の持ち主である。さらわれても動じず、なりそこないに出された肉を食べるたくましい性格である。
15歳のときに人魚の肉を食べたので、見た目の成長が子供で止まっている。
人魚は笑わない
おばば
CV：滝沢ロコ（アニメ）／大方斐紗子（ラジオドラマ版）
人魚の里の村長格。真魚を15年間世話していた老婆。真魚に人魚の肉を食べさせ不老不死にした。真魚を村の人魚たちに食べさせて若返らせることは湧太により阻止された。正体は不老不死になった人間の1人で人魚である。
鮎（あゆ）
CV：本間ゆかり
人魚の里の中で1番長く生きたとされる人魚。真魚が15歳になった際、不老不死にさせるための生贄として里の人魚たちに殺された。
鰍（かじか）
鮎と同じ人魚の里の人魚。若い女の姿をしている。
なりそこないを殺す毒を持ち歩いている。湧太達がなりそこないに遭遇した際に、なりそこないを仕留めたが負傷する。
闘魚の里
鱗（りん）
CV：桑島法子／島田歌穂（ラジオドラマ版）
戦国時代の海賊の頭領の娘。父の代わりに頭領として船から通行料と称してほどほどの荷物を頂いていたところ、湧太に出会う。鱗たちとは敵対関係にあった海賊「逆髪衆」の頭領の女房である砂に父を刺され、怪我を治すために湧太と人魚の肉を探していた。 人魚を見つけたと同時に、逆髪衆に捕らえられてしまうが湧太に助け出される。 病気の父に人魚を食べさせるために湧太と人魚を探していた。湧太に好意を寄せていたが、俺は生きることしかできないと言われ、想いが叶うことはなかった。
砂（いさご）
CV：折笠愛／三浦真弓（ラジオドラマ版）
海賊「逆髪衆」の頭領の女房。夫を残虐非道な逆髪衆に殺され、人質になっていたが、頭領に気に入られる。頭領をたきつけて部下たちに人魚を探させている。
港で湧太と会い、湧太と漁師仲間に人魚の肉を探させていたが、全員行方不明になる。
街に鱗と弟達と買い物で来ていた湧太と再会し、湧太の手を髪飾りで刺す。
その夜に砂は湧太の傷を確かめに湧太のいる鱗の村に行く。湧太の傷が治っているのを確認した砂は、湧太が人魚の肉を隠し持っていると思い問いただすが、湧太は人魚の肉を持っていなかった。
そこで鱗の父親を切りつけ、父親を助けるために人魚の肉を探せと湧太と鱗に命じた。
正体は陸の人魚である。お腹の子の滋養のために海の人魚の肉を探している。
逆髪衆と頭領が人魚の肉を食べてなりそこないになった後、崖から身を投じ人魚の姿に戻って海に還った。
鱗の父
CV：有本欽隆
鱗の父。海賊の頭領であるが病気になっている。娘を思い湧太に鱗との結婚を申し出た。
逆髪衆の頭（さかがみしゅうのかしら）
CV：広瀬正志
海賊「逆髪衆」の頭領。襲った船は皆殺しにしたりする残虐な性格である。人魚の肉を食べ、適合したかのように思われたが、やがて毒が廻り配下の者と同じくなりそこないになった。
人魚の森
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目次 - Contents
- 『人魚シリーズ』の概要
- 『人魚シリーズ』のあらすじ・ストーリー
- 人魚は笑わない
- 闘魚の里
- 人魚の森
- 夢の終わり
- 約束の明日
- 人魚の傷
- 舎利姫
- 夜叉の瞳
- 最後の顔
- 『人魚シリーズ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 湧太（ゆうた）
- 真魚（まな）
- 人魚は笑わない
- おばば
- 鮎（あゆ）
- 鰍（かじか）
- 闘魚の里
- 鱗（りん）
- 砂（いさご）
- 鱗の父
- 逆髪衆の頭（さかがみしゅうのかしら）
- 人魚の森
- 神無木登和（かんなぎとわ）
- 神無木佐和（かんなぎ さわ）
- 椎名（しいな）
- 夢の終わり
- 大眼（おおまなこ）
- 約束の明日
- 苗（なえ）
- 英二郎（えいじろう）
- 草吉（そうきち）
- 人魚の傷
- 真人（まさと）
- 美沙（みさ）
- 雪枝（ゆきえ）
- 舎利姫
- なつめ
- おとう
- 法師（ほうし）
- 夜叉の瞳
- 鬼柳新吾（きりゅう しんご）
- 鬼柳晶子（きりゅう あきこ）
- 鬼柳未亡人（きりゅうみぼうじん）
- 杉子（すぎこ）
- 最後の顔
- 七生（ななお）
- 七生の母親
- 七生の祖母
- 七生の父親
- 『人魚シリーズ』の用語
- 人魚
- 人魚の肉
- なりそこない
- 『人魚シリーズ』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 湧太「あきるまで生きてみるってのも、悪くはねえよなあ」
- 湧太「生きることも死ぬことも一緒にしてやれなかった」
- 真魚「ずっとずっと、ずーっと探すぞ」
- 真魚「ここにいる ゆっくり眠れ」
- 真魚「湧太が生きてるんだって思ったら嬉しくって涙が出た」
- 真人「おれたちみたいのがいちいち人を好きになってちゃ、たまらねえじゃねえか…」
- 『人魚シリーズ』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- R指定表現
- 「人魚シリーズ」の呼称について
- 『人魚シリーズ』の主題歌・挿入歌
- 人魚の森（OVA）
- 挿入歌：広谷順子「時の漂白」
- ED（エンディング）：深津絵里「森を抜けて-Born to love you-」
- 人魚の傷（OVA）
- 挿入歌：新居昭乃「永遠の涙」
- ED（エンディング）：持田真樹「Beads of Tears」
- テレビアニメ『高橋留美子劇場 人魚の森』
- OP（オープニング）：石川知亜紀「Like an Angel」
- ED（エンディング）：kayoko「水たまり」