人魚シリーズ（人魚の森・人魚の傷・夜叉の瞳）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『人魚シリーズ』とは、高橋留美子が1984年から『週刊少年サンデー』で不定期連載していた、人魚の肉を巡る不老不死をテーマにした漫画作品の総称、およびそれを原作としたOVA、テレビアニメ、小説、ラジオドラマ作品である。人魚の肉を食べたことにより不老不死の体になった漁師の湧太。約500年間、普通の人間に戻るための方法を探し旅をしていた彼は、人魚に育てられた少女・真魚と出会う。人魚伝説の永遠の命・若さに翻弄されていく人間の愚かさや、強欲にとらわれた人々の悲哀が描かれたシリアスな作品である。
CV：佐久間レイ／高島雅羅（OVA版）
空襲の頃、真人によって人魚の肉を食べさせられ不老不死になった。不老不死の力が弱まっている。
最初は真人を亡くした自分の子供のように可愛がっていたが、育たない子供が怖くなり真人を捨てる。その後、資産家と結婚するが、クルーザーの事故で夫を亡くす。夫の死亡記事が載ったらしく、記事を見たらしい真人に見つかり、親子として再び暮らしていた。1人で生きていきていけない真人が自分の代わりをこれ以上作らないようするため、湧太たちに人魚の肉を狙っている敵と誤解されるほど、真人から人魚の肉を奪おうとすることに執着していた。
最後は真人によって雪枝がなりそこないになってしまい、そのなりそこないから致命傷を負い、生き返ることなく死んでしまった。
雪枝（ゆきえ）
CV：本多知恵子／井上喜久子（OVA版）
美沙の家政婦。明るく優しい性格をしており、結婚も決まり家政婦の仕事を辞めようとしていた。
しかし、美沙の代わりにしようとした真人によって、人魚の肉を食べてしまいなりそこないになってしまう。
最後は美沙に致命傷を負わせ、湧太によって倒された。
舎利姫
なつめ
CV：杉山佳寿子
江戸時代初期に湧太が出会った少女で、見世物小屋で傷を負ってもたちまち治る芸をしていた。実は白骨の状態から法師に左法（邪法）である人魚の肝を使った反魂の秘術を施されて甦った少女であり、常に生き物から生肝を摂取しないと生きられない身体であった。生前の記憶がなく、自分だけが子供のままで年々老いていくおとうを本当に実の父親なのか疑っていた。湧太に一緒に行こうと言われ、湧太に付いていこうとするが、法師に肝を取られる。
おとう
CV：北村弘一、菅原淳一（若い頃）
なつめの父親で、人間。法師の使った反魂の術を見覚え、それを利用し様々な死者を蘇らせ商いを行っていた。しかし彼の反魂の術は不完全なものであり、復活させられた者は皆、突然骨に還る。どんな姿になっても、生きているのが1番良い事だという考えを持っていて、生き返ったなつめを可愛がっていた。
なつめを大切に思っていたが、娘が湧太と共に家を出て旅に行きたがっていると知り、なつめと共に崖から落ちた。
法師（ほうし）
CV：加藤精三
幼いなつめの骨を抱いている父親を気の毒に思い、反魂の秘術を使って、人魚の肝となつめの骨で生き返らせるが、生き返ったなつめが動物や人間の肝を食べるようになったのを知り、なつめを葬ろうとする。すでにこの世のものでないなつめが成仏するのがなつめの幸せだと考えている。
夜叉の瞳
鬼柳新吾（きりゅう しんご）
湧太が日露戦争前に働いていた鬼柳家の長男。残虐なサイコパスで、殺戮のためにショットガンや斧を普段から持ち歩く。子供のころから動物への殺傷や放火を繰り返す。自分を庇ってくれる姉の晶子の結婚に反対し、晶子の婚約者を毒殺する。それをきっかけに晶子に無理心中を図り、父親に殺されたが、人魚の肉が体に適合し不死身の体になった。墓に埋葬したはずの新吾が生きて帰ってきた事により、鬼柳家の忌まわしい秘密ということで地下牢に幽閉された。
晶子によって片目が隻眼になったため、人魚の肉を食べて仮死状態になった姉の眼球を身に付けていたが、その瞳に姉の眼球を奪おうとする自分の姿が焼き付いていた。その姿を消すために晶子を殺害したが消えず、耐えられなくなったために自決した。
鬼柳晶子（きりゅう あきこ）
新吾の姉。新吾に婚約者の毒殺された。人魚の肉を使って新吾と無理心中を図るも、仮死状態となり人形のような姿になる。弟思いで、子供のころから残虐な行為を繰り返す新吾を殺そうとする父親から新吾を庇ってきた。猫を殺そうとする新吾を止めようとしたが、新吾の目を刃物で刺してしまってから、度々新吾から悪行の責任を押し付けられるようになる。
鬼柳未亡人（きりゅうみぼうじん）
鬼柳家現代の当主。過失で新吾を殺したと何回か警察に通報していたことがあり、近所から鬼柳家が幽霊屋敷と呼ばれていた。
人魚の肉を食べて仮死状態になった晶子を人形だと思い窓辺に置いていたので、新吾からしつこく晶子を譲るように要求されていた。一族から晶子や新吾についてはなにも知らされていない。
杉子（すぎこ）
鬼柳家の住み込みのお手伝いをしている老婆。子供のころ、家の地下牢に幽閉されていた新吾の逃亡を助ける。新吾に怯え、彼に従ってきたが、新吾が自殺したことを未亡人から聞かせられ正気に戻り、落ち着きを取り戻す。
最後の顔
七生（ななお）
CV：藤田淑子
真魚と湧太が川で出会った10歳の少年。母親と祖母の3人暮らし。誘拐犯から逃れてきたという彼は傷を負っていたが、母親から持たされたという粉薬を飲むとたちまち治った。湧太と出会ったとき、祖母に骨箱を持たされていた。
実は、知らないと思っていた男は七生の父親であり、彼が小さい頃に男の家から誘拐されていたことが判明した。
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目次 - Contents
- 『人魚シリーズ』の概要
- 『人魚シリーズ』のあらすじ・ストーリー
- 人魚は笑わない
- 闘魚の里
- 人魚の森
- 夢の終わり
- 約束の明日
- 人魚の傷
- 舎利姫
- 夜叉の瞳
- 最後の顔
- 『人魚シリーズ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 湧太（ゆうた）
- 真魚（まな）
- 人魚は笑わない
- おばば
- 鮎（あゆ）
- 鰍（かじか）
- 闘魚の里
- 鱗（りん）
- 砂（いさご）
- 鱗の父
- 逆髪衆の頭（さかがみしゅうのかしら）
- 人魚の森
- 神無木登和（かんなぎとわ）
- 神無木佐和（かんなぎ さわ）
- 椎名（しいな）
- 夢の終わり
- 大眼（おおまなこ）
- 約束の明日
- 苗（なえ）
- 英二郎（えいじろう）
- 草吉（そうきち）
- 人魚の傷
- 真人（まさと）
- 美沙（みさ）
- 雪枝（ゆきえ）
- 舎利姫
- なつめ
- おとう
- 法師（ほうし）
- 夜叉の瞳
- 鬼柳新吾（きりゅう しんご）
- 鬼柳晶子（きりゅう あきこ）
- 鬼柳未亡人（きりゅうみぼうじん）
- 杉子（すぎこ）
- 最後の顔
- 七生（ななお）
- 七生の母親
- 七生の祖母
- 七生の父親
- 『人魚シリーズ』の用語
- 人魚
- 人魚の肉
- なりそこない
- 『人魚シリーズ』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 湧太「あきるまで生きてみるってのも、悪くはねえよなあ」
- 湧太「生きることも死ぬことも一緒にしてやれなかった」
- 真魚「ずっとずっと、ずーっと探すぞ」
- 真魚「ここにいる ゆっくり眠れ」
- 真魚「湧太が生きてるんだって思ったら嬉しくって涙が出た」
- 真人「おれたちみたいのがいちいち人を好きになってちゃ、たまらねえじゃねえか…」
- 『人魚シリーズ』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- R指定表現
- 「人魚シリーズ」の呼称について
- 『人魚シリーズ』の主題歌・挿入歌
- 人魚の森（OVA）
- 挿入歌：広谷順子「時の漂白」
- ED（エンディング）：深津絵里「森を抜けて-Born to love you-」
- 人魚の傷（OVA）
- 挿入歌：新居昭乃「永遠の涙」
- ED（エンディング）：持田真樹「Beads of Tears」
- テレビアニメ『高橋留美子劇場 人魚の森』
- OP（オープニング）：石川知亜紀「Like an Angel」
- ED（エンディング）：kayoko「水たまり」